No.732432

#08・雨上がりの空に

不審者Oさん

☆登場する純血種は強制的にピクシー派生化する狂ったシリーズ8話目☆
●ゲンキは元の世界に戻ってしまう夢を見た…それは雨の降る何処か気持ちの晴れない朝だった。元の世界と暮らしを思い出したことでゲンキはふと出会った頃から既に旅をしていたホリィの旅以前の暮らしが気になった。ホリィの故郷や親兄弟・友の事を何の気なく聞いたつもりだったが…そこには余りに悲しい過去があった……
●ホリィの父はまだ幼かった彼女に何も告げず何処かに旅立ってしまっていた。早くに母を亡くしていたためホリィは村の長老の家に預けられ、父が村を去ったのは村の長を決める後継者争いに敗れた事が原因だと聞いて寂しい幼少期を過ごした。ホリィの村には代々村の長に選ばれた者にだけガイア石と石を扱う為の特別なチカラを継承する風習があった。村は古くから円盤石を見つけ出すガイア石の恩恵によって支えられ人々はモンスターと共に助け合い慎ましく暮らして来たのだった。気の優しいモンスター達に囲まれて育ったお陰でホリィは寂しさに押し潰されず明るく元気な娘へと成長した。スエコと出会ったのは父が去ってから訪れた5回目の春のこと、ホリィが始めて自分で発掘した円盤石から誕生したモンスターが生まれた頃からちょっぴりクチの悪いスエコだった。
●穏やかで平和な日々が続くと思われたが、ある夜…村は凶悪なモンスター達の襲撃を受けた。良くない噂で耳にするようになった『ムー』が、一体どこでその存在を知ったのかガイアを手に入れるために軍勢を送り込んで来たのだった。事態を予見していた長老の機転によって難を逃れたホリィとスエコを残し村は一夜にして滅ぼされてしまうが、死に瀕した長老からホリィは過去の真相を告げられる。ホリィの父が元々余りにも強力な力を有していたこと、その力の大きさが災いを呼ぶかも知れないと危惧した長老の計らいで父は長になれず村を去ることになってしまったこと、そんな決断を下してしまった事を今になって心から後悔していること、そしてホリィと共に暮らせて幸せだった事……。ホリィに父親譲りの才と力がある事を見抜いていた長老は彼女にガイア石を託し、かくしてホリィはスエコと共に村の最後の希望として父や長老が口にしていた『ヒノトリ』を探す為に旅立ちガイア石の導きでゲンキ達に出会ったのだった。
●余りに凄惨な過去を知ってすっかり暗くなってしまった仲間達。だがその空気を吹き飛ばすためゲンキは、そして仲間達は歌を歌った。即興な事もあって格好はつかないものだったが雨に降られるのも構わず歌って踊っておどけて見せて手を差し伸べた。父が去った日も、村が滅んだ夜も冷たい雨が降っていたが、仲間達と共に身に受けた雨は何処か暖かかく、そして……

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2014-10-25 07:47:41 投稿 / 1000×1000ピクセル

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