No.682779

~『中卒』一刀が行く、恋姫外史~3

劉邦柾棟さん

どうも、こんにちは皆さん。

劉邦柾棟です。

更新が毎度毎度遅くて申し訳ありません。

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2014-04-30 16:26:56 投稿 / 全3ページ    総閲覧数:2036   閲覧ユーザー数:1886

~前回までのあらすじ~

 

 

「受験」に向けた勉強を頑張る一刀は、休憩がてら昼食を作って食べていた。

 

 

そんな時に鳴り響く一本の電話。

 

 

それが齎す『モノ』は、一刀とって「最悪」な知らせだった。

 

 

 

 

一刀side

 

 

――――あの時の電話の内容は、今でも鮮明に思い出せる。

 

 

――――あの時の俺にとって、一番聞きたくない内容だったからだ。

 

 

――――何度、思い出しても「不愉快」極まりない内容だ。

 

 

 

俺が電話に出ると……掛けて来た相手は、俺が「受験」する事になった学校関係者からだった。

 

 

あの『聖フランチェスカ学園廃校』騒動が起きた時、母さんが直ぐに「聖フランチェスカ学園」からの支援を受けてくれた御蔭で、「別の学校」への受験手続きが出来た。

 

 

特に、変わった事も無く無事に受験手続きが完了した。

 

 

そして、俺は現在その学校に入いる為に「受験勉強」をしている『真っ最中』という訳だ。

 

 

受験する学校の関係者の人からの突然の電話に、俺は内心で「何故、俺の家に電話を掛けて来たのか?」という疑問で頭が一杯になっていた。

 

 

だが、そんな事を知ってか知らずか・・・・・電話の相手は、そんな俺の疑問を粉々に砕く言葉を言って来た。

 

 

その言葉とは・・・・・・・

 

 

『私共と致しましては、大変……申し上げ難いのですが、残念ながら今回の「北郷一刀」さんの我が校への受験を白紙戻す事になりました』

 

 

――――はっ?

 

 

・・・・・・なんだって?

 

 

俺は担当の人の言葉に一瞬、何を言われたのかがまるで解らなかった。

 

 

しかし、『ソレ』も数秒で意味を理解して・・・・・・

 

 

「ちょ……ちょっと、待って下さい! 何で・・・・・・何で俺の受験が白紙になってしまうんですか!?」

 

 

――――俺は、担当の人に対して反論していた。

 

 

「ちゃんとした説明をして下さい! こんないきなり、そちらの学校への受験を白紙に戻させて頂きますだなんて言われても……こっちは困ってしまうじゃないですか!?」

 

 

『そうしたいのは山々なのですが、その件については何もお伝えする事が出来ないんですよ』

 

 

――――なっ! ふざけんな!?

 

 

説明を求めたのに・・・・・返って来た返事は『何もお伝えする事が出来ないのです』という、良い加減にも程がある内容だった。

 

 

――――ギュウウウ!

 

 

受話器越しの相手の言い分に俺は腹を立てながら、無意識に受話器を持った右手に力を込めていた。

 

 

「何なんだよ! その言い方は! こっちは、必死になって受験勉強に励んでいるんだぞ! それなのに何で、そんな扱いを受けなきゃならないんだ!? キチンとした説明をしないなら……今からアンタ達の学校へ行って詳しい説明をして貰うからな!?」

 

 

俺は、感情の赴くままに叫んでいた。

 

 

『北郷さん落ち着いて下さい。 こちらも本来ならば、このような事は言いたくはないんですよ。 ですが、どうしても「北郷一刀」さんの入学を認める訳にはいかないのです』

 

 

――――だから、なんで『そういう話』になるんだよ!?♯

 

 

俺は、電話の相手の話に対して自分の頭に益々血が昇って行くのを感じていた。

 

 

「だから、それでは何の説明にもなって無いじゃないですか! もし、俺に何か問題があるから「入学を認める事が出来ない」って事なら『ハッキリ』とそう言って下さいよ! そんな説明にもなってない遠回しな言葉では納得なんて出来ません!?」

 

 

『・・・・・・ッ』

 

 

俺の言葉の迫力に気圧されたのか・・・・・電話の相手が息を呑むのが聞こえた。

 

 

それに対して、俺は言いたい事を言って多少スッキリした御蔭か・・・・頭も冷静になっていた。

 

 

其処からは、何を言うのでも無く・・・・・お互い只黙っていた。

 

 

黙っていた時間は、ほんの数秒位だったろう。

 

 

だが、その時の俺には・・・・・その「ほんの数秒」が30分、いや・・・・・数時間が経っていたと思える程に俺には長く感じられた。

 

 

そして、そんな沈黙を先に破ったのは電話相手である学校関係者からだった。

 

 

『解りました・・・・・お話します』

 

 

そう言って、学校関係者の人は俺に詳しい説明をしてくれた。

 

 

・・・・・・・・・・・・・

 

・・・・・・・・・・・・

 

・・・・・・・・・・・

 

・・・・・・・・・・

 

・・・・・・・・・

 

・・・・・・・・

 

・・・・・・・

 

・・・・・・

 

・・・・・

 

・・・・

 

・・・

 

・・

 

 

 

 

 

『ジャーーーーー』

 

 

洗面台の蛇口を全開にして水を出し、両手で顔を洗う。

 

 

「・・・・・・・・・」

 

 

俺は『ソレ』を無言のまま、何度も何度も続けた。

 

 

でも・・・・・・

 

 

水で洗った顔はサッパリしたのに、俺の気持ちは一向にスッキリしなかった。

 

 

「・・・・・・・」

 

 

鏡に映った自分の顔を見ながら、掛けてあった手拭いで顔を拭く俺の頭の中にあるのは先程の電話での内容だけだった。

 

 

「・・・・・・・「聖フランチェスカ学園」関係者に対して一切の入学を禁止するだと?」

 

 

『コレ』が、まだ「ほんの始まり」だと言う事を・・・・・・・

 

 

俺はまだ知らなかった。

 

 

 

続く。


 
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