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真・恋姫†無双 ~孫呉千年の大計~ 第4章 3話

雪月さん

常連の皆様&お初の方もこんばんは いつもお世話になっております

この作品は真・恋姫†無双・恋姫†無双の2次創作となっております
主人公は北郷一刀 メインヒロインは雪蓮と蓮華と仲間達でお送りしております
※猶、一刀君はチート仕様の為、嫌いな方はご注意を! ※オリキャラ紹介は本文下記参照のこと

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2015-03-04 18:37:28 投稿 / 全4ページ    総閲覧数:2971   閲覧ユーザー数:2597

第4章 晋帝国の野望 混沌編 3話 『 河北動乱・第2次界橋中盤戦 各勢力の思惑 』 

 

 

 

 

「また曲者か? もうこれで何度目だ?」

「ん~3度?」

「4度目じゃなかった? どうせまた晋の仕業でしょ? 根暗で陰険で実にしつこいわね あ~やだやだ」

 

建業の参謀執務室で、今後の動きをあれやこれやと雪蓮と確認しあっている所へ

恋が突然部屋へと飛び込んできて、いきなり天井を汚してごめんなさいと平身低頭し謝りにきたのだった

 

現場の惨事を目撃した月が、ヒッっと叫び失神しそうになるのを

詠が咄嗟に月の身体を受け止め、それ以上の大惨事になるのを見事阻止

それとは逆に、咲を始めとした侍従達は慣れた手つきで血塗られた現場処理を淡々とこなしていた

 

恋は曲者を退治したのだから功こそあれ、実に恋らしいズレた気遣いに対し

報告を受けた冥琳と雪蓮は苦笑をまじえつつも、2人は後の始末は侍従達に任せ、お疲れ様と恋を労うことを忘れない

 

当然のことながら、此度の報酬として大量の食料がねねを通じて提供される運びとなるだろう

すぐに使いへと指示を与え送り出すと・・・

 

「魏と晋の戦いも以前として膠着模様のようだし

 軍の士気をあげる為にも何か成果が欲しいのだろう 相当焦れてるのやもしれぬな

 恋すまぬが引き続き陛下の身辺警護を頼む」

 

「よろしくねっ!」

 

冥琳と雪蓮の2人は共に笑顔であったことから

恋も怒られているというより、褒められていると感じたのであろう

 

「こくこく」

 

傍にあったお菓子を雪蓮は御褒美だと恋へ与えると

さも満足げに受け取った恋は、おもむろに頬張りまるでリスのように両頬を可愛く膨らませモグモグしている

2人へと報告を終えた恋は、護衛任務へと戻るべく参謀執務室をトコトコと出て行く恋は

3英雄が1人であり、人中に呂布ありと大陸で謳われ恐れられる猛将と同一人物とは、とても思えぬ可愛さを滲ませ漂わせていた

 

夜の一刀の護衛は、妻である雪蓮達が基本務めてはいるが

妻達全員が現在も呉の一軍を率いる将として中心である為、一刀に常時ついている訳にもいかない

そこで恋が呉の仲間になったと同時に、冥琳を通して親衛隊隊長の就任と普段の一刀護衛の任を依頼したのだった

 

それが今では幸を奏したのだろう 

昼間は恋の野生の勘、夜中は雪蓮の天性の直感が重なりあい

今では暗殺者が一刀に触れることすら出来ない有様となっていた

 

手練といえる一刀、雪蓮、恋といえど、油断し毒で手傷を負えば、たちまち死に直面してしまう危うさがあった

現在では荊州・豫州・揚州という広大な領地を有し、各地へ将を派遣し散り散りとなりがちな昨今

もし仮にTOPの一刀が一度死に直面などすれば、跡継ぎ候補の偲蓮はまだ幼く

呉は忽ち磐石の礎を失ってしまう事態に陥りかねなかった

 

そうした意味において、手練である恋の加入は、呉にとって実に有り難いものとなっていた

また暗殺の件を華佗に話すと、良く使われる数種類の解毒薬を手渡し

定期的に呉へと寄ることも快く了承を取り付けていた

 

暗殺という手段は何も一刀に決まった話しでもないので

蓮華を始めとした呉の諸将全員に、警戒を怠らぬよう注意喚起を付け加えることも忘れてはいなかった

 

恋が去り、再び静寂を取り戻した執務室にて、雪蓮がおもむろに冥琳へと問いかけていた

 

「それにしても冥琳、 魏、晋どっちが勝つと思う?」

 

元はと言えば、参謀執務室で今後の動きをあれやこれやと雪蓮と確認しあっていたのだ

どちらが勝ちどちらが負けると想定した上で、すでに呉は動き出しているのは自明の理なのであるが・・・

 

「さあてな? 戦に絶対はない! ・・・ない以上、全てが仮定の上に過ぎないが・・・ きっと”※”だろうな

 私個人の意見としては、どちらの勢力と遣り合っても面倒だから、正面から当りたくはないのだがな」

 

何かを察した冥琳は、そう投げやりで不明瞭な答えを言い放つと

雪蓮を執務室に残し、さっさと執務室の扉から出て行くのであった

 

「あらら~ 冥琳にしては不明瞭でやけに投げやりな・こ・と!」

 

なんとも雪蓮らしい、冥琳の解に残念?ともとれる声音が、去り行く冥琳の耳に微かに届いていた

 

「我らが愛する夫を殺そうとした罪、万死に値しよう?

 ”晋”と対峙した際には、その罪をキチンと償ってもらわねばな? 

 その行き着けの駄賃にしては少々安すぎるが・・・ なぁ雪蓮?」

 

相方である雪蓮の心根など、問いかけてきた瞬時に察せようというもの

フッ 声音では騙せるのだろうが・・・ 表情にありありと出すぎだ馬鹿者め 

そんな下手な演技、そこで耳を澄ましている斥候にしか通用せんだろうよ  

 

そう去り際語ってみせた冥琳は、キュッとした表情へと戻すと、自身の仕事へと再び赴き始めるのであった

 

「そろそろ死に逝く覚悟は出来たかしら?

 そこっ!! 一匹たりとも糞ネズミを逃がすものですかっ!」

 

「うぎゃぁーーーーーーーーーーーー!!」

 

恋による仲間の死を目の当たりにし、情報取得に早々切り替え忍んでいたのだろうが・・・

雪蓮の真・古錠刀が深々と天井の一点を貫き、斥候の胸元へと深々と吸い込まれていた

 

この断末魔の叫びを聞きつけたのであろう 衛兵がすぐさま部屋へと駆けつけてくるや

 

「ネズミがまだ天井に潜んでいたようだから、始末しておいてくれる? 

 月にまた卒倒さてても困るから・・・ そうね、咲か詠に伝えてくれるかしら?」

 

「ハッ! 承知致しました!!」

 

衛兵がそう返礼し、頭を上げ雪蓮の表情をみた瞬間

衛兵は凍りついたように言葉を失い、部屋から転げ出るように、一目散に走り去って行くのでありました

 

「あっっったまキタわね! 良く憶えておきなさいよ? この借りきっちりと利息つけて返してやるんだから!」

 

そう呟き歯軋りしつつ、窓から外をこんこんと見つめ続ける雪蓮の表情は

孫呉の王として君臨した頃の冷酷無比の仮面が覗かせたのでありました

 

             ・

             ・

             ・

 

その一方で・・・

 

「鄧艾様、呂布と孫策の邪魔が入り、失敗に終わりましたようです この度の仕儀面目次第もございません」

「・・・そうですか 判りました 下がりなさい」

「ハッ! 失礼いたします・・・」

 

部下からの報告によれば、この度も北郷一刀の暗殺に失敗したようだった

報告を聞き終えた鄧艾は寝所を抜け出し、界橋全体を一望できる丘へと自然と足を向けていた

 

「ふぅ~~ ・・・こちらの方はやはり一筋縄ではいきませんか」

 

暗殺開始当初、主である司馬懿から命じられたのは、北郷一刀の”暗殺”ではなく”偵察”が任務だった

北郷一刀の偵察を行うにつれ、彼の行動が尋常ではなく異常なのがすぐ判った

 

一般人を装っているにも関わらず、斥候がある一定の距離に入ると途端に睨まれるという

北郷一刀に言わせれば、この時点においては威嚇、警告の類なのであろう

尚も執拗に追おうとすると、途端に姿を見失うか、人気のない場所へと誘導され処分される

 

天の御遣いと囃し立てられていた頃の北郷一刀には、呉の斥候が優秀ではあったものの

警戒は常に呉の王であった孫策、孫堅を中心に固められていたこともあって

呉の周囲の情報を探る余裕も、北郷一刀の暗殺に切り替え、手を下す事も容易に出来ていた

 

暗殺に切り替えた大抵の場合、直々に内々に始末され、失敗に終わる事が多かったが

人間いつしか警戒が緩みボロが出る筈、急ぐ必要もないかなどと余裕を持って対処していた結果

 

「ふふふ 嫌な予感がして来てみれば、ねずみがうろちょろしているわね~♪」

 

それが結婚を境に、北郷一刀が天皇へと上り詰め就任するや

途端に妻の孫伯符が暗殺行為の邪魔に加わり、難易度が前にも増して困難な状況へと変貌を遂げた

 

難易度が増した現在ともなると・・・

 

「・・・邪魔」

「・・・うるさい」

 

などと、呂布が護衛を担うに到っては、一言のもとに首を刎ね落とされ、あるいは斬り殺される始末と聞く

娘に標的を変え動揺を誘い、その内に北郷一刀を襲おうと計画を練っても

そちらは常時江東の虎である孫堅、侍従に化けた優秀な斥候が常に傍にいて警戒しているので

見知らぬ者が近寄ることすら出来ない有様で

 

近頃では、北郷一刀に全く刃が届きもしない体たらくな有様と成り果て

毒も遠慮なく使用しているとのことだが、邪魔する孫策と呂布がそれ以上に勝っているという証左なのであろう

 

自身の部下である斥候達を、体たらくなどという短絡的な一言で責めたくはないのだが

ここまで失敗続きであると、気の長いほうである鄧艾ですら、表情に出し怒りを露にすることもしばしばなのである

 

自身が自ずから出向けば、暗殺の成功率は格段に上がるのだろうが

あの生意気なドチビ(瑠璃)を育てあげた実績もあり

北郷一刀の数々の戦歴の噂を聞き及ぶに、暗殺確実とは決して言い切れない所がある

 

それにこの度は、主である司馬懿様直々の命で、魏への謀略を行っていた為

賈充専属の斥候に暗殺を任せてみたものの、やはり失敗に終わったようであった

 

また自身の主である司馬懿様はもとより、現当主の司馬師様にも独断で秘密裏に行っている事もあって

暗殺を何度と試行していることなど、主達のお耳に入れることすら躊躇われる

 

それどころか、司馬師様に到っては、己の手で北郷一刀を討つ事を掲げていらっしゃる手前

勝手な事をするなっ!ときっとお叱りを受けることだろう

 

一臣下の身の上で分不相応なれど、危険となる人物を事前に排除できる可能性があるのなら

最大限の権力を行使し滅するまで・・・と意気込んではみるものの

優秀な斥候を数多く抱えている今日の呉では、謀略はもとより調略や情報収集すらも遅々として進まない

 

呉の唯一の弱点ともいえる呉の有力豪族をそそのかし足元を掬ってみせたものの・・・

張紘の張氏長就任と入内、孫策、周瑜、張昭らの活躍もあって、即鎮圧されてしまい失敗に終わった         ※第3章 拠点8参照

 

魏と晋による界橋での戦いが、徐々に閉塞感が増す中

どんな些細な事でも、優位に勝利へと貪欲に結びつけられる”切欠”が、魏・晋両陣営共に欲しい所でもあった

 

 

 

 

「母上」

 

膠着状態で一進一退を続けている現在

本来なら家臣を少しでも煽て、士気を高揚させ戦意を増せさせるところなのであろうが

そんな配慮など犬に食わせろと言わんばかりに、我が子ながら、なんとも無粋ともよべる親しみのない声音で呼びかけてきた

 

「なぁに? 子上」

 

我が子の呼び声に、即満面の笑顔で答える母・張春華

パッと華やいだ春華の笑顔は、緊張感の続く晋本陣に少しの合間、彩(いろどり)を与えた

 

「左翼をより厚くして”足止め”して欲しい 相手は恐らく程昱となるだろう」

「・・・・・・」

 

(あの妖女、もとい幼女を・・・ね 本来なら旦那様を当てたい所なのでしょうけど・・・

  風貌とは違ってあのお嬢ちゃんの心底は、旦那様と共に計り知れないものがある)

 

「承知したわ 元姫ちゃんも借りていくけどいいかしら?」

 

相手を値踏みする少しの間をおいて

えっ? えっ!? えっ?自分の名を突然呼ばれ、司馬師の横で可愛くアタフタする元姫を他所に

春華はニヤリと口角を上げ舌なめずりしたかと思うと、我が子・司馬師にそう返答してみせたのであった

 

「元姫を暇つぶしに使うのは結構だが・・・ 遊び過ぎて抜かれるなよ?」

 

司馬師は一瞬眉をキュッと顰め怪訝な仕草をするものの・・・すぐさま打ち消し

母に対して一応釘をさしておくことは忘れなかったようである

 

「は~い♪ ・・・ということで~元姫ちゃんは~私といらっしゃいな~♪」

「へっ!? えっ? えっ!? えっ~~~」

 

元姫に素早く近寄った春華は、素早く元姫の腰に手を回したかと思うと

混乱中の元姫を颯爽と引き連れ、本陣から去っていくのであった

 

「・・・これでいいのだろう? 賈充」

 

元姫と共に颯爽と去った母の姿を想像し溜息をつきつつ

自身の影の如く傍にジッと控えている賈充にそう問いかけ、賈充も深く頷いてみせる

 

「はい、若は潰したい、八つ裂きにしたい思いでウズウズしているのでしょうが、もう少し自重くださいませ

 この時間稼ぎの戦いは、司馬懿様の願いでもありますからな 

 

 何でも新月の間のみ”力が復活する”のだということですし

 それにしても、仰々しく祭壇をこんな所に作らなくてもとは思いますが・・・」

 

司馬懿が作ったという祭壇がある方角へと視線を移す賈充に対し

 

「”アイツの力”待ちっていうのが実に面白くもないが

 来るべき北郷との戦いの事を思えば、このイライラも少しは我慢出来ようというものだ」

 

力が有り余りすぎて行き場を失っているといった言葉が当てはまるのだろう

退屈そうに欠伸をしつつも、グッと強く握り締める司馬師の拳が、小刻みにブルブルと震えている

 

「・・・それに御母堂様は、若でしか”キチン”と操縦できませぬゆえ・・・」

 

忘れかけた頃にそんな言葉を付け加える賈充に対して

そんなことはないだろう? アイツ(司馬懿)でも可能であろうが?

司馬師は隣にて控える賈充の言に、意を唱える睨みを利かせた視線を送り続けてはみるものの・・・

 

賈充はおろか、本陣にいる近習達も皆、違いねぇと相槌をうつ始末に

睨みはフッと音もなく消失し、代わりにどいつもこいつもウザい・・・という怨念が、背辺りから溢れ出ているように思え

これで何度目となるか判らぬ、大きく深い溜息を本陣にて吐き棄てる司馬師でありました

 

             ・

             ・

             ・

 

 

前界橋戦での戦禍がそこら中に残っているとはいえ、山や小高い丘、森林が点在している場所柄

3万近い兵力が纏まって晋本陣へと押し寄せ、力づくでゴリ押し出来る広さはなかった

 

中央・右翼の二方向から攻め立てれば、晋に勝てるのは重々承知しているが

それでは司馬一族を易京へと逃がし篭られてしまいかねない恐れもあった

先の公孫賛戦での戦いの長期化もあって、兵糧の工面の面においても、篭城という長期化の愚は絶対避けたい局面でもあった

だからこそ、こうして界橋にまで誘い出し、こうして野戦に縺れ込んだまでは上手く運べ計算通りといえた

 

ここからが稟の腕の見せ所なのだと、少し意気込みすぎたのがいけなかったのか?

それだけではなく、相手の意図が上回ってもいたのだろう

互いに決定打もなく決着もつかぬまま、こうして膠着状態へと陥ってしまった

 

何度となく中央を流れる川を挟んで攻めてはみたものの・・・

敵方の死人の多くは、元公孫賛に属していた者達とみられる死体が多く、その多くが人盾とされているのだろう

見知った者が多く属する晋の手練の将兵達は、殆どとして死人として見かけない有様に

稟の焦燥はジリジリと増すばかりであった

 

「序盤戦は膠着状態は続いてますけれども

 訓練の成果も実り、我ら魏は晋に対し少しも負けてはいませんっ!

 今一度3方より押し迫り、此度こそ、晋を河北の地より駆逐してしまいましょう!」

 

「「オオォーーーーー!!」」

 

一方、曹操本陣でも稟がいつになく緊張を伴った口調で

春蘭を始めとした居並ぶ諸将を前に、皆へこう激を飛ばしていた

諸将も稟の言葉に拳を天高く突き上げ応えてみせた

 

こうして魏の将兵達を送り出すのは、これで何度目となるだろう?

そうした疑問が稟の中でふと頭を過ぎる中

 

稟にとって、この戦いが始まってからというもの、司馬懿の姿が全くみえない事が不安の種でもあったが

それ以上に、この度の戦いにて自軍の調整に手を焼かされていた

 

今までこうした戦い全てにおいて、桂花1人が取り仕切って行われていた作業ゆえに

桂花が防衛、後方支援へと回った現在、前線のほぼ全てにおいて、稟が取り仕切らねばならなくなっていた

前線全てを取り仕切る重圧、決して負けてはならぬ重圧と、様々なしがらみが稟を縛り付ける

 

相方である風もこの前線にいるので、負担としては大したものでもない筈なのだが

最終確認は全て自身で確認せねば気が済まない、生真面目すぎる困った性格でもあった

 

此度の敵は、かねてより獅子身中の虫と称していた司馬懿であることで

稟は華琳の事を妄想している時と、なんら変らない興奮度と熱さを身体に帯び、血が沸騰し煮えたぎっていた

 

寝ても醒めても、何度となくこの戦いの未来を予測し、策を練り上げていたことだろう

そのことで稟の睡眠時間は刻々と削られ失われていく

 

そうした負担も重なって、稟の身体が次第に病魔に蝕まれていっていることに自身が気付きもしていない

稟の研ぎ澄まされた感覚に、普段とは違ったズレが生じていたのも事実であった

 

ただそれは此度の稟だけに限らず、軍を指揮する華琳や桂花にだって、誰もがきっと経験したことに違いない

風とて此度の稟が背負う重圧を正確には理解できていなかったことになる

 

猜疑心、恐怖心、焦燥に身を焦がしつつ

それでも前進してきたからこそ、魏の今があるのだからと稟は己を奮い立たせる

 

(稟ちゃん、ちゃんと寝れてますか?)

 

そう問いかけたかった風ではあったものの・・・ 

稟へとかける言葉が見つからない・・・

 

眼の下にクマが出来て憔悴している稟をみれば、寝ていない又は熟睡できていないのは一目瞭然でもあった

風の心配している表情をみてとったのだろう、そう見つめてくる風に対し

 

「風、これくらいなんてことはない、大丈夫だ! それより右翼の突破、期待しているぞ!」

「任せるのですよ」

 

クマが出来た笑顔でそう気遣われては

さすがの風とて稟の決意を前にしこれ以上何も言えず、口を噤む他なかったのである

 

(きっと稟ちゃんの力になってみせるのですよ)

 

細腕に気合を注入し力こぶしをつくり、風もまた笑顔で稟を送り出したのであった

 

 

 

 

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●『真・恋姫†無双 - 真月譚・魏志倭人伝 -』を執筆中

 

※本作品は【お気に入り登録者様限定】【きまぐれ更新】となっておりますので、ご注意を

人物設定などのサンプル、詳細を http://www.tinami.com/view/604916 にて用意致しております

 

上記を御参照になられ御納得された上で、右上部にありますお気に入り追加ボタンを押し、御登録のお手続きを完了してくださいませ

お手数をおかけ致しまして申し訳ありませんが、ご理解とご了承くださいますよう、何卒よろしくお願いいたします<(_ _)>

 

■■■【オリジナル人物紹介】■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

 

 

 ○孫堅 文台 真名は緋蓮(ヒレン) 

 

  春秋時代の兵家・孫武の子孫を称し、各地で起こった主導権争いに介入し

  『江東の虎』の異名で各地の豪族を震撼させた

  優秀な人材を率い転戦、やがて軍閥化し孫家の基礎を築いた

 

  容姿:髪は桃色で、孫家独特の狂戦士(バーサーカーモード)になると、右目が赤色に変化するのが特徴で、平時は量目とも碧眼である

  祭と同じく胸が豊満で背は祭より高い 体格は祭よりすこし大きい 顔立ちは蓮華というより雪蓮に似ているだろうか

 

 ○張紘 子綱 真名は紅(コウ) 

 

  呉国の軍師の一人で主に外交を担当。 魏の程昱(風)の呉版と考えていただけると理解しやすいだろう

   『呉郡の四姓』と呼ばれる有力豪族の張氏の出 雪蓮直々に出向き、姉の張昭と共に臣に迎え入れられる

  張昭と共に『江東の二張』と称される賢人

 

  ※史実では、呉郡の四性でも張昭と兄弟でもありませんのでお間違い無きように。。。 

   呉郡の四性の中で張温しか見当たらなかった為、雪月の”脳内設定”です

 

  容姿は青眼で背丈は冥琳より少し低い 顔は姉の王林とは似ておらず童顔で人に安心感を与える顔立ちである

  髪は腰にまで届こうかという長く艶やかに保った黒髪を束ね、ポニーテールと呼ばれる髪型にしている事が多いが

  その日の気分により、長髪を肩辺りで束ね胸の前に垂らしている場合もあるようである

  服装は藍色を基調とした西洋風ドレスを身を纏っている

 

 ○魯粛 子敬 真名は琥珀(コハク)

 

  普段は思慮深く人当りも良い娘で、政略的思考を得意とし、商人ネットワークを駆使し情報収集・謀略を行う

  発明に携わる時、人格と言葉遣いが変化し、人格は燃える闘魂?状態、言葉遣いは関西弁?風の暑苦しい人に変化する

  このことから「魯家の狂娘・後に発明の鬼娘」と噂される

 

  ※穏(陸遜)は本をトリガーとして発情しちゃいますが、、琥珀(魯粛)は発明に燃えると・・・燃える闘魂に変身って感じです

 

  容姿は真名と同じく琥珀色の瞳をもち、髪は黒で肌は褐色がかっており月氏の特徴に似通っている

  背は明命と同じくらいで、服装は赤を基調としたチャイナドレスを身に纏っている

 

 ○張昭 子布 真名は王林(オウリン) 

 

  呉国の軍師の一人で主に内政を担当。 冥琳とはライバル同士で互いに意識する間柄である

   『呉郡の四姓』と呼ばれる有力豪族の張氏の出 雪蓮直々に出向き、妹の紅(張紘)と共に臣に迎え入れられる

  張紘と共に『江東の二張』と称される賢人

 

  妹の紅は「人情の機微を捉える」に対して「政(まつりごと)の機微を捉える」という感じでしょうか

 

  容姿は冥琳より少し高めで、紅と姉妹でありながら顔立ちが似ておらず、冥琳と姉妹と言われた方がピッタリの美人系の顔立ちである

  眼鏡は使用しておらず、服装は文官服やチャイナドレスを着用せず、珍しい”青眼”でこの眼が妹の紅と同じな事から

  姉妹と認識されている節もある 紫色を基調とした妹の紅と同じ西洋風のドレスを身を纏っている

 

 ○程普 徳謀 真名は楓(カエデ)

 

  緋蓮旗揚げ時よりの古参武将であり、祭と並ぶ呉の柱石の一人 「鉄脊蛇矛」を愛用武器に戦場を駆け抜ける猛将としても有名

  祭ほどの華々しい戦果はないが、”いぶし銀”と評するに値する数々の孫呉の窮地を救う働きをする

  部下達からは”程公”ならぬ『程嬢』と呼ばれる愛称で皆から慕われている

 

  真名は・・・素案を考えていた時に見ていた、某アニメの魅力的な師匠から一字拝借致しました・・・

 

  容姿は祭と同じくらいの背丈で、端正な顔立ちと豊かな青髪をうなじ辺りでリボンで括っている

  均整のとれた体格であるが胸は祭とは違いそこそこ・・・ちょっと惜しい残念さんである

 

 ○凌統 公績 真名は瑠璃(ルリ) 

 

  荊州での孫呉崩壊時(※外伝『砂上の楼閣』)に親衛隊・副長であった父・凌操を亡くし、贈った鈴をもった仇がいると

  知った凌統は、甘寧に対して仇討ちを試みるものの・・・敵わず返り討ちにあう間際に、一刀に救われ拾われることとなる

  以来、父の面影をもった一刀と母に対してだけは心を許すものの・・・未だ、父の死の傷を心に負ったまま

  呉の三羽烏の一人として日々を暮らしている

 

  容姿はポニーテールに短く纏めた栗色の髪を靡かせて、山吹色を基調とした服に身を包んでいる小柄な少女

  (背丈は朱里や雛里と同じくらい)武器は不撓不屈(直刀)真名の由来で目が瑠璃色という裏設定もございます

 

  ○朱桓 休穆 真名は珊瑚(サンゴ)

 

  『呉郡の四姓』と呼ばれる有力豪族の朱氏の一族

  槍術の腕を買われ、楓の指揮下にいた 一刀の部隊編成召集時に選抜された中から、一刀に隊長に抜擢された『呉の三羽烏』の一人

  部隊内では『忠犬・珊瑚』の異名がある程、一刀の命令には”絶対”で元気に明るく忠実に仕事をこなす

 

  容姿:亞莎と同じくらいの背丈で、黒褐色の瞳に端正な顔立ちであり黒髪のセミロング 人懐っこい柴犬を思わせる雰囲気をもつ  

  胸に関しては豊満で、体格が似ている為よく明命から胸の事で敵視されている  

 

  ○徐盛 文嚮 真名は子虎(コトラ)

 

  弓術の腕を買われ、祭の指揮下にいた 一刀の部隊編成召集時に選抜された中から、一刀に隊長に抜擢された『呉の三羽烏』の一人

  『人生気楽・極楽』をモットーにする適当な性格であったが

  一刀と他隊長である珊瑚と瑠璃・隊長としての責に接していく上で徐々に頭角を現し

  後に部隊内では『猛虎』と異名される美丈夫に成長を遂げていくこととなる 

 

  容姿:思春と同じくらいの背丈で黒髪のショートヘア 体格も思春とほぼ同じく、遠めからでは瓜二つである 

  二人の区別の仕方は髪の色である(所属部隊兵談) またしなやかな動きを得意としている為、思春の弓バージョンと言える 

 

  ○諸葛瑾 子瑜 真名は藍里(アイリ)

 

  朱里の姉 実力にバラツキがあった為、水鏡から”猫”と称される

  その後、水鏡と再会時に”猫”が変じて”獅子”になりましたわねと再評価される

  天の御遣いの噂を聞きつけた藍里が冥琳の元を訪れ、内政・軍事・外交とそつなくこなす為

  未熟であった一刀の補佐にと転属させられる 

 

  初期には転属させられた事に不満であったが、一刀に触れ与えられる仕事をこなす内に(わだかま)りも消え

  一刀に絶大な信頼を寄せるようになる

  後に亞莎が専属軍師につくと、藍里の内政面への寄与が重要視される中で、藍里の器用な才を愛し、軍師としても積極的に起用している

 

  容姿は朱里より頭一つ高いくらい 茶髪で腰まであるツインドテール 朱里とよく似た童顔でありながらおっとりした感じである

  服装に関しては赤の文官服を着用しており、胸は朱里と違い出ている為、朱里とは違うのだよ 朱里とは・・・

  と言われているようで切なくなるようである(妹・朱里談)  

 

  ○太史慈 子義 真名を桜(サクラ)

 

  能力を開放しない雪蓮と一騎打ちで互角に闘った猛者  桜の加入により瑠璃が一刀専属の斥候隊長に昇格し

  騎馬弓隊を任されることとなった(弩弓隊・隊長 瑠璃→子虎、騎馬弓隊・隊長 子虎→桜に変更)

  本来の得物は弓で、腕前は祭を凌ぎ、一矢放てば蜀の紫苑と互角、多矢を同時に放てば秋蘭と互角という

  両者の良い処をとった万能型である

 

  武器:弓 不惜身命

  特に母孝行は故郷青州でも有名であり、建業の役人街が完成した際に一刀の薦めもあって一緒に迎えに行く

  隊長として挨拶した一刀であったが、桜の母はその際に一刀をいたく気に入り、是非、桜の婿にと頼み込む程であった

   

  容姿はぼん・きゅ・ぼんと世の女性がうらやむような理想の体型でありながら身長が瑠璃ぐらいという美少女系女子

  眼はブラウン(濃褐色)であり、肩下までの黒髪 気合を入れる時には、白い帯でポニーテールに纏める

  一刀の上下を気に入り、自身用に裁縫し作ってしまう程の手先の器用さもみせる

 

  真剣に話している時にはござる口調であるが、時折噛んだりして、ごじゃる口調が混ざるようである

  一時期噛む頻度が多く、話すのを控えてしまったのを不憫に思った為

  仲間内で口調を指摘したり笑ったりする者は、自然といなくなったようである

 

 ○高順

 

  「陥陣営」の異名をもつ無口で実直、百戦錬磨の青年 

  以前は恋の副将であったのだが、恋の虎牢関撤退の折、霞との友誼、命を慮って副将の高順を霞に付けた

  高順は恋の言いつけを堅く守り続け、以後昇進の話も全て断り、その生涯を通し霞の副将格に拘り続けた

 

 ○馬騰 寿成 真名を翡翠(ヒスイ)

 

  緋蓮と因縁浅からぬ仲 それもその筈で過去に韓遂の乱で応援に駆けつけた呉公に一目惚れし

  緋蓮から奪おうと迫り殺りあった経緯がある

 

  この時、緋蓮は韓遂の傭兵だった華雄にも、何度と絡まれる因縁もオマケで洩れなくついて回ることとなるのだが・・・  

  正直な処、緋蓮としては馬騰との事が気がかりで、ムシャクシャした気持ちを華雄を散々に打ちのめして

  気分を晴らしていた経緯もあったのだが・・・当の本人は、当時の気持ちをすっかり忘れてしまっているが

 

  この事情を孫呉の皆が仮に知っていたのならば、きっと華雄に絡まれる緋蓮の事を自業自得と言いきったことだろう・・・

 

 ○孫紹 伯畿 真名を偲蓮(しれん)

 

  一刀と雪蓮の間に生まれた長女で、真名の由来は、心を強く持つ=折れない心という意味あいを持つ『偲』

  ”人”を”思”いやる心を常に持ち続けて欲しい、持つ大人へと成長して欲しいと2人が強く願い名付けられた

  また、偲という漢字には、1に倦まず休まず努力すること、2に賢い、思慮深い、才知があるという意味もある

 

  緋蓮、珊瑚、狼をお供に従え?呉中を旅した各地で、大陸版・水戸黄門ならぬ

  ”偲”が変じて”江東の獅子姫様”と呼ばれる

 

 ○孫登 子高 真名を桜華(おうか)

 

  一刀と蓮華の間に生まれた次女で、子供の扱いが分らぬ蓮華の犠牲者1号となり

  早々に侍従長の咲と思春の手により育てられることとなる

 

  そんなエピソードがあるのにも関わらず、聡明な娘で人望も厚く育ち、王となってからは自身の才能をいかんなく発揮させる

  一刀や蓮華に似ているというより、姉である雪蓮に似ているとの蓮華談有り

  後年孫呉の王として、天皇となりし姉・偲蓮を支えることとなる

 

 ●その他武将

 

  蒋欽ー祭の副将、董襲ー楓の副将

  歩シツー珊瑚の副将、朱然ー昔は瑠璃、現在子虎の副将、丁奉ー昔は子虎、現在は桜の副将 周魴ー瑠璃の副将

 

 ○咲

  母娘共に侍従長として、長きに渡り孫呉に仕える 月、詠の上司に当る

  主な著作に侍従長はみたシリーズがある

 

 ○青(アオ)

  白蓮から譲り受けた青鹿毛の牝馬の名前 

 

  白蓮から譲られる前から非常に気位が高いので、一刀以外の騎乗を誰1人として認めない 

  他人が乗ろうとしたりすれば、容赦なく暴れ振り落とすし蹴飛ばす、手綱を引っ張ろうとも梃子でも動かない

  食事ですら・・・一刀が用意したモノでないと、いつまで経っても食事をしようとすらしないほどの一刀好き

 

  雪蓮とは馬と人という種族を超え、一刀を巡るライバル同士の関係にある模様

 

 ○狼(ラン)

  珊瑚の相棒の狼 銀色の毛並みと狼と思えぬ大きな体躯であるが

  子供が大好きでお腹を見せたり乗せたりする狼犬と化す

 

 

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【あとがき】

 

常連の読者の皆様、お初の皆様 こんばんは 雪月でございます

 

速くUPしたかったのですが、この辺りの日程が限界でございました しかも非常に文章量も少なく短い ガフッ・・・

中盤戦の戦いの模様も入れてUPするのがベストかと思うのですが

展開ちょっと迷っている部分もあり、また時間がかかりそうな事もございまして、UPの運びと相成りましてございます

 

ちょっと魏に不穏な陰りがチラついておりますが・・・

一体全体どうなりますことやら?といった次回の展開です

 

これからも皆様の忌憚のない御意見・御感想、ご要望、なんでしたらご批判でも!と何でも結構です

今後の制作の糧にすべく、コメント等で皆様のご意見を是非ともお聞かせ下さいませ 

 

まだまだ寒い日が続いております 皆様御自愛くださいませ 

それでは完結の日を目指し次回更新まで(´;ω;`)ノシ マタネ~♪


 
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