No.704036

英雄伝説~運命が改変された少年の行く道~

soranoさん

第157話

2014-07-26 18:10:00 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:5538   閲覧ユーザー数:5331

 

 

 

~1年Ⅶ組~

 

「―――”D∴G教団襲撃事件”に加えてマクダエル市長の暗殺を未遂に防いだクロスベル警察・分室――――”特務支援課”です。」

「ええっ!?け、警察の人達が!?しかもクロスベルの!?」

「”特務支援課”……前にツーヤが言っていたアレか。」

微笑みながら答えたプリネの答えを聞いたアリサは驚き、フィーは静かに呟き

「フィーはその”特務支援課”とやらを知っているのか?」

フィーの言葉を聞いたラウラは不思議そうな表情で尋ねた。

「ん。ツーヤから聞いた話なんだけど―――――」

そしてフィーはツーヤやプリネと共に”特務支援課”の説明をした。

 

「市民の安全を第一に考え、様々な要望に応える部署って……」

「まるっきり”遊撃士”と同じだよね?」

「というか僕達と同じような事をしていないか?」

説明を聞き終えたリィンは冷や汗をかき、エリオットとマキアスは表情を引き攣らせ

「確かにな。」

「アハハ……えっと……でも、民の安全を考えているのですから、とても素晴らしい考えだと思いますよ?」

呆れた表情で頷いたユーシスの意見を聞いたセレーネは苦笑しながら言った。

 

「ちなみに”特務支援課”のリーダーをしているロイドさんの年齢は18歳ですよ。」

「ええっ!?18歳!?」

「オレ達の一つ年上なのに、そんな凄い事件を解決したのか……」

「一体どんな方なんでしょうね……」

ツーヤの説明を聞いたアリサは驚き、ガイウスとエマは目を丸くしていた。

 

「フフ……ロイドさんはもしかしたら私やツーヤにとっても将来親戚になるかもしれない人ですから、私達にとっても他人事じゃないわね、ツーヤ。」

「アハハ、そうですね。」

「へ……」

「プ、プリネ達の親戚に将来なるかもしれないって……」

「まさかメンフィルの皇族の女性と恋仲なのか?」

微笑みながら言ったプリネの推測を聞いたツーヤは苦笑し、二人の会話を聞いたリィンは呆け、エリオットは信じられない表情をし、ユーシスは驚きの表情で尋ねた。

 

「ロイドさんはイリーナ様の妹であり、同じ”特務支援課”に所属しているエリィさんと恋仲なんです。」

「ええっ!?」

「イリーナ皇妃の……」

「イリーナ皇妃と言えば、確かマクダエル議長の孫娘だから……もしかしてマクダエル議長の暗殺を未遂に防いだ事がきっかけになったのか?」

プリネの答えを聞いたアリサは驚き、ラウラは目を丸くし、考え込んでいたマキアスは尋ねた。

 

「フフ、どうでしょうね。さすがに恋仲になった経緯までは聞いていませんから。」

「……まあ基本良い人なんですけど、あるとんでもない欠点があるんですよね……」

「”とんでもない欠点”?」

苦笑しながら言ったツーヤの説明を聞いたリィンは首を傾げた。

 

「え、えっと……リィンさんと同じ鈍感かつ”危険人物”と言えば、わかるかと……」

リィンの様子を見たツーヤは冷や汗をかきながらリィンを見つめ

「へ?お、俺っ!?というか俺のどこが鈍感で”危険人物”なんだ!?」

(なるほどね♪今の話を聞いてどんな人物なのかわかっちゃったわ♪)

(ふふふ、ご主人様と比べるとどちらが上なのでしょうね?)

(ア、アハハ……リィン様、今の状況になってまだ、鈍感って気付いていないんですか……)

見つめられたリィンは呆けた後慌て始め、ベルフェゴールとリザイラは興味ありげな表情をし、メサイアは冷や汗をかいて苦笑した。

 

「……なるほど。今の話を聞いてどんな人物なのか大体把握できたわ。」

「フッ、まさに似た者同士だな。」

「アハハ、リィンならその人と話が合うかもね。」

「え、えっと。元気を出してください、お兄様。」

一方仲間達が納得した様子でリィンを見つめる中、アリサはジト目でリィンを見つめ、ユーシスはからかいの表情になり、エリオットは苦笑しながら言い、セレーネは言い辛そうな表情で言った。

「ちょっ!?どういう意味だよ!?というか何でみんなも納得しているように俺を見るんだよ!?」

アリサ達が自分を注目している中、リィンは慌てた様子で反論したが

「ギロッ。」

「う”……」

アリサに反論を許さないかのようにギロリと睨みつけられ、黙り込んだ。

 

「え、えっと……話を戻しますが、どうしてレン姫は誤解が解けたにも関わらず、ご両親の元へ帰らないんですか?」

そして空気を変えるかのようにエマは苦笑しながらプリネを見つめて質問した。

「―――レン自身の希望です。かつての自分は”死に”、今の自分はマーシルン皇家の皇女の一人として”生きる”事を”答え”として出したレンは今後メンフィル皇女としてメンフィルの為に生きて行く”道”を決めたのです。」

「”道”……」

「とてもわたしより年下とは思えないね。」

「……幼い頃からそのような考えができるのも、もしかすれば過去の壮絶な経験が関係しているかもしれないな……」

「…………………」

プリネの説明を聞いたリィンは呆け、フィーとラウラは静かに呟き、ガイウスは目を伏せて黙り込んでいた。

 

「そう言えば……サラさんとレーヴェさん、遅いですね?もうHRの時間は過ぎていますけど。」

そして話が途切れるとある事に気付いたセレーネは首を傾げて呟いた。

「言われてみれば……15分も過ぎているな。」

セレーネの言葉を聞いたガイウスは時計の針を見つめて頷き

「まったく……まさか寮で寝坊してたりとかしてないわよね?」

「いかにもありそう。」

アリサの意見にフィーは呆れた表情で頷いた。

 

「うーん、否定できないのがちょっと厳しいけど、レオンハルト教官は確実に違うと思うよ。」

そしてエリオットが苦笑しながら言ったその時

「コラコラ、”今日は”違うわよ。」

扉が開いてサラ教官が教室に入って教卓の前に来た。

 

「サラ教官。」

「おはようございます。」

「おはよ、みんな。」

そしてリィン達は席についた。

 

「で、遅れたのにちゃんとワケがあってね。―――今日はみんなに新しい”仲間”を紹介するわ。」

「え……!」

「編入生……」

「ほ、本当ですか!?」

サラ教官の口から出た予想外の発言にリィン達はそれぞれ驚きの表情でサラ教官を見つめた。

「それじゃ、入って来て。」

「うーッス。」

そしてサラ教官が廊下を見つめて言うとなんとクロウが教室に入ってきた。

 

8:45―――

 

~トリスタ~

 

それぞれの教室でホームルームが始まっている中、学院の校門に来た一台のリムジン車が停まった後ドアが開き、そこからある人物達が出て来た。

「はい、到着よ。エヴリーヌお姉様の荷物は寮に送っておいたわ。それでこれがエヴリーヌお姉様の鞄よ。」

「ん。送ってくれてありがと。」

リムジン車が出て来たレンは”トールズ士官学院の夏用の学生服を身に纏うエヴリーヌ”に鞄を渡した。

 

「やれやれ……まさか本当に編入して来るとはな……」

その時呆れた表情のレーヴェが2人に近づき

「うげっ。何でお前が迎えに来るの。」

レーヴェの顔を見たエヴリーヌは嫌そうな表情をした。

 

「うふふ、エヴリーヌお姉様はメンフィル帝国の客将なんだから、メンフィル帝国軍に所属しているレーヴェが迎えに来て当然でしょ?」

その様子を見ていたレンは小悪魔な笑みを浮かべながら答え

「学院に来て早々、こいつの顔を見るとか一気にやる気が失せてきたよ……」

エヴリーヌは嫌そうな表情で溜息を吐いた。

 

「……それ以前に俺は戦闘以外には何の興味も示さず、一日のほとんどを自堕落な生活を送っていたお前が授業をまともに受けられるとは思えないのだが。」

「フン、エヴリーヌはプリネのお姉ちゃんなんだから、そのくらいできて当然だよ。」

「うふふ、レンがしっかりエヴリーヌお姉様に色々な勉強を教えてあげたから大丈夫よ♪エヴリーヌお姉様、プリネお姉様の為に一杯頑張ったのよ♪」

疑惑の目で自分を見つめるレーヴェを見たエヴリーヌは鼻を鳴らして答え、レンが小悪魔な笑みを浮かべて説明した。

「……ならいいが。―――行くぞ。」

「お前がエヴリーヌに指図しないで。じゃ、行ってくるね。」

そしてレーヴェとエヴリーヌは学院に向かい

「ええ、行ってらっしゃい♪楽しい学院生活を送ってね、エヴリーヌお姉様♪」

その様子をレンは小悪魔な笑みを浮かべて見守った後、リムジン車に乗ってトリスタから去って行った。

 

 


 
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