ここは獣映ラミナスタジオの企画室…。

「え、私が主役でですか？」

その日チヒロ・ブレンテンは『企画室MP-4』の担当者である小金井 剣に説明を受けていた。

「実はそうなんだ。獣映部内でもかなりの人気でね。そこでサイバーヒーローシリーズにも是非チヒロちゃんをと、猫乃から声をかけられてね」

小金井が出してきたのは一枚の企画書。

「これは？」

「『機動婦警フローラ』といってね。今作っているサイバーヒーローシリーズの最新作なんだ」

ストーリーの内容はこうだ。

高校生アイドルとして活躍していたフローラ・イマイ…。

だが、ある日武装犯罪組織ザングロンの手にかかり彼女は瀕死の重傷を負ってしまう。

それを目の当たりにしたファンガルド警察所轄刑事エミリ・ミヤハラはフローラを警察病院まで搬送するも、

肉体の損傷がひどく、このままでは助からないと告げられる…。

しかし、フローラは最後の力を振り絞り、自らをロボット警察官へ改造するように志願した。

そこで特殊科学課のジュナ・ナガイケ博士の手によりフローラは最新鋭のポリスアンドロイドにその記憶を移されたのだ。

かくしてフローラは、普段は高校生アイドルとして忙しく芸能活動にいそしむ傍ら、

事件が起これば即時にシステムチェンジして戦うロボット警官へと姿を変えたのだった。

戦え！我らの機動婦警フローラ！

「…ということでね。すでに他の子たちにも声をかけてある。どうだい？」

「うーん…そのまえにフローラのコスチュームってどんな感じなんですか？ちょっと着させていただいてもｗ」

「おやおやｗ」

数日後、チヒロ・ブレンテンが主役の特撮ドラマ『機動婦警フローラ』は大ヒットを果たしたということだ。