No.746503

【サイバ】天空市の騒がしい一日【交流】

古淵工機さん

またもやドタバタ回。こんな事件もありますが天空市は平和そのもの。
もし悪事を働こうもんなら、神様やら青いロボットやら妖精ヒーローやらにフルボッコにされます。
こりゃ、うかつに悪いことはできませんネ!w

■出演

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2014-12-28 01:45:16 投稿 / 全10ページ    総閲覧数:837   閲覧ユーザー数:804

それは、突然起こった!

 

「待てー!!食い逃げだーっ!!!」

ドイツ料理店『フローエツァイト』。

一人の男が鮮やかなまでに食い逃げを働き、そのまま逃走してしまったのである。

店番をやっていたアンネ・フライベルクはすぐに店を飛び出し、犯人を追いかけたのだが…。

 

「はぁ、はぁ、はぁ…なんて逃げ足の速いヤツなの…はぁ、はぁ…」

…さて、所変わってここは天空稲荷神社。

「平和ねぇ…」

「平和よねえ…」

「平和だねえ…」

と、休憩を取っていたのは北城愛・唯母娘と祭神の天洸。

だが、そんなときに一人の男が息せき上ってくると、本堂のほうへと向かってきた。

 

「あいつ一体何するつもりなのかしら…」

と、愛が呟いていたそのとき、男は突然賽銭箱をいじり始めた。

「あーっ!ママ、あいつ賽銭泥棒だわ!!」

「なんですってぇ!?」

と、愛と唯が怒りに打ち震えていたその時、今度は男が何やら投げ込んだ。

 

「ゲホ、ゲホ…え、煙幕まで持ってたなんて…」

「さ、催涙ガスだわ…ゲホ、ゲホッ…」

「二人とも大丈夫か!?…あいつ、この天洸を怒らせたねっ!待ぁぁぁぁぁてぇぇぇぇい!!神罰を食らわしてやるっ!!」

と、催涙ガスを受けて涙を流す北城母娘をよそに、天洸は単身、犯人を追いかけるのだった。

さらに数分後、通学路。

「ん~から揚げ棒美味いな~、最近のコンビニっておかず美味くなったよなっ」

と、から揚げ棒を頬張るのは風天中学校の学生であるドラゴ郎こと龍野吾郎。

そんなドラゴ郎がから揚げ棒を食べ終わり、余韻に浸っていたそのときだった。

「どけどけどけ、どきやがれぇっ!!」

「ぐげ!!」

…哀れなるかなドラゴ郎、後ろからやってきた男にいきなり突き飛ばされた挙句、後頭部を勢いよく踏まれてしまったのだ!!

いくらマシーナリーとはいってもこれは流石に痛いに違いない!

 

「…せっかく幸せな気分になってたのに…何してくれんだッ!!」

おおおおおっ!ドラゴ郎の瞳が赤く光っている!!

怒りに打ち震えるドラゴ郎のもとに、アンネが追いついた。

「ドラゴ郎くん!さっきニット帽かぶった革ジャン男が逃げてかなかった!?」

「あ、アンネちゃん!…それならさっき…」

「あいつ食い逃げ犯なのよ!あたしの店で食い逃げしてったんだ!!」

「なんだとっ!くそっ…僕はそいつに頭踏まれたんだぞ!!」

 

と、握り拳を作っているドラゴ郎に今度は天洸が声をかける。

「ドラゴ郎くん!それにアンネちゃんも…」

「あ、お天さま!」

「天洸さん(※)もあの男を追ってるの!?」

と、反応する二人。

(※ちなみにアンネが天洸のことを『お天さま』と呼ばないのはそもそも出身国が違うため。仕方ないなw)

「ああ。あいつウチの神社から賽銭盗んでいきやがってさ。ふんづかまえて神罰を食らわしてやらなきゃ気がすまないよ」

「じゃあ話は早いぞ!手分けして探そう!!」

「「応!!」」

と、ドラゴ郎たちが団結しているその時、男はというと…。

 

「あぁ!うちの商品のおにぎりが!何てことしてくれるんだ!泥棒ー!!」

…『鬼斬島田』のおにぎりを盗み…。

 

「な、何事だ…に゙ゅ!?」

「どけぇぇぇい!!」

「にゅうううう!ひさびさの出番かと思ったらコレかにゅ…!!!」

…通りすがっていた高井戸ミミナを突き飛ばし…。

 

それでもなお逃走を続けていたが、男を追いかける人は増える一方。

「「「「「待てぇぇぇぇえええええい!!!」」」」」

「くそっ!何なんだよ!」

流石に男にも焦りが見え始めたのか、額には汗が浮かぶ。

 

「何なんだはこっちのセリフよ!食い逃げ犯め、覚悟しなさーい!!」

と、アンネが叫ぶ。

(あたし)が見てる目の前で堂々と賽銭盗んだうえに、うちの巫女たちまでヒドい目にあわせるとはどういう了見だい!?この罰当たりがッ!!」

と、天洸。

「から揚げ食べ終わっていい気分だったってのに…いきなり頭踏んづけていきやがって!」

と、ドラゴ郎。

「こっちだっておにぎりを盗まれたんだぞ!返せーっ!!」

と、その日鬼斬島田の店番だった貞興。

「あたしなんか久々の出番だったのにいきなり突き飛ばされて痛かったにゅ!引っかいてやるにゅ!!」

と、今回一番ダメージがひどいミミナ。

 

「冗談じゃねーぞ…こうなったら逃げて逃げて逃げまくって…」

と、男はひたすら走る。だが、そんな逃走劇も長くは続かなかった。

「…騒ぎを聞いてきてみれば…そこで何してるんだ!!」

「げ!?風精戦士ハヤテ!!」

前にはハヤテ、後ろには被害にあった5人。

男は逃げようとするが、じわじわと距離を詰められていく。

 

「一部始終しっかり見させてもらったぞ!観念しろ!」

と、トルネードブレードを構えるハヤテ。

「追い詰めたわよ!この食い逃げ男!!」

と、フライパンを構えるアンネ。

「さて、あんたにはたっぷり神罰を食らわせてやらないとね…!」

と、神通力を込め始める天洸。

「どうしてくれるんだ!?おいっ!」

と、腕に雷の魔力を溜め始めるドラゴ郎。

「おにぎり返してもらいますよ…?」

と、すでに通報する気満々の貞興。

「あたしの味わった痛み…倍にして返してやるにゅ…!!」

と、両手の指から爪を出すミミナ…。

とうとう追い詰められた男は地面にくず折れると、大声で天に向かって叫んだ。

「で、出来心だったんだあああああ!許してくれえええええええ!!」

「「「「「「許さあああああああああああああん!!!!」」」」」」

貞興を除く5人の攻撃が次々に男に炸裂!

…その後、男は駆けつけた警官に引き渡され御用となりましたとさ。

 


 
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