No.740407

真・恋姫無双 雌雄の御遣い 第八話

ZSANさん

誤解の戦い

2014-11-29 20:16:20 投稿 / 全6ページ    総閲覧数:4006   閲覧ユーザー数:3489

 

~一刀視点~

孫策が猛烈な勢いで攻めてくる

「ちょっと待て、話を聞け!」

説明を試みるが

「問答無用」

聞く耳を持たない

 

孫策の攻撃は速さと連続攻撃が主体のようだ

一撃、一撃の重さも充分だが速さと連続攻撃が厄介だ

 

俺も誤解で殺される訳にはいかないので攻撃を捌き、反撃に移る

「この、分からず屋が!」

理不尽な攻撃に多少苛だっている

だが、怒り心頭の筈なのに俺の攻撃を容易く受け止め反撃してくる

それに、驚いている俺の心中を見透かしたように

「あんたの攻撃なんて、私の勘が教えてくれるのよ」

とんでもない理屈だ

そのとんでもない理屈の前に苦戦していた

だが対処法が無いわけでもない

俺は右からの横薙ぎの斬撃を孫策の首の辺りの高さに放つ

それは簡単に防がれるが、その刹那の後に右回し蹴りを横腹に放つ

この戦い初の命中

要するに勘で察知できても防げない技を使えば良い

とは言え、この相手が横腹への蹴り一撃で決着する訳がない

「中々、やるわね!」

さらに猛烈な攻撃を仕掛けて来た

~鞘華視点~

「よくも、母様を!」

向かって来たのは孫策だけではなかった

その容姿と炎蓮の呼び名から孫権と思われる女性も向かって来た

 

彼女は武で孫策には及ばない様だ

太刀筋も悪くないが、私が勝てない相手ではない

問題は髪を団子にした曲刀使いの女性と黒髪の日本刀のような刀を持った女性だ

「お前達を生かしては帰さん!」

「お覚悟を!」

三人で向かって来る

愛紗が助太刀してくれ、2対3で戦っている

だが、私は孫権や褌姉妹(私、命名)の相手をしながら、後ろの妙齢の女性から意識を離していなかった

一君も同じだろう

あの人が参戦してきたら今の均衡が崩れる可能性がある

早くこの三人を倒してしまいたいが簡単な相手ではない

褌姉妹が連携の取れた素早い動きで攪乱し、隙を見つけては孫権が攻撃してくる

愛紗が加勢してくれるので助かっているが此方が優勢とは言い難い

反撃を試みるも、褌姉妹はそれを察知すると距離を取る為反撃もままならない

このままでは体力が削られるだけで埒が明かない

~一刀視点~

孫策の攻撃を捌きながらも、反撃が出来ない

後方で控えてる妙齢の女性が動く前に何とかしたい

そんな事を考えていたのがまずかった

足を滑らせ態勢を崩してしまう

それを見逃す孫策ではなく、上段からの振り下ろしの攻撃を放ってくる

『朱雀』で受け止めるが孫策と力比べの状態になる

通常の力なのか、怒りで通常以上の力が出ているのか、孫策の方が優勢で剣を押してくる

そこで俺は自分から後ろに倒れ込む

力の均衡がいきなり崩れた孫策がわずかに態勢を崩す

その隙をついて孫策の剣を横に弾き、孫策の両太腿の辺りを両足の裏で押す

孫策は俺に覆いかぶさるように倒れ込み、俺は頭の方に自らの位置を動かす

孫策の頭(顔)が俺の腹の上に乗ったような状態になる

そこで俺は柔道の”縦三角締め”を極める

孫策の勘でも知らない技には対応できない

孫策は腕の関節を極められ、持っていた剣を落とす

加えて足で頸動脈を締められている為、失神するのは時間の問題だ

「いかん!」

ここで後方の妙齢の女性が向かって来た

座ったまま敵を取り押さえる”座取り”の応用で迎え討つ構えを取る

 

「そこまでだ、この馬鹿共が!」

炎蓮のとてつもなく大きな怒声が響き渡った

~鞘華視点~

炎蓮の怒声で孫権も褌姉妹も動きを止める

一君に向かおうとした妙齢の女性も同様だ

「一刀、うちの馬鹿娘が迷惑をかけたようだが離してやってくれ」

炎蓮の言葉で一君も技を解く

「全く、この馬鹿共が

 何があったか察しはつくが確認してから行動しろ!」

「それ、母様が言えるの~?」

孫策が不満気だが取り敢えずは治まった

 

炎蓮の居城で私達も含めて彼女から説明を受けた

劉表と戦になり炎蓮が突出して落石の計で部隊は壊滅 炎蓮も重傷を負い、そこで私達と遭遇

炎蓮の腕の傷は放置しておくと壊死して死亡する可能性が高いので一君が切断

そして、山を降りて来て孫策達と遭遇

 

「お前等は主君、母親の恩人に刃を向けたんだぞ!」

「知らなかったんだもん

 でも、貴方達 ごめんなさい

 それと、母様を救ってくれてありがとう

 お詫びとお礼の代わりに私の真名 雪蓮を預けるわ」

雪蓮がそう言うと他の皆もお詫びとお礼を言い、真名を預けて来た

此方も名乗ってなかったので名乗ると

「北郷?もしかして涼州の方に降り立ったと言う噂の『天の御遣い』か?」

此処まで伝わっているのね

私達は頷く

~一刀視点~

俺達が『天の御遣い』と答えると

「なるほど、負けたのは痛いが運は尽きていなかったようだ」

炎蓮は独り言のようにつぶやくと

「4人共、私の下に来ないか?

 これから私達の立場は苦しくなる

 だがその状態から再起を果たす為にお前達の力を借りたい」

嘘偽りのない本心だろう

「炎蓮、悪いが俺達はまだこの国の有力者を見て回りたい

 だから、その話は受けられない」

俺は炎蓮の勧誘を断った

「そうか、だが簡単に”はいそうですか”と言う訳にもいかないんだよな」

炎蓮の目が厳しくなる

「だから、代わりにもうしばらく此処に滞在してその間に・・・」

ここで一旦言葉を区切ってとんでもない事を言って来た

「雪蓮と蓮華を孕ませてやってくれ!」

「「「「なに~?」」」」

 

狼狽する俺達に炎蓮が説明する

「な~に、『天の御遣い』の血が孫呉に入ったと言う風評が欲しいんだ

 一刀にも悪い話じゃないだろう 雪蓮と蓮華を母親公認で抱けるんだ

 シャオはまだ早いがな」

この言葉に雪蓮は大笑いしながら

「私は良いわよ 一刀の事 気に入ったからね」

一方、蓮華は

「母様、いくらなんでも短絡的すぎます

 それは、まあ、一刀の事は私も・・・」

最後の方はよく聞こえなかった

 

「炎蓮、俺を亡き者にしようとしてるのか?」

後ろで、物凄い黒い気配を出している3人を指し示して言った

~あとがき~

 

誤解の戦いの決着 でした

 

更新はゆっくりになるかもしれませんが続けるつもりです

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 
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