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『真・恋姫†無双 ~時の外史~』 第15話

七詩名さん

いらっしゃいませ、そしてお久しぶりです、七詩名です。

ここ数か月、引っ越し&転職でバタバタしておりまして、執筆と投稿が遅くなりました。
新しい仕事の関係上、今後も今回のように感覚が空いた投稿となってしまうことを御了承くださいませ。
失踪はしません!したくありません!目指せ完走!(という気持ちで頑張ります)

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2015-08-17 19:33:16 投稿 / 全6ページ    総閲覧数:2036   閲覧ユーザー数:1944

 

 

 

 ウィ・・・ン、ガシャン。

 

 

一刀「ここが、プロメテドーム・・・。」

 

マール「やっぱり造りは同じなんだね。」

 

愛紗「そうだな。しかしこちらは随分建物が小さいな。」

 

ルッカ「そうね。さて、ここは鬼が出るか仏が出るか・・・。」

 

桃香「え!?鬼が出るの!?なにそれこわい!」

 

白蓮「いや桃香、たぶんそういう意味ではないと思うぞ?」

 

 

 32号廃墟をあとにした俺たちは、目的地である『プロメテドーム』に到着していた。

 俺たちがこの時代に辿り着いてから、体感的に9時間近くは経っただろうか。感覚的には倍くらいに感じるから、”ようやく”とか”やっと”っていう言葉を付け加えた方がしっくりくるな。

 アリスドームでは人がいたので安心したが、ここも同じとは限らない。一応の注意を払いつつ、中へと入っていく。

 

 

璃々「お母さん、璃々おなかすいたぁ~。」

 

紫苑「ごめんね璃々、もうちょっとだけ我慢してちょうだい・・・とはいうものの、なんとかならないかしら・・・。」

 

翠「あたし達はまだ我慢できるけど、さすがに子供の璃々には辛い状況だよな。」

 

鈴々「鈴々もお腹ペコペコなのだ~。」

 

蒲公英「右に同じ~。」

 

霞「左に同じ~。」

 

クロノ「早いとこ現代に戻らないとな。」

 

 

 そう話しながら、建物の中を進んでいくと。

 

 

???「誰だっ!?」

 

一刀「!?」

 

 

 俺たちに向け、突然かけられた声。しかも、これももう何度目のことだろうか。いや、これからの可能性を思えば、考えること自体が無意味なんだろうけど。

 

 

一刀「その声・・・”凪”か!?」

 

凪「!?・・・たい・・・ちょう・・・?」

 

 

 

 

 

 

 

 

真・恋姫†無双 × クロノトリガー

 

 

『真・恋姫†無双 ~時の外史~』

 

 

 

 

第15話「人間と機械!古き出会いと新しき出逢い」

 

 

 

 

 

 

 

 

凪「ほ、本当に・・・隊長、なんですか?」

 

一刀「ああ。お前も来ていたんだな。」

 

愛紗「これは驚いたな。今まで蜀の面々ばかりであったから思い込みをしていたが・・・魏の者までこちらに来ていたとは。」

 

凪「た、たいちょおおおおっ!(ダッ)」

 

 

 ドゴッ!

 

 

一刀「ふぐっ!よ、よしよし・・・。」

 

クロノ「ま、また一刀の仲間(意味深)か・・・。」

 

マール「一刀くんてスゴイ(意味深)ねぇ。」

 

ルッカ「ツッコまない、もうツッコまない(意味深)って意味深じゃないわよっ!」

 

 

 3人とも・・・油断大敵だぜ?凪がいるってことは・・・。

 

 

???「あーっ!凪ちゃんたらズルイのー!」

 

???「せやせや!抜け駆けはご法度やで!」

 

凪「沙和!?真桜!?いや、これは、その・・・!」

 

沙和「沙和も隊長の胸に飛び込むのー!」

 

真桜「左に同じー!」

 

 

 ズドゴッ!

 

 

一刀「サンバガラスッ!」

 

クロノ『『『

マール    ここにきてまさかの3連星!?

ルッカ                   』』』

 

 

 はい、お疲れ様でした。がくっ。

 

 

 ・・・。

 

 ・・・・・・。

 

 ・・・・・・・・・。

 

 

凪「すいません隊長、取り乱しまして・・・。」

 

 

―――――”凪(なぎ)”

 

 魏に所属する将軍であり、俺を隊長とする街の警備隊の分隊長でもある銀髪の闘士。

 あまりの俺に対する忠実さに、巷(?)では「凪ワンコ」などと呼ばれているとかいないとか・・・。

 姓は楽(がく)、名は進(しん)、字は文謙(ぶんけん)。

 

 

沙和「ごめんなさいなのー。」

 

 

―――――”沙和(さわ)”

 

 凪と同じく魏に所属する将軍兼警備隊分隊長のギャル剣士「ギャルってなにたいちょー?」

 オシャレが大好きで、婦肢世音誌(ファッションし)やら粉主女(コスメ)やら握施鎖履衣(アクセサリー)をよく買っている。

 姓は于(う)、名は禁(きん)、字は文則(ぶんそく)。

 

 

真桜「欲望を抑えきれへんかった。後悔はしてへん。」

 

 

―――――”真桜(まおう)”

 

 凪と同じく魏に所属する将軍兼警備隊分隊長のサイコ技師「最高なんてそんな褒めんといてーなー」

 その工作技術は右に出る者なしだが、”たまに”危ない方向に思考が働くと誰にも止められない・・・。

 姓は李(り)、名は典(てん)、字は曼成(まんせい)。

 

 

一刀「まあともかく、今まで無事で何よりだ。」

 

蒲公英「やっぱり沙和たちも目が覚めたらここに?」

 

沙和「そうなのー。はじめは誰かに誘拐されたのかと思ったけど、いつまで経っても誰も来ないしー。」

 

凪「というか、周囲に人の気配すら感じませんでした。」

 

真桜「さらに食うもんも無ければ水場もあらへんし。あるんは見たこともない鉄の壁やら”鉄の人形”やら・・・。」

 

ルッカ「鉄の人形?」

 

 

 三人がいきさつを話す中、真桜の言葉にルッカが反応する。

 

 

沙和「そうなのー。私たちが目覚めた部屋の真ん中に錆びついた”鉄の人形”があったのー。」

 

ルッカ「どんな感じの?」

 

凪「えっと、手や脚のようなものがあって、人を模したように見えましたが・・・。」

 

ルッカ「大きさは!?」

 

真桜「えっと、えらいゴッツい感じやけど、あんま隊長と変わらん高さくらい・・・やったかな?座っとる状態やったからようわからんけど。」

 

ルッカ「っ!」

 

 

 ダッ!

 

 

クロノ「おいルッカ!?」

 

マール「どうしたの急に!?」

 

 

 突然走り出したルッカに驚き、俺たちも慌てて後を追った。

 

 

 

 

 

 

マール「なに・・・これ?」

 

 

 ルッカを追って、凪たちが目覚めたという部屋に来てみると、中央に不気味に鎮座する奇妙なロボットがそこには居た。

 

 

ルッカ「どうやら壊れているみたいね・・・けど、スゴイ・・・完全な”人型ロボット”。」

 

 

 当のルッカは、そのロボットを左右前後からまじまじと観察し、顔は鬼気迫る表情をしていた。

 

 

一刀「たしかに今までのとは違って四足だったりホバーが付いてたりしてないね。」

 

ルッカ「・・・。」

 

 

 さらにルッカは念入りにロボットを調べ・・・そして。

 

 

ルッカ「うん、直せるかもしれないわ。」

 

愛紗「なっ、直すだと!?そんなことをしたら、他のろぼっと同様に我らを襲ってくるかもしれないではないか!」

 

翠「そうだぜ!わざわざ直してなんの意味があるんだよ!?」

 

真桜「なぁなぁ、直すって・・・それ動くん?」

 

霞「なんやおもろそうやな~」

 

 

 最後の二人がものすごい嬉々とした表情をしているのは置いておいて、ルッカの直す発言に愛紗たちが即座に反対意見を述べる。だが。

 

 

ルッカ「そうしないように直すの。別にロボットたちは、自分たちの意志で襲ってきてるワケじゃないのよ?・・・造ったヤツがそういう風にしたのよ、ロボットたちの”心”をね。」

 

桃香「・・・ルッカには、”ろぼっとの気持ち”が解るんだね。」

 

クロノ「心配すんなって。たしかにルッカはマッドサイエンティストだけど、悪いことは絶対しないやつだからさ。」

 

ルッカ「というわけだから、早速取り掛かるわよ?それとクロノはあとでシバく。」

 

クロノ「なんで!?」

 

ルッカ「誰がマッドサイエンティストよ!」

 

真桜「ルッカ姐さん!ウチも手伝わせてぇな!ウチの知らん技術にお目にかかれるなんて運命としか思われへんで!」

 

ルッカ「あら、アンタも発明家なの?」

 

一刀「まあ・・・”腕は”たしかだよ。」

 

ルッカ「そ。じゃあしっかり手伝ってもらうわよ?」

 

真桜「はいな!」

 

ルッカ「まずこれが使う工具ね。」

 

真桜「なんやコレ!?なんに使うん!?」

 

ルッカ「これはね・・・。」

 

 

 ・・・。

 

 ・・・・・・。

 

 ・・・・・・・・・。

 

 

 

 

 

 

ルッカ「・・・これで、よしっと!」

 

真桜「おおおおお!」

 

 

 修理を始めてから2、3時間経過しただろうか。立ち上がったルッカがその終わりを告げた。

 

 

マール「お疲れ様、ルッカ。」

 

桃香「ん~?あんまり変わってないように見えるけど・・・。」

 

ルッカ「さすがにボディの錆やら破損までは無理よ。でも中は持ってるものや周りにあったものでなんとか代用できたから、動くには問題ないはずよ。」

 

鈴々「はやく!はやく動かすのだ!」

 

蒲公英「はよ!はよ!」

 

真桜「はよう!はよう!」

 

霞「はよう!はよう!」

 

ルッカ「わーかったって!いくわよ?・・・ごほん、あポチッとな。」

 

 

 ピコ。

 

 

???「・・・ヴン。ガガガ・・・ギギ、グググ・・・。」

 

 

愛紗「う、動きだしたぞ!?だ、大丈夫なんだろうな!?」

 

翠「おおおい愛紗!アアタシの腕にしがみつくなよ!」

 

璃々「あ、立った。」

 

愛&翠「ひっ。」

 

???「ピガ、ビゴ・・・お。」

 

マール「お?」

 

???「おはようゴザイマス、ご主人様。ご命令を。」

 

愛&翠「キェェェアァァァァァシャベッタァァァァァ!!!」

 

蒲公英「二人ともうるさいよー。」

 

凪「なんと・・・。」

 

沙和「わ、わ、なんかすごいのー。」

 

真桜「・・・・・・。」

 

沙和「? 真桜ちゃん、どうしたのー?」

 

真桜「あは、あは、絡繰りが、絡繰りが動いて、喋っとんで・・・ぼしゅん!」

 

 

 ドサ。

 

 

沙和「わー!真桜ちゃんが理解の処理と喜びのあまり壊れたのー!」

 

凪「真桜!骨は拾ってやるからな!」

 

真桜「し、死んでへんわ・・・。」

 

マール「私はご主人様じゃなくてマール。それにクロノに、一刀くん、桃香ちゃん、愛紗ちゃん、鈴々ちゃん、翠ちゃん、蒲公英ちゃん、紫苑さんに璃々ちゃん、それと霞ちゃんに、あなたを直したルッカよ。あ、あと白蓮さん。」

 

白蓮「おい”あと”ってなんだ!」

 

???「了解シマシタ。ワタシを直してくださったのはルッカ様デスネ。」

 

ルッカ「ルッカでいいのよ。」

 

???「そんな失礼なことは出来マセン。」

 

ルッカ「様付けで呼ぶ方が失礼な事だってあるのよ?ね、マール?」

 

マール「ふふ。」

 

???「了解シマシタ、ルッカ。」

 

ルッカ「よろしい。で、アナタの名前は?」

 

???「名前・・・開発コードのことデスカ?『R66-Y』デス。」

 

ルッカ「R66-Yね・・・イカスじゃない。」

 

マール「えーダメだよそんな可愛くないの。ね、皆。もっといい名前つけてあげようよ!」

 

一刀「名前か。」

 

真桜「ほんなら、『最終兵器お菊ちゃん』で、どや!」

 

一刀「何を求めてるんだよ!」

 

沙和「はいはーい!『唐女流・巻嗚呼兎(キャラメル・マキアート)』がいいと思うのー!」

 

一刀「・・・飲み物は作れないと思うぞ?」

 

凪「・・・『麻婆将軍』。」

 

一刀「お前まで・・・。」

 

霞「これでどうや!『鉄人二十八号』!」

 

一刀「すでに27体もの試作が!?」

 

愛紗「まったくお前たちの名付け感覚はなっておらんな。ここはやはり普通に『関平』というのはどうだろうか。」

 

一刀「その名をここで使うのはやめて!」

 

鈴々「鉄でできてるから『鉄ちゃん』なのだ!」

 

翠「そんなのダメだって、やっぱカッコよく『虎鉄』とかだな。」

 

蒲公英「蒲公英みたいに花の名前から『菊一文字』、これにけってーい!」

 

一刀「うわーなんだか馴染み深い名称だー。」

 

桃香「あ、だったら『桃鉄』ってどうかな?」

 

一刀「まて、それは”とうてつ”と読むのか?それとも”も〇てつ”と読むのか?」

 

紫苑「そうねぇ。璃々はどんなのがいいと思う?」

 

璃々「うーんとねー。力持ちそうだからー、『力太郎』!」

 

一刀「えーっと、さっきから元の世界で聞いたことある名前が出てくるのはなんでだろう?」

 

白蓮「・・・『鉄郎』。」

 

一刀「もう目的果たしてるよねそれ!?」

 

ルッカ「はぁ・・・もうラチがあかないから、クロノ、アンタが付けて。」

 

クロノ「ん?ん~、じゃあ『ロボ』。」

 

一刀「安直・・・!」

 

ルッカ「ロボ・・・ロボか、悪くないわね。」

 

一刀「悪くないんだ・・・!?」

 

ルッカ「いい?あなたの名前は『ロボ』よ!」

 

ロボ「ロボ、デスネ。インプット完了。」

 

 

 俺とみんなの漫才の甲斐も空しく、ロボットの名は『ロボ』に決まった。

 

 

ルッカ「ねえロボ、ちょっと聞きたいんだけど・・・どうかした?」

 

ロボ「これは・・・どうしたのデショウ?」

 

 ふいにロボは辺りを見回し、疑問を投げかけてくる。

 

ロボ「このプロメテドームには、多くの人間やワタシの仲間がいたはずデスガ・・・。」

 

ルッカ「言いにくいんだけど・・・あなたが倒れている間にここの人間は、たぶん・・・。」

 

ロボ「・・・ソウデスカ。では、アナタ方はなぜココに?」

 

ルッカ「アタシ達は、王国歴1000年から”ゲート”という時空の歪みを通って、ここに来ちゃったの。」

 

マール「ここにもドームがあるってアリスドームで調べて来たの。」

 

クロノ「そしたら、ロボが倒れてたってわけだ。」

 

一刀「それで、先に行こうにもドアが開かなくて・・・。」

 

ロボ「ドアが?」

 

 俺たちの話を聞いたロボは、ドアや機械を調べ始めた。

 

ロボ「ココの電源は完全に死んでしまっているようデスネ。ですが、北にある”工場”に行けば ここに連動する非常電源がありマス。ワタシなら工場のセキュリティを解除出来マスが・・・。」

 

マール「ほんと!?」

 

一刀「でもいいのか?ロボットの君が俺たちに味方してしまって・・・。」

 

ロボ「そうデスネ。ワタシが壊れていた間に外がどういう状況になっているかは気になりマスガ・・・でもそれよりも今は、修理してくださったお礼に、今度はワタシがお役に立つ方が先決デス。行きまショウ!」

 

ルッカ「流石はアタシが作ったロボ!」

 

クロノ「情報が改ざんされてる!?」

 

ロボ「しかし、工場の非常電源もいつまで持つかわかりマセン。なので、どなたかココに残って、電源が入ったらすぐドアを開けいただけマスカ?」

 

一刀「大勢で行くと身動きが取りづらくなるしな。」

 

ルッカ「なら、ここはクジ引きで決めましょう。」

 

 

 ・・・。

 

 ・・・・・・。

 

 ・・・・・・・・・。

 

 

 

 

 

 

 <居残りチーム>

 

 マール・桃香・愛紗・鈴々・翠・蒲公英・霞・紫苑・白蓮・沙和

 

 <工場跡チーム>

 

 クロノ・ルッカ・ロボ・一刀・凪・真桜

 

 

ルッカ「じゃ、行ってくるわね。」

 

マール「気を付けてね。」

 

愛紗「凪よ。ご主人様の護衛は任せたぞ?」

 

凪「はい!この命に代えても隊長には傷ひとつ付けさせません!」

 

真桜「あれ、ウチには聞かへんの?」

 

一刀「よし、じゃあ案内よろしくたのむよロボ。」

 

ロボ「ハイ、では出発しまショウカ。」

 

 

 プロメテドームの電力を復旧させるため、俺たちは『工場跡』へと向かった―――。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

...Continued to the next time⇒

 

 

 
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