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真・恋姫†無双 ~孫呉千年の大計~ 第3章 拠点8

雪月さん

常連の皆様&お初の方もこんばんは いつもお世話になっております

この作品は真・恋姫†無双・恋姫†無双の2次創作となっております
主人公は北郷一刀 メインヒロインは雪蓮と蓮華と仲間達でお送りしております
※猶、一刀君はチート仕様の為、嫌いな方はご注意を! ※オリキャラ紹介は本文下記参照のこと

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2015-01-07 20:58:50 投稿 / 全8ページ    総閲覧数:3295   閲覧ユーザー数:2818

第3章 拠点8 『 焦燥 紅編 』 

 

 

 

 

「はてさて・・・ このような仕儀に相成りどう致しましょう はぁ~~~」

 

久々に数日の休みを戴いたというのに、朝からこんな調子で紅は長い溜息をつきつつ悩んでいた

 

紅を悩ませていた一事というのも、冥琳と祭が立て続けに我先にと

自身が愛してやまない一刀とさっさと結婚してしまったからだった

 

姉である王林と楓は、そもそも男性というより、結婚そのものに全く興味が湧かないようなので除外するとして・・・

呉の旧臣において、未だ一度も結婚していないのは紅だけといえた

 

『男心と秋の空』、『女心と秋の空』、この故事が示す通り

変わりやすい秋の空模様のように、男性(女性)の気持ちは移り気だということを指す言葉であるが

”行かず後家”そんな言葉がふと脳裏をよぎり、今朝の目覚めは最悪といえ、今も紅を苛んでいたのであった

 

皇室典範にある条件に関してだけなら、曹操と公孫賛との和平を実現させた功もあって

紅に資格はすでにあると言っても過言ではない筈で・・・

何をウジウジと躊躇しておるんじゃ! さっさと突撃してこんかい!と

祭ならばイライラしながらも即嗜めたことだろう

 

また外交関係において、男性のあしらい方の経験も豊富にあった紅だけに

こうして紅が悩める姿を晒すというのも珍妙といえ、益々不思議でならないと

相談された冥琳は当事の事をそう述懐している

 

「この悩みばかりは・・・ 姉様が一番当てにならないし・・・

 それに冥琳も一刀くんとの結婚は悩んだと聞き及んでいるし・・・

 相談するならここは雪蓮様より冥琳よ・・・ね やっぱり・・・ 少し急いでもらえるかしら?」

 

「ハッ! 承知致しました!! それっ!!」

 

そう紅に指示を受けた御者は、馬に強めの鞭を入れ合肥を発したのでありました

 

建業へと久々に降り立った紅の足は、愛する一刀へと挨拶するより先に

悩みを打ち明ける冥琳のいると思われる参謀室へと、自然と足をむけ廊下を歩んでいた紅でありました

 

 

 

 

「やれやれ・・・またか 困った老人達だな」

 

状況報告の詳細の書簡に目を通しつつ溜息をつく冥琳

 

「冥琳は・・・いるかしら?」

 

対処をどうしようかと思案中のそんな折に、参謀室の扉をそっと開いた紅は小声でそう発したのである

 

「・・・ん? 紅か! 久しいな 私ならここにいるぞ? 

 それにしても・・・紅直々に建業にいる私を訪れる用とは一体?」

 

冥琳の言葉から察する事が出来る通り、呉の領土が拡大してからというもの

紅がこうして建業の参謀室を訪れる事はかなり少なくなっている

 

最近の紅は、中原より北の勢力との折衝が多い為に

基本的に最前線との中ほどに位置する合肥城へと常駐している事が多いからだ

そして建業の冥琳に用がある時には、書簡での遣り取りが多くなっていた事情もあった

 

「入ってきた時の様子から察するに、何か緊急の事態が起こったとも思えぬし・・・

 魏と晋の対立の報告は定期的に受けているから、もしかして蜀と翡翠殿(馬騰)との対立に新たな動きでもあったのか?」

 

「あはは・・・ そう先回りされると困っちゃうわね・・・

 実は”私事”の相談があって、こうして訪ねてきたのよ」

 

「ふむ・・・ ”私事”というなら場所を替えよう ここは人の出入りが激しいしな 

 聞かれたくない事もあろう、宮に与えられた私の部屋がよいかな? 

 あそこなら夫か、近習の咲、月、詠の3名しか参れぬしな」

 

冥琳の言葉の中に一刀の名前が出てきて、一瞬ドキリと心臓が跳ねる紅

 

「えっ!? ええ・・・ 冥琳に全てお任せするわ」

 

普通の考えなら、姉で身内である王林に相談するのが筋ともいえる

だが私に来たという事は、姉である王林では不相応な”私事”の相談という事と察する冥琳

 

冥琳の長い付き合いの記憶の中でも、これだけ紅が動揺をみせるのは初めてともいえ

こんな調子で視線を惑わせ取り乱す紅の”私事”の内容に益々興味を持つのだった

 

(推測から鑑みて、王林に相談できぬ事柄、先程の動揺具合からみて

  夫、咲、月、詠の4人の内の誰か・・・となると、答えは自ずから判ろうモノだ

  連れて行く場所といい、今日の私は実に冴えているな)

 

「何か不都合があるのなら、今の内に何なりと言ってくれよ? クックック」

 

普段の紅なら、冥琳が最後に浮かべた笑いの意味を察する事もできたのだろうが・・・

 

「・・・大丈夫 少し落ち着いたから・・・」

 

「(意図を覚られ過ぎても余り面白くもないゆえ・・・な)

 誰かある! 私は紅と共に、宮にある自室へと戻っている

 それと”これらの道具”を用意しておいてくれるように、咲か月へ言伝を頼む」

 

「ハッ! 承知致しました」

 

言伝を受けた兵が、参謀室から出て行ったのを見届けた冥琳は

 

「さて行くとしようか 私の後からゆっくりと就いて来るがいい」

 

そう紅へと促し自席から軽やかに立ち上がると、衛兵が立ち去った廊下とは逆方向へと共に歩んでいった

 

             ・

             ・

             ・

 

「ええっ!? めっ冥琳・・・ ゴクッ そっそれは・・・ほっ本気で言っているのですか!?」

 

耳元で囁いてきた冥琳の提案に対して、訝しげな表情で冥琳を一睨みする紅

冥琳の真意を見抜こうとする紅ではあるものの敵も然る者で・・・

 

「当たり前だろう? こんな冗談を言う為だけに、ここへお前を連れてきた

 ・・・にしては、ちと度が過ぎているとは思わないか?

 それともそんな覚悟も無しで相談しにのこのこと参った訳ではなかろう?」

 

「そっ そそそそれはそうなのだけれどぉ~~~~~~」

 

耳元で囁きながら、紅の耳たぶを甘噛みしだす冥琳

外交にて老獪な魑魅魍魎の者共を翻弄してきた者とも思えぬ、驚愕する乙女の声を張りあげたからだ 

 

紅の素っ頓狂な叫びを聞いた所で、宮は広大な敷地な為騒ぎにもなりはしないのだが

ただ冥琳の提案してきた事が、紅にとって想像の埒外であった為だ

 

紅は基本的に雪蓮の相手を苦手としている

その理由というのも、雪蓮の行動予測が、しばしば紅の想像の埒外をゆく故に

冥琳のように、雪蓮への”愛”ゆえに許すという人間味のある甘さが以前は欠落していた

 

だが、紅にも冥琳と同じように、1つの例外が出来てしまった それが”一刀”の存在である

 

紅は以前から、雪蓮と冥琳の”断金の交わり”と噂される2人の関係性を

羨ましく思いつつも妬むというような事はなかった

他人の目からみれば、姉である王林との関係と同様うにみられたこともあったからだ

 

しかし現在の雪蓮と冥琳は、一刀を”夫”として共有する間柄となって絶ち切れる処か

一刀を介して関係性がより密に強固になった気がしなくもなかった

 

このまま愛する一刀の中で、紅自身の存在が置き去りに・・・

または、その他大勢へと組み込まれる事態には、どうしても耐えられなかったのである

 

その焦燥ゆえに駆り立てられ、こうして冥琳に縋り行動へと移った背景であったのだが・・・

いきなりの冥琳の”大胆な提案”に対して、恥ずかしさのあまりについ躊躇し逃げ腰になってしまう

 

こんな事では成就などしやしない・・・とは思い直すものの

頭の隅で、もしかして私はからかわれ騙されているのでは?という想いがふとよぎる

 

冥琳は紅が愛する一刀という存在を良く知っている者の1人と言えるだろう 

何せ一刀は、冥琳の”夫”でもあるのだ

そう、冥琳の”匙加減”で、成就、終焉といかようにも出来るという証でもあった

 

悪い事が次から次へと浮んで不安になる紅に対して

 

「都合の良い事に、今日の閨は私の番なのでな 

 心配には及ばんよ紅、大船に乗ったつもりでいるがよい ハッハッハ

 (この手の策を仕込むのにも都合がいいという訳だ)」

 

冥琳の意図を図りかね、背をバンバンと勢い良く叩かれ

冥琳ってこういう性格だったかしら?と自身の知る冥琳像と違い再度疑念が生じるものの

コホコホと咳き込み流されるままになる、まさにまな板の上の鯉状態の紅でありました

 

 

 

 

「少々遅くなってしまったな 急ぐとするか」

 

本日の政務を漸く終えた頃には夜もかなり更けていた 

現在の時刻で22時は回っているだろう

普段の就寝時刻は20時前後なので、2時間は遅い計算となる

ただ宮廷内だけの移動で済むので、移動時間が掛からないことが幸いといえた

 

「冥琳遅くなってしまった申し訳ない それじゃ休むとしようか」

 

部屋には香が焚かれており、冥琳が最近シャム沈香の香りがお気に入りで、寝付き易くなるとのことで焚くことが多い   

ちなみに雪蓮はというとシャム安息の香りの方が好みということだったので、最近山越を通して呉へと輸入されている産品である

                                          ※沈香、安息香に関する説明文を下記にて記載

 

寝具に横になってすぐに違和感に気づく一刀

普段ならどんなに遅くなっても何かと話をする冥琳がだ

今日に限って何も話さない処か頭から布団を被り顔をみせようともしない

 

今日来るのが遅れたから怒っているのか? それ以外のことで怒っているのか?

色々考えてみるも雪蓮や蓮華なら拗ねて甘える材料になるものの・・・

冥琳はそれくらいで怒るような妻ではなかった

 

殊更思い当たる節もなかった為、冥琳の手を握った所で異変を察知する

夫として実に不甲斐ないことではあるのだが、今握る手は白魚のように透き通るように白い手なのである

妻である雪蓮も、蓮華、祭もまた、建業が南方ということもあって肌が黒めであるのが特長ともいえた

 

「・・・そなた何者だ? 冥琳を何処にやった? 正直に話さないと命はないものと思え」

 

何者か判らぬ者の手をしっかりと握り逃げられぬように確保し、反対の手でいつでも手刀打ちを打てるように用意する

だが確保し握った手からは、悪意や殺意どころか、震えが残りなんというか温かみさえ感じられたため

一刀としてもいきなり手刀打ちを食らわし気絶させるような行動を慎んだのであった

 

「へっ? えっ? えっええ~~~~~!? こっ・・・こここ紅さん!?」

 

寝具で頭部を覆い隠してところから、ひょっこりと紅の顔が出てきて驚きを露にする一刀

慌てて握っていた手を離し、寝具の端で正座してしまう

その一刀の慌てた姿を見た紅は、小声ではあるが噴き出しくすくすと笑い出してしまう

 

「・・・・・・で、このイタズラの説明してもらえないだろうか?」

 

「夫よ ”イタズラ”とは聞き捨てならぬな

 今夜の一連のイタズラという小細工めいたものは物の序(ついで)で

 ・・・要するに紅は夫に抱かれに来たというのだよ」

 

「おいおい・・・冥琳、だから冗談は止せ」

 

依然声はすれど冥琳の姿は見えず・・・冥琳は時々、冗談を大真面目に話す癖があるので

きっとそれなのだな? 傍迷惑なと決め付けてかかる一刀は尚も声がする方へと睨み食い下がってみせる

 

「陛下、いえ”一刀くん”・・・ これは冗談・・・なんかでは決してございません 

 冥琳の説明通り、私の全てを捧げる覚悟でこうして参りました」

 

冥琳の先程述べた言葉が、決して冗談などでは無いという証でもあったのだろう

この紅の言葉を肯定するかのように、窓からこんこんと月の光に照らされて

その美しく傷ひとつない全身を露にした時には、もちろん一糸纏わぬ姿であった

 

するとタイミング良く”どっきり”と書かれた立て看板と手灯を手にし、隣の部屋の入り口からこちらへと参る冥琳

 

「”どっきり” ふむ・・・・・・こうして立て札を出して現れれば、何でも許してもらえると雪蓮から聞いたのだが・・・

 話がちと旨過ぎたか 雪蓮の奴め、後で説教だな・・・」

 

「犯人は雪蓮か・・・ やっぱり冗談であったのだな?」

 

雪蓮様も冥琳も同じ、自身の認識が誤っていたことをここで悟った紅であり

夫である一刀は冥琳を三白眼で睨み返しているのだった

 

「冗談? 紅のあられもない姿を見れば、これが真実か判りましょう?

 ただ此度の”演出”が過ぎたのは、私の失態ではありますが・・・

 

 こっコホン! え~~ 紅の相談が主ではありますが、こういった懸案もまたあがっておりましてな」

 

冥琳はそう誤魔化しつつも、何の躊躇もなく胸の谷間から竹簡を取り出し一刀へと手渡す

回りくどいことを・・・そう一刀は思いつつも、冥琳の谷間は○次元ポケットの類か!?

・・・などと突っ込む元気もない一刀は、素直に竹簡を受け取ると冥琳の持つ手灯へと近付き

視線を竹間へと移し静かに目を通しだす

 

「ふむ・・・ ”呉の四姓”の一角がまた・・・か」

「一刀くん、我が張氏に連なる者がですか?」

「コホン! ・・・そのようだ みるかい?」

 

竹簡を覗き込もうと、紅の美しい裸体姿が目の前に迫ってきたこともあって

一刀はドギマギし1つ軽く咳き込み誤魔化しながら、目を通し終えた竹簡を紅へと手渡した

”呉の四姓”の一角と一刀が言葉を濁した所で、聡い紅にはそれだけで判ってしまったのだろう

 

劉ヨウを追い出しはしたものの、元来呉地方は土着豪族の力が強く

中でも”呉の四姓”が中心となって意見を調整し束ねていた側面があった

 

呉の四姓とは「張・顧・朱・陸」の4氏であるが、その中で張氏は王林(張昭)、紅(張絋)

朱氏は珊瑚(朱桓)、朱然、顧氏は顧雍、陸氏は穏(陸遜)が孫呉へと出仕し現在活躍している

 

冥琳や琥珀、亞莎といった人物に至っても、呉とは何の関わりもないと言っても過言ではなく

一刀を始めとした思春、明命といった海賊出身者、所謂成り上がり者が重用されているのが特徴ともいえ

その事が実に癪に触り、気に入らないという事が行動原理なのである

 

とはいえ、この4氏に連なる者達が自らの野望を露にし、度々呉の国の中核となるべく騒ぎを起こしていたのを

事前に察知した冥琳と王林が、大きな火種となる前に揉み消していたのだが・・・

 

山越という呉の最大の急所、悩みの種を一刀と藍里の活躍で、早々に取り除けたことがせめてもの救いといえ

ただ穏便にしておくのも、いずれ晋か魏という強敵が相手となるのは必定で 

戦端が開かれるとなると、そんな美味しい場所を放置しておく筈はなく、何度も無罪放免というにはそろそろ限界といえた

 

現段階では、まだ全詳細が掴みきれておらず、露にはなっていない部分が多いけれど

今回の件でも、もしかしたら晋の仕業の可能性も捨てきれないのが正直な所であった

 

「この四姓の中で張氏が強大すぎたこと、顧氏の弱体化の2点が問題なのでしょう

 今までは張氏が暴走すれば、他の三氏が束になって抑えておりましたが・・・

 残念ながら、今では張氏の権力が強大ゆえ、その抑制となれておりませぬ

 

 そして荊州では水鏡塾出身者が勢力を盛り返しており、呉の内政部門の各所で活躍し始めております状況で

 これでは益々肩身が狭く憤懣の溜まる事態となりましょう!

 

 ですがしかし、今ここで仮に陛下が、張氏の長の妹君である紅を妻に迎えますれば・・・

 後々我が弟子の穏、珊瑚辺りを妻に迎えますれば磐石となり、張氏に連なる者達の野望の矛先を変える事ができましょう」

 

紅と婚姻するに当り、これが冥琳の考える一番最も穏便に幕引き出来るシナリオということなのだろう

夫である一刀の憮然とした表情をみて、冥琳は夫の心の内の全てを察し悟ってもいた

だからこういう言い回しを態と”演じてみせた”のである

 

「張氏の姉様の補佐として賀斉を推挙いたしますわ あの娘ならきっと大丈夫だと思います」

 

冥琳の提案に際して、紅はそう付け加えた

 

「いいだろう 合わせて推挙しておくとしよう」

 

こうして話は冥琳の思惑通りにトントン拍子で進み、これにて全て終えたのであった

 

「おいおい冥琳、 ・・・勘弁してくれよ

 俺の国の諺には”据え膳食わぬは男の恥”って言葉があるんだぞ?

 仮に俺が気付かずに紅さんに手を出していたらどうするつもりだったんだよ!」

 

冥琳との結婚時にも、雪蓮が裏で何かと暗躍していた通り、今度は冥琳が全てを万事整えてみせた

 

「フッ それは今更言わなくても、お判りではございませぬかな?

 さ・て・と・・・私は早々に雪蓮とこの婚儀の日程など話を詰めて参りますゆえ・・・

 後は煮るなり焼くなり、”陛下”の胸先三寸、お好きになさればよかろうと存ずる! それでは失礼する!!」

 

夫である一刀が、前時点において、紅に手を出そうが出さないでいることが問題ではなかった

仮にそのどちらであっても、夫である一刀を”嵌めていた”又は”言い包めていた”とでも言いたいのだろう

 

今回の仕儀において、どのように転がろうとも、全ては冥琳の手中にて

紅と一刀の2人は、いかようにも踊らされていたということであろう

全くもって強かともいうべき冥琳の胆力に舌を巻く2人でありました

 

「冥琳、実に機嫌が良いですわね ちょっと羨ましくもあり妬ましくも思います」

 

結局抱かれなかった訳で、紅の女としての魅力がなかったという訳ではなく

今回ばかりは一刀の育ちの良さが災いした格好なのだろうが

一方で勇気を振り絞って構えていた手前、襲って欲しかったという想いも何処かにあったようで

少し残念に思う複雑な紅でありました

 

「あれは・・・紅と妻である私を判別出来なかったのですから

 死罪に相当するのは当然の事でしょう?などと後でグチグチ言わそうな気がする・・・な まったく・・・

 それじゃ、気分を変えて、服を着てちょっと庭へでも出て話そうか?」

 

「はい!」

 

そう冥琳に対し愚痴混じりの一刀をみて、クスクスと笑い出す紅

私は漸くスタートに立てたばかり、遙か先を行く雪蓮様や蓮華様、冥琳や祭に

いつまでも負けていられない!という密かな想いも、紅の中でふつふつと湧いてくるのでありました

 

 

 

 

今日は煌々と照らす月夜の晩であったようで、一刀に促され紅は部屋から出て庭へと降り立つのでありました

 

「一刀くん、こうして2人きりというのも随分久しいことですね・・・ くちゅんっ!!」

 

「本当にそうだね 時に流されるままにここまで来た感じもするけど・・・

 紅さん ごめん! 予想よりちょっと寒かったみたいだね」

 

季節も秋の暮れとなる10月中旬となっており、昼はまだまだ暑くはあるものの・・・

紅がくしゃみをしたことで、夜風が予想以上に冷ややかだった事を悟った一刀は、自身の外套を拡げ紅を包み込む

 

その為に紅と2人隣り合って座ることとなり、嬉しいやら恥ずかしいやら・・・

先程まで紅は一刀の前で裸身を晒していたのだけれど、そんな事はもうすっかり頭の中から抜け落ちており

夜空に浮ぶ月夜の空を見上げながら、静かに互いの温もりを感じあう暫しの時を得たのであった

 

それからの紅と一刀の2人は、月の傾きを忘れ色々な事を語り始める

 

「俺の知っている歴史と今生きている世界は色々とくい違っているからね

 そのまま過去に飛んだとも考えにくく、俺の想像・妄想した可能性も捨てきれないけれど・・・

 でも、こんなに紅さんの手はもとより頬も・・・・・・そして唇も温かい

 色々な事と可能性を考えたけれど、今はこの世界で生き抜く事が俺の意思であることに間違いない」

 

拳を強く握り締めた一刀は、その拳で胸を軽くトントンと叩き、自身の肩に頭を預ける紅と口づけを軽くかわす

瞳を輝かせながら自身の意思であると自信満々に紅へと答えていた

 

他の女の子にもそんな事をしているのでしょう?と思うと、嫉妬に焦がれる醜い自身が現れる紅ではあったけれど

そういう小憎たらしい所も含めて本当に好きなのだという事を再認識する

 

「この世界に迷い込んできて、故郷と家族を同時に失って緊張を強いられていた俺にとって

 紅さんはまるで太陽や月のように、安らぎをくれた最初の人だったと記憶している

 俺には姉がいないけれども、姉がいたならこんな感じなんだろうなって漠然と感じていた」

 

「そう感じてくれたなんて嬉しいわ でもね?私にとっての太陽はずっと”一刀くん”で・・・

 私が月であるというのならば、”一刀くん”という太陽無しでは一瞬たりとも輝けそうもありませんわ」

 

自身の肩に頭を預ける紅と熱い視線を絡ませ溶かしあう 

2人の合間に一種独特の間が生じ沈黙しあってしまう

 

「・・・なぁんてな いささかキザすぎて、俺には似合わない台詞だな あはは」

「・・・というのはいかがでしょう? フフフ」

 

自身の肩に頭を預ける紅と熱い視線を交し合い笑い飛ばす2人

 

「呉に生きる全ての人々を救えるなんて、そんな大言壮語なことは口が裂けてもいえない

 ・・・けれど1人でも多くの人を救いたいと願っている 紅さんにも手伝って欲しいんだ」

 

「はい・・・ これからの我が身命、魂魄の全てを”一刀くん” 並びに”あなたの望む願いの成就”に全霊を捧げとう存じます」

 

そういうや、今度は紅の方から積極的に一刀の唇と手を求め絡ませ始めた

一刀も紅の積極的な態度に、一瞬驚きの表情をみせはするものの、紅の積極さに応え始めるのでありました

 

2人だけの世界は、まだまだ終わりをみせないようで・・・

何時の間にやら、月も恥じらい雲を纏わせその輝きを失っていたのであった

 

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今回ばかりは内乱に関わった張氏の者達を無罪放免という訳にもいかず

張氏の長である王林は退き、代わりに紅が長となり、同時に一刀との婚姻を大々的に発表した

 

そして張氏の長としての紅に、その補佐として呉で有力者と名高い賀斉を任命してみせた

仮に紅が中央に長期留守の間でも、隅々にまで睨みを利かせることが可能となった

 

こうして孫呉首脳陣は、今回内乱に関わった全ての者を厳格に処断してみせ

政権が磐石であることを内外に示してみせたのである

 

孫呉政権が磐石となり面白くない勢力もあるわけで・・・

とりわけ事の首謀者である者達はというと

 

「司馬懿様、呉への内乱の謀略の件、こちらの証拠となるモノは隠滅しましたが

 呉への伝手が完全に断たれました次第、申し訳ありませぬ仕儀となりましたこと・・・」

 

どうも呉へ仕向ける謀略の成功率が良くなく、また空振りに終わりる事が多いことから

鄧艾は憮然とした表情を隠そうともせずに主である司馬懿へと報告しだす

 

「構わぬ鄧艾、また1から築くという面倒さはあるが、1つの謀略の可否により、有能なお前を罰するような事はせぬ

 今は呉より眼前の敵である魏の動向が激しくなってきつつある そちらの動向を詳細に掴んでおいてくれ」

 

こう言って下さることは、最初から予想できた鄧艾ではあったものの・・・

いつまでもその厚意に甘えていてはならないと自戒していた

 

「ハッ! 司馬懿様 承知致しました それではっ!」

 

部下である鄧艾の気配が去ったのを確認した司馬懿は

仕事の手を休め背後にある窓へと視線を向け、思考を漂わせ始めた

 

(クックック 呉め・・・中々にしぶとい、一筋縄ではゆかぬか さすがは我らが宿敵である天の御遣いといえよう

  これ以上小細工を弄し過ぎて、こちらの存在を気取られても私の美学に反するしな

  今の呉を揺さぶることは無理でも、”あちら”の方は存分に芽吹いておる 今は眼前の敵である魏を・・・ それでいい・・・

  北郷一刀はあくまでも我ら”2人”の手にて葬らねば意味がないのだからな)

 

思考を終え、椅子へと深く背を預けながら不敵な笑みをつくる司馬懿でありました

 

 

 

 

後日、まだ皆へ紅との婚姻話はふせられてはいたものの

一刀と妹の紅が参謀室にいると聞いた王林は、すぐさま行動に出ていた

いきなり参謀室へと入るなり佩刀を抜き放ち、他者を寄せ付けることなく、一直線に一刀へと迫ったのであった

 

だが、参謀室へと入ってきた姉が、殺気を漲らせ佩刀を抜き去り、一刀へ猛然と迫っていく姿を見取った紅は

一刀と姉の間に素早く割り込み、両手を拡げその身を挺して一刀を護ってみせたのである

 

そう、本来なら雪蓮や蓮華が傍にいるのだから、2人が紅のように身を挺して動きそうな所なのであるが

そうした一事をとっても、余りに突然に湧きあがった事態だった事もあって、皆思考を停止させられてしまっていたのだった

 

だが、殺気を漲らせていた筈の王林は、一瞬で殺気を霧散させさっさと納刀してしまう

 

周りにいて事態が読めぬ参謀達より、警備の者達が陛下を犯人が重鎮である王林ということもあって

どうしてよいものかと手持ち無沙汰にアタフタしてしまう そうしている間にも・・・

 

「ふむ・・・ 妹の紅を一生護りゆく役目は妾と思おておったのじゃが・・・

 お互い意思は固いようさね それに今の行動で全て判ったしの・・・」

 

王林は警護の者を一睨みし直立不動にさせると、一刀と紅に向けて声を発するのであった

 

仮に2人に何かあった際には、”血族である実の姉である王林より、夫である一刀を選択する”という妹・紅の意志の現われでもあった

妹の結婚相手が陛下である一刀であろうが知ったことではない

その一事を確かめるために、今回強行に及んでみせたという所なのであろう、なんとも剛毅な姉の王林であった

 

その王林の言葉で、何事があった? 姉妹喧嘩?などと

ぽかーんとして傍観していた雪蓮・蓮華・冥琳を除く穏や琥珀達参謀達にも

漸く王林の行動の意図が飲み込めてきたのでありました

 

「・・・よかろう! 此度の婚儀の話、妾も認めるとするさね!

 

 但し! 我が宝の妹を不幸にするような真似をすれば、陛下といえど一切容赦しない!!

 今日の事を良く良く憶えておくがよいさね!! 我が妹、紅よ・・・ 幸せにな」

 

紅と一刀が婚儀!?と周りで聞く参謀の面々達の表情が明るくなるのとは対照的に

警護の者もここに来て漸く事態を飲み込めてきたようで、視線で一刀に王林をどうしますか?と促してくるものの

 

「よい、手出し無用! ”義姉上”様、今日の事よくよく心に留め置くことにします」

「はい・・・ 姉様、ありがとうございます・・・・・・ 」

 

陛下である一刀と紅がこう皆へと発し、王林へと頭を垂れたことにより

王林の今回の参謀室内での襲撃の無礼は一切不問にふされた

 

王林はもう用は済んだ事もあって、足は出口へと向かって歩み出しており

そのまま参謀室を後にするのかと思いきや・・・

 

「冥琳、この度の一連の首謀者は貴様であろう? 貴様の性根叩き直して足腰立たぬように躾てやるさね

 存分に覚悟しておくがよいさね フッフッフ」

 

「ふふふ ”どっきり”・・・で承知する輩ではあるまいしな

 よかろう 久々に血が滾るな 存分に相手になってやる クックック」

 

冥琳の座する最奥の席へと態々立ち寄り、先制攻撃を繰り出した王林に対し、敢然と受けて立つ冥琳

 

「コワコワ・・・ 触らぬ神になんとやらね 私達は一刀や紅にお祝いの言葉を述べに行きましょ(待避!!)」

 

首を竦めながら我関せずを貫く雪蓮、空気を読んだ蓮華、穏たちを連れ早々と離れてゆく

 

和やかで穏やかな空気が参謀室に流れる一方で、呉のハルマゲゲドン・メギドの丘と称するべき戦いが今にも始まりそうな・・・

ゴゴゴゴという唸りとピリピリとした空気も同時に醸し出していたのであった

 

             ・

             ・

             ・

 

「お二方とも! もう”姻戚関係”で他人ではないのですから! 不毛な争いはお止めくださいっ!」

「こんな目出度い日になんで喧嘩なんて物騒なことしてるのよ まったくぶつぶつ・・・」

 

「ふむ・・・そういえば クックック 実にこの世の中は面白い! 痛たたたた 月」

「そうだった・・・さね フッフッフ こやつが身内とか愉快さね! ぐぬっっっ・・・ 詠、もそっと優しく」

 

その後の建業訓練場にて、冥琳と王林の2人が月と詠に介抱されつつ説教される姿も目撃されている

一刀と紅の間には、張靖・張玄の2人の娘をもうけたという文献記録が残っているに過ぎない

 

 

 

 

※シャム沈香とは、インドシナ半島産の沈香を指し、香りの甘みが特徴                沈香WIKI参照

※シャム安息香、安息香の主な産地はタイ、ラオス、ベトナムの高原地方を中心とするインドシナ半島と

 インドネシアスマトラ島である

 インドシナ半島とインドネシアでは産出する樹木の種に違いがあり、前者はシャム安息香 (S. tonkinensis)

 後者はスマトラ安息香(アンソクコウノキ)と区別されている                   安息香WIKI参照

 

 

 

 

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●『真・恋姫†無双 - 真月譚・魏志倭人伝 -』を執筆中

 

※本作品は【お気に入り登録者様限定】【きまぐれ更新】となっておりますので、ご注意を

人物設定などのサンプル、詳細を http://www.tinami.com/view/604916 にて用意致しております

 

上記を御参照になられ御納得された上で、右上部にありますお気に入り追加ボタンを押し、御登録のお手続きを完了してくださいませ

お手数をおかけ致しまして申し訳ありませんが、ご理解とご了承くださいますよう、何卒よろしくお願いいたします<(_ _)>

 

■■■【オリジナル人物紹介】■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

 

 

 ○孫堅 文台 真名は緋蓮(ヒレン) 

 

  春秋時代の兵家・孫武の子孫を称し、各地で起こった主導権争いに介入し

  『江東の虎』の異名で各地の豪族を震撼させた

  優秀な人材を率い転戦、やがて軍閥化し孫家の基礎を築いた

 

  容姿:髪は桃色で、孫家独特の狂戦士(バーサーカーモード)になると、右目が赤色に変化するのが特徴で、平時は量目とも碧眼である

  祭と同じく胸が豊満で背は祭より高い 体格は祭よりすこし大きい 顔立ちは蓮華というより雪蓮に似ているだろうか

 

 ○張紘 子綱 真名は紅(コウ) 

 

  呉国の軍師の一人で主に外交を担当。 魏の程昱(風)の呉版と考えていただけると理解しやすいだろう

   『呉郡の四姓』と呼ばれる有力豪族の張氏の出 雪蓮直々に出向き、姉の張昭と共に臣に迎え入れられる

  張昭と共に『江東の二張』と称される賢人

 

  ※史実では、呉郡の四性でも張昭と兄弟でもありませんのでお間違い無きように。。。 

   呉郡の四性の中で張温しか見当たらなかった為、雪月の”脳内設定”です

 

  容姿は青眼で背丈は冥琳より少し低い 顔は姉の王林とは似ておらず童顔で人に安心感を与える顔立ちである

  髪は腰にまで届こうかという長く艶やかに保った黒髪を束ね、ポニーテールと呼ばれる髪型にしている事が多いが

  その日の気分により、長髪を肩辺りで束ね胸の前に垂らしている場合もあるようである

  服装は藍色を基調とした西洋風ドレスを身を纏っている

 

 ○魯粛 子敬 真名は琥珀(コハク)

 

  普段は思慮深く人当りも良い娘で、政略的思考を得意とし、商人ネットワークを駆使し情報収集・謀略を行う

  発明に携わる時、人格と言葉遣いが変化し、人格は燃える闘魂?状態、言葉遣いは関西弁?風の暑苦しい人に変化する

  このことから「魯家の狂娘・後に発明の鬼娘」と噂される

 

  ※穏(陸遜)は本をトリガーとして発情しちゃいますが、、琥珀(魯粛)は発明に燃えると・・・燃える闘魂に変身って感じです

 

  容姿は真名と同じく琥珀色の瞳をもち、髪は黒で肌は褐色がかっており月氏の特徴に似通っている

  背は明命と同じくらいで、服装は赤を基調としたチャイナドレスを身に纏っている

 

 ○張昭 子布 真名は王林(オウリン) 

 

  呉国の軍師の一人で主に内政を担当。 冥琳とはライバル同士で互いに意識する間柄である

   『呉郡の四姓』と呼ばれる有力豪族の張氏の出 雪蓮直々に出向き、妹の紅(張紘)と共に臣に迎え入れられる

  張紘と共に『江東の二張』と称される賢人

 

  妹の紅は「人情の機微を捉える」に対して「政(まつりごと)の機微を捉える」という感じでしょうか

 

  容姿は冥琳より少し高めで、紅と姉妹でありながら顔立ちが似ておらず、冥琳と姉妹と言われた方がピッタリの美人系の顔立ちである

  眼鏡は使用しておらず、服装は文官服やチャイナドレスを着用せず、珍しい”青眼”でこの眼が妹の紅と同じな事から

  姉妹と認識されている節もある 紫色を基調とした妹の紅と同じ西洋風のドレスを身を纏っている

 

 ○程普 徳謀 真名は楓(カエデ)

 

  緋蓮旗揚げ時よりの古参武将であり、祭と並ぶ呉の柱石の一人 「鉄脊蛇矛」を愛用武器に戦場を駆け抜ける猛将としても有名

  祭ほどの華々しい戦果はないが、”いぶし銀”と評するに値する数々の孫呉の窮地を救う働きをする

  部下達からは”程公”ならぬ『程嬢』と呼ばれる愛称で皆から慕われている

 

  真名は・・・素案を考えていた時に見ていた、某アニメの魅力的な師匠から一字拝借致しました・・・

 

  容姿は祭と同じくらいの背丈で、端正な顔立ちと豊かな青髪をうなじ辺りでリボンで括っている

  均整のとれた体格であるが胸は祭とは違いそこそこ・・・ちょっと惜しい残念さんである

 

 ○凌統 公績 真名は瑠璃(ルリ) 

 

  荊州での孫呉崩壊時(※外伝『砂上の楼閣』)に親衛隊・副長であった父・凌操を亡くし、贈った鈴をもった仇がいると

  知った凌統は、甘寧に対して仇討ちを試みるものの・・・敵わず返り討ちにあう間際に、一刀に救われ拾われることとなる

  以来、父の面影をもった一刀と母に対してだけは心を許すものの・・・未だ、父の死の傷を心に負ったまま

  呉の三羽烏の一人として日々を暮らしている

 

  容姿はポニーテールに短く纏めた栗色の髪を靡かせて、山吹色を基調とした服に身を包んでいる小柄な少女

  (背丈は朱里や雛里と同じくらい)武器は不撓不屈(直刀)真名の由来で目が瑠璃色という裏設定もございます

 

  ○朱桓 休穆 真名は珊瑚(サンゴ)

 

  『呉郡の四姓』と呼ばれる有力豪族の朱氏の一族

  槍術の腕を買われ、楓の指揮下にいた 一刀の部隊編成召集時に選抜された中から、一刀に隊長に抜擢された『呉の三羽烏』の一人

  部隊内では『忠犬・珊瑚』の異名がある程、一刀の命令には”絶対”で元気に明るく忠実に仕事をこなす

 

  容姿:亞莎と同じくらいの背丈で、黒褐色の瞳に端正な顔立ちであり黒髪のセミロング 人懐っこい柴犬を思わせる雰囲気をもつ  

  胸に関しては豊満で、体格が似ている為よく明命から胸の事で敵視されている  

 

  ○徐盛 文嚮 真名は子虎(コトラ)

 

  弓術の腕を買われ、祭の指揮下にいた 一刀の部隊編成召集時に選抜された中から、一刀に隊長に抜擢された『呉の三羽烏』の一人

  『人生気楽・極楽』をモットーにする適当な性格であったが

  一刀と他隊長である珊瑚と瑠璃・隊長としての責に接していく上で徐々に頭角を現し

  後に部隊内では『猛虎』と異名される美丈夫に成長を遂げていくこととなる 

 

  容姿:思春と同じくらいの背丈で黒髪のショートヘア 体格も思春とほぼ同じく、遠めからでは瓜二つである 

  二人の区別の仕方は髪の色である(所属部隊兵談) またしなやかな動きを得意としている為、思春の弓バージョンと言える 

 

  ○諸葛瑾 子瑜 真名は藍里(アイリ)

 

  朱里の姉 実力にバラツキがあった為、水鏡から”猫”と称される

  その後、水鏡と再会時に”猫”が変じて”獅子”になりましたわねと再評価される

  天の御遣いの噂を聞きつけた藍里が冥琳の元を訪れ、内政・軍事・外交とそつなくこなす為

  未熟であった一刀の補佐にと転属させられる 

 

  初期には転属させられた事に不満であったが、一刀に触れ与えられる仕事をこなす内に(わだかま)りも消え

  一刀に絶大な信頼を寄せるようになる

  後に亞莎が専属軍師につくと、藍里の内政面への寄与が重要視される中で、藍里の器用な才を愛し、軍師としても積極的に起用している

 

  容姿は朱里より頭一つ高いくらい 茶髪で腰まであるツインドテール 朱里とよく似た童顔でありながらおっとりした感じである

  服装に関しては赤の文官服を着用しており、胸は朱里と違い出ている為、朱里とは違うのだよ 朱里とは・・・

  と言われているようで切なくなるようである(妹・朱里談)  

 

  ○太史慈 子義 真名を桜(サクラ)

 

  能力を開放しない雪蓮と一騎打ちで互角に闘った猛者  桜の加入により瑠璃が一刀専属の斥候隊長に昇格し

  騎馬弓隊を任されることとなった(弩弓隊・隊長 瑠璃→子虎、騎馬弓隊・隊長 子虎→桜に変更)

  本来の得物は弓で、腕前は祭を凌ぎ、一矢放てば蜀の紫苑と互角、多矢を同時に放てば秋蘭と互角という

  両者の良い処をとった万能型である

 

  武器:弓 不惜身命

  特に母孝行は故郷青州でも有名であり、建業の役人街が完成した際に一刀の薦めもあって一緒に迎えに行く

  隊長として挨拶した一刀であったが、桜の母はその際に一刀をいたく気に入り、是非、桜の婿にと頼み込む程であった

   

  容姿はぼん・きゅ・ぼんと世の女性がうらやむような理想の体型でありながら身長が瑠璃ぐらいという美少女系女子

  眼はブラウン(濃褐色)であり、肩下までの黒髪 気合を入れる時には、白い帯でポニーテールに纏める

  一刀の上下を気に入り、自身用に裁縫し作ってしまう程の手先の器用さもみせる

 

  真剣に話している時にはござる口調であるが、時折噛んだりして、ごじゃる口調が混ざるようである

  一時期噛む頻度が多く、話すのを控えてしまったのを不憫に思った為

  仲間内で口調を指摘したり笑ったりする者は、自然といなくなったようである

 

 ○高順

 

  「陥陣営」の異名をもつ無口で実直、百戦錬磨の青年 

  以前は恋の副将であったのだが、恋の虎牢関撤退の折、霞との友誼、命を慮って副将の高順を霞に付けた

  高順は恋の言いつけを堅く守り続け、以後昇進の話も全て断り、その生涯を通し霞の副将格に拘り続けた

 

 ○馬騰 寿成 真名を翡翠(ヒスイ)

 

  緋蓮と因縁浅からぬ仲 それもその筈で過去に韓遂の乱で応援に駆けつけた呉公に一目惚れし

  緋蓮から奪おうと迫り殺りあった経緯がある

 

  この時、緋蓮は韓遂の傭兵だった華雄にも、何度と絡まれる因縁もオマケで洩れなくついて回ることとなるのだが・・・  

  正直な処、緋蓮としては馬騰との事が気がかりで、ムシャクシャした気持ちを華雄を散々に打ちのめして

  気分を晴らしていた経緯もあったのだが・・・当の本人は、当時の気持ちをすっかり忘れてしまっているが

 

  この事情を孫呉の皆が仮に知っていたのならば、きっと華雄に絡まれる緋蓮の事を自業自得と言いきったことだろう・・・

 

 ○孫紹 伯畿 真名を偲蓮(しれん)

 

  一刀と雪蓮の間に生まれた長女で、真名の由来は、心を強く持つ=折れない心という意味あいを持つ『偲』

  ”人”を”思”いやる心を常に持ち続けて欲しい、持つ大人へと成長して欲しいと2人が強く願い名付けられた

  また、偲という漢字には、1に倦まず休まず努力すること、2に賢い、思慮深い、才知があるという意味もある

 

  緋蓮、珊瑚、狼をお供に従え?呉中を旅した各地で、大陸版・水戸黄門ならぬ

  ”偲”が変じて”江東の獅子姫様”と呼ばれる

 

 ○孫登 子高 真名を桜華(おうか)

 

  一刀と蓮華の間に生まれた次女で、子供の扱いが分らぬ蓮華の犠牲者1号となり

  早々に侍従長の咲と思春の手により育てられることとなる

 

  そんなエピソードがあるのにも関わらず、聡明な娘で人望も厚く育ち、王となってからは自身の才能をいかんなく発揮させる

  一刀や蓮華に似ているというより、姉である雪蓮に似ているとの蓮華談有り

  後年孫呉の王として、天皇となりし姉・偲蓮を支えることとなる

 

 ●その他武将

 

  蒋欽ー祭の副将、董襲ー楓の副将

  歩シツー珊瑚の副将、朱然ー昔は瑠璃、現在子虎の副将、丁奉ー昔は子虎、現在は桜の副将 周魴ー瑠璃の副将

 

 ○咲

  母娘共に侍従長として、長きに渡り孫呉に仕える 月、詠の上司に当る

  主な著作に侍従長はみたシリーズがある

 

 ○青(アオ)

  白蓮から譲り受けた青鹿毛の牝馬の名前 

 

  白蓮から譲られる前から非常に気位が高いので、一刀以外の騎乗を誰1人として認めない 

  他人が乗ろうとしたりすれば、容赦なく暴れ振り落とすし蹴飛ばす、手綱を引っ張ろうとも梃子でも動かない

  食事ですら・・・一刀が用意したモノでないと、いつまで経っても食事をしようとすらしないほどの一刀好き

 

  雪蓮とは馬と人という種族を超え、一刀を巡るライバル同士の関係にある模様

 

 ○狼(ラン)

  珊瑚の相棒の狼 銀色の毛並みと狼と思えぬ大きな体躯であるが

  子供が大好きでお腹を見せたり乗せたりする狼犬と化す

 

 

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【あとがき】

 

常連の読者の皆様、お初の皆様 こんばんは あけましておめでとうございます 雪月でございます

いつも大変更新をお待たせし、大変申し訳なく思っております 

 

年末の予定では、千年の大計+魏志倭人伝1話づつをねじ込み、新年の水曜に更新予定だったのですが・・・

HDDがぶっとんだせいもございまして、2週間の更新が丸々抜けてしまう仕儀となりまして

気づいてみれば、丸1ヶ月の御無沙汰という体たらく、誠に申し訳ありませぬ

 

またHDDぶっとんだ時には、魏志倭人伝の制作にとりかかっておりました為に

此度の紅さんのお話も随分結果がちがったものとなってしまいました

御満足戴けましたのなら幸いに思います

 

なので、次回更新は”魏志倭人伝”の更新となりまして、孫呉千年の大計の方は、”1回お休み”となります予定です

重ね重ね申し訳ありませぬぬぬ <(_ _)>

 

さて話しは変りまして、ようやく?『真・恋姫†英雄譚』の第1弾『蜀編』の情報が公開されましたね

恋姫小説をお読みにお書きになられていらっしゃる皆様は、もう御存知のことだとご推察しております

 

『真・恋姫†英雄譚』の第2弾『魏編』、『真・恋姫†英雄譚』の第3弾として『呉編』を予定されておられる模様

(もしかして1本を3分割デスカ!? ・・・とはとても大声ではいえない)

http://baseson.nexton-net.jp/sinkoi-eiyuutan/syoku/index.html

 

新ヒロインを交えて、新たな外史シリーズを展開していきます!との触れ込みでございましたが

正直な所、萌将伝でのぶっち以来、色々な不安がございますが・・・

 

新作全くないより、あった方が断然”未来に希望”が出来る!! ・・・と思うのデス。。。

ディスるのはこれまでにして、萎みつつあった昨今より、より恋姫熱が沸騰し盛り上がる事を期待しお祈りしております

 

今回の話のメインは紅(張紘)さんでございました

 

これからも皆様の忌憚のない御意見・御感想、ご要望、なんでしたらご批判でも!と何でも結構です

今後の制作の糧にすべく、コメント等で皆様のご意見を是非ともお聞かせ下さいませ 

 

寒い日が毎日続いております 皆様御自愛くださいませ 

それでは完結の日を目指して次回更新まで(´;ω;`)ノシ マタネ~♪


 
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