No.706622

朝霧乃愛 短編小説【冬原初音との出会い編】3

桜坂学園☆初等部の短編小説です。

・公式サイト
http://www.sakutyuu.com/

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2014-08-06 17:45:58 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:601   閲覧ユーザー数:601

●登場人物●

 

・朝霧乃愛

 

物語の主人公

桜坂学園☆初等部に通う三年生

 

・如月沙夕(きさらぎ さゆ)

 

朝霧家に勤めるカリスマメイド

桜坂学園☆高等部に通う一年生

 

 

いよいよお誕生日会が始まる時間。

ゴーンゴーンと鐘の音が鳴り響き、会場がだんだんと暗くなっていくと、

初音様の登場を待ちわびるかのように、さっきまでの会場のざわめきが嘘のように消えていった。

しばらくすると、暗闇の中、突然白いライトが会場の入り口の扉を照らす。

暗闇の中からスーツ姿の人が出てきて、

「皆様、大変お待たせ致しました。会場入り口にご注目下さい、初音お嬢様のご登場です。」

と言い、扉がゆっくりと開かれた。

 

その扉の向こうから登場したのは、純白のドレスを纏った初音様……!

初音様が現れた途端、まるでアイドルのコンサート会場のように「キャーッ!初音様ー!」や「綺麗だぁ!」と、黄色い声が飛び交ったの。

そう言っている乃愛自身も、初音様に見惚れていたんだけどね。

だってしょうがいないよ。ずっとパパからお話は聞いていたけど、乃愛の頭の中で想像していた初音様が、今目の間にいるんだから。

興奮しないほうがおかしいよね。

乃愛は隣にいるさっちゃんに、おもわず話しかけた。

「あ……あの女の子が……、初音様……、なんだよね?」

「そうだよ。私も初めて見たけどこれは噂以上の逸材だね……」

「初音様?本当に初音様なんだよね?」

「何度も言わせないでよ、乃愛ったら嬉しすぎて舞い上がってるんだからー。まぁ仕方ないか…って、アレなんだろう?黒服の人達が入ってきたね」

「ほんとだぁ、何だかいっぱいお荷物持ってるよー」

「どうやらこれから会場の入り口から初音様のお席までレッドカーペットを敷くみたいだね。スタッフさんが何か言っている、なになに……カーペットを囲うように両側に集まって欲しいって言ってるね。私達も行こうか!」

さっちゃんの言葉に乃愛は頷いて、レッドカーペットの方へ行った。

乃愛達がレッドカーペットに辿り着いた時、初音様もレッドカーペットの先端に着いたようで、会場のみんなに向かって一礼してからゆっくり歩き出した。

初音様はあっという間に乃愛の前まで進んで来たんだけど……、乃愛はこの時のためにいっぱいいっぱいお話することを考えてきたのに、目の前に初音様が来たんだって思ったら頭の中がぱぁーと真っ白になって……、結局何も声を掛けられないまま、初音様は乃愛の前を通り過ぎてしまった。がっくりと肩を落とす乃愛を見て、さっちゃんは肩をぽんぽんと叩き「次は一人一人挨拶する時間があるから大丈夫だよ」と言ってくれた。

初音様がお誕生日席まで行くと、司会の人が「続いては初音お嬢様から皆様へご挨拶をさせていただきます」と言って、マイクを初音様に渡した。

マイクを受け取った初音様は一呼吸おいてから、よく通る綺麗なお声でお話しし始めた。

「皆様、本日はお忙しい中、私の誕生日会にお集まり頂きありがとうございます。こんなにたくさんの方々にお祝いして頂けることを、とても嬉しく、感謝しております。私はずっと海外におりましたので、本日お集まり頂いた皆様は初めてお会いする方ばかり…、本日は少しでも多くお話させて頂ければと思います。また皆様の為に……」

堂々とご挨拶をされている初音様のお姿から目が離せない。乃愛はすごく感激してたの!

初音様のご挨拶が終わると、初音様と一対一でお話しできる時間になったんだけど、会場にいる人の数がとても多いから、一人一人に持ち時間を決めてお話することになった。

乃愛はすっごくドキドキしながら、初音様とお話しできる順番を待っていたんだ。


 
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