No.705250

【獣機特警K-9ⅡG】理想の海【交流】

http://www.tinami.com/view/704971 の続き。この程度の理性的な対応に止められれば理想的家族旅行だったのでしょうが。

※ツインテールエンガワウオ:ヒラメのえんがわの如く美味な肉を持つ魚
※ドビーズアコウ:アコウダイのような魚

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2014-07-31 20:35:39 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:648   閲覧ユーザー数:632

松男の握ったドラコニアクエの寿司はドビーズタウンの住人に好評をもって迎えられ、あっという間に無くなってしまった。その後も松男は住人の持ってきた魚を寿司にし続け、夜になるかという時にようやく投宿先の釣り船宿「ホームラン丸」に帰って来た。

 

「あー、よく握った!」

「…お帰り。」

 

満足気に部屋に戻る松男を出迎える栄子とハヤテは完全に呆れている。

 

「結局ハヤテは私が遊ばせておいたわ。」

「…父ちゃんのバカ…。」

 

妻と子のその様子を見て、さすがの松男も反省した。

 

「…ごめん。つい興奮しちゃって…。明日は約束通り釣りに連れてくから。」

「きっとだよ!」

 

そして翌朝。松男とハヤテは宿のオーナーである高木橘花が操縦する釣り船の人となっていた。

 

「釣りだ釣りだ!」

「あ、今日はよろしくお願いします。」

「あいよ!」

 

というわけで釣りに興ずる親子であったが、最初に当たりを引いたのはハヤテであった。

 

「やったあー!」

 

ハヤテが釣ったのはまっ平らで、体の真ん中あたりから二股に分かれた尾の二つある魚である。

 

「…これはツインテールエンガワウオね。この時期よく泳いでいる魚よ。でも坊主よく釣ったわ。」

「これ、生で食べられます?」

 

本能的に質問する松男。

 

「ええ、こいつの刺身は脂がのっててとっても美味しいわ。」

「ほう…。」

 

引き続き魚を釣り続ける親子であるが…。

 

「何だこりゃ?」

 

続いて松男が当たりを引いたのだが、その魚は赤くて目がやたらと大きい少し気味の悪い物であった。おまけに口からは浮き袋が出ている。

 

「これはまさか…深海魚?」

「さすがお寿司屋さんね。その通りよ。ドビーズアコウ、って言うわ。」

「生で食べても大丈夫です?」

「問題ないわ。」

 

その後も何匹か釣り上げた親子であったが、いざ帰るという段になって松男がこのようなことを言い出した。

 

「…すみません。これを調理したいので台所貸していただけます?あと、これは本当によろしかったらでいいんですけど、調理したものを他のお客さんにもお分けしたいんですが…。」

 

食中毒などのリスクを考えるとやや虫のいい頼みではあったが、さっぱりした気性の橘花は案外あっさり承諾した。

 

「いいわよ。桂ちゃ…おかみに頼んでおくわ。」

 

そして帰港後。松男は「おかみ」こと高木桂一郎と共に「ホームラン丸」の台所の人となっていた。

 

「すみませんねえ。お手伝いまでしてもらっちゃって…。」

「いえいえ。昨日のお寿司の評判が良かったのだそうで、私も楽しみですよ。」

 

かくて釣り上げた魚は「バラ寿司深海風」なるちらし寿司とあら汁に化け、「ホームラン丸」の客の口に収まったのである。

「ホームラン丸」の大食堂では…

 

「ボク、お父さんの作ってくれたお寿司おいしいよ。」

「あたりまえさ!うちの父ちゃんの寿司は世界一なんだぞ!」

 

おわり


 
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