No.693222

真・恋姫†無双 裏√SG 第3話

桐生キラさん

こんにちは!
Second Generations 夏候覇伝其三になります!

2014-06-11 17:00:01 投稿 / 全6ページ    総閲覧数:2418   閲覧ユーザー数:2132

 

 

 

 

 

咲希「いらっしゃーい…って、秋菜か。今日は早かったな」

 

私は訓練を終えてすぐ、実家である『晋』に向かった。

そして店に入ると、咲希の姉者が迎えてくれた

 

秋菜「いや、少し報告に来ただけなので、すぐまた隊舎に戻ります」

 

咲希「報告?」

 

秋菜「はい。今晩、北郷さんと翠さんが来るそうです」

 

咲希「なに?チッ…聞きましたか父様?」

 

姉者がそう言うと、奥から父上が出てきた。

運が良かった。今日は父上が厨房に出ているのか

 

零士「聞こえたよー。一刀君に翠ちゃんかぁ。確かにそろそろ来るとは言っていたが…

いやはや、今晩は忙しくなりそうだ」

 

まぁそうだろう。

翠さんが来ているということは、高確率で彼女の従姉妹の蒲公英さんもいる。

翠さん程ではないが、彼女もそこそこ食べるからな

 

秋菜「では、確かにお伝えしました」

 

咲希「おう、わざわざありがとうな」

 

零士「あ、秋菜ちゃん、お仕事頑張ってね!」

 

私は二人の言葉に頷き、その場を後にする。さて、私も残りの仕事を片付けよう

 

 

 

 

許昌警邏隊の隊長である私は、隊員の現状把握や、街の治安についての報告書の作成、

改善案など、書類仕事が主となってくる。

私は自室に行き、早速書類仕事に手を出し始めた

 

秋菜「隊の不満は…特にはなさそうだな。

だが、そろそろ大三元娘。の公演を観たいと言う者が増えて来たな。近々依頼しなくては」

 

隊の心身管理も、隊長である私の責務である。隊員の不満は出来る限り取り除き、

改善してほしい所があれば、報告してほしいとも言ってある。

これにより、隊員の信頼を大きく得ている。

ちなみに、大三元娘。とは、この大陸全土で現在人気急上昇中の歌い手だ。

あの数え役満☆姉妹の正当な後継者とも言われている

 

秋菜「街の治安も、目立った事件は…」

 

私は報告を流し見していく。何かあっても、食い逃げや万引きなどのセコい事件ばかりだ。

この大陸全土で比べても、許昌の治安はかなり良いものだが、

こういう小さな事件はやはりなくならない。

どんなに平和でも、こういうバカは後を絶えないようだ

 

秋菜「おっと、この案件は…」

 

私は書類の一つに手を止める。最近、各地でも名が挙がり始めたものがあったからだ

 

秋菜「徐福…」

 

その名は徐福。かつて、始皇帝の時代にいた人物の名であり、始皇帝の命で不老不死の研究をしていたと言われている。昨今、その徐福という名を語った組織が、巷で武器や麻薬を流しているという話を聞いており、ここ許昌でも、その組織の人間を何人か捕まえていた。だが、どいつも下っ端のようで、いまだに組織を潰す事はおろか、やつらの本拠地や頭の存在は割れていなかった

 

秋菜「どうにかしなければいけないが、手がかりがなさすぎる」

 

徐福という組織は、少し気味が悪かった。小さく、だがコツコツと確実に、

こちらを侵食しているような、病原菌のような存在。

このまま放置しておくと、この国は病に侵されそうな、そん予感がしてならない

 

 

ガチャ

 

 

凪紗「お疲れ様です!」

 

書類整理をしつつ、徐福について考えていると、凪紗が警邏から帰ってくる。

どうやら、ずいぶん時間が経っていたようだ。もうすっかり夜だ

 

秋菜「あぁ、お疲れ様だ凪紗」

 

凪紗「引き継ぎも終わりましたので、そろそろ上がろうと思っていますが、

隊長はいかがなさいますか?」

 

あまり根を詰めるのも、よくないな。父上にも叱られてしまうし

 

秋菜「そうだな。私もそろそろ上がるとしよう。友紀はどうした?」

 

凪紗「はい。友紀さんなら先に上がり、『晋』に向かいました」

 

チッ、あいつは…挨拶も無しか…

 

秋菜「まぁいい…今日は北郷さんや翠さんが来るらしい。我らも向かおうか」

 

凪紗「はい!秋菜姉さん!」

 

お、やっと秋菜姉さんになったか。やはり凪紗には、姉さんと言ってほしいな

 

 

 

 

秋菜・凪紗「ただいま帰りました!」

 

私と凪紗は店の方に顔を出す。

そして扉を開けた瞬間、私達の視界はとんでもない戦場を映し出していた

 

翠「おっしゃー!三杯目!おかわり!

 

季衣「へっへー!まだ三杯目?ボクはもう五杯目だよ?おかわり!」

 

詠「あ、あんたら!少しは加減しなさいよ!特に翠!良い歳なんだから、食べ過ぎは毒よ!」

 

そこには予想通り、あり得ない量を食らい尽くす翠さんと季衣さんの姿があり、

必死で給仕をしている詠姉さんの姿があった。さらには…

 

霞「相変わらず、ええ飲みっぷりやなぁ友紀!惚れ惚れするわぁ」

 

雪蓮「本当よねぇ。見ていて気持ちがいいわ」

 

友紀「ごく…ごく……はぁぁ!この瞬間が最高だぜ!ほら!蓮鏡も飲め!」

 

蓮鏡「え!いいの!?いただきまーす!」

 

これまたあり得ない量を飲んでいる友紀と霞さん、そして雪蓮さんと蓮鏡が居た。

何故霞さんまで居て、しかもまだ飲んでいるんだ…

そして何故店員側の雪蓮さんと蓮鏡が飲んでいるのだ…

 

霞「お!お帰りアッキー!」

 

友紀「遅いぞアッキー!」

 

雪蓮「どうしたアッキー!」

 

蓮鏡「暗いぞアッキー!」

 

秋菜「アッキーアッキー言うな!この酔っ払い共め!」

 

ここは既に職場じゃない。故に、私も霞さん相手に強く言ってしまう。

物心つく前からの付き合いなんだ、この場で敬意とか必要ない

 

凪「お帰り凪紗、秋菜。二人ともお疲れ様」

 

秋蘭「疲れただろう。こっちに来て休むといい。というか、そっちに居ない方がいい」

 

母上と凪さんに呼ばれ、私と凪紗は二人の方へ向かう。

二人は既に食事を終え、一服している様子だった

 

凪紗「ありがとうございます!母さん!秋蘭さん!」

 

秋菜「ありがとうございます。というか、今この状況はどうやっているんですか?」

 

秋蘭「まぁ見てのとおりだ。翠と、途中で霞も来たのだ、こうなる事は予想通りさ。

ちなみに北郷と蒲公英も一緒なのだが、彼らは零士と話しているよ」

 

私と凪紗は二人のいる席に座り、母上の話を聞く。

そして母上が指したカウンター席を見てみると、

確かに北郷さんと蒲公英さんが父上と話していた。

流石にあの二人は、物静かな方だな

 

咲希「よ、二人ともお疲れ。何にする?」

 

程なくして、姉者が飲み物を持って来てくれる。ふむ、今日は何にしようか

 

秋菜「ありがとうございます。今日の厨房の担当は誰ですか?」

 

咲希「今日は父様、月姉さん、流琉さんの三人だ。

今日は接客担当だったが、私が作ってもいいぜ?」

 

なるほど、月姉さんと流琉さんがいるのか。なら…

 

秋菜「和定食にします」

 

あの二人が作る和定は絶品だからな

 

咲希「はは、だろうな!ちなみに、今日の和定の主菜は肉じゃがだったが、よかったか?」

 

しかも肉じゃがか。

月姉さんは煮物が得意故に、肉じゃがはまさに最高の一品と言っても過言ではないだろう

 

秋菜「愚問ですな」

 

変更する理由が見当たらないな

 

咲希「凪紗はどうする?」

 

凪紗はかなり迷っているようだった。その姿が、なんとも愛らしい

 

凪紗「むー…ちなみに、今日の洋定食の主菜は何ですか?」

 

咲希「今日は牛フィレ肉のたたきだ。なかなか美味そうだったぞ?

てか、早くしないと全部あいつらに食われる」

 

そう言って姉者は大食らいを指す。すると凪紗は少し焦り始める。

父上の事だから、一食分くらいは、残していると思うのだがな

 

凪紗「で、では!洋定食にします!」

 

咲希「了解!少し待ってな!」

 

姉者は咲希の頭を撫でて、厨房に戻って行った。それを確認すると、凪紗が話しかけてくる

 

凪紗「あ、あの、秋菜姉さん。お肉、少し分けますので、姉さんの肉じゃがも…」

 

凪紗は恐る恐る聞いてきた。なんて可愛いんだ

 

秋菜「あぁ、私も凪紗に聞くつもりだった。半分こにしような」

 

私がそう言うと、不安気だった凪紗の表情は、パァァっと明るくなった。

まったく、凪紗は最高の妹だよ!

 

 

 

 

私と凪紗はそれぞれオカズを交換しつつ、夕食をとっていた。

この料理を毎日食べれると思うと、本当に幸せな事である。

母上、『晋』の娘として産んでくれて感謝します

 

一刀「こんばんは、秋菜ちゃん、凪紗ちゃん」

 

蒲公英「二人とも久しぶり!元気にしてた?」

 

食事をしていると、北郷さんと蒲公英さんが話しかけてくる。

父上程ではないが、なかなかガタイが良く、男前な中年男性の北郷さん。

そして、キリッとした顔立ちと、女性なら誰もが羨むような体型で、

長髪をおろしている蒲公英さん。この二人とも、物心付く前からの付き合いだ。

というより、この大陸の重鎮のほとんどが、うちと古くから付き合っている

 

秋菜「お久しぶりです、北郷さん、蒲公英さん」

 

凪紗「お久しぶりです。こちらは順調です。そちらも、お変わりないようで」

 

蒲公英「あは!あたしはまだまだ元気なんだけど、ご主人様がねー」

 

一刀「あはは、最近少し腰が痛くてね」

 

そう言って、北郷さんは腰をさすっている。

北郷さんは今年34だか35だか、確かそれくらいだったよな?まだまだ現役だろうに

 

凪紗「華佗先生には、診てもらいましたか?」

 

一刀「もちろん。華佗にはホント、お世話になってるよ」

 

蒲公英「そしたらご主人様、華佗になんて言われたと思う?」

 

一刀「お、おい!蒲公英…」

 

あぁ…なんとなくオチが読めてきた…

 

凪紗「……??何て言われたんですか?」

 

凪紗は純粋に聞いてきた。どうやらわかっていないらしい

 

蒲公英「ふふ、酷使し過ぎだってさ」

 

私も母上も凪さんもため息をつく中、蒲公英さんはニヤニヤとしていて、

北郷さんは顔を赤らめ、凪紗は…

 

凪紗「酷使?……??働き過ぎって事ですか?」

 

まだわかっていないようだったが、これで良いのだろう。

凪紗にはこのまま純粋でいて欲しい

 

 

 

 

閉店間際、騒がしかった宴会もお開きとなり、先ほどまでの喧騒が嘘のように今は静かだ

 

秋菜「まったく…こいつもこいつで、飲み過ぎだ…」

 

私は酔い潰れて寝ている友紀を小突く。まったく、だらしない寝顔だ

 

凪紗「秋菜姉さん、蓮鏡姉さんを寝室に連れていくので、そこの扉を開けてもらえませんか?」

 

凪紗は酔い潰れた蓮鏡を担いでいる。まったく、こいつは仕事中だったろうに…

 

咲希「悪いなお前ら。後片付けまで手伝ってもらって」

 

姉者が店を片付けつつ言ってくれる。流石に、営業中の姉者は頼りになるな

 

月「ほら、雪蓮さんも、寝室に行きましょうねー」

 

雪蓮「むにゃー」

 

詠「むにゃー、じゃないわよ、もう…月、こいつ連れていくから手伝って!」

 

雪蓮さんはいい大人なんだから、もう少ししっかりして欲しい…

 

流琉「厨房の片付けは終わりました!って、うわ!お酒くさ!

みんなどんだけ飲んだんですか…」

 

厨房から流琉さんがやって来る。そしてやって来て早々、顔をしかめていた。

確かにこの空間、かなり酒臭い

 

流琉「霞さん……はぁ…ほら霞さん、寝るならこっちで寝てくださいねー」

 

霞「うへへー…流琉たん…おっぱい…」

 

明らかにセクハラまがいの発言があったが、流琉さんは気にせず霞さんを連れて行った

 

秋蘭「ふふ、本当にここは、退屈せんな」

 

凪「ですね。笑顔が溢れていて、とても良い空間だと思います」

 

確かに、母上の言う通り笑顔の絶えない空間である事は間違いない。

北郷さんも翠さんも蒲公英さんも、笑顔で帰って行った。『晋』の、

人々を笑顔にする力は、本当に素晴らしいと思う

 

零士「ごめんね、みんな。みんなも仕事終わりで疲れているだろうに、

手伝ってもらっちゃって。後はこっちでやっておくから、

秋蘭ちゃんも凪ちゃんも秋菜ちゃんも、先に家に帰ってて。

あ、ついでに友紀ちゃんも連れてってくれるとありがたいな」

 

秋蘭「では、お言葉に甘えるとするか。先に戻っているよ零士」

 

凪「お疲れ様でした。また後ほど」

 

二人は先に帰って行った。私は友紀を担いで、二人の後を追おうとする。すると父上が…

 

零士「王異と馬超か…やっぱり、この世界じゃ関係ないのかな」

 

何かをボソリと言った

 

秋菜「どうかしました?」

 

私は気になり、父上に聞いてみる。父上は笑顔で首を横に振り…

 

零士「いや、なんでもないよ。秋菜ちゃんも、ゆっくり休んでね」

 

そう言って、父上は残りの掃除に取り掛かり始めた。

父上の言葉に、嘘は感じられなかった。つまりは、本当になんでもないのだろう。

だが、私は少し気になってしまった。王異と馬超、父上が言ったこの二人が、

いったいどういう意味を持っているのか。この時の私は、知る由もなかった…

 

 

 

 

 

あとがき

 

 

 

こんにちは!

 

教育実習で3キロくらい痩せた桐生キラです!

 

 

 

今回は真・恋姫†無双 裏√Second Generations書かせてもらいました

 

夏候覇視点で送った原作17年後の世界です

 

この作品での原作キャラはほとんど変わらない容姿ですが、ちびっ子組が成長しています

 

季衣ちゃんや流琉ちゃんが、季衣さんや流琉さんといった感じで大人の女性になりました

 

大人組?皆さんのご想像にお任せします(笑)

 

 

 

Second Generationsは以下のテーマを元に進行していきます

 

『17年後の恋姫たちの様子』

 

『英雄がやってきたこと』

 

雪蓮さん並に勘の良い人や、演義を知っている人は、『王異と馬超』が出た時点でだいたい予想できると思います。まぁ、そんな感じです(笑)

 

ついでにオリキャラ紹介…

 

オリジナル武将:王異

真名:友紀<ゆき>

得意武器:小太刀二刀

今作のキーパーソン。許昌警邏隊所属、三番隊隊長。17歳。

普段は仕事に対してやる気がなく、よくサボっている。

飲んだくれ、ギャンブル好き、私生活がだらしないなど、結構なダメ人間。

しかし、街の住民からの信頼は高く、顔も広いので情報通。

自他ともに認める「やればできる人」

インスパイア元は、ゲーム版「パラサイト・イヴ」より、アヤ・ブレア

 

 

 

シリアスの中のほのぼの

 

前作、裏√ではあまり出番のなかったキャラを書きつつ進めていこうと思います

 

そんな感じの作品ですが、どうぞよろしくお願いします

 

それでは、また次回に!

 

 

 


 
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