No.739297

真・恋姫†無双 異伝「空と命と夢の狭間に」第六十話


 お待たせしました!

 今回こそ最後の拠点…の予定です。

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2014-11-24 19:29:44 投稿 / 全14ページ    総閲覧数:6879   閲覧ユーザー数:4708

 

「一音ちゃん、この人があなたのお父様ですよ~」

 

「ほぅ、そうなのか、そうなのじゃな。一刀、お主何時の間にか鈴音とも…さすがの

 

 手の早さよの~」

 

 鈴音の口から語られた言葉を聞いた命の顔は一見すればまったく動じていないよう

 

 に見えるのだが…怖い、怖すぎる、完全にお怒りモード全開だし。此処はとりあえ

 

 ず鈴音の方に話を…。

 

「なあ、鈴音?一応聞くんだけど…その子って、やっぱりあの時に?」

 

「あの時もどの時も、私が殿方に触れたのはあれが今の所は最初で最後。他に何があ

 

 るいうのです?まさか『この子は俺の子じゃない』なんていう安い三文芝居みたい

 

 な台詞は言いませんよね?」

 

「いや、そういうつもりじゃないのだけど…今まで妊娠とかの話を聞かなかったから」

 

 俺がそう言い訳じみた返答をすると、一応鈴音は納得したような表情になる。

 

「ふふ、実は洛陽に来た時に驚かせようと皆にはこの事を秘密にしておくように言っ

 

 ておいたのです。実は及川殿も既に知っておられるのですけどね」

 

 ええーっ…そんなサプライズいらないんですけど。しかも及川までそれに一枚噛ん

 

 でるって…せめて軽く耳打ち位していてほしかった。

 

「そうか『あの時』とかいうのは、もしかしなくとも一刀が益州へ援軍に行った時の

 

 事じゃな?まさか五胡との戦の援軍に行って子供まで仕込んでくるとはのぉ…夢の

 

 時といい母様の時といい、何時も何時もお主は妾を出し抜きおってぇ~」

 

 そう恨み言を言っている命の眼には段々涙が溜まってきていた。

 

 

 

「命、そう言うな。悔しければお前もさっさと一刀の子を孕めば良い事だろう?」

 

 そこに空様が入ってきて命をなだめる…で良いのかな?何か違うような気もしない

 

 ではないが。

 

「母s…李通d『大丈夫です。空おば様の事は聞いていますから』…そういえば母様

 

 もあの時益州に行っておられたのでしたね。それでは母様も一刀と鈴音の事を知っ

 

 ておられたのですか?」

 

「知っているの何も、あの時は三人で熱い夜を過ごしたしなぁ」

 

「………一刀、それは本当なのか?」

 

 命はまるで首から『ギギギィッ』と錆びた機械の音が聞こえるかのような動きで俺

 

 の方に顔を向けて聞いてくるのだが…事実だから否定は出来ないのだが、だからと

 

 いってはっきり『そうでした』と俺の口から言うのは何だか怖いのですけど。

 

「そうか、そうなのじゃな…さすがに産まれた命に対してどうこう言うつもりも無い。

 

 じゃが…悔しいのぉ。夢も鈴音もすぐに子供を授かったというのに、何故妾はまだ

 

 なのじゃ?」

 

 俺の様子を見て事実と認識したらしい命は、そう言うなりポロポロ涙をこぼす。

 

「そうぼやくな、命。私だっておそらく一刀とシた回数でいえば一番多いはずなのに、

 

 まったくその兆候が無いのだからな」

 

「…母様は既に出産経験があるから良いではありませぬか。このままだったら妾が単

 

 なる石女という事ではないのですか?」

 

「子供はあくまでも授かり物だ。産むも産まぬも運次第、命もまだまだこれからだぞ」

 

 

 

 空様はそう言ってなだめるが、命の眼からは不満気な色が消える事は無かったので

 

 あった。

 

 ・・・・・・・

 

 所変わって此処は夢の部屋である。

 

 俺達は鈴音と一音を連れて訪れていた。

 

「この子が鈴音と一刀の…照刀にとっては妹ですね」

 

「一音ちゃん、この方があなたのお兄様ですよ~」

 

 夢と鈴音はお互いの子供を抱っこしながら和気あいあいと話をしていた。

 

「私は華佗の診療を受けていたのであまり苦労しませんでしたけど、鈴音は大変では

 

 なかったのですか?」

 

「家臣の皆が色々助けてくれましたから…でも、やはり悪阻と出産の時は苦しいなん

 

 てものではなかったですよ。特に出産の時はほとんど一晩かかりましたし…」

 

 二人がそういう話をしているのを俺は少々遠くから見ているだけであったが…命も

 

 それはあまり変わらない様子だった。しかし俺と違うのは二人の会話を何だか羨ま

 

 しそうに見ていた所なのだが。

 

「良いなぁ…妾も早くああいう会話をしてみたいのぉ」

 

 それは間違いなく俺に対するプレッシャーという事で間違いないのだろうか?

 

「命よ、そう思うのならすぐ行動だな」

 

 ちょっ!?空様、突然何を言い出すんですか!?

 

「母様の言う通りじゃな…ただ此処で羨ましがっていても何もならん。一刀、そうと

 

 決まればすぐに行くぞ」

 

 

 

「えっ、今すぐに!?」

 

「ああ、こういうのは思い立ったが吉日だからな」

 

 命だけでなく、空様まで!?まさかこの展開は…。

 

「命よ、此処は私も参戦するぞ!」

 

「むぅ…本当は二人きりが良かったのじゃが、此処は致し方無い。一刀、今日は母様

 

 と妾が相手ぞ」

 

 やっぱり母娘丼っすか!?何だか怖いような嬉しいような…。

 

 そして、そのまま俺は空様と命に引きずられるように連れて行かれたのであった…

 

 明日の朝日は黄色く見えるのかな、やっぱり。

 

 ・・・・・・・

 

 それから数日、既に鈴音の娘の父親が俺である事は皆の知る所となり、皆の表情も

 

 悲喜こもごもな感じになっていた。

 

「久方ぶりに洛陽に来てみれば…さすがは一刀といった所かしらね?」

 

「…華琳にまでそう言われるって、俺は陳留でどう噂されているんだ?」

 

「聞きたい?」

 

「…とりあえず遠慮しておきます」

 

 そして定時報告の為に洛陽に来ていた華琳にまでそう言われていたりする。

 

「でもこれで一刀の子は二人…一人は皇妹である劉協殿下の子にして皇位継承権の持

 

 ち主、そしてもう一人は皇族に連なる益州州牧の後継者。考えてみれば一刀の立ち

 

 位置ってとんでもなく凄い所にあるのね…これは燃えてきたわ」

 

「燃えるって?」

 

「ふふん…それは色々と、ね」

 

 …何だか華琳の眼も怖いんですけど。

 

 

 

 そしてその夜。

 

「夜分遅くに申し訳ございません、一刀さん」

 

 仕事も終わりもうそろそろ寝ようかと思っていた頃に、月が突然訪ねてきていた。

 

「いや、まだ大丈夫だけど…今までこんな時間に来た事なんて無かったし、何か緊急

 

 事態とかか?」

 

「その…緊急事態といえばそうかもしれないし、そうじゃないといえばそうかもしれ

 

 ないのですけど」

 

 ??……これだけ挙動不審な月も珍しいな。

 

「あ、あの…『一刀、まだ起きてるかしら?』へ、へぅ!?」

 

 月が意を決して何かを言おうとしかけた所に、部屋の外から声がかかる…この声は

 

 華琳のようだが。

 

「ああ、どうぞ~」

 

「お邪魔するわね…へぇ~っ、月がこんな時間に自室以外にいるなんて珍しいわね?」

 

 華琳は部屋に入って月の姿を確認するなり、そう言って悪戯っぽく微笑む…あれ?

 

「華琳って月と何時真名を?」

 

「何時って…そういえば言った事は無かったわね。私と月はお互いに家督を継ぐ前に

 

 一時期洛陽で机を並べていた事があってね、その時からの友人よ」

 

「へぇ~…それじゃ麗羽も?」

 

「麗羽とは違う私塾よ…というよりあれは自分からさらなる勉強を熱望する者達の集

 

 まりだったし、麗羽はそっちには一回も来た事も無かったわ」

 

 ほぅ…自主勉強サークルといった所か。なら麗羽が来るはずも無いな。

 

 

 

「それでその時に、月は何時も日が暮れると同時に自室に戻って書を読みふける毎日

 

 で、たまには一緒に食事でもと誘っても『夜遅くに出かけるのは不良のする事』と

 

 か言って、自室から一歩も出なかったのよね~。でもその月がねぇ~、こんな時間

 

 に自室以外の所にいるなんて、一体どういう心境の変化があったのかしらねぇ~?」

 

 華琳がそう言うと、月は顔を赤くしたままうつむいてしまう。

 

「ところで、華琳こそこんな時間に何か用なのか?」

 

「あら、用が無かったらあなたの所に来ちゃダメなのかしら?」

 

 華琳はそう言うなり俺の横に座って身体を密着させてくる。

 

「へぅ!?華琳さん、一体何を…」

 

「あら?月は違うのかしら?それとも本当に仕事で来たの?」

 

「むぅ…私だって」

 

 華琳のその問いかけに月はしばらく何かを逡巡する様子を見せるが、そう呟くや否や、

 

 月も俺の隣に座って身体を密着させてくる。

 

 ええーっと…これはどういう状況なんだ?俺は今、華琳と月に両側を挟まれている上

 

 に両側からの密着度合が高まり続けて、それに伴って柔らかい感触も強まってきて…

 

 何だか色々とやばい状況なんですけど。特に俺の下半身の一部が。

 

「あ、あの~っ…何時までこの状況が続くのでしょうか?」

 

 俺がそう問いかけた瞬間に華琳と月が俺を睨む…怖っ!

 

「華琳さん、正直此処までの状況で一刀さんの口からこんな台詞が出るとは思わなかっ

 

 たですよね?」

 

「ええ、これはもう実力行使しかないわね…二人きりではないのは少々気に入らないけ

 

 ど、此処は共同戦線で行くしかないわね」

 

 

 

 二人はそう言って頷きあうと、同時にその手を俺のアレにかける。既に反応していた

 

 それは一気にズボンから跳ね上がって存在感を主張していたりする。

 

「これが一刀さんの…」

 

「へぇ…なかなかのモノじゃない」

 

 二人は熱っぽい眼でそれをしげしげと眺める。

 

「ちょっ、二人とも何を…くあっ!?」

 

 俺が二人に説明を求めようとした瞬間、二人の手は同時に俺のアレを握ってきたので

 

 俺は変な声をあげてしまう。

 

「ふふっ、一刀も意外に可愛い声をあげるのね」

 

「まだまだこれからですよ、一刀さん」

 

 その俺の反応を見た二人の眼はますます妖しげに光っている。

 

 これはもう肚をくくるしかないという事なのか…そして俺の思考は快楽の中に没して

 

 いったのであった。

 

 ・・・・・・・

 

 そして次の日。

 

「一刀さん、今日はお休みにしておきますからごゆっくりお眠りくださいね」

 

「陛下達には私と月からうまく言っておいてあげるから」

 

 月と華琳はそう言って部屋を出て行き…そして残ったのは真っ白に燃え尽きた俺のみ

 

 であった。

 

「まさか二人ともあんなに…もはや指一本動かないとは。俺、明日はちゃんと起きる事

 

 が出来るんだろうか?」

 

 その問いに答えてくれる人は何処にもいなかったのであった。

 

 

 

 それからさらに数日後。ある個室型の食堂に会する一団があった。

 

「皆、集まってくれてありがとう」

 

「どうしたの、輝里?急に北郷組を召集するなんて…一刀様と他の男性陣の面々はいな

 

 いみたいだけど」

 

 そう、此処に集まっていたのは輝里・沙矢・蒲公英・燐里・紫苑・風・稟の北郷組の

 

 女性陣全員であった。

 

(一応言っておくが、空は勝手に自分が北郷組の一員だと思っているだけで正式になっ

 

 ているわけではない)

 

「今日集まってもらったのは他でもないその一刀さんの事でだからなのよ」

 

「お兄さんの…もしかしなくとも女性関係の件ですねー?」

 

「それなら別に私まで…私は一刀殿の事を嫌っているわけではないですが、特にそこま

 

 でお慕いしているというわけでは…」

 

「でも帰ろうとしないのは、稟も少なからずそういう想いがあるという事では無いので

 

 すか?」

 

 沙矢のそう言われると稟も明確に否定する事が出来ずに押し黙ってしまう。

 

「それで?お兄様に言い寄る人が多くて、たんぽぽ達が割り込む隙間が無いからどうし

 

 ようとかいう話?」

 

「あらあら、割り込もうと思えばそのような隙間なんて幾らでも…何ならお手本代わり

 

 に私が先陣でご主人様の下へ行かせていただきますけど?」

 

 

 

「…やっぱり、皆そういう想いはあるのね?」

 

「嫌ですよー、輝里さん。北郷組というのははっきり言って『お兄さんに蕩された女性

 

 連合とその他のおまけ』だと風は思っていたんですけどねー」

 

「…とりあえず『その他のおまけ』が何なのかは置いておくわ。ともかく、皆のその想

 

 いを確認した上でこれからの事についての考えを聞きたいと思って集まってもらった

 

 というわけ」

 

「どうもこうも…別にたんぽぽ達がお兄様とどうなっても別に問題は無いはずだよね?」

 

 蒲公英のその言葉に他の皆も同意を示す。

 

「問題は…無いはずなんだけど」

 

「けど?」

 

「既に一刀さんは皇族に準ずる…いえ、もう皇族に入ったも同然の身。そんな一刀さん

 

 の身辺にそうほいほいと近付いて良いのかなぁって」

 

 そこからしばらく沈黙が続いていたが…。

 

「別に大した話じゃないですよねー。単なる輝里さんの考え過ぎなんじゃないかと風は

 

 思いますけどー?」

 

 そう言って沈黙を破ったのは風であった。

 

「…どういう意味よ?」

 

「そもそも高貴な身分の御方に複数の奥方がいるのは普通の事ですし。お兄さんの正妻

 

 になりたいというのなら問題になる可能性も高いですけど、風は別に妾の一人であっ

 

 ても良いと思ってますから。要はお兄さんの傍にいる事が出来て、尚且つ子供を授か

 

 る事が出来るかどうかですので」

 

 

 

 風のその言葉に場は再び沈黙が訪れるが…。

 

「そうだよね~、そもそも正妻じゃなきゃいけないなんて事無いし」

 

「私は元々侍女としてでも一刀様のお傍にと葵様の所からお暇を頂戴して来た身…もし

 

 一刀様の子を産む事が出来るなら、それ以上は望みません」

 

「私もそれで…璃々も弟妹は沢山欲しいって言ってましたし」

 

「私はその…でも、風の言う事も一理あるとは思う。でも、私が一刀殿と…本当にそう

 

 なった時はどうなるんだろう?」

 

「…側室とか愛妾であれば別に何人いようが問題にもなりませんしね。それとも輝里は

 

 正妻になりたいとか…そういえば、初めて益州に来た時に一刀様の事を自分の旦那っ

 

 て言ってたわね?」

 

 結局、輝里を除く全員が風の意見を支持する格好となり、尚且つ燐里からのその質問

 

 に輝里が答える事が出来なかったので、最終的に各自が思い思いに行くという事で話

 

 は終わったのであった。

 

 ・・・・・・・

 

 そして、その日の晩。

 

 輝里は一人自室で物思いにふけっていた。

 

「皆、何であんなにあっさり側室や妾に甘んじる事に納得出来るんだろう…確かに一刀

 

 さんの正妻という事になるのなら、陛下や劉協殿下と張り合わなきゃならないのは分

 

 かるけど、好きな人の一番でいたいっていう想いを持つのはいけない事なのかなぁ?」

 

 輝里はそう呟きながら、天水で初めて一刀に会った時の事を思い出していた。実は彼

 

 女はその時に一刀に対して謂わば一目惚れをしていたのであった。だからこそ、武威

 

 に行く時に供をしてもらう事を依頼したし、月が彼に一軍を任せた時もその補佐役と

 

 して立候補したのであったのだが…それも全て、一刀の一番近い存在になりたいとい

 

 う一心での事だったのである。

 

 

 

 しかし一刀が輝里にそういう事を求める事も無く、夢だけでなくそれほど逢瀬を重ね

 

 てすらいないであろう鈴音まで子供を授かった事実を前にして、自分の中にある一刀

 

 に対する想いを抑えきれなくなっていたのであった。

 

「こういう場合はどうしたら良いんですか…水鏡先生?」

 

「何か困った事でもあったのか、輝里?水鏡先生ではないけど、俺で良かったら相談位

 

 のるぞ?」

 

「…………………えっ!?」

 

 突然かけられた声に輝里が驚いて振り向いた先にいたのは…一刀であった。

 

 ・・・・・・・

 

「な、何故一刀さんが此処に!?」

 

「いや、輝里に相談したい事があったからなんだけど…さっきから何回もノックしてた

 

 んだけどまったく返事が無いから留守かと思ったら声が聞こえたから…でも、良く考

 

 えたら無断で部屋の中に入って来たのはまずかったよね?」

 

「い、いえ…別に一刀さんなら何の問題も。ところで、私に相談事ってなんですか?」

 

「実は今度の軍の編成の素案をまとめてみたんだけど、間違いが無いか輝里に見てもら

 

 いたくて…」

 

 一刀がそう言った途端に輝里の表情が不機嫌そうに歪む。

 

「…結局、私は一刀さんにとって軍師でしか無いという事なのですね?」

 

「えっ?…それってどういう意味?」

 

「どうもこうもありません!!あなたにとって、所詮私なんか女の数に入っていないと

 

 いう事なのでしょう!?」

 

 

 

 輝里はついそう叫んでしまった後で我に返る。

 

「も、申し訳ありません…え、ええっと、編成の確認でしたね。こちらの紙の束がそう

 

 ですか…」

 

「輝里、ごめん」

 

「えっ!?」

 

 輝里は俺が突然謝罪したので困惑する。

 

「いきなり謝られても困るだけだろうけど…決して輝里の事をそういう風に考えていな

 

 いというわけではないんだ。でも、もう俺なんか愛想つかされてるかなぁとか思って

 

 いただけで…輝里には潁川郡の方にかかりきりにさせてしまっていたのもあったし」

 

「そんな事はありません!さっきはああ言いましたけど、難しい仕事を任せてもらって

 

 いた事はとても嬉しかったんです…それだけ私の事を信頼してくれていると。だけど、

 

 少しだけ寂しかったという思いがあっただけで…」

 

 輝里はそう言うと俺の事をジッと見つめてそっと眼を閉じる…これは、そういう事だ

 

 よな?もう違ってもいっちゃうからな!

 

 俺がそう意を決したその瞬間…。

 

「徐庶様に申し上げます!」

 

 部屋の外から輝里を呼ぶ声がして俺達は一気に我に返る。

 

「どうしました?」

 

「陛下より緊急の要件があり、洛陽にいる全ての諸将に招集がかかっています!北郷様

 

 がお部屋にいらっしゃらなかったので代わりに徐庶様の所に参りました!」

 

 

 

 

 

 緊急招集…何があったんだ!?

 

「分かった、今すぐ行く!!」

 

 扉を開けてそう言ったのが俺だった為、使いの兵士さんは少し狼狽していたが、今は

 

 それにかかっている場合でも無い。

 

「輝里、行くぞ!」

 

「はい!!」

 

 ・・・・・・・

 

「北郷様、ご到着です!!」

 

 俺達が玉座の間に入ると、既に夢・王允さん・月・鈴音・義真さん・樹季菜さん・瑠

 

 菜さん・麗羽・華琳・小蓮が命の前に並んでいた。

 

「何があったんだ!?」

 

「今、葵と公孫賛と華雄から同時に使者が来ての…」

 

 まさか、その三人からって事は…。

 

「…五胡の連中が再び動き出したとの事じゃ」

 

 

                                      続く。 

 

 

 

 

 

 

 

 

 あとがき的なもの

 

 mokiti1976-2010です。

 

 少し…じゃなくて大分投稿が遅れまして申し訳ございません。

 

 今回は…まあ、色々な人とヤッたという話でした。

 

 何だか、我ながら色々詰め過ぎた感があったりして読み難い

 

 かもしれませんがご容赦の程を。

 

 とりあえず今回で拠点は終了して、次回より本編に戻ります。

 

 しばらく大人しかった五胡が再び動き出した背景にあるであ

 

 ろう、あの妄執じじいの再登場です。

 

 

 それでは次回、六十一話でお会いいたしましょう。

 

 

 

 追伸 本当は招集の伝令を受けた時に一刀が輝里に『今の話

 

    はまた終わった後で』と書こうかとも思ったのですが、

 

    何だか死亡フラグっぽいのでやめました。

 

 

 

 

 


 
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