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真・恋姫†無双 ~孫呉千年の大計~ 第3章 16話

雪月さん

常連の皆様&お初の方もこんばんは いつもお世話になっております

この作品は真・恋姫†無双・恋姫†無双の2次創作となっております
主人公は北郷一刀 メインヒロインは雪蓮と蓮華と仲間達でお送りしております
※猶、一刀君はチート仕様の為、嫌いな方はご注意を! ※オリキャラ紹介は本文下記参照のこと

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2014-05-14 21:00:01 投稿 / 全5ページ    総閲覧数:3064   閲覧ユーザー数:2435

第3章 群雄淘汰・天下三分の計編 16話 『 それぞれの希望を胸に・・・いざ決戦の地へ 』

 

 

 

 

袁術領を併呑した一刀達は、長老達の協力のもと、所領の開発・復興策を強力に推し進めていた

その中には、霞が担当している合肥城の建設も入っている

 

農政面では、併呑に協力的だった長老達の力を借り、灌漑設備を充実すべく取り計らった

しかし、荊州を含めた呉領内との生活格差は段違いで、領内から人が流出しては再生も困難となる為

当面生活に必要なお金など、魯家から積極的に融資してもらえるように取り計らった

 

これでなんとか、人口の流出には歯止めをかけることは出来た

職を失った者の措置として、当面の生活費を稼ぐ手段として

先に挙げた灌漑設備、街や農村の警備への従事が挙げられる

 

後は殖産興行の定着、戦争へのが挙げられるが、そちらは習熟訓練に時間が掛かる為、平行して進められる事になっている

 

当面の併呑した国内の問題に対処し終えた孫呉の次なる標的は

江夏・江陵以北を残す劉表亡き後を継いだ劉琮、蔡瑁との最終決戦であった

そう、この日この時の為に、寿春を始めとした袁術の領地の併呑に際し

兵力を温存したまま、民による内乱という危ない橋を渡る形で収束させた訳なのである

 

孫呉陣営にとって、華琳、桃香との同盟の集大成となり、最も因縁深い相手との大一番を前に

居ても立っても居られない”人物達”が、寿春にて開かれる予定の御前会議を前にして、血の高ぶりを抑えられきれぬのか

寿春に与えられた緋蓮の一室へと、皆顔を揃えることとなる

 

「堅殿 おられるか? なんじゃ 楓ももう来ておったのか」

 

寿春にある緋蓮の部屋の扉を豪快に開け放つ祭

その部屋の中には、すやすやとお休み中の偲蓮とそして・・・

 

「もうとは何だ 藪から棒に相変わらず失礼極まりない奴だな」

 

祭の投げやりな言葉に、先程まで機嫌の良かった表情が曇り、ムスっとした表情になる楓

 

「ふふふ 2人とも大声で喧嘩しないの! 偲蓮が起きちゃうでしょ? 

 それより祭も楓と同じ目的なのでしょう? 少し話していた所なのよ 入ってきなさいな」

 

緋蓮が祭へと注意を促すものの、最近の偲蓮は周囲の大声だけでは中々起きることはない

 

これは雪蓮というより、孫家の血がなせる業とでもいうのだろうか? 

蓮華誘拐時にも激しく泣いた前歴から、最近では、孫家に不吉な事が起こる前兆に

激しく泣き出すことに、皆薄々気づき始めている

 

悪人成敗時の催促による時にも烈火の如く泣いたりするのであるが・・・

 

祭もその事情を知る者だけに泣かれては困ると、緋蓮の膝元ですやすやとお休み中の偲蓮に配慮し

声のトーンを抑え、早々に部屋へと逃げ込むことに決めたようである

 

「そうかそうか! そうだと思っておった! では失礼するぞ!」

「何を偉そうに・・・」

 

緋蓮の仲裁が入った為、楓が愚痴る言葉に対してスルーを決め込み

部屋へとズカズカと入ってきて、あれやこれやと相談しだす3人でありました

 

             ・

             ・

             ・

 

「一刀 いえ陛下! 御願いがございます

 劉琮戦に関して全権を私、この孫文台に任せて戴けないでしょうか?」

 

此度の御前会議の最大の懸案である劉琮戦に関して

会議が始まって早々、緋蓮が切り出し先制攻撃をしたモノだから、寿春の玉座の間は上を下への大騒ぎとなった

 

緋蓮のこの発言に対し、祭と楓は事前の話し合いをもった事も影響したのだろう すぐさま賛同の意を発し後押しをする

2人の宿将の同意を得たことから伝播したのだろう、古参からなる武将達の賛同をすぐさま得るに至り

玉座の間に流れる大勢はすでに決したかにみえた

 

しかし、この緋蓮の発言に関し、異を唱える者が現れたのである

 

「緋蓮様はすでに引退された身の上でございましょう? 今になって全権を委ねよ・・・でございますか?」

 

そう発言したのは、一刀の傍に控えていた他ならぬ冥琳であった

 

大勢を決した発言を、見事引っくり返す事が出来る孫呉内の人物といえば

冥琳や王林、そして一刀か雪蓮ぐらいであろう その内の1人が疑問を投げかけたのである

 

「確かに冥琳の言う通り、堅殿は一度は引退された身の上じゃが

 しかし此度の戦さは、劉琮、蔡瑁との古き因縁に終止符を打つ事であるじゃ

 堅殿が此度の大将として問題なく、逆に相応しいと思われるがの?」

 

この祭の発言に関し、楓もうんうんと大きく頷いてみせた 

冥琳を説き伏せ大勢を再びより戻そうとするものの、冥琳を説得するに至らなかった模様である

 

「たしかに今現在、呉に派兵できる全兵力を投入すれば、勝利を得ることはほぼ間違いないでしょう

 ですが劉琮、いえ蔡瑁達古参の者達の執拗さは皆も存じていましょう?

 それにあの土竜?作戦には、こちらは一度痛い目に遭っております それらに対しての対策はお有りなのですか?」

 

この冥琳の発言が一番堪えた そう何故なら先程の話し合いの中で、唯一この答えを見出せなかったからである

 

「罠があるなら食い破ればよかろう?」

「油断せねばなんとかなると思います」

 

この2人の宿将の発言が仇となってしまった

 

「わらわも陛下や冥琳と同意見さね 

 何とかなる? 宿将がそんな不確定な事を言って、人を説得しようなどよく出来るものさね

 一度手痛い敗北を喫した相手に無策で望むなど、とても正気の沙汰とは思えないさね」

 

先程まで黙って状況を見極めていたのだろう 王林が珍しくこれに割って入った

 

普段は冥琳と同意見など滅多になく、逆に反する方へとつくきらいがある王林なのだが

緋蓮、祭、楓の3人にとって、最大の誤算といえる王林の発言についうろたえてしまう

 

「王林までそんな臆病風に吹かれてどうするのじゃ!」

 

祭はそう強がり反論してみせるものの・・・ 

問題の解決には全然なっていない為、王林の賛同を得るには至らなかったようである

 

「俺はその頃まだここにいなかった 

 皆からの又聞きだから、実際どんな自責の念に駆られ、苦労があったのかも正直よく分っていない

 けれど双方の意見を聞くにつけ、ちょっと無茶が過ぎないかな? 少し落ち着いてみないか?」

 

一刀にそう仲裁を入れられ、本当に困り果ててしまう緋蓮、祭、楓の3人

3人の当初の意見交換では、勢いに任せて押し切る算段であったからだ

 

それがマサカの形で容易にこうして覆される事態に、お手上げとなってしまった3人である

最初からこちらの意見を飲ませる形で、穏か亞莎あたりを交え意見交換をするべきであったのである

 

今となっては遅きに失するが、緋蓮が指揮を執る事を全否定された訳でもなく

このまま押し切ってしまうのかの判断に迷う所でもあった

 

「母さまに全権を任せる事に私は否はないわ 私は母さまや祭、楓の気持ち痛いほど解るもの

 父さまを始めとした韓当や祖茂の仇を討ちたい あの時の気持ちに終止符を打つ事を決意し

 こうして名乗りをあげた事も、無理からぬことじゃないかしら?」

 

意外?と言えるのか定かではないが

3人の気持ちを見事代弁した、雪蓮の有り難いこの発言によって、再び勢いを取り戻したのである

 

「頼む陛下 堅殿の想いを汲み取って任せてもらえぬだろうか? この通りじゃ!」

「あたしからも御願いします 堅様の決意を尊重したく存じます」

 

呉の誇る2人の宿将が、発言し終えると一刀へと頭を下げたのである

この決意を秘めた殊勝な態度に、今度は一刀が困り果てた

 

その証拠に傍に控える冥琳へと視線を投げかけるものの・・・ 

 

珍しく冥琳は何やら考え込んで微動だにしない 反論した王林とて苦々しい表情を浮かべてさえいた

紅がいればどんな発言をするのか見物であったのだが、残念ながら外交の為、この度の会議には参加していない

緋蓮達の気持ちが分る穏は、ニコニコとしながらダンマリを決め込んでいる

 

琥珀や亞莎、藍里といった軍師の面々は、孫呉惨敗後の家臣だけに

一刀と同様、安易に意見を発するのは危険と判断し、こちらもダンマリを決め込む腹積りなのだろう

 

周囲を見回してみても・・・

 

武将派の面々は、蓮華や明命を筆頭にして、すでに緋蓮の想いを汲み取って意見に同調しており

瑠璃などは父の事もあるのだろう 鼻息も荒い

 

思春だけが同調することなく、普段と変らない表情を崩すことなく、静かに蓮華の横で瞑想し続けており

この件に関して発言する意思は全くないようである

 

「皆の想いは重々承知しました いいでしょう お任せすることにしましょう 孫文台( ・ ・ ・ )殿 

 

 ・・・ですが、冥琳の挙げた疑問への解決策を見出せていないのにも問題があります

 そちらの方の対策を即急に軍師達と諮り、練っておいてくださいね

 

 それと、俺にはその『 問題への腹案 』があるにはあるのですが、ちょっと大掛かりなモノとなるだけに

 軍師の皆と相談し協議しない事には、実行出来るかも分らない始末なことから

 そうですね 1つだけ・・・こちらも条件をつけさせてもらいます

 

 兵の被害が看過出来ないほど拡大すれば、全権を俺に戻してもらいます それでどうでしょう?」

 

具体的な数字を示さない一刀もどうかと思うのだが、それに突っ込んでこの度の話を御破算にされては困る訳で・・・

 

「こちらに否はありません 陛下、そして皆ありがとうございます 

 私からは以上です それではこれにて」

 

もう決定し用は済んだとばかりに一刀の条件を飲み、自身の位置へと引き下がっていく緋蓮でありました

 

「それじゃ次の議題へ入るとしようか 冥琳 次は何かな?」

 

「承知致しました陛下 では次の議題は・・・霞、合肥城の築城に関する報告を」

 

議題の順番は予め前日にはすでに詳細に決められているのだから

この議題の次なのは誰か本人が一番わかっているのだが・・・

 

「ほいな 高順よろしゅ~な」

 

全ては霞のこの一言で、先程までの御前会議の場の緊張感が台無しと成り果ててしまった

 

「はぁ~~~ また全部私に投げるおつもりですか・・・ 

 このまま抵抗しても時間の無駄になりますし、では上役である張遼に代わり、この高順から御説明させて頂きます」

 

こうして御前会議は次なる議題へと次々に移っていき、先程までの重々しい空気はすっかり霧散してしまったようである

 

 

 

 

 

孫呉が次なる標的へと邁進していく中、現在の白蓮は自身が南皮まで出張り必死に死守していた

 

西の晋陽は華雄に任せ、易京は弟の公孫越に任せたこともあり、なんとか勢力を維持し踏みとどまっていた

曹操との争いは表面上膠着状態となり、水面下においては熱く火花を散らせ、日に日に曹操側圧力が強まってきていた

 

その一例ともいえる事件が・・・

 

「白蓮さん いらっしゃる?」

 

以前の麗羽ならば、おっほっほと笑いながら、一切容赦する事無く、勝手に扉を開け放っていたのであろうが

家臣となった今では、こうして扉の外から伺いをたててから入室するようになっていた

 

「麗羽か? いるぞ どうかしたか?」

 

部屋の主である白蓮から返事が帰ってきたことを確認してから部屋へと入室し白蓮のもとへと近づいてくる

 

「はぁ~ 暢気にどうかしたか?じゃありませんわよ こんなものが届いているの御存知?」

 

入室して早々麗羽に馬鹿にされる白蓮

こうした遣り取りは戦う以前の昔と同じだけに、ちょっとホッと和む白蓮でありました

 

「アハハ 相変わらずどちらが上かわからないな」

 

麗羽へと苦笑混じりの笑みをみせながら、複数の書簡を受け取る白蓮

麗羽から手渡された書簡の1つに目を通した途端に、白蓮の表情が瞬時に強張った 

 

書簡は司馬懿と程昱、2人から出されたとされるモノであった

書簡の内容はというと、白蓮を裏切り曹操側へとつけば、命の保障とその後の便宜を図るという内容であった

 

「麗羽・・・これ・・・全部?」

「ええ でもこれは”わたくし”へと届いた書簡のみよ すでに同様の内容の書簡は猪々子さんや斗詩さんも受け取っていてよ」

 

「・・・ということは華雄にも」

「すでに届けられているとみて間違いないでしょうね」

 

先程弟の公孫越が、血相を変えたまま部屋へと飛び込んできて

一族で遼東を任せている公孫度が、不穏な動きをみせていると報告してきたのである

 

これも恐らく曹操配下の司馬懿、程昱の仕業なのだろうと推測できるが

日々の政務に忙しい白蓮には実に頭の痛い所を突かれていた

 

白蓮には元々信頼できる家臣の数が極端なほど少ない 

華雄、麗羽、猪々子、斗詩と増えはしたものの・・・

 

「・・・で私を裏切る?」

 

しまったと思った時には既に遅く、白蓮は反射的につい麗羽にそんな事を聞いてしまっていた

 

「馬鹿おっしゃいな! 仮にもこの袁本初 一度誓ったなら裏切りませんわ」 

 

周囲から馬鹿呼ばわりされるが、麗羽自身嘘をつくのが嫌いな性格である

それは長年付き合ってきたからこそ分る間柄といえる

 

「馬鹿な事言ったな すまない麗羽」

 

自身の過ちを恥じてすぐさま修正する白蓮

 

「別に構いませんわ 疑われても当然だと思いますもの

 そ・れ・に! あの憎たらしい、くるくる小娘の下につくくらいなら、先の戦で死んだ方が余程マシですわ!

 問題はソコ・・・」

 

これから麗羽が指摘しようとしている事は、白蓮自身にも痛いほどよく分っていた

分っていることを指摘されるだけに、余計今までのイライラが募って爆発してしまったのだろう

 

「ああ! わかっているよ!! あっ! ゴッゴメン つい大きな声出しちゃって・・・」 

 

「そう・・・ 分っているのなら構いませんわ」

 

白蓮の大声に少し驚いた表情をみせた麗羽ではあったものの

白蓮のイライラが爆発した大声に怒ったというより、全てを察した哀れみを含んだ呟きであった

 

「大声出してゴメン

 ・・・でもさ 分っていてもどうすることも出来ないよ 

 今より良い厚遇を約束するなんて事は、民の生活を鑑みた窮状の現在、口が裂けても軽々しく言えない」

 

今度は抑えた低い声で、自分自身へと言い聞かせるように呟くのであった

 

麗羽と白蓮の河北決戦において、一番利を得たのは白蓮ではなく、鄴と徐州を難なく制した曹操であった     

白蓮とて、麗羽との争いの傷があまり癒えぬ内に、軍をむやみに動かすのは得策でないことは分っていた

いまだにここ冀州の南皮という重要拠点を押さえていられるのも

先の戦で、麗羽が敗北を喫し、白蓮の味方となってくれたからなのである

 

そうでなければ、あっという間に曹操側に内乱を仕掛けられ振り回された挙句に

最悪、易京へと待避せざるを得ない状況へと陥っていた可能性すら起こっていたに違いない

 

兵糧不足を招くポカはあったものの、旧領の冀州における麗羽の治世は、民達に評判が良く

その影響力はまだまだ強大で、白蓮に計り知れない恩恵をもたらしていた

 

だが麗羽という脅威が去った現状、白蓮に安らかなる時は訪れなかった

それよりもより過酷さを増したといっても過言ではなかった

 

南からは曹操、遼東の公孫度、北は前回は華雄の機転もあり味方となってくれたものの

曹操と争い始めるとすぐに中立を宣言した烏桓族、白蓮を取り巻く周囲の状況は芳しくなかった

 

曹操と同盟を結んでいるだけに、孫呉とて表立って支援は出来ない状況で

紅が外交使節と証して訪れる時以外では、得ることが出来る情報が限られてしまっていた

麗羽の時はあれほどすんなりと情報を得ることが出来ていたのにである

 

これも全て曹操による情報の操作、遮断による弊害といえた

反董卓時に知り合った馬騰にも色々と要請したものの、色よい返事は全くもらえていない

 

白蓮にとって周囲が全く当てにならない以上、事態が一向に好転する兆しすらみえない昨今

全ては曹操、そして軍師である荀彧、郭嘉、司馬懿、程昱が描いてみせる曹操側のシナリオ通り

ここまでは実に都合のよい展開で進展しているといえるのだろう

 

冥琳や紅ならば、司馬懿、程昱、2人から出されているという不備をすぐさま見抜き、即座に手を打ったのだろうが

優れた軍師が幕下にいないのが、今の白蓮には致命的とさえいえた

 

麗羽の軍師であった田豊は、先の最終決戦にて負傷がもとで他界しており、郭図は行方不明と八方塞がりの状況下で

よくここまで踏ん張っていられたのが、逆に不思議なくらいなのである

 

打開に向けての糸口が一向に見つからないだけに

白蓮達の精神が司馬懿、程昱の手により蝕まれ、徐々に削ぎ落とされていく

 

(このままではジリ貧、打開する手立てが他に見つからない以上、やるしかないじゃないか)

 

「華雄、麗羽へ 至急この書簡を届けてくれ」

 

「ハッ 承知致しました 

 それと先程、呉の張紘様が参られまして、お目通りを願い出られておりますがいかがいたしましょうか?」

 

「そうか 失礼のないようお通ししてくれ」

 

そう部下へと命をして、椅子に深々と身体を預け天を仰ぐ白蓮

先手をうつべく行動を開始した白蓮に、曹操側はどう対抗していくというのだろうか? 

 

 

 

 

この世に並ぶ者はなく、今では献帝を守護し、漢王朝の権勢を欲しいままに動かす

それが曹孟徳、巷ではそう華琳の事を持て囃し広く領内でそう噂されていた

 

だが華琳の本音としては、所詮それは”形骸化した漢王朝内”での狭い範囲のことと醒めた眼でみていた

黄巾の乱が発生してからというもの、漢王朝の権力は右肩下がりで衰退していく一方であった

 

現に大陸の情勢は孫呉優位に常に進んでおり、華琳の覇道が大陸の情勢を主導したことなど一度たりともなかった

それだけに巷の噂に一喜一憂している余裕など皆無だったのである

 

今の華琳の脳裏に去来する想いは唯1つ

河北を制した後に決する、孫呉との大陸を賭けた覇権に勝利すること

その時の事を夢想するだけで、華琳の躯は自然と熱を帯び身を焦がす

どんなエクスタシーをも凌駕した気持ちに支配され、その事を喜びに感じてしまう自身に満足すらしていた

 

「主、漸く公孫賛側に動きがあったようです」

 

今もその熱き想いを夢想し、身を焦がしつつあった華琳であったものの・・・

もの静かな冷酷な声の主の報告により、冷や水を浴びせられた格好となっていた

 

「そう・・・ 随分耐えてみせたみたいだけれど

 仲達の烏桓の中立交渉、そして風が担当した公孫度の裏切りが決定打となったのかしらね」              

 

自身の身の変化を悟られないように、仲達の報告に際して冷静に対処する華琳

 

「そうでしょうねぇ~ このままだとジリ貧なのは目に見えてますし~」

「人の良いね~ちゃんの公孫賛だから、裏切りが一番心身に堪える事だろうよ」

 

司馬懿と共に部屋へと入ってきていたのだろう 風はいつもと変らず、器用に自身と宝譿と演じてみせている 

司馬懿より数段背丈が低い為、華琳は上げていた視線を下げ、少し笑みを溢しながらそちらへ頷いてみせ発言する 

 

「上出来よ 風、仲達! 準備は整っているわね?」

 

「後は稟ちゃんやお留守番の桂花ちゃんにお任せなのです」

「ええ もちろん こちらはすでに準備万端 すぐにでも出陣可能です」

 

風と司馬懿の報告を聞いた華琳は、満足そうに頷きニヤつきながら呟いた

 

「ならば”あの地”へと誘い込むとするわ 仲達いいわね?」

 

「承知致しました・・・ それでは」

 

そうニヤつき呟いた主である華琳とは対照的に

仲達は冷酷な表情を変える事無く、淡々と答え部屋を辞して去っていった

 

             ・

             ・

             ・

 

「よろしいのですか?」

 

そう、華琳がいた部屋には、なにも司馬懿と風の3人だけがいた訳でなかった

華琳の傍らには、桂花と稟がちゃんと控えていたのである

ただ司馬懿がいた間だけ、2人は司馬懿の動向に注視し、静かに眼を光らせていただけなのである

 

桂花が危惧するのは、仲達のあの人間味を排除した人形の如き冷静なまでの非情さにあった

 

敵へとその非情さが向く分には、別段構いはしない桂花なのだが

どう好意的にみても、いつその非情さが敬愛する華琳へと向くのがそら恐ろしいと感じていた桂花である

華琳の危機的状況で起きたら?と考えると、心配で夜も眠れなくなるほどであった

 

「桂花? それに稟 まだ不安なの?」

 

華琳の問いかけに対し、稟とて桂花同様の不安を抱いていた

 

司馬懿に主である華琳に対する忠義など感じられる筈もなく

稟ほどの切れ者でも、司馬懿が何故味方なのか、そしてその行動原理が読めず全く理解できなかった

 

それだけに稟は今までにない恐怖を憶えた

それからというもの、桂花同様稟は司馬懿を警戒している

 

敵としても味方としても、司馬懿のような切れ過ぎる者はこちらの手に余り、もはや厄介者でしかなかった

 

「当然です!! 華琳さまっ! あんな毒虫さっさと放り出しましょう!」

「今回の戦いでは十中八九裏切る事はないでしょう ですが仲達は余りに危険すぎます」

 

自身を心配しての桂花と稟の諫言に対し、華琳も終に本音を漏らした

 

「そうね 面従腹背といったところかしら

 何を考え行動しているか、底が知れない不気味さがあるわね 仲達たちには・・・

 

 今感じ分っている事は、近い将来必ずや私に反旗を翻すという一事だけ・・・  

 

 仲達達の反旗の証拠すら握れていない状況で

 疑惑だけで、献帝を保護し十常侍・張譲の首をとった大功ある者の任を解き

 あまつさえ、解雇させるというのはどうなのかしら?」

 

そんな甘いことを言っていられる余裕などありませんっ!! 桂花と稟の表情は暗く、そう物語るほど硬直しきっていた

 

「ですが、その”全て”の挙げた功も不自然すぎます!

 十常侍・張譲の御首に献帝の保護、全てが仲達の描いた計画の一端だとすれば?」

 

桂花はそう反論してみせたが、献帝の保護を司馬懿に指示したのは華琳に他ならない

その一点においても、桂花の反論の根拠は脆くも崩れ去っていたのだ

 

「桂花 仲達へと献帝の保護を命じたのは私よ? その根拠だと私に従う理由にそもそも説明つかないわよ? 

 そうね 仮に盟主であった麗羽や孫呉に従って実行すれば、より手柄は大きかった筈よ?」

 

「うっ! それはそうですが・・・」

 

華琳のいう事の方が、自身の反論よりより根拠があった為、桂花の反論は自然と効力を失っていた

 

「お2人ともそろそろ疑うのは止したほうが~ 

 仲達さんほどの鋭い人物、きっとこちら側の疑念を悟られているに違いないですよ~?

 それに公孫賛側へと寝返られでもしたら、こちらが惨敗する恐れすら出てきますからね~」 

 

「お嬢ちゃん達、少し落ち着きな

 決戦を控えた今、こちらの内情を熟知している仲達さんの戦力を失うのは明らかな愚策 

 それでもいいのかい? 稟ちゃんに桂花ちゃんよぉ?」

 

風による宝譿とのダブル突っ込みにより、あえなく撃沈の憂き目にあってしまうのでありました

 

「うっ!」

「うぐっ!」

 

宝譿の指摘はまさに正論であり、稟と桂花は共に痛い所を突かれ

文字通りぐうの音も出ない状況となり果てていた

 

「えっへん!」

 

「フフフ 私の言いたい事を風と宝譿が見事に代弁してくれた訳だけど

 今は一先ず、仲達の疑念の事は置いておきなさい 舐めていて容易に勝てる相手ではないわ 公孫賛は」

 

そんな遣り取りを楽しげに見つめる華琳ではあったものの

今は仲達の裏切りの事を考えるより、目の前の公孫賛を排除するべく全力で挑む

華琳自身にそう言い聞かせるように、桂花や稟へと呟いていた

 

行動を開始した白蓮は迅速であった 

すぐさま白蓮の書簡を受け取った華雄と共に、南皮と晋陽から進軍を開始し、鄴を挟み撃ちの形で急襲する

 

だが、この白蓮達の行動を事前に察知していた華琳達曹操軍は

大した抵抗もせず早々に鄴を放棄し、そのまま陳留の方角へと退いていった                   

 

緒戦となる第1ラウンド、鄴を制した白蓮、華雄、麗羽達の意気軒昂                     

そのまま曹操軍を追い詰めるべく、白蓮は次なる号令を発し、鄴から進軍を開始する                       

それは全て華琳の見えざる手に導かれていると知らぬまま・・・

むざむざと”決戦の地”へと誘い込まれてしまう白蓮陣営でありました

 

孫呉が因縁深き連鎖を断ち切るべく蔡瑁達と戦おうとする中

白蓮と華琳、両軍の思惑がひしめき合い渦巻く中、華琳が雌雄を決する戦場と定めた地は”官渡”

両者の熱き咆哮が、終にここ”官渡”の地で木霊しようとしていた

 

 

 

 

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●『真・恋姫†無双 - 真月譚・魏志倭人伝 -』を執筆中

 

※本作品は【お気に入り登録者様限定】【きまぐれ更新】となっておりますので、ご注意を

人物設定などのサンプル、詳細を http://www.tinami.com/view/604916 にて用意致しております

 

上記を御参照になられ御納得された上で、右上部にありますお気に入り追加ボタンを押し、御登録のお手続きを完了してくださいませ

お手数をおかけ致しまして申し訳ありませんが、ご理解とご了承くださいますよう、何卒よろしくお願いいたします<(_ _)>

 

■■■【オリジナル人物紹介】■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

 

 

 ○孫堅 文台 真名は緋蓮(ヒレン) 

 

  春秋時代の兵家・孫武の子孫を称し、各地で起こった主導権争いに介入し

  『江東の虎』の異名で各地の豪族を震撼させた

  優秀な人材を率い転戦、やがて軍閥化し孫家の基礎を築いた

 

  容姿:髪は桃色で、孫家独特の狂戦士(バーサーカーモード)になると、右目が赤色に変化するのが特徴で、平時は量目とも碧眼である

  祭と同じく胸が豊満で背は祭より高い 体格は祭よりすこし大きい 顔立ちは蓮華というより雪蓮に似ているだろうか

 

 ○張紘 子綱 真名は紅(コウ) 

 

  呉国の軍師の一人で主に外交を担当。 魏の程昱(風)の呉版と考えていただけると理解しやすいだろう

   『呉郡の四姓』と呼ばれる有力豪族の張氏の出 雪蓮直々に出向き、姉の張昭と共に臣に迎え入れられる

  張昭と共に『江東の二張』と称される賢人

 

  ※史実では、呉郡の四性でも張昭と兄弟でもありませんのでお間違い無きように。。。 

   呉郡の四性の中で張温しか見当たらなかった為、雪月の”脳内設定”です

 

  容姿は青眼で背丈は冥琳より少し低い 顔は姉の王林とは似ておらず童顔で人に安心感を与える顔立ちである

  髪は腰にまで届こうかという長く艶やかに保った黒髪を束ね、ポニーテールと呼ばれる髪型にしている事が多いが

  その日の気分により、長髪を肩辺りで束ね胸の前に垂らしている場合もあるようである

  服装は藍色を基調とした西洋風ドレスを身を纏っている

 

 ○魯粛 子敬 真名は琥珀(コハク)

 

  普段は思慮深く人当りも良い娘で、政略的思考を得意とし、商人ネットワークを駆使し情報収集・謀略を行う

  発明に携わる時、人格と言葉遣いが変化し、人格は燃える闘魂?状態、言葉遣いは関西弁?風の暑苦しい人に変化する

  このことから「魯家の狂娘・後に発明の鬼娘」と噂される

 

  ※穏(陸遜)は本をトリガーとして発情しちゃいますが、、琥珀(魯粛)は発明に燃えると・・・燃える闘魂に変身って感じです

 

  容姿は真名と同じく琥珀色の瞳をもち、髪は黒で肌は褐色がかっており月氏の特徴に似通っている

  背は明命と同じくらいで、服装は赤を基調としたチャイナドレスを身に纏っている

 

 ○張昭 子布 真名は王林(オウリン) 

 

  呉国の軍師の一人で主に内政を担当。 冥琳とはライバル同士で互いに意識する間柄である

   『呉郡の四姓』と呼ばれる有力豪族の張氏の出 雪蓮直々に出向き、妹の紅(張紘)と共に臣に迎え入れられる

  張紘と共に『江東の二張』と称される賢人

 

  妹の紅は「人情の機微を捉える」に対して「政(まつりごと)の機微を捉える」という感じでしょうか

 

  容姿は冥琳より少し高めで、紅と姉妹でありながら顔立ちが似ておらず、冥琳と姉妹と言われた方がピッタリの美人系の顔立ちである

  眼鏡は使用しておらず、服装は文官服やチャイナドレスを着用せず、珍しい”青眼”でこの眼が妹の紅と同じな事から

  姉妹と認識されている節もある 紫色を基調とした妹の紅と同じ西洋風のドレスを身を纏っている

 

 ○程普 徳謀 真名は楓(カエデ)

 

  緋蓮旗揚げ時よりの古参武将であり、祭と並ぶ呉の柱石の一人 「鉄脊蛇矛」を愛用武器に戦場を駆け抜ける猛将としても有名

  祭ほどの華々しい戦果はないが、”いぶし銀”と評するに値する数々の孫呉の窮地を救う働きをする

  部下達からは”程公”ならぬ『程嬢』と呼ばれる愛称で皆から慕われている

 

  真名は・・・素案を考えていた時に見ていた、某アニメの魅力的な師匠から一字拝借致しました・・・

 

  容姿は祭と同じくらいの背丈で、端正な顔立ちと豊かな青髪をうなじ辺りでリボンで括っている

  均整のとれた体格であるが胸は祭とは違いそこそこ・・・ちょっと惜しい残念さんである

 

 ○凌統 公績 真名は瑠璃(ルリ) 

 

  荊州での孫呉崩壊時(※外伝『砂上の楼閣』)に親衛隊・副長であった父・凌操を亡くし、贈った鈴をもった仇がいると

  知った凌統は、甘寧に対して仇討ちを試みるものの・・・敵わず返り討ちにあう間際に、一刀に救われ拾われることとなる

  以来、父の面影をもった一刀と母に対してだけは心を許すものの・・・未だ、父の死の傷を心に負ったまま

  呉の三羽烏の一人として日々を暮らしている

 

  容姿はポニーテールに短く纏めた栗色の髪を靡かせて、山吹色を基調とした服に身を包んでいる小柄な少女

  (背丈は朱里や雛里と同じくらい)武器は不撓不屈(直刀)真名の由来で目が瑠璃色という裏設定もございます

 

  ○朱桓 休穆 真名は珊瑚(サンゴ)

 

  『呉郡の四姓』と呼ばれる有力豪族の朱氏の一族

  槍術の腕を買われ、楓の指揮下にいた 一刀の部隊編成召集時に選抜された中から、一刀に隊長に抜擢された『呉の三羽烏』の一人

  部隊内では『忠犬・珊瑚』の異名がある程、一刀の命令には”絶対”で元気に明るく忠実に仕事をこなす

 

  容姿:亞莎と同じくらいの背丈で、黒褐色の瞳に端正な顔立ちであり黒髪のセミロング 人懐っこい柴犬を思わせる雰囲気をもつ  

  胸に関しては豊満で、体格が似ている為よく明命から胸の事で敵視されている  

 

  ○徐盛 文嚮 真名は子虎(コトラ)

 

  弓術の腕を買われ、祭の指揮下にいた 一刀の部隊編成召集時に選抜された中から、一刀に隊長に抜擢された『呉の三羽烏』の一人

  『人生気楽・極楽』をモットーにする適当な性格であったが

  一刀と他隊長である珊瑚と瑠璃・隊長としての責に接していく上で徐々に頭角を現し

  後に部隊内では『猛虎』と異名される美丈夫に成長を遂げていくこととなる 

 

  容姿:思春と同じくらいの背丈で黒髪のショートヘア 体格も思春とほぼ同じく、遠めからでは瓜二つである 

  二人の区別の仕方は髪の色である(所属部隊兵談) またしなやかな動きを得意としている為、思春の弓バージョンと言える 

 

  ○諸葛瑾 子瑜 真名は藍里(アイリ)

 

  朱里の姉 実力にバラツキがあった為、水鏡から”猫”と称される

  その後、水鏡と再会時に”猫”が変じて”獅子”になりましたわねと再評価される

  天の御遣いの噂を聞きつけた藍里が冥琳の元を訪れ、内政・軍事・外交とそつなくこなす為

  未熟であった一刀の補佐にと転属させられる 

 

  初期には転属させられた事に不満であったが、一刀に触れ与えられる仕事をこなす内に(わだかま)りも消え

  一刀に絶大な信頼を寄せるようになる

  後に亞莎が専属軍師につくと、藍里の内政面への寄与が重要視される中で、藍里の器用な才を愛し、軍師としても積極的に起用している

 

  容姿は朱里より頭一つ高いくらい 茶髪で腰まであるツインドテール 朱里とよく似た童顔でありながらおっとりした感じである

  服装に関しては赤の文官服を着用しており、胸は朱里と違い出ている為、朱里とは違うのだよ 朱里とは・・・

  と言われているようで切なくなるようである(妹・朱里談)  

 

  ○太史慈 子義 真名を桜(サクラ)

 

  能力を開放しない雪蓮と一騎打ちで互角に闘った猛者  桜の加入により瑠璃が一刀専属の斥候隊長に昇格し

  騎馬弓隊を任されることとなった(弩弓隊・隊長 瑠璃→子虎、騎馬弓隊・隊長 子虎→桜に変更)

  本来の得物は弓で、腕前は祭を凌ぎ、一矢放てば蜀の紫苑と互角、多矢を同時に放てば秋蘭と互角という

  両者の良い処をとった万能型である

 

  武器:弓 不惜身命

  特に母孝行は故郷青州でも有名であり、建業の役人街が完成した際に一刀の薦めもあって一緒に迎えに行く

  隊長として挨拶した一刀であったが、桜の母はその際に一刀をいたく気に入り、是非、桜の婿にと頼み込む程であった

   

  容姿はぼん・きゅ・ぼんと世の女性がうらやむような理想の体型でありながら身長が瑠璃ぐらいという美少女系女子

  眼はブラウン(濃褐色)であり、肩下までの黒髪 気合を入れる時には、白い帯でポニーテールに纏める

  一刀の上下を気に入り、自身用に裁縫し作ってしまう程の手先の器用さもみせる

 

  真剣に話している時にはござる口調であるが、時折噛んだりして、ごじゃる口調が混ざるようである

  一時期噛む頻度が多く、話すのを控えてしまったのを不憫に思った為

  仲間内で口調を指摘したり笑ったりする者は、自然といなくなったようである

 

 ○高順

 

  「陥陣営」の異名をもつ無口で実直、百戦錬磨の青年 

  以前は恋の副将であったのだが、恋の虎牢関撤退の折、霞との友誼、命を慮って副将の高順を霞に付けた

  高順は恋の言いつけを堅く守り続け、以後昇進の話も全て断り、その生涯を通し霞の副将格に拘り続けた

 

 ○馬騰 寿成 真名を翡翠(ヒスイ)

 

  緋蓮と因縁浅からぬ仲 それもその筈で過去に韓遂の乱で応援に駆けつけた呉公に一目惚れし

  緋蓮から奪おうと迫り殺りあった経緯がある

 

  この時、緋蓮は韓遂の傭兵だった華雄にも、何度と絡まれる因縁もオマケで洩れなくついて回ることとなるのだが・・・  

  正直な処、緋蓮としては馬騰との事が気がかりで、ムシャクシャした気持ちを華雄を散々に打ちのめして

  気分を晴らしていた経緯もあったのだが・・・当の本人は、当時の気持ちをすっかり忘れてしまっているが

 

  この事情を孫呉の皆が仮に知っていたのならば、きっと華雄に絡まれる緋蓮の事を自業自得と言いきったことだろう・・・

 

 ○孫紹 伯畿 真名を偲蓮(しれん)

 

  一刀と雪蓮の間に生まれた長女で、真名の由来は、心を強く持つ=折れない心という意味あいを持つ『偲』

  ”人”を”思”いやる心を常に持ち続けて欲しい、持つ大人へと成長して欲しいと2人が強く願い名付けられた

  また、偲という漢字には、1に倦まず休まず努力すること、2に賢い、思慮深い、才知があるという意味もある

 

  緋蓮、珊瑚、狼をお供に従え?呉中を旅した各地で、大陸版・水戸黄門ならぬ

  ”偲”が変じて”江東の獅子姫様”と呼ばれる

 

 ○孫登 子高 真名を桜華(おうか)

 

  一刀と蓮華の間に生まれた次女で、子供の扱いが分らぬ蓮華の犠牲者1号となり

  早々に侍従長の咲と思春の手により育てられることとなる

 

  そんなエピソードがあるのにも関わらず、聡明な娘で人望も厚く育ち、王となってからは自身の才能をいかんなく発揮させる

  一刀や蓮華に似ているというより、姉である雪蓮に似ているとの蓮華談有り

  後年孫呉の王として、天皇となりし姉・偲蓮を支えることとなる

 

 ●その他武将

 

  蒋欽ー祭の副将、董襲ー楓の副将

  歩シツー珊瑚の副将、朱然ー昔は瑠璃、現在子虎の副将、丁奉ー昔は子虎、現在は桜の副将 周魴ー瑠璃の副将

 

 ○青(アオ)

  白蓮から譲り受けた青鹿毛の牝馬の名前 

 

  白蓮から譲られる前から非常に気位が高いので、一刀以外の騎乗を誰1人として認めない 

  他人が乗ろうとしたりすれば、容赦なく暴れ振り落とすし蹴飛ばす、手綱を引っ張ろうとも梃子でも動かない

  食事ですら・・・一刀が用意したモノでないと、いつまで経っても食事をしようとすらしないほどの一刀好き

 

  雪蓮とは馬と人という種族を超え、一刀を巡るライバル同士の関係にある模様

 

 ○狼(ラン)

  珊瑚の相棒の狼 銀色の毛並みと狼と思えぬ大きな体躯であるが

  子供が大好きでお腹を見せたり乗せたりする狼犬と化す

 

 

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【あとがき】

 

常連の読者の皆様、お初の皆様 こんばんは 雪月でございます

いつも大変お世話になっております 

 

皆様はGWいかがお過ごしでしたでしょうか?

いやマジ出張テラしんどい ゴールデンウィークの長期休暇明けだけに、その反動に身体と精神が悲鳴をあげておりますが・・・

 

この度の話へと移行しますと、美羽さんとの事に決着をつけ、漸く因縁の蔡瑁達との決戦へと立ち向かう孫呉の面々

一方、華琳さんに決戦の地の官渡へとまんまと誘い込まれてしまった白蓮さん 

歴史が違ってきている官渡決戦に対し、ここまでは華琳さんの思惑通りに踊らされてしまっている白蓮さんの図式を描きました

 

歴史通り、このまま曹操軍が勝つのか? それとも白蓮さんが逆転し河北を制してしまうのか?

この辺りをこれからじっくりと描きたいと思っておりますが、そう長くはならないとは思いますけど・・・

まだ制作していないだけに、またどんどん長くなる気がしないでもありません 気をつけまする

 

これからも、皆様の忌憚のない御意見・御感想、ご要望、なんでしたらご批判でも!と何でも結構です

今後の制作の糧にすべく、コメント等で皆様のご意見を是非ともお聞かせ下さいませ 

 

それでは完結の日を目指して、次回更新まで(*´∇`)ノシ マタネ~♪


 
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