【霊夢】「先ずは仲間探しよね。」

魔理沙を引き連れててくてくと歩く。

【魔理沙】「誰を仲間にするんだよ。」

【霊夢】「アリス…、くらいしか思い付かないわ。」

【魔理沙】「同じく。」

てくてく歩いていく。

何かを蹴った。

…んっ？人形？

足元で転がっている人形を拾い上げる。

【魔理沙】「あれ？これ、アリスの上海人形じゃ…。」

横から覗き込んで魔理沙が言う。

【霊夢】「うん。でもなんで上海人形が？」

【魔理沙】「うーん…。アリスに直接聞きに行こうぜ。」

【霊夢】「…そうね。」

なんでだろ？この上海人形なぜか温かいんだけど…。

でもまぁ、アリスに聞けばわかるわよね。

＜カカッと数十分後＞

森の中、私達は苦労の末にアリスを見つけた。

何故、こんなにも苦労したのか？

それはアリスが家に居なくて、このクソ広い森の中探し回ったからよ。

【魔理沙】「おーいアリスー！何してんだよ！」

【アリス】「？」

【霊夢】「探したわよ。なにしてたわけ？」

【アリス】「？」

声を掛けても首を傾げる。

なんか、いつものアリスと違うわ。

【霊夢】「ちょっとアンタ、聞いてんの!?」

【魔理沙】「聞こえてんなら返事くらいしろよ。」

【アリス】「シャンハーイ！」

【霊夢＆魔理沙】「！！」

返事はした。

でも…

【霊夢】「シャンハーイ？なに言ってんのよアンタ。」

返事がオカシイ。

【？】「違う、あれは上海人形よ！」

持ってきた上海人形から声がする。

【霊夢】「んっ？アンタ、自立式の上海人形なの？」

【上海人形】「違うわよ。私がアリスで私が上海なの。」

【魔理沙】「ちょっと訳分かんないぜ。」

魔理沙が首を傾げる。

【霊夢】「ようは、上海人形とアンタが入れ代わったんでしょ？」

【上海人形（アリス）】「そう。そういうことよ。」

「はぁ」とため息をひとつついて上海人形を地面に降ろす。

【霊夢】「まず、説明してくれない？何故こうなったか…。」

【上海人形（アリス）】「あれは確か７時位だったはず。私は華を摘みに出掛けていたの…。」

＜７時・森の中＞

アリスが上海人形を連れて何かをさがしている。

【アリス】「うーん。綺麗な華、咲いてないわね…。」

歩き回って疲れたアリスはペタンと倒れている木に腰掛けた。

【アリス】「魔理沙に綺麗な華あげようと思ったのにな…。」

「はぁ」とため息をつく。

おかしいわ。昨日まであんなに咲いていたのに。

今日は一輪も咲いてないなんて…。

【？】「……。」

【アリス】「？」

背後から気配を感じる。

誰？

アリスは上海人形で背後にいるものを攻撃した。

【？】「全く。全然ダメね。」

背後にいたかと思うと、いきなり目の前に現れた。

は、早い!?一瞬で…。

【アリス】「貴方だれ…。」

黒いローブを纏い、顔がよく見えない。

【？】「内緒よ。それより面白い事してあげるわ。」

【アリス】「おもしろい、こと？」

相手の身体から光が発せられアリスは気絶した。

＜んで現在＞

【上海人形（アリス）】「で気付くとこの状況になっていたの。」

【霊夢】「その黒いローブの人が気になるわね。」

【魔理沙】「誰なんだろな？」

魔理沙が首を傾げる。

うーん。こんな事を考えるのは大体…

【霊夢】「力的にも、考え的にもこんな馬鹿な事やるのはあのメイド長なんじゃない？」

【上海人形（アリス）】「じゃあ、瞬時に目の前に現れたのはあの“メイド長の能力”ってことね。」

【霊夢】「多分そうよ。調度私達も用事があるから、アリスも紅魔館に行きましょうよ。」

【魔理沙】「元々アリスを誘いにきたんだけどな。」

霊夢は上海人形を、魔理沙はアリス（上海人形）を連れて紅魔館へ向かった。

＜飛行中キラッ☆彡＞

【アリス（上海人形）】「シャンハーイ！」

【魔理沙】「ちょ、おま。暴れるな！箒から落ちるって。

お、おい、やめろ…。片方だけに体重かけるなぁ！バランス悪いだろーが！」

【上海人形（アリス）】「魔理沙ー。私の身体に傷付けないでねー。」

【魔理沙】「無傷で返す自信がないぜ。…っておい、あ・ば・れ・る・なー！」

【アリス（上海人形）】「シャンハーイ！」