No.672747

IS 2体の魔神皇帝

HIBIKIさん

次回あたりからIFストーリーを挟みながら投稿しようと思います。
IFストーリーはもしこの小説の一夏が原作に近い世界に飛ばされたら?というモノです。

2014-03-22 08:06:03 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:927   閲覧ユーザー数:924

成田空港に到着した一夏達一行だがこのまま飛行機に乗ると一般人を巻き込む

可能性がとても高いので到着前からとても悩んでいた。

 

束「成田に着いたは良いけど・・・」

 

箒「姉さん・・・チャーター機を使っては?」

 

束「お金掛かるけどそれしかないね」

 

清香「他の人達を巻き込めないですからね・・・」

 

一夏は誰かに電話をしていた。敬語で話している限り剣造か宇門博士のどちらかだと

判断はついた。

 

一夏「ん・・・あ、使えます?ありがとう御座います」

 

箒「一夏、誰に電話していたんだ?」

 

一夏が電話を切ると箒が誰に電話を掛けていたのか聞いた。

 

一夏「ん?宇門博士だけど・・・」

 

束「宇門博士に?何を使えるとか言ってたけど?」

 

一夏「小型長距離輸送機使えるか聞いた。そしたら快くOK出してくれた」

 

束「さすが剣造叔父さんにくっ付いて彼方此方の著名な博士と友好があるだけあるね」

 

束は一夏の有名な博士の知り合いの多さに感謝した。

特に宇門博士は宇宙専門の博士の中ではかなり有名な博士で剣造とも友好がある。

一夏は幼い頃何回か宇門博士の元に剣造が連れて行ったこともあり時折教えを請いに行ったりしていた。

 

一夏「飛行機の操縦はまだ片手で数えられる程度だけど俺がしようか?」

 

束「5回未満!?」

 

一夏「31回以下だって・・・」

 

箒「え・・・?」

 

清香「・・・もしかして2進数での数え方?」

 

一夏「俺は基本そういう数え方だぜ」

 

束「両手だと壱千弐拾参まで数えられるんだ・・・」

 

相変わらず得た知識を使って色々やっていた一夏だった。

 

清香「それより早く機を用意してもらおう」

 

その後係員に機を用意してもらい一夏と束が交代で操縦する事になった。

自動操縦を使わないのはバードスの杖に操られないようにする為だ。

 

飛び立った後、清香と箒、束は機内をくまなく調べ、盗聴器やカメラなどが無い事を確認した。

 

清香「大西洋に行くのは良いけど・・・その後如何するか聞いてなかったですね」

 

束「いっくんと箒ちゃんの2人がISで調査に行ってもらうことになるかな・・・」

 

清香「でも私と束義姉さんは・・・」

 

束「大丈夫、私も向こうにちょっとした知り合いが居てね♪

  その人が深海探査用潜水艇を貸してくれるって」

 

箒「戦闘になると・・・水中になれていない私達は不利ですね・・・」

 

束「今の内にカイザーだけでも水中にある程度適応した状態に調整しないとね。

  簡易型とはいえ装備も装着しておかないと」

 

箒はカイザーパイルダー以外を展開した。

束は様々な機器からコードを伸ばして頭に接続し、調整を開始した。

 

清香「私は手伝えそうにないですね・・・。一夏と何か話してこようかな・・・」

 

箒「それが良いと思うぞ」

 

束「いっくんも一人で居て退屈になっちゃうだろうからね」

 

清香は操縦席に入り、一夏の隣に座った。

 

一夏「・・・?不安そうだな?」

 

清香「あ、解る?」

 

清香の表情が少し暗いのを見て一夏が話しかけてきた。

 

清香「深海で戦闘になった時・・・潜水艇が攻撃受けたりしたらとか・・・

   色々不安になっちゃって・・・」

 

一夏「可能性は高いな。クロコダイバーO1とか量産型・・・多分名前はCDO-1だろうが

   そのあたりが来たら一貫の終わりだな。ジーグを展開しないと相当ヤバイ」

 

清香「でも水中用じゃないから・・・展開して助かっても・・・その後の事考えちゃって」

 

一夏「・・・」

 

一夏は清香の心境が少し解ったようで片手で清香の頭を撫でる。

 

一夏「そんな事が無いように今カイザーの調整をしている。

   姐さんの事だからジーグの水中用換装パーツ持って来てると思うぞ。

   水圧はヤバイだろうけど少しの間なら持つだろうからその間に浮上するなりすれば平気だ」

 

清香「やっぱり怖いよ・・・」

 

膝を抱えてシートに体育座りで座ったまま顔を伏せて震えだす清香。

一夏は操縦に集中する為に手を戻した。しかし彼の表情は先程とは違い呆れ気味だ。

 

一夏「震えているままで事が進むのならいいんだがな」

 

清香「え?」

 

一夏「臆病者の根性なしはいらないって言ってんだ」

 

清香「い、一夏・・・?」

 

彼の厳しい言葉に訳が解らなくなってしまった清香。

 

一夏「清香はその体になってもそれを克服したのになんなんだ・・・

   最近まで臆病でもそれに立ち向かう根性があったってのに」

 

清香「・・・っ」

 

清香は居辛くなってしまい、逃げるように操縦席から出て行った。

 

一夏(言い過ぎたか?俺も結構不安だったからなぁ・・・。まぁ之で精神的にもまた逞しく

   なってくれれば俺にとっても御の字なんだが・・・)

 

今更なのだがもう少しオブラートに言っておくべきだったと少々悩んだ一夏だった。

そして結構彼自身も不安でしょうがなかった。怖くは無かったようだが・・・。

そしてやっぱり何かしらのきっかけでの成長を期待するのは変わっていないようだ。

一方席に戻った清香だがその身は震えていた。

 

清香(幾らなんでもあんな言い方しなくても・・・私が甘えん坊なだけなのかな・・・)

 

箒「ん?清香?」

 

箒は清香が震えているのに気がついて如何したのか聞くと清香は細々と先程のやり取りを説明した。

 

箒「全く一夏は・・・もう少し考えて発言したら如何なんだ・・・」

 

清香「でも考えてみると・・・私の成長を期待してくれてるって事なのかな・・・?」

 

箒「8割がた成長を期待しているのだろう。後は・・・ほぼ本心だろう」

 

清香は苦笑いしながら箒にも自身の不安について相談する。

 

箒「しかし私だって不安だぞ。水中は初めてなんだ。幾ら装甲が厚くても海底の泥に足をとられたりしたら

  敵の思う壺になってしまう」

 

清香「・・・敵わないなぁ」

 

箒「それを言ったらきりが無い。兎に角、清香はもっと自信をもて。な?」

 

束「あ、清香ちゃん、ジーグの水中用パーツを量子変換したいから来てくれる?」

 

清香「あ、・・・解りました」

 

束「?・・・!」

 

束は清香が何処か暗いのを感じ取り疑問に思ったが箒も不安そうなのを見て大まかに状況を理解した。

ジーグにパーツを格納する作業の途中束も清香の相談に乗る。

 

束「ハァ・・・いっくんったら。もっと優しい言葉使い教えてあげないと」

 

清香「このパーツ、深海でも大丈夫なんですか?」

 

束「うん。元々ジーグは超合金NZ製だしこのパーツも同じ。NZは深度8000mの深海でも大丈夫♪」

 

清香「・・・」

 

清香は少し安心したのか表情が少し明るくなった。

 

束「今回行くのは深度3650m・・・絶対圧366気圧の場所だね」

 

清香「それでも深いですね・・・」

 

束「しかもタイタニックは分解バクテリアが活発に活動している場所に沈んでいるから

  まぁ100年以内に自重で崩壊するだろうと言われてるね。

  だから箒ちゃんには船外活動をしてもらうけどタイタニックには入らずに潜水艇の護衛をお願いしたよ。

  清香ちゃんといっくんは・・・まぁいっくんは確定しているけどタイタニックの中に入って

  朱雀の置物を探してもらう事になるかな」

 

清香「その時は一緒に行動するんですか?」

 

束「逸れない限りはそうしたほうが良いね。清香ちゃんは逸れた時には直ぐに外に出てね。

  いっくんの事だから何かあったら護ってくれるだろうし」

 

清香「にゅ~・・・私からお願いした事だけどやっぱり怖いです」

 

束「怖いと思うことは決して悪くない事だと思うよ。ただそれを乗り越えようとするかしないかが

  私は大切だと思うよ」

  

清香「頑張ります」

 

大分スッキリしたのか清香はウトウトしだした。緊張が解けて眠くなったのだろう。

束は一夏と操縦を交代して一夏に箒と清香を寝かしつけさせた。

 

箒「一夏のスカルカイザー、調整しないでいいのか?」

 

一夏「向こうに着いたらだ。之ばっかりは俺と姐さんの共同でやらないといけないからな」

 

清香「一夏・・・」

 

一夏は清香の目を見ると先程の悩みがあるような目ではないのに気がついた。

 

一夏(覚悟を決めた目になったな・・・何があったんだ?)

 

箒「しかし一夏、清香への言葉に何か思うことはないのか?」

 

一夏「言い過ぎたかと思った位だ」

 

清香(何か隠してるような気もするけど・・・)

 

箒「・・・何時もそうだな。表情も呼吸も脈拍も乱れない。その割には雰囲気が揺らぐ」

 

一夏「そら動揺とかしてるからな」

 

箒の指摘に素直に答えた一夏。やはり長年一緒に居る彼女には隠し事は難しいらしい。

 

清香「感情の起伏が少ない時と激しい時があるの?」

 

一夏「公の面では少ないだろうが私の方では大きいと自負してる・・・一応」

 

箒「まぁ・・・確かにそうだな。キレた時以外は」

 

一夏「それより寝ておけ。時差があるんだからな」

 

一夏は二人をベットに押し込むと布団をかけて自身も直ぐに寝てしまった。

相変わらず切り替えが早い。彼女達は寝付けないので一夏のベットにもぐりこむのだった。

 

4時間ほどでまた束と交代し、その後もう一回交代があった。

最後は一夏が操縦し、着陸などの作業をする。

空港からは車で束の知り合いの潜水艇を持っている人物の下にむかう。

 

到着したのは防衛海軍の基地(軍港)。

出迎えたのは福音戦で一緒に戦ったナターシャ・ファイルスだった。

 

一夏「知り合いって・・・」

 

箒「福音事件の時に一緒に戦ったナターシャさんの所ですか・・・」

 

清香「一夏も予想できてなかったんだね・・・」

 

束「私も知ってるのかと思った・・・」

 

ナターシャ「私も・・・」

 

一夏「あんた等俺を何だと思ってるんだ・・・」

 

「「「「歩く地球の本棚?」」」」

 

 

ブチッ!ガシャン!ジャキッ!

 

 

一夏「一寸其処並べ。光子銃の小型光子力ビームで撃ち抜いてやるから」

 

「「「「ゴメンナサイ・・・」」」」

 

流石に知らない事があったので変に思われた一夏は軽くキレたのだった。

直ぐに謝ったので御咎めはなかった。

話を元に戻そう。なぜナターシャを尋ねたのかというと束は以前からナターシャと

親交があったらしくその関係でアメリカ合衆国防衛軍とも少しだが技術提供などをしていた。

防衛軍だけでなく宇宙開発局やアメリカの造った深海調査船の設計などにも携わった。

今回その関係を使って潜水艇を借りることが出来たのだ。

 

束「それよりいっくんのスカルカイザーの調整と水中用簡易装備取り付けないと」

 

一夏「了解」

 

ナターシャ「手伝うわ」

 

清香「私達は如何する?」

 

箒「直ぐ其処が海だから今の内に水中用装備に慣れておくか?」

 

ナターシャ「それが良いと思うわ」

 

一夏と束も頷いて賛成したので二人は港の中でカイザー、ジーグを展開して水中に入った。

2人は水中で少しの間機体を動かしたあと感想を言い合う。

 

箒「やはり動きにくいな・・・」

 

清香「私は水中に特化したパーツに換装したからそれほどでもないかな」

 

箒は舌打ちしながら、清香は不安が薄れた感じの声で答えた。

 

清香「もう少し慣らしておこう」

 

箒「・・・そうだな。フフッ」

 

清香が明るくなったので箒も少しカイザーの装甲の下で薄く笑うのだった。

 


 
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