No.827474

九番目の熾天使・外伝 ~改~ 適当にやったら書けた短編part2

竜神丸さん

何か超デッドヒートの戦闘シーンを書きたかった。それだけ←

2016-01-29 18:54:48 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:2379   閲覧ユーザー数:834

場所は楽園(エデン)、真っ白なトレーニングルーム。

 

そこでは準備運動を済ませたokakaが、腰に今まで装着した事の無いベルトを装着した状態で、その場に立ち尽くしていた。そこに桃花のアナウンスが響き渡る。

 

≪一城様、準備はよろしいでしょうか?≫

 

「あぁ、問題ない。始めてくれ」

 

≪了解しました。トレーニングモード……開始します≫

 

アナウンスと共にトレーニングルームの景色が変化し、そこは一瞬にして荒廃した街と化す。そしてokakaの周囲に複数のデータ粒子が集まり、そこから複数の怪人達が形成されていく。

 

「キシャァァァァァァァァ…!」

 

「ハッハァ…!」

 

「フン…!」

 

ソロスパイダー、コブライマジン、バット・ドーパントの三体が、okakaの周囲を取り囲む。それでもokakaは臆さず、むしろニヤリと笑みを浮かべながら、イニシャルで『R』と描かれているメモリのような形状の鍵―――トライドロンキーを懐から取り出した。

 

『一城、本当に良いのかね? 一人だけで』

 

「せっかく必要なデータが集まったんだ。緊急時のライダーシステムとしてどれだけ行けるかか、今の内に試しておきたいのさ」

 

『ドライブの戦闘データが蓄積されたトライドロンキー、チェイスに関連する戦士の戦闘データ、そしてマッハドライバー炎に搭載された拡張機能だね……それらが全て集まる事で、例の仮面ライダーが完成する訳だね』

 

「その通り……んじゃま、いっちょ行きますかね」

 

okakaは装着しているベルト―――マッハドライバー(ほのお)のバックルのパネルを上げて開き、トライドロンキーを開いたパネルの中に装填。右手でパネルを閉じた後、右手拳を顔の前で強く握り締め…

 

≪シグナルバイク・シフトカー!≫

 

「…変身!!」

 

≪ライダー! 超デッドヒート!≫

 

右手拳を強く払う。その瞬間、okakaの全身に複数のパーツが纏われ変身が完了された。

 

右側が赤くて左側が黒く、左側は機械パーツが露出している仮面。所々に赤いパーツや白いパイプのようなパーツが存在した、ツギハギだらけの黒いボディ。

 

「ふぅぅぅぅぅぅぅぅぅ…!!」

 

ドライブの世界で誕生した奇跡の戦士―――仮面ライダー(ちょう)デッドヒートドライブは全身から勢い良く熱気を噴き出しつつ、目の前の怪人達と対峙する。変身完了が戦闘開始の合図なのか、怪人達は両手から一斉にエネルギー弾を放射する。

 

「「「シャアッ!!」」」

 

「ッ…おぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!」

 

「ガァアッ!?」

 

超デッドヒートドライブが両手でエネルギー弾を弾き飛ばし、周囲に飛んで次々と爆発が発生する。爆炎が燃え上がる中、超デッドヒートドライブはその場から駆け出して怪人達に突撃していき、飛びかかって来たバット・ドーパントを殴り倒す。

 

「うらぁ!!」

 

「シャアッ!?」

 

「グゥ!?」

 

「シャアッ!!」

 

続いてソロスパイダーの攻撃を捌いてから蹴り飛ばし、更にコブライマジンが振り下ろして来た長剣を左腕で防御してから右手で叩き落とし、コブライマジンの腹部にパンチを叩き込んで返り討ちにする。そこへバット・ドーパントが翼を生やして飛びかかり、超デッドヒートドライブを捕まえて上空に連行しようとする。

 

「おっと、そうはさせねぇよ」

 

≪超デッドヒート!≫

 

「!? キシャァァァァァァァァッ!?」

 

しかしそれすらも想定済みだった超デッドヒートドライブは、マッハドライバー炎の上部にあるスイッチを連続で叩き、全身から熱気を放ちながらバット・ドーパントの顔面を殴りつけて拘束から解放され、そのまま地上へと落ちていく。

 

「そろそろご退場願おうか」

 

≪ヒッサツ・フルスロットル! 超デッドヒート!≫

 

超デッドヒートドライブはマッハドライバー炎のパネルを上げ、スイッチを押してから再びパネルを閉じる。すると先程以上に熱気が上昇し、超デッドヒートドライブは落下しながら右手拳を握り締め…

 

「でりゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」

 

「グ…ガァァァァァァァァァァァァァァァァァァァッ!!?」

 

地上で迎撃しようとしていたコブライマジンに向かって、ライダーパンチを発動。落下する勢いもあってか、突き立てた長剣をへし折る勢いでライダーパンチがコブライマジンの顔面に炸裂し、そのまま地面に殴り倒された状態で爆散した。

 

「まずは一匹…」

 

≪ヒッサツ・フルスロットル! 超デッドヒート!≫

 

まずは一体目を撃破した後、そこから再び同じ手順で必殺技の準備を完了。全身から熱気を放ったまま空中に高く跳躍し、ソロスパイダーに向かって右足を突き出す。

 

「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」

 

「ギシャァァァァァァァァァァァァァァッ!!?」

 

繰り出したライダーキックがソロスパイダーの胸部に炸裂し、ソロスパイダーも呆気なく爆散。爆風を背に着地した超デッドヒートドライブだったが、そこにバット・ドーパントが両手の爪で容赦なく攻撃を仕掛ける。

 

「シャッ!!」

 

「ッ……後はお前だけだな!!」

 

「ガァ!?」

 

超デッドヒートドライブはバット・ドーパントを蹴り飛ばし、再び必殺技を発動しようとする。その時…

 

「少し待った!」

 

「んぁ?」

 

突然聞こえて来た声に、超デッドヒートドライブはその場に立ち止まる。そんな彼の目の前に、高く跳躍して来たキーラが華麗に着地してみせた。

 

「あり、キーラさん?」

 

「すまない、okaka殿。私も少しばかり、コイツの試運転がしたいのでな」

 

「…お? キーラさん、それって確か…」

 

超デッドヒートドライブはキーラが右手に持っている物に気付き、興味深そうな声を上げる。そんな中、キーラは右手に構えていた青い拳銃型ツール―――ブルースガンナーの銃口を左掌に押しつける。

 

「あぁ……アルが私の為に、開発してくれた代物だ」

 

≪BREAK UP≫

 

低い音声と共に複数のパーツが出現し、キーラの全身に纏われて変身が完了される。

 

超デッドヒートドライブに酷似し、青いパーツや白いパイプのようなパーツが付いた黒いボディ。魚のヒレのような装飾が付き、右目が眼帯のようなパーツで隠れた銀色の仮面。

 

「魔深フィッシャー……参る」

 

魔進チェイサーに酷似した海の戦士―――魔深(マシン)フィッシャーはブルースガンナーの銃口を再び左掌に押しつけた後、その銃口をバット・ドーパントに向けて発砲する。

 

≪GUN≫

 

「グガガガガガ!?」

 

銃撃が連続で命中し、その衝撃でバット・ドーパントが転倒する。そこへ魔深フィッシャーが駆け出し、またもブルースガンナーの銃口を左掌に押しつける。

 

≪BREAK≫

 

「ふっ!!」

 

「ギッ!? ガッ!? ゴァアッ!?」

 

魔深フィッシャーはバット・ドーパントの首を掴み、ブルースガンナーで何度もその顔面を殴りつける。そこからバット・ドーパントを薙ぎ倒し、右足で容赦なく蹴り転がす。

 

「うわぉ、キーラさん結構ダーティなのな…」

 

超デッドヒートドライブが仮面の下で苦笑いしているのも露知らず、魔深フィッシャーはカジキのような形状をした銀色のミニカー―――ソードバイラルコアをブルースガンナーに装填する。

 

≪TUNE FISHER SWORD≫

 

低い音声が鳴った後、カジキのような形状をした武器―――スティングフルーレが召喚され、魔深フィッシャーの右腕に装備される。

 

「はぁっ!!」

 

「ギシャアッ!?」

 

翼を広げて上空に飛ぼうとしたバット・ドーパントを、魔深フィッシャーは右腕のスティングフルーレで勢い良く斬りつけ、バット・ドーパントを地面に叩き落とす。重なるダメージで弱ってきたバット・ドーパントを前に、魔深フィッシャーがブルースガンナーの銃口を左掌に押しつける。

 

「終わりにしよう」

 

≪EXECUTION FULLBREAK SWORD≫

 

音声と共に、スティングフルーレにエネルギーが充填されていく。そうはさせまいと、バット・ドーパントは魔深フィッシャー目掛けて素早く飛びかかり…

 

「―――せやぁっ!!!」

 

「!? ギ、ガ、ガ……ガギャァァァァァァァァァァァァァァァァァァッ!!?」

 

突き出されたスティングフルーレが、バット・ドーパントの腹部を貫いた。バット・ドーパントは断末魔を上げながら爆発し、跡形も無く消滅。それを確認した魔深フィッシャーはスティングフルーレを解除し、超デッドヒートドライブがいる方へと振り返る。

 

「うっはぁ、また凄いの作って貰いましたね」

 

「あぁ。私も最高の気分だよ」

 

「…あのぉ、何で俺の方に歩いて来てるんですかねぇ?」

 

「ん~? それはもちろん…」

 

テクテク歩いて来る魔深フィッシャーに、超デッドヒートドライブは悪寒がしたのか思わず後ずさる。魔深フィッシャーは仮面の下でニコニコ笑みを浮かべながら、ブルースガンナーの銃口を向け…

 

「お前とも手合わせがしたいからだ♪」

 

「予想通りだったよ畜生!?」

 

超デッドヒートドライブ目掛けて、迷わず発砲してみせた。悪い予感が当たった超デッドヒートドライブはすんでのところで銃撃を回避し、突っ込んで来た魔深フィッシャーのブルースガンナーによる打撃を両腕で防御し、互いに掴み合った状態で踏み留まった。

 

「せっかくアルが作ってくれたシステムだからな。試運転には、やはりお前ほどの強い相手が一番だ」

 

「せめてプロトディケイドの時に言って欲しかったですよそれ……のわぁっ!?」

 

掴み合いの状態からブルースガンナーを発砲され、超デッドヒートドライブは頭を傾けて回避。その隙を突いた魔深フィッシャーが超デッドヒートドライブの腹部にパンチを叩き込み、更に足を引っ掛けて地面に転倒させてから踏みつけようとする。

 

「くっ!!」

 

「さぁ、避けてみせろ」

 

「ぬぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!?」

 

もちろん、超デッドヒートドライブはそれを転がって回避するものの、魔深フィッシャーはそんな彼に対して躊躇なくブルースガンナーを連射。超デッドヒートドライブは地面を転がりながら銃撃をかわし続ける。

 

「えぇい、くそったれ!!」

 

≪超デッドヒート!≫

 

「!? む…」

 

このままではマズいと判断した超デッドヒートドライブはマッハドライバー炎のスイッチを叩き、熱気を纏った拳で地面を殴りつける。そうする事で地面が砕かれて土煙が舞い上がり、それによって魔深フィッシャーの視界が遮られて彼女の動きが制止する。

 

≪ヒッサツ・フルスロットル!≫

 

「ッ!!」

 

≪EXECUTION FULLBREAK≫

 

土煙の中から聞こえて来た音声を聞いて、魔深フィッシャーはブルースガンナーの銃口を左掌に三回連続で押しつけた後、その場で高く跳躍。土煙から飛び出した超デッドヒートドライブも高く跳躍し、互いに空中で右足を突き出した体勢になる。

 

≪超デッドヒート!≫

 

≪FISHER≫

 

「「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」」

 

両者のライダーキックが空中で激突し、空中で大爆発が起こる。そして爆風が晴れた後、立っていたのは―――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…ふぅ♪」

 

「げふ……さ、流石にこの姿じゃ無理があったか…」

 

≪オツカーレ≫

 

―――魔深フィッシャーだった。彼女が満足そうにしている中、敗れた超デッドヒートドライブは大の字になって地面に寝転がった後、変身が解けてokakaの姿に戻り、魔深フィッシャーも変身を解いてキーラの姿に戻ってから寝転がっているokakaに手を差し伸べる。

 

「済まなかったな、無理に付き合わせてしまって」

 

「あぁ、いや、それは別に良いんだが……キーラさん、結構攻め方がエグいですね」

 

「む、そうか? 私は普通に戦ってるつもりだったのだが」

 

キョトンとした表情を浮かべている辺り、キーラにはその自覚は無いようだ。okakaはそんな彼女の表情に苦笑しつつも、ひとまずは彼女が差し伸べてきた手を掴み、フラフラながらも何とか立ち上がるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その日の深夜、海鳴市の街にて…

 

 

 

 

 

「ここが、我々の支配するべき世界…」

 

紫色のライダースーツを身に纏った黒髪の女性が、ビルの屋上から街を見下ろしていた。彼女が振り返った先には二つの眼魔眼魂が浮遊しており、

 

女性は右手に持っていた青竜刀と左手に持っていた帽子を放り投げ、それらと融合した眼魔眼魂がそれぞれ青竜刀眼魔とマシンガン眼魔に変化した後、女性の前で礼儀正しく跪く。

 

「英雄の眼魂を探しなさい。我々の悲願を成就する為に…」

 

「「了解しました、ジャニス様」」

 

二体の眼魔達はその場から立ち上がり、街中へと跳躍しながら去っていく。女性―――ジャニスはそれを見届けた後にビルから飛び降り、路地裏に着地してみせる。

 

「誰にも、我々の邪魔はさせない…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして別の場所でも…

 

 

 

 

 

 

 

「―――お、また何処かに出て来たな?」

 

一人の青年が、眼魔の出現を察知していたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

END

 


 
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