No.78931

魏改変シナリオ 夏候姉妹√  其の2

IKEKOUさん

需要があるかわかりませんが魏改変シナリオ 夏候姉妹√ の続きを投稿したいと思います。

この物語は作者の勝手な解釈が多々ありますので「それはないだろ」と言われてしまうかもしれません。

それでもよろしければ温かい目で見て下されば光栄です。

続きを表示

2009-06-14 04:42:01 投稿 / 全7ページ    総閲覧数:14989   閲覧ユーザー数:11539

 

その後はなんの進展もなく三人は解散し、それぞれの仕事に戻っていった。

 

 

春蘭・秋蘭姉妹と一刀の関係は表面上ではあるがいつも通りに過ごしていた。しかし、節々にどこかぎこちないような違和感を感じさせた。

 

 

数日が経ったある日、一刀は沙和の新兵訓練に強制参加させられ疲れ果てて体中どろどろになってしまっていた。

 

 

一刀は今日のところはもう寝てしまおうと自室に向かっていた。

 

 

「あら一刀どうしたのそんなに汚れて?」

 

 

 不意に声をかけてきたのは魏王・曹操だった。

 

 

「あぁ、華琳か。今日、凪と真桜と沙和の新兵訓練があったんだけどそれに参加させられてこの有様だよ」

 

 

 溜息をつき苦笑いを浮かべて答える。全身から疲労した様子がうかがえる。

 

 

「そうだったの。でも一刀もっとしっかりしなと駄目よ。あなたはこの私の盟友でもあるのだから兵の前で不甲斐ない所を見せては…」

 

 

 このままでは延々とお説教をくらいそうだったので一刀は華琳の言葉を切るように謝った。

 

 

「悪かったよ華琳。これからは気をつける」

 

 

 そう言って頭を下げる。

 

 

「はぁ…もういいわ今日の所は見逃してあげる。じゃあ私はまだ仕事が残ってるから」

 

 

 溜息をついて華琳は執務室の方に歩いて行こうとしたが、ふと思いついたように一刀の方に向き直った。

 

 

「そうそう、今日はお風呂を沸かす日だから入ってきなさい。そんな汚れた姿のままじゃ気持ち悪いでしょう?」

 

 

「そうだっけ?ちょうどよかったよ。確かに汚れたまま寝るのはきついし、それじゃあ風呂に入ろうかな。そういえば風呂を沸かし終わるのっていつ頃になるんだ?」

 

 

「それならもうそろそろ終わってるんじゃないかしら。とりあえず行ってみなさい」

 

 

「了解、ありがとう華琳。それじゃ行ってみるよ」

 

 

「どういたしまして」

 

 

 一刀は風呂場のある方に歩いて行った。

 

 

 その様子を華琳は見てから再び執務室の方に歩きだした。その顔には小悪魔のような微笑が浮かんでいた。

 

 

 

 

 

 

 

 一刀が風呂場の更衣室に入ると風呂を沸かしたときの独特の湿度の高い空気に包まれた。

 

 

 それを確認した一刀は早速衣服を脱ぎ、籠に放り込み浴室の扉に向かった。このとき一刀は気づいていなかった。一刀からは死角になっていた所に籠が二つあり、そこに2人分の女性用の衣服が入っていたことを。

 

 

 

 扉を開き、一歩踏み出すとそこには不思議な光景が広がっていた。湯船に二つの肌色の何かが見えた。湯気でよく見えないが、ただ先客がいることは確かだ。それも声色からして女性。

 

 

 まぁこの時間に風呂に入れる人物は大体限られてくる。魏の主な将、もしくは一刀はだけである。

 

 

 つまり一刀以外の場合は確実に顔見知りの女性。季衣とかだったらそう問題ではないのだが…。いや、それはそれで問題のような気がする…。

 

 

 もし桂花だったら死んだ方がましだと思えるくらいの仕打ちを受けるかも知れない。

 

 

「ご、ごめん!!」

 

 

 一刀は更衣室の扉の方に踵を返す。

 

 

「北郷か?」

 

 

 突然、声がかけられた。

 

 

「秋蘭たちだったのか。悪い、俺はもう少ししてから出直すからゆっくりしていってくれ」

 

 

「どうした入っていかないのか?」

 

 

「しゅ、秋蘭!?」

 

 

 声をあげたのは一刀ではなく湯船につかっているもう一人の人物、春蘭だった。

 

 

「別に構わないだろう姉者?知らぬ仲ではあるまいし」

 

 

「だ、だが!」

 

 

 春蘭は顔を真っ赤にしてどもってしまう。

 

 

「それでどうなのだ、北郷?我らと共に風呂に入るのは嫌なのか?」

 

 

「嫌ってことはないけど…」

 

 

 歯切れ悪く答える。

 

 

「ならばいいだろう。そんな所にいないでこちらに来たらどうだ」

 

 

 一刀は緩慢な速度で湯船の方に近づいていった。置いてあった桶で体を流すようの浴槽から水を掬い、持ち込んでいた手拭いで体の汚れを落としていく。

 

 

 その間、誰ひとりとして言葉を発しようとはしなかった。春蘭は顔を赤く染めて、口辺りまで体を湯に沈め子供のように空気を吐きぶくぶくしていた。

 

 

 体を綺麗に洗い終わった一刀は手拭いを腰に巻き、春蘭と秋蘭の入っている浴槽に二人に少し距離をおいて入った。

 

 

「ふぅ~」

 

 

 浴槽に浸かりながら疲れを吐き出すように大きく息を吐く。

 

 

「どうした北郷もう少しこちらに来ればいいではないか」

 

 

「それは駄目だ!!!!」

 

 

 春蘭が叫ぶ。

 

 

「なぜだ?」

 

 

「そ、それでは見えてしまうだろう!」

 

 

「すでにお互いの裸など見たことがあるのだから恥ずかしがることもないだろう姉者?」

 

 

「それはそうだが…やっぱり駄目だ!」

 

 

姉妹が話している間も一刀けして自分から話したり、近づいたりすることはなかった。

 

 

 

 

 

「では私のほうから近づくことにするか」

 

 

「おい、秋蘭!?」

 

 

 秋蘭は春蘭の制止も聞かずに一刀のいる方に湯船の中を進んでいった。一刀は浴槽の壁に背中を預けるように座っていた。顔は俯き気味に伏せていて表情を読み取ることはできない。

 

 

 秋蘭は一刀の肩を並べるように座りこんだ。

 

 

「いい湯だ」

 

 

「そうだな」

 

 

会話が終わってしまう。秋蘭は自らの肩を一刀のそれに寄せるように触れあわせ、頭を傾け預けるような形になった。

 

 

女性特有の柔らかな肌が密着する、それも相手は相当な美人である。一刀ぐらいの歳の男であればすぐにでも我慢できずに無理やり押し倒してしまいそうな状況だ。

 

 

だが一刀は俯いたまま何もしようとはしなかった。

 

 

「どうしてなにもしないのだ?」

 

 

 秋蘭は思わず思ったことそのまま口に出す。裏を返せば自分はなにかされても構わない。むしろそうして欲しいのだと主張していることに気づかずに。

 

 

 瞬時にそれに気がついて身体を離してしまいそうになるがすぐに同じ態勢に戻した。

 

 

「……」

 

 

 それでも一刀は反応しない。

 

 

 秋蘭の心中は様々な感情がごちゃ混ぜになっていた。

 

 

 もちろん男性に対しこんなことするのは初めてだった。冷静な仮面を被りつつもその下は相応の女性のように羞恥心と不安があった。

 

 

 それに耐えかねた秋蘭は一刀の下腹部にそっと手を伸ばした。男性経験が豊富な女性であればそれはどうということはない行動だったかもしれない。相手は自分を性の対象としているだろうという経験に裏打ちされた自信があるからだ。

 

 

 しかし、秋蘭はそうではなかった。華琳と閨を共にする、つまり女性同士の性交渉、それも求めるのではなく求められる経験は豊富であったが今回の場合は逆に求める側に回っており、相手は男性である。

 

 

 自身がそれなりの容姿をしていることはすでに知っている。周囲の男性の反応を見ていればそれはわかる。いうなれば男性を求めるたちばではなく、求められる方なのだ。

 

 

 そのような先入観を全て捨て去り、今秋蘭は一刀の劣情を催させ、求めている。

 

 

 手が“それ”に近づくにつれてあの日、一刀と男女の関係になった日のことが思い出される。感覚が憶えている。熱く猛々しいそれを。

 

 

 手拭いを潜るようにしてそれに手を触れた。

 

 

 春蘭は分かりやすいほどにその様子をちらちらと横目で見ていた。

 

 

 触れた瞬間、秋蘭は落胆と悲しみを綯交ぜにした表情を浮かべた。

 

 

 一刀の“それ”はあの日のモノは嘘であったかのように頭を垂れ、柔らかいままだった。

 つまりなんの反応もしていなかったのだ。

 

 

「…北郷。私には女としての魅力を感じてはくれないのか?」

 

 

「いや…」

 

 

 一刀は言葉を詰まらせる。

 

 

「貴様!!秋蘭を馬鹿にしているのか!!!!」

 

 

 怒りを爆発させたのは姉の春蘭だった。怒りに身を任せ立ち上がり、素肌が全て見えてしまっていることも忘れて一刀と秋蘭の方に歩みより、二人まとめて抱きよせ身体を密着させる。

 

 

「これならどうだ!?」

 

 

 三人が互いに向き合うように体を寄せ合った状態になってるので一刀の体には春蘭と秋蘭の豊満な胸が当たっていた。

 

 

 それでも一刀は自らの“それ”と共に無反応だった。

 

 

「ば、馬鹿な…」

 春蘭は驚愕の表情を浮かべる。それも当然だろう、一刀は魏の種馬の異名で称されるほどの男である。

 

 

「何が不満だというのだ!!」

 

 

 春蘭は羞恥と怒りで一刀の肩を掴み激しく揺さぶる。

 

 

「もういい姉者」

 

 

「なぜだ!」

 

 

「それ以上やると北郷が死んでしまう」

 

 

 一刀は風呂に浸かっているという状態に加え頭を揺さぶられたことで顔を青くしていた。

 

 

「す、すまん北郷。やりすぎてしまった」

 

 

 春蘭もそれに気づいたらしく慌ててその手を離す。

 

 

「あぁ…俺は大丈夫」

 

 

 そう言って一刀は立ち上がり湯船からでる。

 

 

「…今日は疲れてるから」

 

 

 貼り付けたような笑顔を浮かべ、一言そう言って、一刀はおぼつかない足取りで更衣室に去っていった。

 

 

 その言葉の真意が疲れているから反応しないのか疲れているから早く風呂からあがったのかはわからないままだった。

 

 

 

 

 

 

 翌日、華琳は昨日の風呂でのことを聞き出すため春蘭と秋蘭を再び呼び出していた。

 

 

「それで昨日はどうだったかしら?」

 

 

「「………」」

 

 

「まさか何もなかったってことはないでしょうけど、その様子じゃ結果は思わしくなかったみたいね」

 

 

 二人は風呂であったことを話し始めた。それを聞くにつれ華琳の表情は不機嫌に歪んでいく。

 

 

 華琳はあの時のことを思い出していた。

 

 

聡い華琳のことである春蘭への罰として行った行為だったが春蘭が一刀に対して本人が気づいているかはわからないが好意らしきものを持っていることはわかっていた。そして私のことが何かしらの足枷になってしまっているかも知れないことも。

 

 

もし、何かしらのきっかけがなければ春蘭も秋蘭でさえも一刀となんの進展もなかったかもしれなかった。なぜか二人を一刀とくっつけることに胸にもやもやした粘つく感じがするが無視した。行為が終わった後に部屋を出て行ったのもその場にいてはいけないような気がして、そのもやもやを桂花にぶつけることで紛らわすことにした。

 

 

余談はそれくらいにするとして、二人の話を聞くうちに一つの仮定が脳裏に浮かぶ。即座にそれを掻き消す。

 

 

(ありえないわ)

 

 

 だってあの一刀がそんなことで…。

 

 

「二人とも今日は私の閨の共をしなさい」

 

 

 不意にそう春蘭と秋蘭に告げる。二人は一瞬戸惑いながらも「はい」と答えた。

 

 

 二人が退出したあとで華琳は思考に耽る。「確かめないと」小さく呟く。

 

 

 

 

 

 

 

夜の帳も落ちて城内を闊歩するのも見張りの兵士と少数の侍女だけになった頃、一刀の部屋に一人の侍女が訪ねてきた。

 

 

「北郷様、夜分に失礼いたします。曹操様が至急寝室に来るようにと」

 

 

「華琳が自分の寝室に?」

 

 

「はい、そう仰せつかっています」

 

 

「…なんだろうな?華琳はそれだけしか言ってなかったの?」

 

 

「ただ寝室まで呼んでくるようにとしか」

 

 

「そっか、夜遅くにすまないな。すぐに行くから」

 

 

「それでは確かにお伝えしましたので私はこれで下がらせていただきます」

 

 

 侍女は一礼して去っていった。

 

 

 一刀は華琳の真意がわからなかった。一刀と華琳はまだそういう関係ではなかったし、仕事のことだったらこんな時間にいきなり呼び出さずともいいはず。

 

 

 疑問に思いながらも一刀は華琳の寝室に向かった。

 

 

 

 

 

 

 扉を開けると甘い空気に包まれる。嗅いだ事のある女性が発情した匂い、それが部屋の中に充満していた。

 

 

「意外と早かったのね。こちらに来なさい」

 

 

 寝台のある方から華琳の声が聞こえた。

 

 

 声の聞こえた方に歩いて行くとそこには春蘭と秋蘭を押し倒しているような恰好で寝台に横になっている華琳を見つけた。

 

 

「今日は少し趣向を変えてみようと思ったのだけれど」

 

 

 華琳はその体制のまま首を横に捻り、一刀の方を見ながら艶めかしさを隠そうともせず言った。

 

 

「…」

 

 

一刀はあまりの光景に声を出すことも出来ない。

 

 

「どうしたの一刀?」

 

 

 鼻にかかる様な声で華琳は促す。

 

 

「い、いきなりどうしたんだよ!華琳ちょっと変だぞ」

 

 

 どもりながら一刀がそう言うが華琳は一向に気にしない。それどころか春蘭と秋蘭の身体にその細く綺麗な指を這わせている。

 

 

 それに反応した二人は淫らな声を恥ずかしげに零し、成熟したその肢体を軽く跳ねさせ、しねらせて快感を享受している。それに合わせ華琳の可愛らしい慎ましやかな美尻も右へ左へ一刀を誘うように妖しく揺れる。

 

 

 あまりに淫靡な光景に一刀の“それ”は自己主張を始めてしまう。

 

 

(なによ、杞憂だったわね)

 

 

 華琳は一刀の“それ”を見て誰も気づかないように肩を撫でおろした気分になる。

 

 

「私がいいと言っているのよ。早くあなたも混ざりなさい」

 

 

「…それはできない」

 

 

 一刀の口から出た言葉は華琳にとって思ってもみないものだった。明確な拒絶で華琳の誘いを断ったのだ。

 

 

 勝利寸前の戦で負けを喫してしまったような気分だった。心の中に焦燥が広がってゆく。

 

 

「なぜ?あなたの“それ”は嫌がってはいないようだけど」

 

 

「悪い」

 

 

「どうしても?」

 

 

「どうしても…だ」

 

 

 華琳は寝台から起き上がり、一刀に近づきその手を取って二人のいる寝台まで引っ張って行き押し倒す。

 

 

「さぁ二人を犯しなさい。拒否はゆるさないわ、命令よ」

 

 

 華琳は王としての権限を使う。このようなことはしたくなかったがあまりに煮え切らない態度の一刀に痺れを切らしてしまう。それ以上に懸念すべきこともあった。

 

 

「…したくても、できないんだよ」

 

 

 一刀が絞り出すように言った言葉、それは途方もない悔しさと言いようのない悲しさを孕んで部屋に響き吸い込まれるように消えていった。

 

 

 

 

 いままで華琳と一刀のやりとりを見ていた二人でさえも息をのんだ。

 

 

「なぜなの?もしかして…」

 

 

 華琳は慎重な面持ちで尋ねる。そして自身の仮説、いやもうすでに華琳の中では真実に変わりつつあるものを口に出そうとした。

 

 

「違う」

 

 

 それを口にしようとしている華琳に一刀はそれ以上、口にして欲しくないといったようにそう言ってかぶりを振った。

 

 

「違うんだ華琳は何も悪くない。悪いのは俺なんだ」

 

 

 その言葉は華琳にとって決定的なものだった。一刀は限定的にだが性的不能に陥っている。しかもそれの原因を作ったのは自分である。

 

いま反応したのは私に対してであって二人に対してではない。

 

「すべて私が…」

 

 

「違うんだ!」

 

 

 一刀はそれ以上の言葉を言わせないとばかりに声を張り上げる。

 

 

 静まり返った部屋で一刀は仰向けの態勢で自分の眼を腕で覆い隠すようにしてからぽつりぽつりと話し始めた。

 

 

 

 

 行為が終わった次の朝、一人になった時になんてことをしてしまったのだと激しい罪悪感に苛まれたこと。

 

 

 

 

 言いようのない不安を感じたこと。

 

 

 

 

 春蘭と秋蘭とどう接すればいいかわからなくなってしまったこと。

 

 

 

 

 それからというもの春蘭と秋蘭に自らのモノが機能しなくなってしまったこと。

 

 

 

 

一刀は懺悔するように語る。誰も、華琳ですらそれに口を挟むことはできなかった。

 

 

 だって一刀の声はあからさまと言っていいほど震えていたし、なにより目を隠している腕とその隙間から透明な雫が流れていたから。

 

 

 一刀が泣いている。喜怒哀楽、付き合いもそれなりに長くなってきた三人は一刀の表情を見てきた。

 

 

 だが、涙を流す一刀を見たのは初めてだった。

 

 

 そんな一刀に声をかけることができなかった。

 

 

「だから春蘭と秋蘭を嫌いになったとかじゃないんだ。むしろ逆に俺のことを…」

 

 

 そこで一旦、言葉を区切る。

 

 

「それに華琳の所為でもない。ただ俺の心が弱かった、それだけなんだ。だから気にしなくてもいいよ」

 

 

 それからふいに一刀の声が明るくなる。

 

 

「それに俺はこのくらいでへこたれたりなんかはしないさ。春蘭と秋蘭みたいな美人をほっとくわけないだろ。なんたって俺は魏の種馬なんだからな!それはそうとまだ仕事が残ってたんだった、悪いけどもう部屋に戻らないと!」

 

 

 最後は捲し立てるように言って一刀は部屋を出て行った。

 

 

 誰が見ても一刀が無理をして空元気を出しているのがわかった。もう付き合いも長いのだから。

 

 

 

 

 

 部屋の雰囲気は一刀が入ってきた時みたいな甘い雰囲気は消え去っていた。かわりに暗欝とした空気が支配している。誰もこの空気を変えることはできないだろう。

 

 

「北郷は馬鹿なのです」

 

 

「そうだな!あやつは軟弱者だ」

 

 

 そんな中で声を出したのは春蘭と秋蘭だった。

 

 

「二人とも…」

 

 

「すべてはあの北郷が悪いのです!なぁ秋蘭?」

 

 

「そうです。我らは華琳様のしもべ、他になにもいりませぬ」

 

 

 春蘭と秋蘭は笑みを浮かべて華琳に告げる。

 

 

 華琳はなにも言わずに二人を抱きしめた。

 

 

「今日はあなた達二人を全力で可愛がってあげる」

 

 

(二人がなにも考えられないようになるくらいに)

 

 

 そう心に誓って。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その夜、春蘭と秋蘭は華琳の手で激しくよがり、乱れた。

 

 

 その双眸から驟雨のような大粒の涙を流しながら。

 

 

 


 
このエントリーをはてなブックマークに追加
 
 
82
13

コメントの閲覧と書き込みにはログインが必要です。

この作品について報告する

追加するフォルダを選択