No.668143

~『中卒』一刀が行く、恋姫外史~1

劉邦柾棟さん

どうも、今晩は皆さん。

劉邦柾棟です。

前回から、だいぶ間が空いてしまいました。

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2014-03-05 05:07:08 投稿 / 全3ページ    総閲覧数:2530   閲覧ユーザー数:2317

 

 

――――「外史」とは、人が望む数だけ存在する。

 

 

 

――――その種類は様々で、似たり寄ったりな物から全く違う物まで存在する。

 

 

 

――――それこそが、「外史」という物の『醍醐味』なのである。

 

 

 

――――この物語は、本来の「外史」の流れとは全く違う流れの物語りである。

 

 

 

 

 

一刀side

 

 

~数日前~

 

 

「う~ん。 今日は、最高に気分が良いな~♪」

 

 

その日……俺は、顔をニヤけさせながら自宅への帰路を歩いていた。

 

 

『今日は実に良い日だ』っと、呟きながら。

 

 

何故、俺がこんなにも上機嫌なのかと言うと・・・・・・

 

 

来年、中学卒業を控え「高校進学」する俺は都内でも有名なマンモス校である……『聖フランチェスカ学園』から「剣道」の腕前を認められ「推薦入学」を勝ち取った。

 

 

『聖フランチェスカ学園』は数年前まで、「女子限定」の『お嬢様学校』だったのだが……近年問題となっている「少子化問題」によって「男女共学化」が進んでいた。

 

 

しかし、「女学校」だった影響が多いのか……まだまだ女子生徒の人数が多い為に男子生徒の数は女子生徒よりも下になっている。

 

 

オマケにお嬢様学校だった故か、男子生徒に対する風当たりが酷いと噂で聞いた事もあった。

 

 

女子専用の寮があるのに、正式な男子寮の完成にはまだ時間が掛かっており、仮である男子寮は『仮設住宅』の様な二階建て「プレハブ作り」なのだ。

 

 

この件に関して、一部のお嬢様達が『一枚噛んでいる』とも言われてる。

 

 

まあ、それはあくまでも一部のお嬢様生徒達による男子差別らしく、全てのお嬢様達がそんな人間では無いというのも俺は知っていた。

 

 

一部、不安な面はあるが……俺は新しい学校生活に胸を躍らせながら自宅に向かって歩き続けるのだった。

 

 

――――しかし、この時の俺は知らなかった。

 

 

――――数日後に起こる出来事によって、俺は『地獄』を見る羽目になる等とは全く持って知る由も無かった。

 

 

――――そう、あの日……『あんな事』が起きなければ、今頃俺は新たな学校生活を送れて居ただろうと何度も何度も思っていた。

 

 

 

~数日後~

 

 

『聖フランチェスカ学園』の「推薦入学」が決まってから、数日経った日曜日の事だった。

 

 

「・・・・・・・zzzzzzzzz」

 

 

俺は、ベットで眠りながら安眠を貪っていた。

 

 

その時・・・・・・・・・・

 

 

『……きゃあああああああああああああwwwwwwwwww!?』

 

 

……という、母さんの悲鳴が近所中に響いた。

 

 

「……うわwwwww! な、なんだなんだなんだ! 今の叫び声は!?」

 

 

突然の母さんの叫び声によって、俺はベットから飛び起きてしまう。

 

 

すると・・・・・・

 

 

――――ドタドタドタドタ!

 

 

『お母さん、一体どうしたの?』

 

 

妹の優利香の声と・・・・・・・

 

 

――――ドタドタドタドタ!

 

 

『茜香! 一体どうしたんだ!?』

 

 

父さんの声が聞こえて来た。

 

 

「ああ、もう! 一体、朝から何だって言うんだよ!?」

 

 

俺は、頭を掻きながら……自分の部屋を出て1階に居る母さん達の元へと向かった。

 

 

1階に降りた俺は、三人が居る居間に辿り着く。

 

 

しかし、俺は先程の母さんの叫び声が気になってしまっていた為に、俺は三人の驚いていた顔に気が付けずに母さんに声を掛けた。

 

 

「ちょっと、母さん。 幾ら日曜日の休日だからって、あんな大きな声を出したら近所迷惑だぞ? それに朝も早いんだからもu…「一刀! た、大変よ! い、今! TVのニュースでね!」……少しって、ん? 何の話?」

 

 

俺が注意しようとしたら母さんは慌てながら俺の話に割り込んで来た。

 

 

そんな慌てた母さんを見た俺は、母さんに『一体、何の話なのかと』聞こうとした。

 

 

しかし・・・・・・・・・・

 

 

「お兄ちゃん! た、大変だよ~!? 今、TVのニュースでお兄ちゃんが来年通う「聖フランチェスカ学園」が・・・・・・『廃校』になっちゃったて!?」

 

 

今度は、妹の優利香が割り込んで来てしまい母さんに聞く事が出来なかっt・・・・・・・って、え?

 

 

――――今、何て言った?

 

 

「ああ……優利香? 今、幻聴がしたのかな? 俺が来年通う「聖フランチェスカ学園」が『廃校』になったて、聞こえたんだけど……何かの冗談か? もう、よしてくれよ。 そういう質の悪い冗談h「冗談なんかじゃないよ! ほら、今から『緊急速報』でニュースが出る見たいだから!」・・・・・・止めろって、え?」

 

 

俺が、質の悪い冗談なんか止めろと言おうとしたら優利香が居間にあるTVを指差しながら俺に見る様に言って来た。

 

 

そして、『ソレ』に釣られるようにTV画面を見たら・・・・・・・

 

 

「・・・・・・・・・は?」

 

 

そこには、「聖フランチェスカ学園」・・・・・突然の『廃校』が決まったというニュースが流れていた。

 

 

「・・・・・・・・」

 

 

――――ぎゅうーーー!

 

 

俺は「『コレ』は「夢」なんじゃないか」と思い、無意識に右手で自分の右頬を思いっきり引っ張った。

 

 

その結果・・・・・・

 

 

――――物凄く痛かった。

 

 

――――うん、『コレ』は夢なんかじゃない。

 

 

俺は一人……そんな事をしながら、TVで報道されている「聖フランチェスカ学園」突然の『廃校』のニュースを聞いていた。

 

 

――――正直、俺は……その時の事は、あんまり覚えて居ない。

 

 

――――ただ、TVで報道される『廃校』関連のニュースを聞きながら、「俺は一体、これからどうなってしまうのだろう?」という、先行き不安な気持ちで一杯だった。

 

 

 

 

――――結論から言えば、その後は……色々と大変だった。

 

 

連日、TVでは「フランチェスカ」廃校のニュースで持ちきりでチャンネルを変えても殆どの番組がこの話題を取り上げていた。

 

 

中には、現役の『聖フランチェスカ学園』教師の人に今回の突然の廃校の理由を教えて下さい!っとインタビューしているのがあった。

 

 

しかし、現役の教師の人ですら今回の廃校に関して一切の理由を聞いていないとの事。

 

 

『数日前までは、通常通りの授業をしていて学校側からも今回の件についても、何の連絡も無かった』っと、語っていた。

 

 

そして、漸く……学校側からの記者会見が開かれ『今回の廃校によって在校生徒と来年入学する事になっていた新入生の皆様には多大なご迷惑をお掛け致しました』っと、謝罪をした。

 

 

『我々と致しましては、出来る限り在校生徒と新入生の皆様に対して出来うる限りの対応させて頂きますので、何卒ご理解賜りますようお願い申し上げます』

 

 

そう言って、関係者全員が座っていた椅子から立ち上がり頭を下げて謝罪の言葉を述べた。

 

 

それと同時に……記者会見の場は、カメラのフラッシュで溢れかえった。

 

 

だが、そんな言葉で今回の事が解決する訳が無かった。

 

 

何せ、在校生達と来年入学する生徒達を受け入れられる学校を探して其処に編入手続きや受験手続きをしなければならなかったからだ。

 

 

しかも、それだけではない。

 

 

頭の良い人間は、それに見合った学校へと行けるが・・・・・そうでない人間は、他の学校に編入するのが大変だろう。

 

 

何せ、今は受験シーズンな上に近隣の学校も受け入れられる人数も限られている訳だからな。

 

 

今回の騒動は、色んな意味で大勢の人間に影響を与えた。

 

 

それは、俺自身も例外じゃない。

 

 

あの日、「聖フランチェスカ学園」への廃校が報道されて直ぐに、母さん達は学校側へ連絡をした。

 

 

その際、母さんは詳しい説明を電話で聞きながら必死にメモを取っていた。

 

 

俺は、『ソレ』を……ただ見ている事しか出来ずにいた。

 

 

まるで、自分が世界から弾き出されたかの様に・・・・・・・

 

 

そう感じながら……俺は一体これからどうすれば良いのかと悩むのだった。

 

 

そして、俺が悩んでいる内に電話を終えた母さんが俺の側に来て・・・・・・・

 

 

「一刀。 すぐに、他の学校への受験手続きをしましょう。 そんな顔をしなくても大丈夫よ。 ちゃんと高校に進学は出来るから」

 

 

・・・・っと、言ってくれた。

 

 

だから、俺は・・・・・・・

 

 

「うん。 解ったよ」

 

 

っと、返事を返した。

 

 

「一刀、心配する事は無いぞ? 父さん達が必ずお前を高校に進学させてやるからな? だから、安心して受験の準備をしろ」

 

 

「そうだよ、お兄ちゃん! 急に、こんな事が起きちゃったけど……お兄ちゃんなら必ず高校に行けるよ! だから、頑張って受験勉強に集中しよ!?」

 

 

父さんや優利香も俺を励ましてくれた。

 

 

正直、三人の言葉が嬉しくて堪らなかった。

 

 

つい、数日前までは『こんな事』が起きるだなんて思っても見なかったから・・・・・・・。

 

 

俺は・・・・・父さん、母さん、優利香の思いに応える為に、その日から受験勉強を開始した。

 

 

だが・・・・・・・・

 

 

そんな俺の思いも虚しく・・・・・・・・・・・・

 

 

俺は・・・・・・・・・・・・

 

 

「高校受験」を受ける事が出来ずに、『中学卒業』を迎えたのだった。

 

 

 

一刀side 終了

 

 

 

 

 

次回に続く。


 
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