No.804651

摘みたて!キュアベリー母娘誕生!!

 フレッシュプリキュア!マイストーリー第2話をお送りします。
 このストーリーで、キュアベリーとキュアベリーマザーが誕生します。このストーリーは、蒼乃家の人々が最主人公になります。まだ暗い早朝のジョギングから始まり温水プールでのパトルで終了します。それでは、蒼乃家の物語を是非、ご堪能ください。

2015-09-27 15:08:59 投稿 / 全16ページ    総閲覧数:767   閲覧ユーザー数:767

 キュアピーチ母娘が誕生してから翌日、日曜日の朝、4時30分

 

 美希は、まだ日が昇らない暗闇の中、定番のルートでジョギングをしております。定番のルートとは、下記の通りです。

 

 自宅(四葉2丁目)→大門→新高島平駅→新早瀬橋→荒川堤防→舟渡大橋→蓮根→西台→赤塚公園→自宅

 

 5時40分、蓮根2丁目にある豆腐店

 

 「おはよう、美希ちゃん。毎日頑張ってるね。」

 「うん、お早うございます。」

 「おお~っ、気をつけてな。」

 「はい。」

 

 十数分後、赤塚公園

 

 美希は走るのを止め、屈伸運動をしている。

 「はーーっ、はあーーーーっ。」

 

 6時20分 蒼乃家

 

 美希は帰宅した。もちろん、店は開いていない。

 

 浴室

 

 美希は入浴し、シャワーで洗体を行なっている。

 

 7時、ダイニング

 

 美希は朝食を食べている。

 「あーーーん。」

 「サクッ、ングングングング。」

 「バタン。」

 「おはよう。」

 「おはよう。」

 「うわあ~~~、あっ。」

 「ガチャッ。」

 「朝からそんなに食べたら太るわよ。」

 「もう、分かってないな、ママ。朝はしっかり食べて昼、夜は少なめに。それが、健康にもダイエットにも一番良いんだから。」

 「ふ~~~ん。あっ、あたしのは。」

 「ない。アグッ、サクッ。」

 

 7時30分、美希の部屋

 

 美希はおめかしをしている。

 「フフンフーーーン。よっし。」

 立ち上がって

 「あたし完璧。」

 

 7時40分、桃園家ラブの部屋

 

ラブはタルトに起された。

 「ラブはん、早よう起きなはれ。」

 「何よ、まだ眠いのに。何よ、改まって。」

 「あんさんがプリキュアに就任したさかい、わいとシフォンはんがスウィーツ王国からこの日本国へ派遣されたホンマの理由を聞いておくれやす。」

 「昨日、インフィニティが反応したと聞いてるけど。」

 「今回は、管理国家ラビリンスについて詳しい説明をしまっせ。」

 「ラビリンスって、あのクソババア(イース)がメンバーだったよね。」

 「国家元首はメビウス。官房長官はクライン。財務相はノーザ。これら3人が中心となって、世界征服を企んでいまんねん。」

 「この国って、最近『デボデン』なる長距離弾道ミサイルの打ち上げや核爆弾の開発などを行っている、先軍政治の悪政管理国家と聞いてるわ。」

 「報道などでよう聞いてまんなあ。ほな、次進みまっせ。」

 「うん。」

 「この国の一番の狙いは個人情報やねん。世界中の住民基本台帳をはじめ、民間が作った顧客名簿などを集めて記載している人々を支配し、管理しようとしてるねん。」

 「こ、個人情報。」

 「そやねん。」

 「膨大な量よ。整理するのは大変ね。」

 「だから、我が国スウィーツ王国のインフィニティが狙われるねん。」

 「そう言うこと。ところで、インフィニティって何なの。巨大容量のメモリー。」

 「そやねん。インフィニティは、∞TB(無限大テラバイト)のUSBメモリーやねん。」

 「なるほど。これなら、狙われる理由が分かるわ。現在、市販されているUSBメモリーなんて2GB~16GBぐらいしかないのよ。データ収集に用いたとしてもたくさんのメモリーを必要として整理しないとどのメモリーなのか分からなくなるわ。それに比べ、∞TBのインフィニティなら、1つにまとめることができるワケだ。」

 「よう理解したねん。あらゆるデータがこの1つのUSBメモリーにまとめられたら、ひとたまりないねん。もう、ラビリンスは動き出してまっせ。」

 「じゃあ、ラビリンスの軍隊はパラレルワールド中侵攻しようとしているの。」

 「その通りやねん。まだ、スパイを送り込んでる段階でっけど。」

 「スパイね。じゃあ、情報収集に失敗したら戦争になるって言うこと。」

 「そやねん。一部、ガードの固い国との戦争が起こっているねん。」

 「そうかあ。ところで、日本国はどうなるの。」

 「あのスパイの1人、イースなるオバサンが怪物を繰り出したと言うことは、個人情報保護法もあるから、戦争へ突入しようと言うの。」

 「その傾向に向かっているねん。だからスウィーツ王国は、怪物を討伐する特殊部隊『プリキュア隊』の結成を決意したんねん。」

 「そう、あのイースって怪物を繰り出す能力があるらしいけど、狙いは大量の個人情報が扱っている我が国の首都『東京』なの。」

 「ヘエ。その通りや。」

 「確かに、一極集中で国家機密をはじめとした重要情報が集中しているからね。ラビリンスの一番の狙いは首都壊滅ね。どうやら、私たちの使命が見えて来たね。首都を守り、大侵攻を阻止することね。」

 「ヘエ。」

 「ねえタルト、ラビリンスから日本へ向けて他にスパイが何人来ているの。」

 「ナノ研究所からの情報ではイースの他、2人の男性幹部が来ておりまっせ。」

 「誰それ。」

 「1人はサウラー中将、もう1人はウェスター少尉や。」

 「サウラーは中将、相当格高の幹部ね。それにしても、ウェスターは少尉、こんなに格下なのはなぜ。」

 「最近、出世したばかりやねん。これでも怪物は繰り出せまっせ。」

 「もしかして、筋肉モリモリの男。」

 「よう分かりましたねん。」

 「言っておくけど、プリキュアは女性、男同士のようなワケには行かないのではないの。」

 「何や、サウラー、ウェスター怖くないんかい。」

 「男は欲望の堪え切れない生き物よ。」

 「ラブは、タルトの付いているモノを強く握った。」

 「ギューーーッ。」

 「イテテ。何しまんねん。」

 「ほら、タルトは雄でしょ。人間の男性に付いているものが弱点になるのよ。それに、雌のフェレットを見て何も反応しない。」

 「ギクッ。」

 「ほら、そうでしょ。タルト、彼女いる。」

 「キュアキュア。」

 「シフォンちゃん、何か言ってるわ。彼女いるでしょ。」

 「すんまへん、アズキーナって言う婚約者がいまんねん。」

 「やっぱり。話を続けるわ。確か、お母さんが言っていたわ。伝説のプリキュアは、悪い男たちを『テンプテーション』でキリキリ舞いをしたことを。」

 「ヘエ、そんな技あるんかい。」

 「あるわよ。」

 「知らへんかった。」

 「タルトはフェレットだから知らないのよ。まっ、男はプリキュア隊に勝てないと言うこと。弱点を必ず抱え、性欲を堪え切れないから。無理な接近戦をしなければ、十分勝ち目はあるわよ。」

 「ヘエ。」

 「言っとくけど、男と女の関係は戦う関係じゃないわ。愛し合う関係よ。分かったわね。」

 「ヘエ。」

「ところで、リンクルンについて聞きたいけど。」

 「リンクルンでっか。」

 「デコメとかキャラ電できるの。」

 「もちろん、できまっせ。他にもいろんなことができまっせ。詳しくは、ショコラはんに聞いておくれやす。」

 「分かったわ。早速、ミキタンとブッキーにメールしよっと。」

 逆にタルトに教えあげたラブであった。その後、例の如く洗面と朝食準備に入った。

 「やっぱ、サウラーとウェスター役立たずやろか。」

 

 占いの館

 

 「トコトコトコトコトコトコトコトコ、パンッ。」

 「プリキュア。奴さえ邪魔しなければ。」

 「フン。でも、僅かでも不幸のゲージが上がったんだ。良かったんじゃない。」

 「ケッ。」

 「後は俺達に任せるのだな。」

 「ウェスター、何か作戦があるの。」

 「イース、僕たちは次なるプリキュア候補に探りを入れようと考えている。」

 「候補を見つけて始末するの。」

 「ああ~っ。確定すれば。俺の自慢の拳でな。」

 「そう言うこと。明日、本国へ戻って申請手続きに入る。」

 「どうぞ。」

 

 翌日、ラビリンス首都ピョンピョン内総統官邸内謁見の間

 

 「そうか、プリキュア隊が誕生してしまったか。」

 「ハッ。現在、キュアピーチ母娘2人確認しました。」

 「ご苦労だった。今日は休め。下がってよいぞ。」

 「ハッ。」

 イースは謁見の間から去った。

 

 スウィーツ王国 首都アラモード内ナノ研究所

 

 「何、レイカって子がラビリンスのスパイ、イース中将を攻撃したって。」

 「本当に驚きじゃよ。新たな追加メンバー、あのダンスユニット『トリニティ』の3人から選ぶしかあるまい。」

 「パルミエ王国からも情報が届いております。レイカを当国公認の新しいプリキュアにしたいと希望しております。」

 「早々に来たか。わしの孫から聞いておるが、王子『ナッツ』が追っかけをやっているからのう。」

 「やはりダンサーは、アスリート並の身体能力があるから就任にはふさわしいのではないかな。」

 

 ラビリンス総統官邸内謁見の間

 

 「来たか。」

 「ハッ。」

 「黒いおっさん、今度は何だい。」

 「バカモン。相変わらず口が悪いな。」

 「ウェスター、君は黙っておれ。」

 「何々、そうか。考えたものだな。」

 「ハッ。」

 「いいか、指令を言うぞ。」

 「ハッ。」

 「再び、日本国へ行き、次のプリキュア候補を見つけ始末せよ。」

 「ハッ。」

 これで、見つかるでしょうか。

 「いいんですか、ヒントを教えなくて。」

 「アッ。24年前のことを忘れてしまった。まあいい。彼らの捜査能力を試そうではないか。」

 後に2人は途方に暮れることになります。

 

 4日後、桃園家ラブの部屋

 

 ラブは朝食を食べ終え、部屋に戻った。

 「ああ、何か来ないかなあ。」

 すると、ラブのリンクルンに着信が入った。

 「もしもし、マネージャー。」

 「ラブちゃんおはよう。ミユキから話を聞いたわ。ダンス習いたいって。」

 「そうです。」

 「今度の日曜日、朝はどうかしら。」

 「ハイ。」

 「分かったわ。ミユキに知らせておくから必ず来てよ。それと、ジャージ着て、汗拭きタオルを必ず用意して。」

 「ハイ、分かりました。」

 「切るよ。」

 通話を切られた。

 「やったあ。ミユキさんから指導を受ける何て楽しみ。」

 

 回想編 板橋区立文化会館内ミユキのいる楽屋

 

 「ねえ、ラブちゃんもダンスするの。」

 「と、とんでもない。あんな風に踊れたらいいなあ~って。いつも、ミユキさんのダンスを見てただけです。」

 「踊れるよ。」

 「ヘッ。」

 「あたしが教えてあげる。そしたら、すぐに上手くなるよ。」

 「ヘェーーッ、マジですか。お、お願いします。キャハ。やったあ!キャハハハハハハハ。」

 「助けてくれたお礼よ。後日、マネージャーから連絡を入れるからね。」

 「はい。」

 

 現世に戻って

 

 「そうでっか、ラブはん。」

 「そうよ。そうだ。ミキタンにメールで知らせよう。」

 「他にもいまへんか。」

 「ブッキーね。でも、不安だなあ。」

 「何でやねん。」

 「あの子、獣医目指しているから、学問に支障をきたすかな。」

 「そんな懸念があるんでっか。」

 「そう。ブッキーには直接、話してみるわ。」

 

 蒼乃家美希の部屋

 

 「ブーーーッブーーーッ。(マナーモードに入っている。)」

 「ん。あっ、メール。」

 美希は携帯を出し開いた。

 「ラブから。ダンスユニット『トリニティ』のミユキさんがダンスを教えてくれる。ウウ~ッ。トリニティって、あのトリニティ。何で、ラブが知り合いなの。」

 

  

 翌日、ラビリンス総統官邸内謁見の間

 

 「イースを呼べ。」

 「ハッ。」

 しばらくして

 「メビウス様、今度の指令は。」

 「次なる襲撃へ向かうように。サウラーとウェスター当てにならん。」

 「ハッ。」

 イースは謁見の間から去った。

 「メビウス様、また忘れていますよ。」

 「そうか。24年前、このワシを倒したのは誰だっけ。」

 

 四ツ葉町 蒼乃家

 

 「最近、和希が学内だけでなく外でも2人の社会人男性にいじめられてるらしいの。」

 「学内だけでなく外でも。」

 「産まれつき欠陥のある子で本当に世話がやけるわ。男のくせに男同士で全然付き合いをしないんだから。」

 「パパはいないの。」

 「最近、パパも俳優として人気が出て来たから、家でいつも1人ぼっちでここへ遊びに来るのよ。」

 「本当に迷惑よ。一緒に歩いただけで大騒ぎになるから。」

 和希とは、都立徳丸高校へ通うレミの息子である。美人の母と姉がいるために男同士で友達付き合いをしないことが原因で、小学生の頃かから絶えずイジメに遭っているのが現状です。2月現在はまだ中学3年生で赤塚第一中学校へ通っています。名前は一条和希で、一条姓は、レミの離婚前の姓である。離婚後に旧姓だった『蒼乃』に戻っています。

 「例の3人衆にも言ってあるけど、男同士の付き合いと友情について。」

 「あの例の愛人ね。」

 「コラッ。」

 例の3人衆とは、陸上自衛隊練馬駐屯地に所属する自衛官の男の1人と、レミが水泳指導を依頼している水泳コーチ及び板橋区民センター温水プール(ストーリー名)専属の監視員の3人である。

 

 桃園家ラブの部屋

 

 「来たわ。新しいジャージよ。明日はこれを着てダンスレッスンを受けるわ。楽しみ楽しみ。」

 「ラブはんお休み。」

 「お休み。」

 

 翌朝

 

 「ラブはん、ラブはん、早よう起きなはれ。」

 「ふわぁ~。」

 「時計見なはれ。」

 「ゲッ、もうこんな時間。」

 「何やってんねん。」

 「ラブは、ジャージに真っ先に着替えタオルをバックに入れ出発しようとしていた。」

 「髪も結った。」

 「行って来まーす。」

 「ラブ、朝食は。」

 「そんなヒマない。」

 「まあっ。」

 ラブは朝食を食べずに出かけた。

 「ラブはどうした。」

 「今日は、ミユキさんからダンスを受講するんだって。」

 「そうか。」

 「今日は初日だって。」

 「それから、午後、美希ちゃんからお誘いがあって。水泳も受講するんだって。」

 「そうか。習い事が2つも増えたなあ。」

 

 蒼乃家の周囲

 

 「プリキュア候補と思われる人物をやっと特定できたぞ。」

 「こんな美女の家系とは驚いたぜ。」

 「おい、まだプリキュアとは決まったワケじゃないぜ。うかつに手を出すと、こちらでスパイ活動できなくなるぞ。」

 「仕方ないなあ、フンガー。」

 「また、フランケンシュタインのまねかよ。」

 

 蒼乃家店内

 

 「いらっしゃいませ。」

 「あら和希、また股間膨らませに来たの。」

 「そうじゃないやい。姉貴に用があるんだ。」

 「和希、なぜ、男同士で遊ばないの。」

 和希は、レミの声を無視して姉の部屋へ向かった。姉とは、ミキタンこと蒼乃美希であった。

 

 蒼乃家周囲

 

 「全くの甘ちゃん坊主だ。」

 「オイ、またいたぶってやろうぜ。」

 「そうだな。男同士の付き合いを知らない男なんて。」

 「ヒョロヒョロ坊主なんて、俺の拳一発でお陀仏さ。」

 「ウェスター、早まったことはするなよ。」

 

 蒼乃家店内

 

 「コンコンコン。」

 「ハーーーイ。」

 「か、和希。」

 「姉貴。」

 

 赤塚公園レッスン会場

 

 「遅いわね、ラブちゃん。」

 「ミユキさーーーん。」

 すると血相を書いて走って向かって来るラブはいた。

 「ラブちゃん、こっち。」

 「ハアハアハアハアー。」

 「まあ、この時点でバテバテね。」

 「ハアハアハアハア。」

 「ミユキさんおはようございます。」

 「まあ、どうしたの。朝寝坊なんかして。朝食食べてこなかったでしょ。お母さんからたった今連絡があったわ。」

 「すいません。」

 「カオルちゃん、例のドーナツ持って来てあげて。」

 「ヘイ。」

 

 蒼乃家美希の部屋

 

 「和希、男なら、男同士で遊ばなければダメ。」

 「いやだ。」

 「何のためにパパ(離婚した元旦那)ところへ行ったのかしら。」

 「でも毎日、学校でいじめられるのだよ。」

 「産まれつき病弱でひ弱だからね。」

 

 赤塚公園内レッスン会場

 

 「お嬢ちゃん、お待ちでい。」

 「ちょっと変わったドーナツね。」

 「お嬢ちゃんのためにとっておきのドーナツを作ったんでい。それと、特製ジュースも用意したんでい。これを食べて飲んで元気を出すんでい。」

 「ありがとう、カオルちゃん。」

 「オイラ車へ戻るでい。後で、トレーと皿返しに来るんでい。」

 「ハイ。」

 カオルちゃんは移動販売車へ戻った。ラブは朝食を食べ始めた。

 

 蒼乃家美希の部屋

 

 「ママ。」

 「入るわよ。」

 「和希、ここへ来たからには用意してあるわね。」

 「うん、用意したよ。」

 「午後から温水プールへ行くわよ。ラブちゃんも来る予定だし、コーチのスケジュールに合わせて予約したからね。」

 「それで和希が来たの。」

 「そうよ。だけど、来るのが早過ぎるね。」

 「そうよ。和希は直接温水プールへ行っていいのに。」

 「いやだ。」

 「全く。」

 「世話が焼けるね。」

 

 蒼乃家周囲

 

 「オイ、温水プールへ行くって決まったぜ。」

 「ならば、占いの館へ向かって早速準備して先回りしよう。」

 サウラーとウェスターはワープして去った。

 

 赤塚公園内レッスン会場

 

 「食べ終えたようね。まず、最初の準備運動として、カオルちゃんの移動販売車までトレーと皿を返還しに行って。もちろん、往復走ってよ。」

 「エエッ、また走るの。」

 「グズグズしない。さっさと行く。」

 「ハイ。」

 

 赤塚公園内南の森占いの館

 

 「何、温水プールへ行くって。勝手にしな。」

 「イースはどこへ行くのか。」

 「もちろん、ラブの後を付けるだけさ。それと、温水プールへ行くなら、日本人に成り済ましな。」

 「はい。では、スイッチ・オーバー。」

 「ボッ。」

 「名前決めたか。」

 「僕は南瞬。」

 「俺西隼人。」

 「瞬に隼人か。覚えておくわ。」

 

 赤塚公園レッスン会場

 

 「ハアハアハアハア。」

 「どうやら返してきたようだね。それではダンスレッスン始めるわよ。」

 「ハイ。」

 「まず、リラックスダンスね。ステップとスクワットを組み合わせたダンスよ。」

 こうして、ミユキとラブの1対1のレッスンが始まった。すると、例のあの女が姿を現した。東せつなである。

 「フフフ。あの女いるわね。ミユキもいるわね。」

 せつなは当初、2人目の候補はミユキだと思っていた。

 

 数時間後

 

 「そろそろお昼ね。今回はここまで。」

 「ハイ。」

 「お疲れ様。お昼ファミレスで食べない。今日はおごるわ。」

 「ハイ。」

 ミユキとラブは、近くのファミレスへ向かった。

 

 一方

 

 温水プールに到着した瞬と隼人でしたが、早過ぎることにより、近所の飲食店で昼食を取った。

 

 ファミレス ココス板橋四葉店

 

 「何食べる。」

 「私、コンボランチ。」

 「良いわよ。」

 「ありがとう。」

 「じゃあ、あたしはミックスグリルランチね。ところで、ここのファミレス、サラダ食べ放題、ソフトドリンク飲み放題よ。」

 「やったあ。」

 「ああ、浮かれちゃって。」

 「いらっしゃいませ。ご注文は。」

 「コンボランチ。」

 「ミックスグリルランチ。」

 「コンボとミックスグリルですね。畏まりました。当店はサラダバーとドリンクバーがございます。いずれも、食べ放題、飲み放題となっております。」

 「さあ、ドリンクとサラダ取って行くわよ。」

 「ハイ。」

 このファミレスには、東せつなも後を付けていた。

 

 数十分後

 

 「ごちそうさま。」

 「ラブちゃん、午後はどう過ごすの。」

 「ミキタンと一緒に温水プールへ。」

 「そう、いいことよ。とにかく、ダンスをうまくなるには鍛錬が基本よ。今度、ミキタンも是非誘って。」

 「ハイ。」

 

 蒼乃家の店舗

 

 「これから娘と一緒に温水プールへ行くから後をお願いね。」

 「社長、畏まりました。」

 こうしてレミ、美希、和希の親子は、レミの車に乗って温水プールへ向るかった。

 

 一方、瞬と隼人は

 

 「ああ、よう食ったぜ。」

 「隼人、何人前食うんだ。」

 「この体を維持するにはどんだけでも食うぜ。」

 「おい、あの車。」

 「間違いない、蒼乃の家の車だ。」

 「よし、僕たちも温水プールへ行くぞ。」

 「合点だぜ。」 

 

 板橋区民センター・温水プール

 

 「さあ、着いたわよ。降りなさい。」

 「ハイ。」

 「バン、バン、バン。」

 「よし。後を付けよう。」

 「あの甘ちゃんボンボンをいたぶってやるぜ。」

 プールへ入った5人、まずは着替えるべく更衣室へ向かいます。もちろん、男女に別れております。もちろん、あの和希は1人になります。よって、瞬と隼人の2人は和希を狙っていた。

 「わーーい、ガラガラだ。ここで着替えよう。」

  すると、背後からあのラビリンス軍2人の幹部兵士が忍び寄って来た。

 「甘ちゃん君、着替え手伝いましょか。」

 「誰だよ。うわっ大きい。」

 「バッ。」

 「ウグググググ。」

 「あの個室へ入るぞ。」

 「OK。」

 

 男子更衣室内更衣個室

 

 「オラァ、脱げ!」

 「うわ~~~~ん、ママ、アネキィーー。」

 

 プール内女子更衣室

 

 「行かなくていいよ。甘やかすだけだよ。」

 「いいの、ママ。」

 

 プール内男子更衣室

 

 「ウグウグウグウグ。」

 「黙らせたな。あまり、窒息させるなよ。」

 「ヘヘヘヘ。ドンドン脱がせたれ。」

 瞬は、和希の衣服をドンドン脱がせた。全裸にされた和希の例の場所をいじくり始めた。

 「ウグーーーーーッ。」

 

 一方

 

 ラブとせつなは温水プールへ向かっている。ところが、大仏通りとの交差点に近付いた時のことだった。

 「あたしは笑顔が嫌い。虫酸が走るわ。おっと、命令以外の戦闘はしてはならないルール。まず、サウラーとウェスターの戦況を確認しないとね。」

 「赤塚庁舎に近付いてるね。」

 「フフフ。ミユキに何の反応しなかったわ。次の候補は、やっぱり温水プールね。サウラーとウェスター、今頃どうしているのかしら。」

 

 すると

 

 「ワンワン、ワンワン、ワンワン。」

 「チッ。」

 「ヘッ。」

 「うわあ~~~。」

 「ワンワンワン。」

 「ウェーーーッ。」

 「キキーーーッ。」

 「たはっ、うわあーーー。」

 「ストップストップ。お願い、止まって。」

 「ブッキー。」

 「うわあ。」

 「ベロベロベロベロ。」

 「うはあっ。何か、熱烈大歓迎なんですけど。」

 「ハアーーッ。この子、ラブちゃんが大好きみたい。ラブちゃんの姿見つけたら、急に走り出しちゃって。」

 

 温水プール内女子更衣室

 

 レミと美希は着替えを終え水着姿になった。

 「おかしいね。和希の声が聞こえないわ。」

 「まさか、何かあったの。」

 「とりあえず、監視員とコーチに知らせるしかないわ。」

 レミと美希はプールへ急行した。そして....

 「これはレミさんと美希さん、お待ちしておりました。」

 「コーチ、大変です。和希が。」

 「分かった、監視員に知らせた上で急行するよ。」

 「これは、レミさんと美希ちゃん、どうかしましたか。」

 「あなたも行って。和希が。」

 「分かりました。」

 「オイ、何かあったか。」

 「和希君が更衣室で。」

 「悪ガキ共にいじめられてるみたいだぜ。」

 「分かった。監視の交代要員に連絡してから行くぞ。」

 「合点だぜ。」

 例の屈強男3人衆は男子更衣室へ向かった。

 

 男子更衣室

 

 「ヘヘヘヘヘヘッ。」

 「それにしても、ウブな○×。可愛がってあげよう。」

 「ナデナデナデナデ。ギューーーーーッ。」

 「ウグウグウグウグ、ウグーーーーーーーッ。」

 「(小言)この声は。」

 「(小言)和希君の声。」

 「間違いない。開けるぞ。」

 「シューーーーッ。」

 「コラッ、そこで何をしておる。」

 「先生、おじさん、エーンエーンエーンエーン。」

 「何をやらかしたのかね。」

 「いや。」

 「何でもねえ。」

 「並みの怯え方じゃないぞ。」

 「立派な体格をしたお2人さん、見たことない顔だな。今度、他人に迷惑をかけた場合、退場していただきます。荷物を持って離れた場所で着替えていただきます。」

 「これは君かね。」

 「ハイ。」

 「これは君かね。」

 「オウ。」

 「何だその言葉は。かなり鍛え上げた体をしているけど、その鍛えた体、弱い者いじめをするためではないぞ。」

 「ハイ。」

 「さあ、あちらへ行っていただきます。」

 瞬は監視員に、隼人は自衛官の男にそれぞれ誘導され、別の場所で着替えさせた。

 「先生、エーーンエーンエーンエーン。」

 「和希君、いつまで泣いても仕方ないから。まず、海パン穿いて。」

 「エーンエーン。」

 「次に、必要なものを持ち出して。」

 「エーンエーン。」

 「ロッカー、鍵かけて。」

 「さあ、行くぞ。お母さん、お姉さんがお待ちだぞ。」

 「ハイ。」

 コーチと和希は更衣室を後にした。

 「俺たちも着替えたぜ。」

 「まだだ、しばらく経ってからだ。」

 「ケッ。」

 

 温水プール

 

 「ねえ、ママ。先生と和希が来たわよ。」

 「か、和希。」

 「どうやら、とんでもない男の人に嫌がらせを受けていたみたいだったよ。」

 「どんな男。」

 「1人は長身の男、もう1人は筋肉モリモリの男。筋肉モリモリ男は、自衛官の男にマークしているから安心して泳いで。」

 「分かったわ。さあ、準備運動よ。」

 「ハイ。」

 

 赤塚植物園にあるベンチ

 

 「じゃあ、この子もブッキーちの動物病院で預っているワンちゃん。」

 「ええーーーっ。でも、これだけ元気なら、もう退院ね。」

 「丁度、良いところだった。私、温水プールへ行く予定だけど、ここでブッキーと会えたから、今、ここで話したいことがあるの。」

 「私に、何か用。」

 「ねえ、一緒にダンスやろ。」

 「ダンス。」

 「聞いて。すごいんだよ。あのトリニティからダンスを教えてもらうことになったの。」

 「ええーーーっ。トリニティって、あのアイドルのバックで踊ってる面々の。」

 「そうなの。だからさ、ブッキーとミキタンと3人でダンスユニット結成しようかなあーーって。ねえ、すごいでしょ。」

 「ううん、すごいね。美希ちゃんは、ファッションモデルを目指して頑張っているからきっと、ダンスも上手いと思うよ。踊れるファッションモデル。ああ~っ。でも、私には無理だわ。」

 「エッ、何で。ブッキーは踊れる獣医さん。有りだよ、有り。」

 「絶対無理。だって、獣医と言っても医師には違いないわ。学問が大変なのよ。過去、芸能人でもこんな人いないわ。」

 「そうか。」

 「ご、ごめんなさい。人前で踊るとか私、そう言うの苦手なの。」

 「ああ~~っ、そうか。」

 「ごめんなさい。」

 「良いって良いって。もし、気が変わったら、いつでも言って。じゃあね、バイバーーイ。」

 「よし、ミキタンのいる温水プールへ行こう。」

 

 温水プール

 

 「思い切り泳ぐわ。」

 「行ってらっしゃい。」

 「あの女動き出したぜ。」

 「行くか。」

 美希は飛び込み台から飛び込んだ。

 「ザブーーーーン。.......。バシャバシャバシャバシャ。」

 「昔の視線なんて関係ない.....。あたしは自分が完璧でいたいだけ。」

 すると、例の男2人が隣のレーンで追うように泳ぎ出した。

 「あの2人だよ。」

 「女と意地を張って恥ずかしいと思わないのか。」

 「ズザーーーーッ、ズザーーーーッ。バシャバシャバシャバシャ。」

 「エッ。あたしを追い抜いた。」

 隼人と瞬の2人はプールから上がった。まず、和希とレミと水泳コーチの3人を睨みつけ始めた。

 「うわーーーん、怖いよ。」

 「和希君、僕がいるから。」

 「何よ、この大男2人。全然、見たことないね。」

 続いて、美希がプールから上がって来た。

 瞬と隼人は、美希を妙な目で見ていた。引き続き、和希は怯えてた。もちろん、母レミは黙っていなかった。

 「あなたたち、何か用、うっふ~ん。」

 「しまった。勃起する~う。」

 「俺もだ。痛テッ。」

 「あなたたち、あたしの息子と娘に何の因縁があるの。言いなさい。」

 「それは、その.......。」

 「別に何もありません。」

 「嘘つくんじゃねえ。」

 「さっきから怪しい行動を繰り返しやがって、なぜ、男同士で意地を張らない。」

 「残念ですが、入館料返還しますから退場してください。」

 「僕たち、何もしてませんが。」

 「女と並行して泳いで何が悪い。」

 すると、ラブが姿を現した。

 「ミキターーーン。」

 「ラブ、来てくれたのね。変な男たちが来て大騒ぎよ。」

 「アーーーーッ。この前、文化会館付近にいたダフ屋の兄ちゃんたちよ。」

 「しまった。」

 「このアマーーーッ。」

 「当館では、暴力団関係者の入館は固くお断りしております。表の看板、見えませんでしたか。」

 「手伝おうぜ。逆上されたらかなわねえからな。」

 「もちろんですよ。」

 瞬と隼人は、更衣室で強制的に着替えさせられた上、入館料返還後、職員らの厳しい監視のもと退場させられたのであった。

 「いなくなってザマーミロだよ。」

 「和希、元気が出てきたみたいね。」

 「ラブちゃん、美希のことよろしくね。」

 「はい、ところで、おばさん。」

 「何。」

 「ミキタンをダンスレッスンに誘ってよろしいですか。」

 「美希、どう、ダンスだって。」

 「トリニティから無料で手解き受けるそうよ。」

 「まあっ。確か、そこの事務所の社長及び従業員の方たちも世話になっているわ。」

 「そうなの、ママ。」

 「美希、是非、受講しなさい。ダンサーとしてオーディション突破の可能性大よ。」

 「分かったわ。ラブちゃんと一緒に受講する。」

 「やったあ。」

 「ラブちゃん、トリニティの皆さんとスタッフの皆さんに『よろしく!』と、伝えてね。」

 「はい。」

 「あのう。僕も一緒に行ってよろしいですか。」

 「ダメよ、和希。そんなにトリニティから手解きを受けたいんなら、男の子のお友達を作りなさい。」

 「ええ~っ。」

 

 温水プール出入口外

 

 「追い出されてしまったぜ。」

 「あの女....。近いうちに俺たちの敵になるな....。」

 「俺も感じたぜ。母もそうだろうな。アレに来ちまったら、本気の力が出せないぜ。」

 「あれっ、イース。」

 「何だよ、追い出されてしまったのかい。」

 「すいません。」

 「やってしまったぜ。」

 「ウェスター、あなた体目立つから尻尾つかまれやすいよ。探る時は、おとなしくしないとみんなバレるわよ。」

 「すいません。」

 「すまん。ところで、入るのか。」

 「当たり前だろ。ラブの後を付けて来たんだから。」

 「頼む、あいつらから攻撃してくれ。」

 「誰だ。」

 「一条和希、自衛官、監視員、水泳コーチ。」

 「この4人か。分かったよ。さっさと、ラビリンスへ帰りな。」

 せつなは、温水プールへ入館した。

 

 温水プール

 

 美希は再び、気を取り直して飛び込み台に立ち、プールへ飛び込み、泳ぎ始めた。

 「ザブーーーン。バシャバシャバシャバシャ。」

 「スゲーな。鳥越高校の蒼乃美希。」

 「超美人でスタイル抜群のあの子が......。」

 美希は泳ぎを終え、プールから上がって来た。そして、美希はキャップを脱いだ。

 「はいタオル。」

 「ありがとう、和希。」

 「ああ~~~っ。」

 「キィーーーッ。」

 瞬と隼人がいなくなり代わって、ブルンが姿を現した。和希はほっとしたのか、元気が出て来た。

 「和希、泳いだらどうなの。ラブちゃんも来ているから。」

 「分かったよ。ママ。」

 「ラブちゃんも付き合ってあげて。」

 「はい、おばさん。」

 ラブと和希は泳ぎ始めた。

 

 一方、せつなは

 

 「何をナケワメーケにしようか。」

 せつなは自販機コーナーを見つけた。

 「フフフ。この紙コップの自販機だわ。炭酸ガスも入っているから武器になるわ。スイッチ・オーバー。」

 「ボッ。」

 東せつなはイースに変身した。

 「ナケワメーケ2号、我に仕えよ。」

 「ペタッ。」

 「ナーーーーケワメーーーーーケーーーーーェ。」

 

 温水プール

 

 和希とラブは休憩に入った。

 「和希、先生もいるから男同士でお付き合いしなさい。」

 「分かったよ。」

 「あたし頑張る。絶対にファッションモデルになるんだ。」

 「きっとなれるよ。姉貴は完璧だもの。」

 「完璧になれたらいいよね。ありがとう。」

 「姉貴は目標があって良いね。僕は生まれつき体が弱いから。そんな姉貴がうらやましいよ。」

 「もおーつ、何言ってんのよ。何もしないうちからあきらめてどうすんの。」

 「悪かったね。過保護にして。」

 「例え病弱でも夢と希望を持たなくちゃダメ。ねえ、聞かせて、和希の将来の夢。」

 「エッ。」

 「私も聞きた~い。」

 「ほら、何かあるんでしょ。」

 「本当は、医者になりたいんだ。」

 「大丈夫。和希なら、きっとなれるよ。」

 「無責任に言うね。姉貴は。」

 「そう、信じることが大切なの。」

 「やっぱり完璧だ。」

 「キィーーーッ。」

 

 桃園家 ラブの部屋

 

 「何や、スウィーツ王国がらテレビ電話着信や。」

 スクリーンが現れた

 「タルト、シフォン聞こえるか。」

 「ショコラはん。」

 「キュア。」

 「赤塚の温水プールでナケワメーケが出現した。」

 「何やて。」

 「この映像を見るが良い。」

 

 温水プール

 

 「ドスンドスンドスンドスン。」

 プールの出入口を通過した後、巨大化した。

 「ナーーーーーーケワメーーーーーーーケーーーーーーェ。喰らえ、炭酸ビーム。」

 「ピューーーーッ、ピューーーーッ、ピューーーーッ、ピューーーーッ。」

 ナケワメーケ2号は炭酸ビームを発射した。このビームを食らった者は、一発で体が膨れ浮上するのであった。例の屈強男3人衆が真っ先に狙われた。

 「ウッ。」

 「うわぁ、体が膨れる。」

 「俺、こんなメタボ腹してねえぜ。」

 「ギャーーーッ。体が膨れる~ぅ。こんな体いやだあ~。」

 「それだけじゃねえ。体が浮き上がってるぜ。」

 「その光線に気をつけろ。」

 「逃げろ。」

 「こんな体イヤだあーーっ。」

 「力が入らない。」

 「もうおしまいだぁーーーー。」

 「ナケワメーケ2号、あの連中も攻撃しろ。」

 「ナケワメーーーケェーーー(畏まりました)。」

 「ドスンドスン。」

 ナケワメーケ2号は、美希と和希のいるテーブルへ向かって来た。

 「和希、逃げよう。」

 「うっ。アネキ、具合が。」

 「和希。」

 「ドスンドスン。」

 「あっち行け、化け物。」

 「ペチッ。」

 「喰らえ、炭酸ビーーーム。」

 「ピューーーッ。」

 「キャーーッ。」

 「ウッ。」

 「ムクムクムクムク。」

 「ママ、アネキ、助けて~え。体が膨れる~ぅ。」

 「和希。」

 「もうだめだ。助からないよう。」

 「あきらめないで。医者になる夢があるんでしょ。最後の最後まで、希望を捨てちゃダメ。」

 「キィーーーッ。」

 

 ラブの部屋

 

 「キュア。」

 「何や。あっ、ブルンだ。」

 

 温水プール

 

 「畜生、誰よ。この怪物操ってる奴。」

 「コイツよ。」

 「濃縮還元。」

 「プシュッ、ジャーーーーーッ。」

 ナケワメーケ2号は、次に炭酸ミックスジュースを水鉄砲状に放水した。この炭酸飲料を飲んだ者は、更に体が膨れるのであった。

 「ウグウグウグウグ。」

 「苦しい。」

 「飲めないよーーー。」

 「フッフッフッ。もっと泣けわめけ。」

 「何が、もっと泣けわめけだ。」

 「誰だ。」

 「あなたが管理国家ラビリンス軍のイースだね。彼女から話を聞いてるわ。」

 「この前に続いて今日もかよ。許さない。」

 「うるさい。」

 「こうなったら、変身するしかないわ。ラブちゃん行くわよ。」

 「ハイ。」

 レミとラブはリンクルンを差し出し、専用外部メモリーを差し込み90度に捻った。

 「チェンジ。マザープリキュア。ヒーーーーートアーーーッッップ。」

 「チェンジ。プリキュア。ヒーーーーーートアーーーーッッップ。」

 強制的着替えが始まった。まず、レミは右側に紺の小型飾りリボンが付いたブルー濃淡のマイクロチュチュ、ライトブルーのマイクロバニエとビキニサイズのアンダースコート、四つ葉フレプリ紋様ワッペンを左胸に貼り付けた袖付きブルーラインの入ったライトブルーブラ、左側に付け髪付きブルーハートのカチューチャ、両耳にブルーハートピアス、目元にサファイアアイメイク、首にブルーチョーカー、左太ももにビーエヌオーガーターベルトキャリーケース、両脚に黒い網ストッキングとブルー濃淡ハイブーツ、両腕にブルー濃淡ブレスを自動装着した。続いて、ラブもプリキュアに変身した。

 「ブルーのハートは希望の印。」

 「パンッ。」

 「つみたてスウィート、キュアベリーーーーーーーーーッ・マザーーーーーーーーッ。」

 「ピンクのハートは愛ある印。」

 「パンッ。」

 「もぎたてフレッシュ、キュアピーチ。」

 「ブルンが近付いてるわ。」

 「ブルンが。」

 「弟の夢は絶対に失わせない。」

 「ピューーーン。」

 「キャーーーーッ。」

 「コロコロコロ。」

 「コン。」

 美希は、テーブルを立てて炭酸ビームを防いだ。その際、置いてあった透明バッグもひっくり返り、美希の携帯電話が出てきた。

 「キィ。」

 「来たわよ。」

 「美希、携帯拾って。」

 「OK。」

 すると、ブルン2号が美希の携帯へ突進して来た。

 「キィーーーッ。」

 「ボン。」

 

 桃園家ラブの部屋

 

 「キンキンキンキン。」

 「何やシフォン。額なんか反応して。」

 「キュアキュアフリップウ~ッ。」

 

 温水プール

 

 「こ、これは。」

 「ミキタン、蓋を開けから付属鍵を回して。」

 「OK。」

 美希もリンクルンの蓋を開け、鍵型外部メモリーを90度に捻った。

 「チェンジ。プリキュア。ヒーーーーート・アーーーーッッップ。」

 強制的着替えが始まった。美希はまず右側に紺の大型リボンが付いたブルー濃淡マイクロチュチュ、ライトブルーのマイクロバニエとビキニサイズのアンダースコート、四つ葉フレプリ紋様ワッペンを貼り付けた袖付きブルーラインが入ったライトブルーのブラ、付け髪付きブルーハートカチューシャ、両耳にブルーハートピアス、首にブルーチョーカー、胴体ストラップキャリーケース、両脚にダークブルーのオーバーニーソックスとブルー濃淡ハイブーツ、両腕にブルーブレスを自動装着した。そして....。

 「ブルーのハートは希望の印。」

 「パンッ。」

 「摘みたてフレッシュ、キュアベリー。」

 「レッツ!プリキュア!」

 「何がレッツプリキュアだ。また2人増えやがって。やれ、ナケワメーケ2号。」

 「ナーーーーケワメーーーーーケーーーーェ(畏まりました)。喰らえ炭酸ビーム。」

 「ピューーーーッ。」

 「キャーーーッ。」

 「ヒョイヒョイヒョイ。」

 「ボン。ジューーーーッ。」

 ピーチ、ベリー、ベリーマザーの3人は一斉にジャンプした。

 「トリプル・プリキュア・キィーーーーック。」

 「バコンバコンバコン。」

 炭酸ビームを発射する左肩上にある3つの銃口のある装置の破壊に成功した。

 「これなら、体が膨れる心配はないわ。」

 「喰らえ炭酸ビーム。」

 「プシュッ、フワフワモコモコ。」

 炭酸ビーム撃つ銃口を破壊したことで、霧状に上空へ上昇してしまった。

 「次、行くわよ。」

 「OK。」

 「ナケ。」

 「タアーーーッ。」

 「尻尾。」

 「ブーーーン、バシン。」

 「キャーーーーッ。」

 「ドデッ、コロコロコロコロ、パッ。」

 「待ちなさい。コンセントの尻尾を何とかしないとダメよ。」

 「はい。」

 「ピーチとベリー、低空飛行でナケワメーケ2号の周囲をグルグル回りなさい。」

 「ベリーマザーは。」

 「あたしは、ナケワメーケ2号に近付いてグルグルしたコンセントを結んで使えなくするわ。」

 「OK。」

 ピーチとベリーは、ナケワメーケ2号に向けて低空で飛び始めた。

 「ナケッ。」

 「何。」

 「グーールグーールグルグルグルグル。」

 「ウゴッ。」

 「今だ。」

 キュアベリーマザーは、ナケワメーケ2号の脚から登り始めた。

 「ツカッツカッ。」

 「エーーーーィ。」

 「ギューーーッ。」

 「ウゴーーーーッ。」

 「よし、戻って。」

 「OK。」

 「ツカッツカッツカッ。」

 「今度は、飲料水を噴射する腕をあたし含めて攻撃するわよ。」

 「OK。」

 「ボトルのサイズ5割増。」

 「ピューーーーッ。」

 「ヒョイヒョイヒョイ。」

 3人は一斉にジャンプして回避した。

 「トリプルプリキュアパーーーンチ。」

 「バコバコバコーーン。ミシミシミシ、ボキッ。」

 「コンコロロン」

 「ウゴーーーーッ。」

 「次は左腕よ。」

 「OK。」 

 再び、3人はジャンプをした。そして....。

 「トリプル・プリキュアパーーーンチ。」

 「バコンバコンバコン。ミシミシミシ、ボキッ。」

 「ウゴーーーーーッ。」

 もう片方の腕もへし折り千切った。

 「今度は太ももの付け根を集中攻撃よ。」

 「OK!」

 三度(みたび)、3人のプリキュアはジャンプした。そして....。

 「トリプル・プリキュア・キィーーーーーック。」

 「バコバコバコ。」

 「ウゴーーーーッ。」

 「ドカッバキッボコ。ミシミシミシ、ボキッ。」

 「ウガガガガガガ。」

 「ドスン。」

 「更にもう片脚。」

 「OK。」

 「タアーーーーッ。」

 「ドカッバキッボコッ。」

 「ボキッ。」

 ナケワメーーーケ2号は完全に動けなくなった。そして、3人はイースを取り囲んだ。

 「何が目的。」

 「チキショー。覚えてらっしゃい。」

 「イースはワープして去った。」

 「何と言う女。」

 「仕方ないわ。それよりも、フィニッシュしよ。」

 「待ちなさい。」

 「浮遊している人たち、魔法効果が切れると落下して固い床に落ちた場合怪我するわよ。」

 「じゃあ、どうすれば。」

 「プール上空へ誘導するわよ。こうやって。」

 ベリーマザーは、指先に魔力を込め1人の浮遊している人目かげて魔法を唱えた。そして、プール上空へ誘導した。

 「名付けて『プリキュア・フィンガーパワー』よ。やってみて。」

 「OK!」

 ピーチ、ベリー、ベリーマザーの3人は、フィンガーパワーを唱えプール上空へ全員誘導した。

 「よし、落下してもプールの水だから怪我する確率は低いわ。さあ、ナケワメーケ2号へ向けてフィニッシュよ。」

 「OK!」

 「悪いの悪いの飛んで行け。プリキュア・ラブサンシャイーーーン。」

 「ビューーーーン。シュッ。」

 「ウッ。」

 「悪いの悪いの飛んで行け。プリキュア・エスポワーーールシャワーーー・ダブル。」

 「ビューーーーーン。シュッ。」

 「ハアーーーーーーーーーッ。」

 「ナーケワメーーケーーェ。シュワワシュワワーーーーーッ。」

 体が膨れ、浮き上がった人々にかかった魔法は解け、元の体型に戻り、一斉に落下した。

 「ザブザブザブザブザブンザブンザブンザブンザブーーーーン。」

 「今のうちに、トイレへ行って変身解いて行こう。」

 「OK。」

 3人のプリキュアは急いでトイレへ向かった。

 

 桃園家 ラブの部屋

 

 「2人目のフレッシュと2人目のスウィート。プリキュアはこれで4人。もう安心でんなあ。」

 「キュア。」

 

 温水プール

 

 「も.....、元に戻った....。良かったーーーーっ。」

 「あれ、ママ、アネキどこへ行ったの。」

 「和希君、大丈夫かね。」

 「大丈夫。それよりも先生、ママとアネキがどこもいないんです。」

 「必ず戻ってくるよ。」

 

 女子トイレ

 

 ピーチ、ベリー、ベリーマザーの3人が変身を解いた。ラブ、美希、レミの3人に戻った。そして、トイレから出た。

 「ラブ、ママだよね。」

 「そうよ。」

 「ミキタンもプリキュアだったんだね。」

 「あたしの後継者なんだから。」

 「そうなの。ところで、あの変身した姿はなんなのコレ。どーしてこんな.....。コレも肉体改造なの.....。」

 「その通りよ。」

 「プ....プリキュア....。....とりあえずまいいケド....。ファッションモデルを目指しているあたしとしては、ヤバイくらい着こなせるかなって『あたし完璧!!』」

 「さっすがミキタン。」

 「さあ、プールへ戻るわよ。」

 「ハイ。」

 

 温水プール

 

 「ああーーっ。膨らまされた影響か体がしんどい。結局、自販機を元の場所へ戻さなくては。」

 「こんなものを怪物にするなんて、あの女、何考えてるだろう。」

 「ちょっと一旦置いてくぞ。オーーーイ、和希君、どうしたんだ。」

 「ママとアネキがいないんです。」

 「トイレでも行ったんだろ。そのうち戻って来るぜ。」

 3人は戻って来た。

 「レミさん、お帰りですか。」

 「帰るわよ。和希、家も近くだし、男たちともっと交流をもたなけらばならないよ。」

 「和希、あたしの所へ来てはダメよ。おじさんたちと付き合って男らしくなりなさい。」

 「和希君、今日はここまでね。バイバイ。」

 「お疲れ様です。」

 3人は、荷物もとめてプールを後にした。

 

 桃園家 ラブの部屋

 

 「安心できまっか。」

 「キュア。」

 

 温水プール

 

 「和希君、夕食おごってあげようか。」

 「今日は焼肉だぜ。」

 「うん、ありがとう、先生、おじさん。」

 「さあ、俺たちは自販機を戻しに行くぜ。」

    完

 


 
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