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真・恋姫†無双 ~孫呉千年の大計~ 外伝2 『 美羽達のその後・・・ 』

雪月さん

常連の皆様&お初の方もこんばんは いつもお世話になっております

この作品は真・恋姫†無双・恋姫†無双の2次創作となっております
主人公は北郷一刀 メインヒロインは雪蓮と蓮華と仲間達でお送りしております
※猶、一刀君はチート仕様の為、嫌いな方はご注意を! ※オリキャラ紹介は本文下記参照のこと

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2014-06-21 19:42:53 投稿 / 全4ページ    総閲覧数:3035   閲覧ユーザー数:2611

 

真・恋姫†無双 ~孫呉千年の大計~ 外伝2 『 美羽達のその後・・・ 』

 

 

 

「なぁ~なぁ~のぉ~~~(七乃)」

 

もぞもぞ・・・

 

「なぁ~ん~でぇ~すぅ~かぁ~?(なんですか?)」

 

もぞもぞ・・・

 

「まぁ~だぁ~つぅ~かぁ~ん~のぉ~かぁ~のぉ~?(まだ着かんのかの?)」

 

もぞもぞ・・・もぞもぞ・・・

 

「まだ着かないみたいですね」

「・・・・・・・Zzzzzz」

 

「「はぁ~~~~~」」

 

会話は成立しているのだが、お互いの姿は明命に簀巻きにされてからというもの目にしていない

方向感覚も初期に狂わされていた事もあり、美羽達は今何処へ移動しているかも判らず仕舞いであった

あまりにも暇を持て余し気味だった事から、美羽の真似をして遊んでいた七乃であったが

最後には飽きて溜息がもれ素に戻っていた

 

明命に縛られ運び出された美羽、七乃、紀霊の3人は

それぞれ目隠しをされた後に、ぞんざいに麻布の袋へと入れられ、何処かへと移送されている所であった

 

途中でギィ~ギィ~という船らしき音、船が水を切り進む音などがしていた事から

七乃は南下して長江を渡っていると推測していたが、実際に簀巻きにされ拉致られてから

日にち感覚も薄れていた為、どれだけ経っているのかも予測不能で

しかも到着する気配が一向に見当たらなかったので、生きているとはいえ少々もてあまし気味であった

 

簀巻きにされ身動きが取れない以上、3人が行き先など気にしても仕方なく

互いの姿が見えぬ不自由さゆえに、不安を掻き消すかのように会話をして

お互いの生存を確認しあっていたのである ただ口下手な紀霊を除いてだが・・・

 

このような時でもマイペースな紀霊に、2人は少々呆れながらも

規則的な寝息は近くから感じられていることから、美羽、七乃共に何の心配もしていない

 

心のどこかでは、紀霊さんならきっと生きていると、変な迷信すら抱いていそうでもあるのだが・・・

 

周囲から聞こえてくる音から察するに、船のお次は馬車らしく、盛大な溜息をついてみせた

ドナドナの音楽が流れている訳ではないのだが、ガタンゴトンと規則正しいリズムの音を耳にし

もうそろそろ太陽を拝み羽を伸ばしたいのう・・・そう心の中で毒づいてみせる美羽でありました

 

「むぎゅ~~ なぁ~なぁ~のぉ~~ おもいのじゃ~~~」

「私じゃないですよぉ~ おっお嬢さま・・・酷い 乙女に向かって・・・重いだなんて・・・」

 

「なんじゃと! 紀霊かや! これ さっさとどかぬか! こりゃ!起きぬか~~~」

「Zzzzz」

 

いつもの如く?馬車の中で騒がしくしていたものの・・・紀霊は一向に起きる様子もなかった

 

しかし美羽の想いが天へと通じたのかどうかは判らないが、馬車が急停止をした後

馬車外で二言三言、何か会話が交わされた後に、美羽達は馬車から積荷と共に地面へと降ろされ

その後何事もなかったかのように、馬車は何処へと走り去っていったのである

 

「お嬢さま 今気付いたのですけれど

 何時の間にか縄が緩んで自力で解けるようになっていますので、袋から出てきたらどうですか?」

 

「そうなのかや? そういう事は早く申せ」

 

うんしょ・・・うんしょ・・・と可愛い声を発しつつ

芋虫のようにもぞもぞと上下運動を繰り返し麻布より出てくる美羽の可愛い姿に

七乃は感動を覚え、素早く天へと祈りを捧げ、恍惚とした表情をしていたりする

 

「・・・・・七乃や?」

「・・・なんですか? お嬢さま」

 

暫しの間、恍惚としていた七乃がふと我に返り、美羽の問いかけに反応を示す

 

「やはりわらわ達3人、実は孫策達に騙され、首ちょんぱされてたんじゃないのかや?」

 

突然、㌧でもない事を言い出した美羽なのであったが・・・

 

「ええぇ~~~~やっぱりお嬢様もそう思います?」

「・・・!?」

 

驚いた事に美羽が抱いた考えに同意を示す七乃と驚きを隠せない紀霊

 

普段ならそんな馬鹿な事を!と七乃が笑い飛ばして否定した所なのであろうが

今3人の前に広がる光景を察すれば、何時の間にやら死んでいたのでは?と考えるのも無理からぬ事といえた

 

「うむ 七乃! ここは世に謳われる極楽という所じゃろう?」

 

美羽の言う通り、辺り一面に咲き誇る花々を見れば、こういう反応をして当然だともいえた

 

「でもぉ~お嬢さま 私達良い行いなんて”全然”してきていませんから!

 極楽へなんて行ける筈ありませんよ~?」

 

「うんうん」

 

七乃どころか、紀霊までが素早く同意を示し頷く始末に

美羽は頬をぷぅぅ~~と可愛く膨らませ、両の手を大きく振り上げて反論し始めた

 

「なぁんと失敬なっ! 袁家の長として良い行いの1つや2つ・・・・・・

 ・・・ところで七乃や、朝食はまだかのう?」

 

まだボケるには早すぎです お嬢さま!

そう美羽に問われた七乃は、相方として即座に何処からかハリセンを取り出し、美羽の頭を容赦なく叩くのであった

 

「あいたっ! 七乃は容赦がないのう~ それにしてもじゃ 此処は一体どこなのじゃ?」

 

「何処でしょうねぇ?」

「・・・さて?」

 

「「「・・・・・・・・・・」」」

 

今回ばかりは、この美羽の問いに答えられる者は皆無であった

七乃も紀霊も美羽と同じく、問答無用で拉致され連れて来られた側だったからだ

 

「それは私から説明するわ」

 

突然3人に声が届き、急いで左右を見回す美羽達3人 

 

「はて?」

「声はすれど姿は見えず・・・」

「・・・うぬっ!?」

 

誰一人として後ろを見ようともしない所が憎らしい

 

「あ~な~た~た~ちぃ~~(貴方達ぃ!) わざとやってるでしょう!

 このままここに放置して帰ってもいいのだけれど?」

 

声の主の怒り具合の沸点が頂点に達したのを危険と察知したのか

 

「おおぉ~~~ すまぬすまぬ! みぇ・・・ごっくん」

「先程までの漫才の癖が抜け切っておらずつい」

「・・・見えなかった」

 

振り返る3人は苦笑いつつも、話しかけた対象の本音までも駄々漏れ状態であった

 

「・・・・・・!? ぬぅ~ぁ~んでっすってぇ!

 あんたたちの為にわざわざこんな所まできてあげたのに! やっぱり帰る!」

 

特に最後の紀霊の言葉にカチンときて怒りゲージが振り切ったのか

彼女達に背を向け歩きだそうとする少女に、急いで腰にすがりつく美羽と七乃

 

「じょ冗談ですよぉ~~ やぁですねぇ~~ ほっ本気にしないでくださいよぉ~」

「そっそうなのじゃ! 七乃の言う通りなのじゃ! ほれ土下座じゃ 七乃!紀霊!」

 

お嬢さまとて、本音駄々漏れだったじゃありませんか! 

さもそう言いたげな冷たい視線を、美羽達2人へと向ける紀霊なのであったが

さすがにこの眼前に広がる見渡す限りお花畑の光景において

周囲に街はおろか、人っ子1人見当たらない有様でこんな所に放置されては

本当に3人は、天国か地獄へ旅立つ破目に陥いりかねない可能性がここにきて急浮上してきたのである

 

寿春にて、一刀や孫策に折角命を救われたというのに、本当にあの世へと旅立ってしまっては元の木阿弥

美羽の言う通り、即座に”声の主”へと、すぐさま土下座フォームへと変じてみせる美羽、七乃、紀霊の3人でありました

 

「そうそう! 殊勝な心がけを最初からしておきなさいよ~ 

 シャオ( ・ ・ ・ )だって暇じゃないんだから!」

 

彼女達の後ろにいた人物、それはシャオであったのだ

声と姿に特徴があり、聞き覚えのあった人物から声をかけられた安堵感から、3人はつい悪ノリをしていたのだった

 

「そろそろ聞いてもよろしいでしょうか? 尚香さん

 なぜ私達はこんな何もない所へ連れてこられたのでしょうか?」

 

そうじゃ!そうじゃ!、うんうんと土下座フォームのまま頷く美羽と紀霊

シャオはそんな彼女達へと、ここへ連れられてきた目的へと、話を切り出し始めたのである

 

「何もない?・・・ですって? 貴方達よぉ~く見なさいよ この一面に咲く綺麗な花々と周囲を飛び回る虫達を!」

 

そんな事は3人がどんな馬鹿でも、先程から飽きるほど散々見ているのだからすぐ分ることだった

シャオの発言の中身にちゃんとヒントが隠されていたのだが

美羽達3人にとって、シャオの発言は当たり前の事すぎて、言葉の真意まで掴めなかったのである

 

「「「・・・わからんのじゃ(りません)」」」

 

その3人の声を聞いたシャオは、溜息混じりの声を発し説明し出したのである

 

「あなた達ホントにバカァ~? 生きているんだから、もう少し頭働かせなさいよ!

 贖罪の為に、これから呉の人の為に働くって、一刀やお姉ちゃんの前で決断したのでしょう? 

 その話の流れからここへ連れてこられた そうなのでしょ? 何か違う?」

 

先程までの漫才じみた時とは違い

美羽達3人は自身の思考をフル回転させ、シャオの言に耳を傾け至極真面目に考えていた

 

「いいえ その通りです ですがここで花の冠でも作れ、・・・というのでしょうか?」

 

フル回転させた結果、絞り出した答えがこの七乃の発言であった

一面の花々を何度となく見渡して尚、3人に思いつく事などとんと心当たりがなかったのである

 

「ち・が・う・わ・よ! シャオは暇じゃないって先程から何度も言ってるでしょ?

 ここは餌場( ・ ・ )なのだから」

 

シャオの”餌場”の発言もあり、先程とは違い周囲をよぉ~~~くじっくりと観察しだす美羽達3人

 

「にゅにゅ?」

「ここが餌場・・・!? 何の? 誰の?」

「ええっ・・・・・・!?」

 

この花々で覆われた一面が”餌場”とは一体どういうことだろう?

シャオの言うことが一向に要領を得ない事に、七乃と紀霊は益々首を傾げざるを得なかった

 

「もっもしかして貴方達・・・ ”好物の実物”をまさか・・・知らないというんじゃないでしょうねぇ?」

 

だがこのシャオの発言の前に、七乃と紀霊の2人とは全く違う行動を美羽がみせていた

その場へと屈み込んで、見知らぬ虫が周囲をホバリングし花に入り込んでいく様子を、ジッと観察していたのである

そしてシャオの”好物”の言葉に、逸早く反応をしてみせたのである

 

「好物のう? わらわは御無沙汰じゃった”ハチミツ水”が早く飲みたいのじゃ」

 

美羽は生まれてこの方、こうして外を自由に出歩くことなどなかったのだから・・・知らなくて当然といえた

一転してシャオは、孫家のお嬢様でありながら、外を自由に遊びまわる闊達さであった

その差ゆえに、美羽にとって好物の”ハチミツ”と目の前を飛ぶ”蜂”が

全く結びつかなかったのも無理からぬことといえた

 

「こんな時にお嬢さま・・・ってまさか!?」

「!?」

 

美羽とは違い、七乃や紀霊は美羽の言葉で、ここに連れてこられた理由全てを悟っていた

 

「簀巻きにされてからというもの、随分御無沙汰じゃったからのう

 それよりどうしたのじゃ? 七乃?」

 

呆然と立ち尽くしている七乃と紀霊を左右へ首を振り見上げる美羽

美羽は尚も分らず仕舞いであるが、七乃と紀霊は漸くここへと連れてこられた理由を飲み込めてきていた

 

「まぁ 2人は分ったようだから良しとしてあげるわ

 そう貴方達のこれからのお仕事、それは”養蜂家”となることよ」

 

シャオの口から述べられ、七乃、紀霊の2人は自身の考えが当っていた事に気付く

美羽はまだ頭の中で疑問符が浮かんでいるのだろう、尚もしきりに首を傾げているのだが

話は美羽を置き去りにどんどんと進められていく

 

「これから蜂の巣を探すのですか!? 無理ですよ! 私達は素人なのですよ?」

「コクコク・・・」

 

七乃と紀霊のこの反論も無理からぬことといえた 

当事天然モノの蜂蜜を得るには、蜜蜂に印を付け巣へと飛んでいくのを、追いかけ採集する方法が主流だったからだ

手間隙かかり、大量に得る事が困難であったことから、希少価値の為に値段が高騰していたのである

 

それを突然やれと言われても・・・素人なのだからすぐに出来っこないというのが七乃と紀霊の主張であり

彼女達がこう思うのも無理からぬことといえた 

 

「ここまで説明するのに時間が掛かりすぎたわ・・・

 面倒だから着いてきて 説明するより実際に見た方が早く判るでしょうし」

 

七乃と紀霊に反論するだけ時間の無駄ね そう感じたシャオは3人に後をついてくるよう指示し、独り先に歩き出した

七乃と紀霊の2人は、互いに疑問符を浮かべながら顔を見合わせつつも、シャオの後を続くように追っていく

置いてきぼりにされた美羽も、慌ててトテトテと不器用な足取りで、2人を追って駆けていくのだった

 

 

 

 

一見、花畑が一面に咲き誇っているかのように見えていたのだが、実はどうやら窪地に建物が建っていたらしい

シャオが突然現れたという謎も、ただ窪地だった建物から出てきただけという単なるオチだったようだ

 

シャオを加えた4人は、その場から数刻も歩く事無く、目的地となる建物へと到着していたのであった

 

「所長さん 例の3人を連れてきたよ~」

 

「お疲れ様です シャオ様 

 そしてようこそ いらっしゃいました 長旅でさぞお疲れでしょう? ささっ奥へとどうぞ」

 

奥へ移動する道すがら、七乃はここが一体何処なのかという疑問を投げかけていた

シャオに所長と呼ばれし人物、正式にはシャオが所長で、彼は実の所”代理所長”なのだが

堅苦しいのが大嫌いなシャオが、無理やり彼に自身の役目を押し付けていたりするのである

 

そんな諸事情は今は置いておくとして、代理所長が口にした説明に、七乃は自身の予想が当っていた事を知る

 

ここは荊州でも長江より南方に位置し、当然の事ながら、周囲の都市に着くまでには数十里とかなり離れており、

ちょうど山越と荊州の境目にあたる、自然の豊かさと長閑さが多く残る場所であった

 

そんな田舎へと連れてこられて一体何をさせようというのだろうか?

七乃の思考はその一点に集中されていた

 

だがそんな七乃の思考も、次なる代理所長の各施設の説明により、すんなりと理解することが出来た

 

彼女達が連れてこられた場所、それは”養蜂場”であったのだ

 

この時代に”養蜂場”など他国にだってない施設である 

当事の蜂蜜の天然モノは、希少価値の為に値段はべらぼうに高騰して庶民では届かぬ高嶺の花といえた

 

だが美羽達が寿春にて落城する間際にまでなると、不思議な事に蜂蜜の価格はかなり落ちており

しかもかなり良質の蜂蜜を得ることに成功していた七乃達であった

 

その事を七乃が思い浮かべている間に、珍しい事に美羽自身が率先して、施設を躍動していたのである

 

美羽にとって、この施設で見るもの全てが、新鮮でいて輝いて見えた

幼い頃からの寿春城での生活は、汚職に勤しむ人の顔色ばかり窺い

美羽にとっては何の刺激もない退屈な毎日であった

 

七乃が運んで来てくれるハチミツ水だけが唯一の楽しみでり救いでもあった

 

美羽にとって、この世で一番興味深いモノが”蜂蜜”であり、全てでもあった

そしてここで蜂蜜が採れると聞き、浮き足立つのも仕方がないというものであった

 

「これは何なのじゃ?」

 

美羽の好奇心は未だ衰えず、泉の如く湧き上がり尽きようとしない

 

この場所へと案内されてからというもの

最初はシャオが説明していたのだが、説明するのが面倒となったのだろう

今はより詳しい代理所長さんが、熱心に聴いてくる美羽へと丁寧に説明していたりする

 

こんなに瞳を輝かせ、躍動感溢れる美羽を見たことなど今までなかっただけに

美羽の様子を傍で見ていた七乃と紀霊は、その驚きを隠せないでいた

 

そうしている合間にも、施設の説明の話はトントン拍子に進んでおり

 

「念のためこれを着用しておいてください 

 刺される可能性は非常に低いのですが、蜂の”天敵”の方が非常に厄介ですので・・・」

 

その代理所長の言もあり、先程の説明を受ける前に、美羽達3人はいそいそと着替えに出かけ破目に・・・

 

着替え終わった今の美羽の格好は、見事なまでに着膨れしており、妙にちんちくりんな格好でありながら

代理所長の後を続き、お尻を可愛らしくフリフリしながら、そこらじゅうを歩きまわっていた

 

当然、美羽フリークな七乃にとって、愛らしいまでのお尻をジッと視姦し楽しむものの・・・

当の本人である美羽は、七乃の視線に一向に気付く様子も見せずに

未だに自身の疑問を代理所長へと投げかけては、ふんふんと小刻みに頷いたり

ほぇ~と素直に感心の声をあげていたりする

 

そんな中、お役御免となり暇となっていたシャオが、突然七乃へと声をかけてきたのである

 

「聞くけど貴方達、寿春領内で蜂蜜の値段落ちてたの知らない訳じゃないでしょう?」

 

そう問いかけてきたシャオへ、七乃は美羽萌えからすぐさま素に戻って頷き、同意を示し話し始めた

 

「ええ もちろんです お嬢さまから毎日のように催促されますから、値段の相場は常に把握しておりますよ?

 確か今現在、最大時だった時の半値近くにまで落ちてましたね~ 

 

 どこからか上質な蜂蜜が流入したようで、質と量、そして香りもですけど、他とは群を抜いた高品質だと

 お嬢さまが特にお気に入りだったもので、それで買い占めておりましたし・・・」

 

そうシャオへと話終えた時に、ちょうど美羽の感嘆の叫びが、2人の耳にも届いていた

 

「おおぉ~ この味は・・・ そうじゃったのかや! 数年前からおいしゅうなった蜂蜜 あれは孫呉産じゃったのか」

 

「ええっ!!」

「フフフ」

 

驚きの声をあげシャオを見つめる七乃と自慢げに腕を組み勝ち誇ったような表情を浮かべるシャオ

シャオは人差し指を前後へとリズム良く動かし、七乃へと種明かしをしだした

 

「そういうこと・・・ 天然モノだと数や容量が少量でマチマチと限られてしまうから

 どうしても値段が自然と高止まりしてしまっていたのよね

 

 そこで寿春へお姉ちゃんや一刀が、ここで生産された蜂蜜を流し、貴方達へ”餌付け”し売りつけていたのよ 

 半値近くになったとはいえ、ここかなりの資金難だったから、貴方達が買い占めてくれたお陰でホクホクだったわよ

 

 まぁ~あんた達に流した理由は今は置いておくけど・・・ 半値近くに落ちた秘密の一端がコレ!

 一刀の知識と琥珀の技術の結晶の賜物! これが”養蜂箱”よ!」

 

本来なら代理所長が説明する所なのだろうが、シャオが得意げに3人へと披露してみせたのである

 

「「「おおぉ~~~なんとっ!!」」」

 

3人は巣箱へと近づき、屈んだりしきりに巣箱を覗き込んだり興味津々の様子である

蜂を入る前の巣箱なのだが、美羽の質問攻めが再開されたのである

 

「この横に細長い穴は何ぞ?」

 

「ここから蜜蜂が出入りするんですよ」

 

「ならばその穴の上にある網はなんぞ?」

 

「これは蜜蜂の天敵であるオオスズメバチに容易に侵入されないようにする為の網ですね」

 

「ほぇ~ なるほどの~ よ~できておるな」 

 

美羽は代理所長の説明に感心しながら、巣箱を左右へと移動しながら、時に上下から覗き込んだりしている

 

今美羽達3人が行っているのは、現代でいう所の”工場見学・社会見学”であった

それから3人は、代理所長とシャオの紹介によって、色々な道具や場所を見学していく

 

実際その後使用されている巣箱を見学したり

蜂蜜の遠心分離機の体験コーナーでは、美羽と紀霊が面白がって、ハンドルを一生懸命回していたほどである

 

分離機から出てきたばかりの、新鮮な蜂蜜を舐めさせてもらって、久々に味わう蜂蜜に舌鼓をうちつつ

大層御満悦な笑みを七乃達へと浮かべる美羽であった

 

それからも、実際に作っている現場へと足を運び、見学体験して回っていく

 

「これとこれはダメじゃのう こちらの瓶に入ったのは味は良いのじゃが、香りがない! イマイチじゃ! 

 フンフン・・・ うん! 色、ツヤ、香り、これはわらわの好みじゃのう!」

 

今度は咲き乱れている季節の花々によって

採取される蜂蜜の味が違うという事を、身をもって体験してもらう為、貯蔵庫へと案内されていた

 

そして美羽をここへと連れてきた”最大の理由”がここにあった

 

「ふ~ん やるじゃない 合格よ 一刀の見立てが間違っていなかったわけね

 今まではシャオがここの責任者だったけれど、これからは袁術、あなたがここの責任者ね」

 

「わらわが?」

 

突然降って湧いたシャオの言葉に、美羽は自分を指差しシャオへと問いかける

 

「ええ そう お姉ちゃんや一刀が、故意に蜂蜜を流していた事は、先程話したとは思うけど

 それは袁術、あなたが蜂蜜の品質を見極められるかにかかっていたの 

 

 だから花々から蜜を集め終わり、出来あがった試作品を寿春の市場へと流し色々と試していた訳

 天然モノとの品質の選別・差の見極めは、最も大事な所だからね

 

 今の所、孫呉でもシャオと一刀、藍里だけにしか品質査定出来ないんだから!」

 

えっへんとさも自慢げに3人へと語り終わったシャオである

 

「所長になったら、これからハチミツ水飲み放題かや?」

 

美羽の真剣な交渉に、七乃と紀霊は噴出しそうになるのを必死に堪えた これには代理所長も苦笑いである

 

美羽は所長になる条件として、給金ではなく現物支給を主張したのである

実に微笑ましく子供らしい主張といえた

 

食いついたわね?と目の輝きが一層眩くなるシャオ

 

「労働報酬として、一日3回のハチミツ水の提供は約束するわ

 他にも試作品の味見もあるしどう?」

 

七乃からすれば、シャオが提示した条件など、あって当然の待遇とは思っていたが

黙って紀霊と共に静かに見守っていた

 

これは美羽自身が自立をして生まれて始めて得る”自身の労働対価”だからだ

 

これからは美羽自身が考え行動せねばならない時だと捉え

そこに口を挟むのは、美羽の成長を阻害しかねないと七乃は考えていたからだった 

 

世話役としてはただただ寂しい限りだが、美羽が華麗な成長を遂げるのならばと

七乃は口出ししたい想いをぐっと堪え、ただただ美羽を見つめていたのである

 

「ハッハッハ もちろん やるぞよ! わらわに全てを任せるが良いぞ!」

 

シャオへと小さな胸を張り背を逸らせて高笑いする美羽

 

「御遣いさまの話では、西に行けばもっと多くの蜂蜜が取れる種もいるという話ですけど

 導入もゆくゆくは・・・という感じでしょうねぇ」

 

代理所長としても、最初に一刀やシャオから試す事を聞き

結果次第で美羽を所長にすることに難色を示していたのだが

自身は出来ない、堂に入った蜂蜜の味聞きをしていた事に、実は感銘を受けていたのである

 

「果樹の受粉にも使用されているとの事で、現在呉で拡大してます果物の需要も大幅に上がってますし

 こちらの方からの利益も潤ってくることでしょう」

 

代理所長はそう明るい未来予想図を美羽達に助言してみせたのである

 

それから七乃は、代理所長と共に事務所へと移動をする

七乃は、美羽が所長を務める事を決意した養蜂場での一助となるべく

自身の持ち場を求め探し出していたのであった

 

「ふむふむ これくらいの赤字なら大丈夫じゃないですか?

 袁術軍の予算のやりくりの方がしんどかったぐらいですよ?」

 

帳簿をジッと見つめつつも、代理所長へと笑いをうかべ、あっけらかんとしている七乃

 

汚職が酷かった袁術軍の中、その手腕をもって苦しい台所事情で今までやりくりしてきた七乃である

 

赤字がまだまだ多いものの、美羽の手を借りればまだまだ品質向上も望めるのだ

代理所長の言にもあったように、まだまだ改善の余地は多く存在しており

顧客が増え、魯家の軒先を借りての販売網の充実を推し進めれば

黒字転換も夢ではないと代理所長と同様の見解であった

 

最後は残った紀霊の持ち場であるが・・・

 

「お安い御用、人を斬るよりは動きも単調で容易い・・・」

 

何時の間にやら、シャオに天敵の掃討役を貰っていたのである

 

元々美羽警護のスペシャリストだった紀霊だ 

数々の失敗は今まで経験していたものの・・・元々農家の出で虫に対しての耐性もあるらしく

これほどの武将の腕がありながら、またオオスズメバチ程度や熊相手には勿体無いくらいで

遅れを取る筈もない、シャオはそう考え紀霊へと配置を提案していたのである

 

「周々や善々に、この辺り一帯を縄張りとしてもらってるから

 熊の方は大丈夫と思うけれど、油断なく見張りよろしくね~」

 

「うむ 委細承知した」

 

こちらの方も難なく再就職に成功していたようである

それからシャオは美羽へとビシッと指差し宣言する

 

「ここで一番偉いのは会長であるシャオだからね?」

「なにをいう! ”所長”となったわらわであろう?」

 

「うっさいわね! シャオの指示には黙って従いなさいよ

 そうしないとすぐに運営資金枯渇してここすぐに潰れちゃうわよ?」

 

「ぐぬぬぬ・・・ にーととやらは困るのでな そういう話なら致し方あるまい 我慢するとしよう」

 

美羽がどこでその言葉を仕入れたのか定かではないが・・・

なんとか養蜂場での上下関係が無事決まったようで、会長にシャオが就任、所長を美羽に任されることとなった 

 

代理所長の役職は、正式に副所長へと改められ

経理、事務担当の七乃と従業員の紀霊とここにきて配置が確定し

美羽、七乃、紀霊達3人は、今度は畑違いの”養蜂家”として再出発をすることとなった

 

その後、孫呉産の蜂蜜は、美羽達の必死の頑張りもあり

天然モノとなんら格差もない、呉が誇る『名産品』へと進化を遂げることとなる

 

酢豚などの照りや砂糖が少ない時代の甘味、又は隠し味、殺菌作用が期待される料理方面

そして蜂蜜を塗るといった食とは違う美容方面でも使用されることとなり、

蜂蜜は大陸中でも一躍脚光を浴びることとなり、蜂蜜の需要が大幅に拡大する要因ともなる

 

この需要の拡大により、シャオは、呉の誇る”美の伝道師”として

蜂蜜の効能を説明し実演販売するべく、各都市を忙しく飛び回る日々を過ごすこととなる

 

美羽もまた”蜂蜜姫”の名声を得ており、日々の蜂蜜への研究、品質改良に益々傾倒していくこととなる

そしてその傍らには、常に敏腕経理、秘書担当の七乃と紀霊が笑顔で付き添っていたという

 

その甲斐もあってか、数年後には赤字どころか、大幅黒字へと転換達成し軌道にのると

需要予測を見込んで養蜂の規模の拡充へと着手、次世代の養蜂家を目指す者の育成と、てんやわんやの大騒ぎとなり

3人が、目が回るほどの大忙しの毎日を送ることとなるのは、もう少し先の未来のことである

 

 

 

 

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●『真・恋姫†無双 - 真月譚・魏志倭人伝 -』を執筆中

 

※本作品は【お気に入り登録者様限定】【きまぐれ更新】となっておりますので、ご注意を

人物設定などのサンプル、詳細を http://www.tinami.com/view/604916 にて用意致しております

 

上記を御参照になられ御納得された上で、右上部にありますお気に入り追加ボタンを押し、御登録のお手続きを完了してくださいませ

お手数をおかけ致しまして申し訳ありませんが、ご理解とご了承くださいますよう、何卒よろしくお願いいたします<(_ _)>

 

■■■【オリジナル人物紹介】■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

 

 

 ○孫堅 文台 真名は緋蓮(ヒレン) 

 

  春秋時代の兵家・孫武の子孫を称し、各地で起こった主導権争いに介入し

  『江東の虎』の異名で各地の豪族を震撼させた

  優秀な人材を率い転戦、やがて軍閥化し孫家の基礎を築いた

 

  容姿:髪は桃色で、孫家独特の狂戦士(バーサーカーモード)になると、右目が赤色に変化するのが特徴で、平時は量目とも碧眼である

  祭と同じく胸が豊満で背は祭より高い 体格は祭よりすこし大きい 顔立ちは蓮華というより雪蓮に似ているだろうか

 

 ○張紘 子綱 真名は紅(コウ) 

 

  呉国の軍師の一人で主に外交を担当。 魏の程昱(風)の呉版と考えていただけると理解しやすいだろう

   『呉郡の四姓』と呼ばれる有力豪族の張氏の出 雪蓮直々に出向き、姉の張昭と共に臣に迎え入れられる

  張昭と共に『江東の二張』と称される賢人

 

  ※史実では、呉郡の四性でも張昭と兄弟でもありませんのでお間違い無きように。。。 

   呉郡の四性の中で張温しか見当たらなかった為、雪月の”脳内設定”です

 

  容姿は青眼で背丈は冥琳より少し低い 顔は姉の王林とは似ておらず童顔で人に安心感を与える顔立ちである

  髪は腰にまで届こうかという長く艶やかに保った黒髪を束ね、ポニーテールと呼ばれる髪型にしている事が多いが

  その日の気分により、長髪を肩辺りで束ね胸の前に垂らしている場合もあるようである

  服装は藍色を基調とした西洋風ドレスを身を纏っている

 

 ○魯粛 子敬 真名は琥珀(コハク)

 

  普段は思慮深く人当りも良い娘で、政略的思考を得意とし、商人ネットワークを駆使し情報収集・謀略を行う

  発明に携わる時、人格と言葉遣いが変化し、人格は燃える闘魂?状態、言葉遣いは関西弁?風の暑苦しい人に変化する

  このことから「魯家の狂娘・後に発明の鬼娘」と噂される

 

  ※穏(陸遜)は本をトリガーとして発情しちゃいますが、、琥珀(魯粛)は発明に燃えると・・・燃える闘魂に変身って感じです

 

  容姿は真名と同じく琥珀色の瞳をもち、髪は黒で肌は褐色がかっており月氏の特徴に似通っている

  背は明命と同じくらいで、服装は赤を基調としたチャイナドレスを身に纏っている

 

 ○張昭 子布 真名は王林(オウリン) 

 

  呉国の軍師の一人で主に内政を担当。 冥琳とはライバル同士で互いに意識する間柄である

   『呉郡の四姓』と呼ばれる有力豪族の張氏の出 雪蓮直々に出向き、妹の紅(張紘)と共に臣に迎え入れられる

  張紘と共に『江東の二張』と称される賢人

 

  妹の紅は「人情の機微を捉える」に対して「政(まつりごと)の機微を捉える」という感じでしょうか

 

  容姿は冥琳より少し高めで、紅と姉妹でありながら顔立ちが似ておらず、冥琳と姉妹と言われた方がピッタリの美人系の顔立ちである

  眼鏡は使用しておらず、服装は文官服やチャイナドレスを着用せず、珍しい”青眼”でこの眼が妹の紅と同じな事から

  姉妹と認識されている節もある 紫色を基調とした妹の紅と同じ西洋風のドレスを身を纏っている

 

 ○程普 徳謀 真名は楓(カエデ)

 

  緋蓮旗揚げ時よりの古参武将であり、祭と並ぶ呉の柱石の一人 「鉄脊蛇矛」を愛用武器に戦場を駆け抜ける猛将としても有名

  祭ほどの華々しい戦果はないが、”いぶし銀”と評するに値する数々の孫呉の窮地を救う働きをする

  部下達からは”程公”ならぬ『程嬢』と呼ばれる愛称で皆から慕われている

 

  真名は・・・素案を考えていた時に見ていた、某アニメの魅力的な師匠から一字拝借致しました・・・

 

  容姿は祭と同じくらいの背丈で、端正な顔立ちと豊かな青髪をうなじ辺りでリボンで括っている

  均整のとれた体格であるが胸は祭とは違いそこそこ・・・ちょっと惜しい残念さんである

 

 ○凌統 公績 真名は瑠璃(ルリ) 

 

  荊州での孫呉崩壊時(※外伝『砂上の楼閣』)に親衛隊・副長であった父・凌操を亡くし、贈った鈴をもった仇がいると

  知った凌統は、甘寧に対して仇討ちを試みるものの・・・敵わず返り討ちにあう間際に、一刀に救われ拾われることとなる

  以来、父の面影をもった一刀と母に対してだけは心を許すものの・・・未だ、父の死の傷を心に負ったまま

  呉の三羽烏の一人として日々を暮らしている

 

  容姿はポニーテールに短く纏めた栗色の髪を靡かせて、山吹色を基調とした服に身を包んでいる小柄な少女

  (背丈は朱里や雛里と同じくらい)武器は不撓不屈(直刀)真名の由来で目が瑠璃色という裏設定もございます

 

  ○朱桓 休穆 真名は珊瑚(サンゴ)

 

  『呉郡の四姓』と呼ばれる有力豪族の朱氏の一族

  槍術の腕を買われ、楓の指揮下にいた 一刀の部隊編成召集時に選抜された中から、一刀に隊長に抜擢された『呉の三羽烏』の一人

  部隊内では『忠犬・珊瑚』の異名がある程、一刀の命令には”絶対”で元気に明るく忠実に仕事をこなす

 

  容姿:亞莎と同じくらいの背丈で、黒褐色の瞳に端正な顔立ちであり黒髪のセミロング 人懐っこい柴犬を思わせる雰囲気をもつ  

  胸に関しては豊満で、体格が似ている為よく明命から胸の事で敵視されている  

 

  ○徐盛 文嚮 真名は子虎(コトラ)

 

  弓術の腕を買われ、祭の指揮下にいた 一刀の部隊編成召集時に選抜された中から、一刀に隊長に抜擢された『呉の三羽烏』の一人

  『人生気楽・極楽』をモットーにする適当な性格であったが

  一刀と他隊長である珊瑚と瑠璃・隊長としての責に接していく上で徐々に頭角を現し

  後に部隊内では『猛虎』と異名される美丈夫に成長を遂げていくこととなる 

 

  容姿:思春と同じくらいの背丈で黒髪のショートヘア 体格も思春とほぼ同じく、遠めからでは瓜二つである 

  二人の区別の仕方は髪の色である(所属部隊兵談) またしなやかな動きを得意としている為、思春の弓バージョンと言える 

 

  ○諸葛瑾 子瑜 真名は藍里(アイリ)

 

  朱里の姉 実力にバラツキがあった為、水鏡から”猫”と称される

  その後、水鏡と再会時に”猫”が変じて”獅子”になりましたわねと再評価される

  天の御遣いの噂を聞きつけた藍里が冥琳の元を訪れ、内政・軍事・外交とそつなくこなす為

  未熟であった一刀の補佐にと転属させられる 

 

  初期には転属させられた事に不満であったが、一刀に触れ与えられる仕事をこなす内に(わだかま)りも消え

  一刀に絶大な信頼を寄せるようになる

  後に亞莎が専属軍師につくと、藍里の内政面への寄与が重要視される中で、藍里の器用な才を愛し、軍師としても積極的に起用している

 

  容姿は朱里より頭一つ高いくらい 茶髪で腰まであるツインドテール 朱里とよく似た童顔でありながらおっとりした感じである

  服装に関しては赤の文官服を着用しており、胸は朱里と違い出ている為、朱里とは違うのだよ 朱里とは・・・

  と言われているようで切なくなるようである(妹・朱里談)  

 

  ○太史慈 子義 真名を桜(サクラ)

 

  能力を開放しない雪蓮と一騎打ちで互角に闘った猛者  桜の加入により瑠璃が一刀専属の斥候隊長に昇格し

  騎馬弓隊を任されることとなった(弩弓隊・隊長 瑠璃→子虎、騎馬弓隊・隊長 子虎→桜に変更)

  本来の得物は弓で、腕前は祭を凌ぎ、一矢放てば蜀の紫苑と互角、多矢を同時に放てば秋蘭と互角という

  両者の良い処をとった万能型である

 

  武器:弓 不惜身命

  特に母孝行は故郷青州でも有名であり、建業の役人街が完成した際に一刀の薦めもあって一緒に迎えに行く

  隊長として挨拶した一刀であったが、桜の母はその際に一刀をいたく気に入り、是非、桜の婿にと頼み込む程であった

   

  容姿はぼん・きゅ・ぼんと世の女性がうらやむような理想の体型でありながら身長が瑠璃ぐらいという美少女系女子

  眼はブラウン(濃褐色)であり、肩下までの黒髪 気合を入れる時には、白い帯でポニーテールに纏める

  一刀の上下を気に入り、自身用に裁縫し作ってしまう程の手先の器用さもみせる

 

  真剣に話している時にはござる口調であるが、時折噛んだりして、ごじゃる口調が混ざるようである

  一時期噛む頻度が多く、話すのを控えてしまったのを不憫に思った為

  仲間内で口調を指摘したり笑ったりする者は、自然といなくなったようである

 

 ○高順

 

  「陥陣営」の異名をもつ無口で実直、百戦錬磨の青年 

  以前は恋の副将であったのだが、恋の虎牢関撤退の折、霞との友誼、命を慮って副将の高順を霞に付けた

  高順は恋の言いつけを堅く守り続け、以後昇進の話も全て断り、その生涯を通し霞の副将格に拘り続けた

 

 ○馬騰 寿成 真名を翡翠(ヒスイ)

 

  緋蓮と因縁浅からぬ仲 それもその筈で過去に韓遂の乱で応援に駆けつけた呉公に一目惚れし

  緋蓮から奪おうと迫り殺りあった経緯がある

 

  この時、緋蓮は韓遂の傭兵だった華雄にも、何度と絡まれる因縁もオマケで洩れなくついて回ることとなるのだが・・・  

  正直な処、緋蓮としては馬騰との事が気がかりで、ムシャクシャした気持ちを華雄を散々に打ちのめして

  気分を晴らしていた経緯もあったのだが・・・当の本人は、当時の気持ちをすっかり忘れてしまっているが

 

  この事情を孫呉の皆が仮に知っていたのならば、きっと華雄に絡まれる緋蓮の事を自業自得と言いきったことだろう・・・

 

 ○孫紹 伯畿 真名を偲蓮(しれん)

 

  一刀と雪蓮の間に生まれた長女で、真名の由来は、心を強く持つ=折れない心という意味あいを持つ『偲』

  ”人”を”思”いやる心を常に持ち続けて欲しい、持つ大人へと成長して欲しいと2人が強く願い名付けられた

  また、偲という漢字には、1に倦まず休まず努力すること、2に賢い、思慮深い、才知があるという意味もある

 

  緋蓮、珊瑚、狼をお供に従え?呉中を旅した各地で、大陸版・水戸黄門ならぬ

  ”偲”が変じて”江東の獅子姫様”と呼ばれる

 

 ○孫登 子高 真名を桜華(おうか)

 

  一刀と蓮華の間に生まれた次女で、子供の扱いが分らぬ蓮華の犠牲者1号となり

  早々に侍従長の咲と思春の手により育てられることとなる

 

  そんなエピソードがあるのにも関わらず、聡明な娘で人望も厚く育ち、王となってからは自身の才能をいかんなく発揮させる

  一刀や蓮華に似ているというより、姉である雪蓮に似ているとの蓮華談有り

  後年孫呉の王として、天皇となりし姉・偲蓮を支えることとなる

 

 ●その他武将

 

  蒋欽ー祭の副将、董襲ー楓の副将

  歩シツー珊瑚の副将、朱然ー昔は瑠璃、現在子虎の副将、丁奉ー昔は子虎、現在は桜の副将 周魴ー瑠璃の副将

 

 ○青(アオ)

  白蓮から譲り受けた青鹿毛の牝馬の名前 

 

  白蓮から譲られる前から非常に気位が高いので、一刀以外の騎乗を誰1人として認めない 

  他人が乗ろうとしたりすれば、容赦なく暴れ振り落とすし蹴飛ばす、手綱を引っ張ろうとも梃子でも動かない

  食事ですら・・・一刀が用意したモノでないと、いつまで経っても食事をしようとすらしないほどの一刀好き

 

  雪蓮とは馬と人という種族を超え、一刀を巡るライバル同士の関係にある模様

 

 ○狼(ラン)

  珊瑚の相棒の狼 銀色の毛並みと狼と思えぬ大きな体躯であるが

  子供が大好きでお腹を見せたり乗せたりする狼犬と化す

 

 

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【あとがき】

 

常連の読者の皆様、お初の皆様 こんばんは 雪月でございます

いつも大変お待たせし、お世話になっております 

 

この度お気に入り登録者数1200名を超えました 

御登録下さいました皆様、誠にありがとうございます<(_ _)>

長きに渡る作品にお付き合い下さり、感謝の気持ちで一杯でございます

 

さてこの度の話いかがでございましたでしょうか? 

戦争話が続きました事もあり、上手く話しの息抜きになりましたでしょうか?

 

以前から申しておりました通り、明命に簀巻きにされ、何処かへと運ばれた美羽達のその後を

この度外伝話2として描きました次第であります

 

そして色々な情勢が大陸中で錯綜する中、美羽達に訪れた安穏の模様をお伝えいたしました

これにて美羽達に関しては、一応の目途をつけたつもりです

 

今後は養蜂家という外郭から孫呉を支えることとなります 戦場へ出向くかどうか・・・

そこは余地を残しておりますが、どうなりますことやら・・・

 

またこの度出しました養蜂関連の話につきまして、もっと色々な障害(ダニなど)もあるのですが

色々とややこしく、また長くなりそうだった事から、今回は簡潔に熊とオオスズメバチ限定にし省略しております

 

話は変り、次回更新に関しましては、本編へと戻るかどうか今少し悩んでおりますので

制作の展開次第によっては、次回も外伝作品の投稿となるやもしれません

 

もしそうなれば、本編を御期待してくださっている皆様には

大変申し訳ないのですが、今暫し御待ちくださいませ<(_ _)>

 

これからも、皆様の忌憚のない御意見・御感想、ご要望、なんでしたらご批判でも!と何でも結構です

今後の制作の糧にすべく、コメント等で皆様のご意見を是非ともお聞かせ下さいませ 

 

それでは完結の日を目指して、次回更新まで(´;ω;`)ノシ マタネ~♪

 


 
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