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真・恋姫無双 三人の天の御遣い 第二章『三爸爸†無双』 其の五十二

雷起さん

得票数36の璃々②のお話です。
おまけ壱 『北郷二刃奮闘記』其の十七 リクエスト:斗詩+白蓮(苦労人同士) 8票
おまけ弐 『聖刀くんの日常』其の十六 リクエスト:桂花   5票
おまけ参 リクエスト:北郷親衛隊の結婚生活(個別)10票
となります。

続きを表示

2014-02-18 19:41:09 投稿 / 全9ページ    総閲覧数:3628   閲覧ユーザー数:2710

第二章  『三爸爸†無双』 其の五十二

 

 

本城 後宮璃々個室                (時報:桂花七人目 妊娠七ヶ月)

【璃々turn】

 

「ね、ねえ、璃々…………相談が在るんだけど………」

 

 お昼ご飯を終えた頃、わたしの部屋を訪れた二刃が頬を紅く染めてモジモジしてる。

 

 もう!可愛いなぁ♪

 

 二刃の相談事って間違いなく華佗さんとの事だろうな。

 それも男女関係の♪

 この純情娘はこっち方面になると、てんで弱気になっちゃうもんね。

 

「なに?やっと華佗さんとする覚悟が出来たの?」

 

「か、覚悟は告白の時からできてるよっ!」

 

 おや意外。

 二刃の事だからてっきり二ヶ月後の結婚式まで純潔を守るのかと思ってたんだけど………。

 う~ん、普段お堅い二刃もやっぱりご主人さまたちの妹だったって事か。うんうん。

 

「覚悟が出来てるなら何でわたしに相談………そっか、相手が華佗さんだもんねぇ………」

 

 華佗さんとご主人さまたちの最も困った共通点。

 

 女心にとことん鈍い!

 

「そうなのよ………どうしたら駕医さんが…そ、その気になって誘ってくれるか…教えて欲しくて………」

 顔の前で手の指を落ち着かなげに動かして言ってくるけど……。

 

 

「甘いわ!そんな心構えじゃ、いつまでも進展しないわよっ!」

 

 

 私は立ち上がって力強く宣言した!

 二刃がわたしの勢いに驚いて後退るけど、踏み止まって口を尖らせる。

 

「そりゃ、璃々は兄さんたちが相手だもの。向こうから言い寄って来るだろうけど…」

 

「二刃!………わたしを含めて全員、初めての時にご主人さまに言い寄られた人はひとりも居ないわよっ!」

 

 二刃はわたしの言葉が予想外だったらしくポカンとしていた。

「え?…………………ええっ!?そうなの!?」

「うん。ご主人さまたちの鈍さは筋金入りだもん。

その辺はこっちに来る前のご主人さまを知ってる二刃の方が分かるんじゃないの?」

 

「あ…………そ、そうだった……最近、今の兄さんたちに見慣れた所為で忘れてた……」

 

 二刃ったらここに来たばっかりの時に、ご主人さまはモテてたけど自分は全然気付いてないって教えてくれたのに………。

 それだけ今のご主人さまたちの行動の印象が強烈だって事か。

 

「この話はお姉ちゃん達が酔っ払った時に言ってた愚痴だから真実だよ。

あの華琳お姉ちゃんですら…と言うか、華琳お姉ちゃんが一番苦労したんじゃ無いかな?」

 

「華琳さんが………でも、何となく分かる気がする………。

あれ?そうれじゃあ桂花さんも?」

 

「桂花お姉ちゃんは別格。桂花お姉ちゃんから言い寄った訳じゃないけど、

ご主人さまから誘った訳でも無いよ。」

 

「????????」

 

「知りたかったら華琳お姉ちゃんに聞いてみて。わたしも華琳お姉ちゃんから聞いたし、

わたしの口からは言えない事だから。」

 

 わたしも初めての時にご主人さまをどうやってその気にさせるか参考にしたくて聞いて回った。

 子供の頃は桂花お姉ちゃんの態度が不思議だったけど、あの話を聞いて納得。

 

「あと春蘭お姉ちゃん、思春お姉ちゃん、焔耶お姉ちゃんも似たパターンだから直接聞かない方がいいわよ。」

 

「う、うん…………なんかよく分かんないけど分かった。」

 

 お姉ちゃん達の事だから二刃が結婚式を終えるまでは教えないと思うけど。

 今の二刃が知ったらショックが大きいだろうしね。

 

「そんな訳で二刃も頑張って華佗さんを口説きなさい♪」

 

「でも、麗羽さんは兄さんたちから熱烈に口説かれたって………」

 

 

「あの人は自分の記憶を良い様に改変するから鵜呑みにしちゃダメ!」

 

 

 麗羽お姉ちゃん!読んだ小説と自分の記憶が混同してるよっ!!

 

「それじゃあさ…………璃々はどうやって……その………」

 

 あ!わたしも二刃に教えるのか!

 うわーーー!は、恥ずかしい………けど、ちょっと自慢したい気も♪

 

「キスに漕ぎつけたの!?」

 

「………………………………………は?………キス?」

 

 二刃が期待に満ちた目でわたしを見ている。

 もしかして冗談じゃなく本気で言ってる!?

 

「ちょ、ちょっと二刃!あなた達…………キスもまだなの?」

 

「だから悩んでこうして相談に来たんじゃないの!

一体何の話だと……………………★■※@▼●∀っ!!」

 

「そんな翠お姉ちゃんの真似なんかしてる場合じゃ無いわよっ!!婚約してもう二ヶ月経つのよ!?

あれだけ一緒に居て何してたっていうかナニしないなんておかしいでしょっ!!」

 

「うっ!逆ギレされた!?が、駕医さんは紳士だから兄さんたちとは違うのよっ!」

 

「紳士だって婚約者にキスくらいはするでしょ!!

お母さんも月お姉ちゃんも本当は直ぐにでも結婚してもらいたいと思ってるのに、

なんの為に婚約から結婚まで間を開けたと思ってるの!?

二刃と華佗さんに甘~~~い恋人気分を満喫させてあげたいと思ってるからなんだよっ!!」

 

 わたしと二刃は睨み合ってたけど、次第に二刃の眉尻が下がって涙目になってきた………。

 

「璃々ぃ~~!助けてよぉ~~~~!!」

 

 ついにはわたしに抱きついて泣き始めちゃった…………。

 

「ごめん……言いすぎた…………でも、安心して!わたしが必ず何とかするから!!」

 

 わたしも二刃の背中を抱いて励ます。

「あ、ありがと……璃々♪」

 

 二刃が顔を上げて微笑んでくれた。その目からは涙が流れている。

 

 か、可愛い…………華琳お姉ちゃんの気持ちが少し分かった気がする……。

 なんかわたしの方が二刃にキスしちゃいそう……………それはさすがに怒るだろうな。

 

 

 

 

 わたしは少し考える時間が欲しかったので、二刃には氣の鍛錬をしてくる様に促して送り出した。

「何とかするとは言ったけど、実際どうしたもんかな?」

 わたしの場合、子供の頃からご主人さまに『ほっぺにチュッ』とか頻繁にしてたから、

そんなに意識せずファーストキスしちゃってたし………。

 

「「ただいまー、おねえちゃん♪」」

 

 元気よく部屋に飛び込んで来たのは五歳の双子の妹、崔莉と露柴。

 って!もう学園が終わる時間なの!?

 妹達の後ろから、二人を迎えに行っていたお母さんも戻って来ていた。

 

「ただいま、璃々。あら?二刃ちゃんは?」

 

「二刃なら鍛錬しに……って!何で二刃がここに来た事知ってるの!?」

「お昼に部屋の前まで来たら、中からあなた達の話し声が聞こえたわよ。

二刃ちゃんが深刻そうだったから璃々に任せたのだけど♪」

 

 相変わらず地獄耳な上に完璧に気配を断つなぁ………自分の母親ながら恐れ入るわ。

 

「「二刃おねえちゃんいないのぉ?お母さんから聞いてたのしみにしてたのにぃ!」」

 

 崔莉と露柴は二刃が居ないのでご不満な様子。

 二刃もせがまれると断らないからなぁ。

 そんなだから華佗さんと居る時間が減っちゃうのに。

 わたしにも身に覚えがあるから強くは言えないけどね。

 

「晩ご飯の時会えるでしょ。それまでお姉ちゃんが遊んであげるから我慢して。」

 

「おねえちゃんはおなかが大きくなってきたからムリしちゃダメなの!」

「おねえちゃんはアンセイにしてください♪」

 

 妹達の機嫌を直す為に言ったのに、逆に諭されてしまった。

 お母さんが懐妊してからお姉ちゃん振る様になってきたわね。

 

 「はいはい、ありがとう。それじゃああんた達はどうするの?」

 

「「眞琳おねえちゃんたちとあそんでくるー♪」」

 言うが早いか、部屋を飛び出して談話室に行ってしまった。

 

「落ち着きの無い子達だなぁ………」

「年の近い子が多いからかしらね♪璃々があれくらいの頃はもう少し甘えん坊だった気がするわ♪」

「そ、そうかな?」

 実はちょっと自覚があるので、改めて言われると照れくさい。

 周りが頼りがいのあるお姉ちゃんばっかりだったからなぁ………何人か例外も居たけど。

 お母さんは笑っているだけで、否定する気が全然ない。

 

「同い年のお友達が居るのって良いものでしょう?」

 

 お母さんには桔梗さんと蔡さんが居る。

 お姉ちゃん達にも同い歳や歳の近い人が多い。

 わたしひとりが、少しだけ歳が離れていた。

 以前は余り気にしなかったけど、二刃と出会って分かった。

 姉とか妹とは違う、親友という関係。

 

「うん、そうだね♪」

 

 返事は簡潔だったけど、そこにはたくさんの気持ちを込めた。

 二刃の力になりたい!

 わたしの親友の為に!

 

「ところで璃々。二刃ちゃんはどのような悩みの相談だったのかしら?」

 

「それがねぇ………………」

 

 わたしはお母さんに話した。

「あらあら、可愛い悩みね♪ふふ♪何だかお母さんも少女だった頃を思い出しちゃうわ♪」

 

 お母さんが少女だった頃……………想像できない…………。

「璃々!お母さんにだって可憐な少女時代が有ったのよ!

あなたのお父さんとはお見合い結婚だったけど、どんな殿方か想像してドキドキして♪

実際にお会いしてからも、歳は離れていたけどとても優しくて………初恋だったわ♪

そうそう、丁度璃々とご主人さま、二刃ちゃんと華佗さんくらいの年の差だったのよ♪」

 

 わたしには最初のお父さんの記憶がほとんど残っていない。

 でも、お母さんが好きになった人だから素敵なお父さんだったんだろうな………。

 お母さんはわたしとご主人さまを若い頃の自分と重ねてるのかも知れない。

 

「お父さんは色々な事を教えてくれたわ♪夜の事とか♪」

 

「……………………お母さん……………最後の一言で全部台無しだよ…………」

 

 お父さんっていろんな意味でご主人さまに似てたんだな………。

 

「二刃ちゃんと華佗さんに足りないものって危機感ではないかしら?」

 

「うわ!強引に話を戻された!?…………ええと、危機感?」

 

「そう。わたくし達みたいに、時には強引に言い寄らないといつまでもご主人さまの寵愛が頂けないっていう感覚ね。

二人共相手が浮気しないと信じ合っているのは素敵な事だけど、華佗さんの事を好きな子はまだ大勢居るし、

二刃ちゃんも兵や街の男性にとても人気が有るわ。

その事に気が付かせるのが近道ではないかしら?」

 

「そうか………うん、その方向で考えてみる!」

 

 う~ん、実際に二刃と華佗さんがそれぞれ異性と話をしている所を見せるのが一番だと思うんだけど、

余計な揉め事に発展しない安心できる人がいいよね…………う~ん、そんな人居るかな?

 

「ねえ、璃々。お母さんも手伝っていいかしら♪」

「ダ~メ、これはわたしが二刃に相談されたんだから。

それにお母さん、妊娠三ヶ月目なんだからもう少し大人しくしてなよ。」

「お母さんなら大丈夫よ。今回はつわりが軽くてとても楽だから♪」

「ホント、ズルいなぁ。わたしはあんなに苦しんだのに…………」

 

 あの一番辛かった時を思い出すと、自分でも良く耐え切ったと思うわ。

 

「桂花ちゃんを見てると、つわりは毎回違う形で表れるから、璃々も次は楽かも知れないわよ♪」

「牡丹が産まれる前から次の心配してもしょうがないけどね。」

「あら?お母さんはこの紅葉を産んだ次の事を考えているわよ。」

 

「…………お母さん……わたしに何人妹を増やす気なのかしら?」

 

「できれば桂花ちゃんに追いつきたいわねぇ♪」

 

「ねえ……………高齢出産って言葉知ってる?」

 

「……………………………………………………」

 

 周りの人達が射抜かれるのを恐れて言わない分、わたしがちゃんと言わないと!

 

 

 

 

翌日

房都 国立華佗総合病院 応接室

【璃々turn】

 

 昨日のお母さんのアドバイスを実行する為、五人の女性に集まってもらった。

 

 その五人というのは北郷親衛隊の奥さん達だ。

 

「今日は集まってもらってありがとう♪」

 

 改めて挨拶すると、五人とも笑って返事をしてくれた。

 一人目は追っかけさんこと波才さんの奥さんで楊阜さん。

 真名は門風(めいふぉん)

 人和お姉ちゃんに似た眼鏡の似合う知的な人。

 

「こちらこそ、璃々様にお声を掛けて頂き光栄です♪」

 

 二人目は董の兄ぃさんこと牛輔さんの奥さんで申耽さん。

 真名は菫花(きんふぁ)

 小柄な可憐な人で、以前はメイド隊にいた人。

 

「お手紙を読んで驚きましたけど、なんだか楽しそう♪」

 

 三人目は尻好きさんこと宋謙さんの奥さんで張承さん。

 真名は真珠(しんじゅ)

 孫呉の人特有の褐色の肌をした美人さん。

 この人も以前メイド隊にいました。

 

「二刃様のお役に立つとの事ですので、遠慮なくやらせて頂きます♪」

 

 四人目は袁家の兄者こと呂曠さんの奥さんで徐晃さん。

 真名は雲雀(ひばり)

 春蘭お姉ちゃんの部下として後宮警備隊にいた人。

 わたしとはお母さんの前の妊娠中に知り合った。

 武術の腕もわたしより上。

 ちなみにおっぱいの大きさも。

 

「璃々様に武術以外で頼られるとは意外でした♪」

 

 五人目は袁家の弟者さんこと呂翔さんの奥さんで張郃さん。

 真名は豹牙(ひょうが)

 この人は雲雀さんとコンビを組んでいる人。

 豹牙さんと雲雀さんは後宮警備隊の二大柱と呼ばれていた。

 豹牙さんも武術、おっぱい共にわたしより上。

 

「私を含めこの五人、産休で少々暇を持て余していましたから、良い気晴らしになります♪」

 

 豹牙さんの言う通り、五人とも妊娠六ヶ月。

 わたしも含めて六人か。

 偶然にもわたし達六人は同じ月に懐妊して、今はこうして六人揃って大きくなったお腹を付き合わせている。

 今からこの五人には華佗さんに言い寄ってもらうのが今回の作戦だ。

 妊婦だったら冗談で済ませられると判断してお願いした。

 実はこの五人全員が以前華佗さんを好きで、何度もアタックしたけど惨敗して諦めたという経緯を持っている。

 それだけに華佗さんの心を射止めた二刃を尊敬していた。

 

「うふふ♪華佗先生に意趣返しができて、二刃様のお役に立てるなんて♪こんな美味しい役目はありません♪」

 

 菫花さんのいたずらっ子の様な言葉にみんなも笑っている。

「うちの人もこれで少しはヤキモチを妬いてくれるかしら?」

 真珠さんが溜息混じりに言うのを雲雀さんが笑い飛ばした。

「なに言ってんだか。いつもあれだけノロケているくせして♪」

 

 う~ん…………実は彼女たちの旦那さん達にも協力してもらうつもりだったんだよねぇ。

 つまり、二刃に言い寄ってもらおうと計画したんだけど、

 

『嫁さんに殺されるから勘弁してください!』

 

 って、泣きながら断られた。

 普段どんな家庭なのか、ちょっと見てみたいなぁ。

 

「さあ、そろそろ診察室に参りましょう♪」

 

 門風さんの号令でみんなが立ち上がった。

 

 

 

 

国立華佗総合病院 診察室

 

「「「「「華佗先生。ご婚約の義、改めてお祝い申し上げます。」」」」」

 

 五人は妊娠中の定期検診で来た事になっている。

 わたしは様子を見るために、気配を消してこっそり隣の部屋から覗いていた。

 看護婦さん達にも協力してもらっているのでこうして潜り込めた訳だ。

 この場で何が起こるか知らないのは、二刃と華佗さんだけ。

 

「華佗先生。わたくしがお城に勤めていた頃、先生のことをお慕い申し上げていましたのをお気づきになられてましたか?」

 

 おお!真珠さんがいきなりの直球勝負に出た!

 二刃は………うんうん、驚いてる驚いてる。

 二刃もこの五人とは何度も話をしてるから油断してたみたい。

 

「あの頃は私達の誰が先生の心を射止められるか密かに張り合っておりました♪」

 

 すかさず門風さんが追撃をかけた!

 華佗さんが珍しく動揺してるっ!!

 

「私も………あの頃は毎夜想いが届かぬ事に、枕を涙で濡らしておりましたわ………」

 

 菫花さんの可憐な姿でのその攻撃!

 二刃の血の気が見る見る引いていくのが分かるわ。

 

「まあ、それももう思い出話。今はこうして他の男と結婚して子供を授かっております。

しかも、その子を産むのにかつて惚れた男性を頼るのですから、人生とは不思議なものですね♪」

 

 お!雲雀さん、上手く二刃と華佗さんの両方に揺さぶりをかけるなぁ。

 

「華佗先生、私は胸が張って痛みが続いています。妊娠中だからなのだとは思いますが、

万が一の事も考えて触診してもらえませんか?」

 

 豹牙さん!それアウト!!二刃の前ではアウトだからっ!!

 

 案の定、二刃が堪えきれずに診察室から飛び出して行った!

 

 

「「「「「華佗先生!二刃様を追って下さいっ!!」」」」」

 

 

 華佗さんは躊躇いもせず二刃の後を追って走り出した!

 わたしは隠れていた部屋から出て五人に話し掛ける。

「ご苦労様でした。こんな短時間で成功させるなんて思わなかったわ。」

 

「いえ、まだ成功したか分かりませんよ。璃々様は確認に行って下さい。」

 門風さんがそう言いながらわたしの背中を押した。

「それならみんなで行った方が………」

 

「ゾロゾロ行ったら気付かれて最後の最後で失敗しますよ。

私達は人が近付かない様、廊下を遮りますから♪」

 

 雲雀さんの言葉に頷いてわたしも診察室を出て走った。

 二刃の足音で向かった先が屋上なのは分かっている。

 わたしは足音を立てない様にしながら階段を駆け上がった。

 思春お姉ちゃんに習った事がこんな所で役に立つとは。。

 屋上に出る扉が開いていて、二刃の声がその向こうから聞こえて来た。

 

「あたし!ヤキモチ妬きましたっ!」

 

 泣いているのが声だけでも分かる。

 罪悪感で胸が苦しくなるけど、これも二刃の為と自分に言い聞かせる。

 扉の陰から覗き込むと二刃は俯いて涙をボロボロ流していた。

 華佗さんはその数歩手前で二刃を見つめている。

 

「あたしバカだった!駕医さんに甘えてたっ!あたし弱虫だったっ!!」

 

「それは俺もだ、二刃。君を傷つけるのが怖くて。自分が傷つくのが怖くて先に進めなかった。」

 

「……駕医…さん…………………駕医さああぁぁああんっ!!」

 

 二刃が華佗さんの胸に飛び込んで行く。

 

 強く抱き合った二人はそのまま熱い口付けを交わした。

 

 

「ふぅ…………作戦終了っと………後で二刃に謝って、門風さん達の事を許してもらわないとね♪」

 

 冬の澄み切った空の下で二人はまだ抱き合っていた。

 

「いいなぁ…………わたしも今夜、久しぶりにご主人さまに甘えちゃおう♪」

 

 

 

 

本城 後宮談話室

 

「もう!ホント信じらんない!!そりゃ何とかしてって言ったのはあたしだけど!あそこまでする!?」

 

「もう許してよう。わたしだって二刃が泣いてるの見て胸が苦しかったんだからさ。」

 

 あの屋上で二刃と華佗さんが落ち着いた所で、わたしは姿を見せて作戦の事を打ち明けた。

 華佗さんは苦笑して許してくれたけど、二刃が烈火の如く怒り出して、帰ってきてもまだ許してくれない

 そんな所に華琳お姉ちゃんやお母さん達が子供達を連れて学園から戻って来た。

 

「珍しいわね。璃々と二刃が喧嘩しているだなんて。」

 

 う!あの顔はなにが有ったか既に知っているな。

 

「華琳さん!聞いて下さいよ!璃々ったら…」

「二刃は華佗とキスできたのですってね。おめでとう♪」

「………………………………」

 

 あ、二刃が固まった。

 今晩の肴はこれで決まったわね。

 

「二刃お姉さま!華佗先生とキスしちゃったのっ!?」

 

 眞琳ちゃんが衝撃を受けている?

 まさかその歳でもう目覚めちゃってるの!?

 

「二刃お姉さま!眞琳ともキスして下さい!」

 

 眞琳ちゃんが二刃の腕に絡みついて迫っていく。

 

「ちょ、ちょっと待って、眞琳ちゃん!」

 

 迫る眞琳ちゃんに二刃は混乱してさっきまでの怒りが消し飛んでる。

 お母さん達は子供のする事と笑って見てるだけ。

 ここでわたしまで黙って見てたら、今度はこの事で二刃に怒られそうだし助けてあげますか。

 

「「「なんか楽しそうだな♪何か有ったのか?」」」

 

「そんな事言えるかっ!!」

 

 わたしが立ち上がりかけた所でご主人さまたちが現れたけど、二刃が放り投げた椅子の直撃を受けてあっさり倒されてしまった。

 わたしは床に倒れたご主人さまたちに駆け寄って抱き起こす。

 

「「「………俺たちの出番って………まさかこれだけか?…………」」」

 

「まあまあ♪介抱してあげるからわたしの部屋に行こう♪」

 

 出番はこれだけだけど、これからわたしの部屋で活躍してね♪

 

 

 

 

 

おまけ壱

『北郷二刃奮闘記』其の十七

リクエスト:斗詩+白蓮(苦労人同士) 8票

 

本城 北郷学園初等部               (時報:桂花七人目 妊娠七ヶ月)

【二刃turn】

 

 駕医さんとあたしは初等部の教室に来ていた。

 現在の初等部の生徒は10人。

 上から順番に眞琳ちゃん、香斗ちゃん、蓮紅ちゃん、烈夏ちゃん、愛羅ちゃん、嵐ちゃん、

金桂ちゃん、冰蓮ちゃん、冥龍ちゃん、宴ちゃん。

 みんな素直な良い子だから担任の白蓮さんも手が掛からなくて安心だね♪

 

「さあ、みんな。これから華佗先生が健康診断をするからお行儀よくするんだぞ。」

 

『はーい♪』「…………はい。」

 

 あれ……眞琳ちゃん………うわぁ昨日の事で、まだご機嫌ナナメなんだ。

 今朝もお話出来なかったしなぁ………。

 

「どうしたんだ、眞琳。本当は具合が悪いんじゃないのか?」

 

 白蓮さんが心配して眞琳ちゃんに話し掛けるけど、眞琳ちゃんは口を尖らせて俯いてる。

 

「あの……白蓮さん。原因はあたしなんです。」

「は?二刃が?何か有ったのか?」

「ええと………」

 うぅ……あたしと駕医さんがキスしたのが原因なんて恥ずかしくて言えないし……。

 

「眞琳ちゃんは二刃お姉ちゃんと華佗先生がキスしたからヤキモチしてるんだよ♪」

 

「か、香斗ちゃん!言わないって約束したのにぃっ!!」

 眞琳ちゃん、蓮紅ちゃん、烈夏ちゃん、金桂ちゃんが慌てて香斗ちゃんの口を押さえたけど…………

もう手遅れ……………。

 

 他の子達は初耳だったらしく驚いた顔をした後、目を輝かせてあたしと駕医さんの周りに集まってきた。

「ねえねえ!そのキスって爸爸と媽媽がするみたいなキス♪?」

「冰蓮!二刃お姉ちゃんと華佗先生は春になったら結婚するのよ!当然よ♪」

「宴の媽媽が爸爸とキスしてるの、あんまり見たことない………」

「嵐もですぅ。でも、媽媽のお顔がとても幸せそうでした~♪」

「愛羅の媽媽は爸爸といるとよくしてるよ♪見てないフリしてこっそり見るのがコツだよ♪」

 

 あはははははは……………………素直すぎだぞ、キミ達……………。

 

「こらっ!お前達、静かにしろっ!爸爸と媽媽は夫婦だからキスしてもおかしく無い…………

そういや私……………最近ご無沙汰だな………………」

 

「白蓮さん!そこで落ち込まないで!!」

 

 うぅ、収拾がつかなくなってきた……………いつも事態を収めていた眞琳ちゃんがああなちゃったから?

 となると、やっぱりあたしの責任だよね…………。

 

「あのぅ、健康診断の手伝いに来ましたって、どうしたのみんな!?」

 

「と、斗詩さん!」

 教室にやって来た斗詩さんがあたし達を見回した。

 眞琳ちゃんを見て頷くと、蓮紅ちゃんに歩み寄って話し掛ける。

 あたしには聞こえない声に斗詩さんはうんうんと何度も頷いていた。

 蓮紅ちゃんとの話が終わったら、斗詩さんが今度はあたしの所にやって来た。

 

「(二刃ちゃん。眞琳ちゃんにキスしてあげて。)」

「え!?」

 

 耳打ちでそんな事を言われて驚いてしまった。

 

「(ほっぺにチュッて感じでいいから。それから眞琳ちゃんの事を嫌いになった訳じゃ無い事を教えてあげてくれるかな♪)」

 

 斗詩さんの言葉で納得がいった。

 眞琳ちゃんはあたしが遠くなった気がして寂しかったんだ。

 あたしも小さい頃に兄さんがクラスメートの女の子と遊んでいるのを見て、そんな気持ちになったっけ。

 

 あたしは頷いて眞琳ちゃんの所に行き、しゃがんで目線を合わせた。

「ごめんね、眞琳ちゃん。あたしも眞琳ちゃんの事が大好きだからこれで許してくれないかな?」

 眞琳ちゃんはまだ口を尖らせている。結構頑固な子だったんだな。

 あたしは顔に手を添えて頬に軽くキスをした。

 うわ~、ぷにぷにで気持ちいいほっぺだなぁ。

 顔を離してみると、眞琳ちゃんの表情はいつも以上に輝く笑顔になっていた。

 もう可愛くて思わず眞琳ちゃんの頭を胸に抱き締めてしまう。

 

「眞琳も二刃お姉さまの事、大好きです♪」

 

 眞琳ちゃんもあたしの体にその細く小さな腕を回して抱き締めてくれた。

 良かった♪眞琳ちゃんの機嫌が直ってくれて♪

 

「香斗も二刃お姉ちゃん大好きーー♪」

 

 香斗ちゃんがあたしの背中に抱きついたのをきっかけに他の子達も次々と殺到して来た。

 

 結局、あたしは十人全員のほっぺにキスをしてあげて、やっと事態が収まり健康診断を始める事ができたのだった。

 

 

 

 健康診断を終えた子供達に自習という名の遊び時間を与えて、あたし達は子供達の診断結果をチェック。

 全員個別に細かく現状をカルテに書き込み、注意事項を白蓮さんと斗詩さんを交えて話し合う。

 出来上がった指導要綱を、母親に渡す分、兄さんたちに渡す分、先生が保管する分と写して作業終了。

 

「お疲れさん。お茶とお菓子を用意するから一服しよう。」

 白蓮さんが立ち上がりかけると斗詩さんが先に立ち上がった。

「私がやりますよ。白蓮さまはこれからまだ授業が有って大変ですから休んでいて下さい♪」

「そうか?悪いな、斗詩♪」

 こうして暫しの雑談タイムが始まった。

 

「斗詩さん、さっきはありがとうございます♪」

 

「え?…………ああ!眞琳ちゃんの事?そんな大した事じゃ無いから気にしないで♪」

 斗詩さんが照れて手を振ってるけど、冷静に判断して対処方法を教えてくれたのは本当にスゴイと思った。

 対して白蓮さんは溜息を吐いてお茶をすすっている。

「ごめんな、二刃……担任の私がもっとしっかりしなくちゃいけなかったのに………」

「い、いえ……そんな………」

 白蓮さんがショックを受けた原因は、兄さんたちに責任があるのよ!

 後で兄さんたちには白蓮さんの所に行く様に言っておこう。

 

「白蓮さまもそんなに気にしないで下さい。あれは慣れていただけですから………麗羽様で………」

 

 今度は斗詩さんが溜息を吐いてしまった。

「あの、あたしの知る麗羽さんって幼年部の優しくてしっかりした先生の姿しか知らないんですけど

………まあ、たまに驚かされる行動をしますけど……以前は違ったんですか?」

 

 あたしの言葉に白蓮さんと斗詩さんは目を丸くして驚いている。

「麗羽があんな風に落ち着いたのは、ほんのここ数年だよ……」

「そうだよねぇ………二刃ちゃんは今の麗羽様しか知らないんだもんねぇ。

昔の麗羽様は今の十倍……いえ、百倍は面倒くさい人だったんだよ。」

 

 本来の家臣である斗詩さんがそこまで言うとは…………。

 

「でも、基本は悪い人じゃないんだよ!」

 

 斗詩さんがテーブルに身を乗り出してフォローに入った。

 

「昔も民の為になる事をしようとはしていたんだけど、発想が斜め上から始まってるのに自分を疑わないし、

行動力が有るからそのまま突き進んで行っちゃうの。

それでいて新しい事を思い付くとそれまでの事を放り出して次に行っちゃうし、

興味の無い事には無関心で何度教えても直ぐに忘れちゃうんだよ………」

 

 フォロー…………じゃなく、ディスってるよね………。

 白蓮さんも腕を組んでうんうん頷いてるし。

 

「でも、私も麗羽の奴と一緒に仕事して分かったよ。

あいつの基本行動は『愛しているか、愛していないか』なんだよな。

人でも物でも好きになったら後先考えずに突き進んで行っちまうんだ。

あいつの子の揚羽もその傾向があるから今の内に矯正しないと。」

 

 揚羽ちゃんか………確かにそうかも………。

 

「白蓮さんは初等部の先生だけど、幼年部の子達もしっかり見てるんですね。」

 

「え?………あはは、直ぐに私が教える事になるからその準備だよ。

心配性なんだよ、私は………」

 

 自嘲気味に笑っているけど、斗詩さんの顔を見ればそんな白蓮さんを信頼してるのが分かる。

 

「所で華佗。お前さっきから何にも話さないけど、どうしたんだ?」

 

 白蓮さんの言う通り、駕医さんはさっきからあたし達の話を黙って聞いているだけだ。

 

「いや、俺は今までみんなの会話に余り参加出来なかったからな。

今後はこういう機会も増えるだろうから慣れる為にも、先ずは話を聞く事にしてるんだ。」

 

 あ、そうか。駕医さんがお義姉さん達と話すのって、医務室で懐妊の事とか子供の体調の事ばかりだもんね。

 

「私らとの世間話なんて子供達が生まれる前ならよくしてただろ。

結婚して立場が変わるからってあんまり気にするなよ。」

 

 改めて結婚の話を出されると、意識して顔が熱くなってきちゃう………。

 

「駕医さんの立場ってそんなに変わるんですか?」

 

 照れ隠しと、話題がキスに向かわない様にする為に、軽い気持ちで質問してみた。

 

「そりゃそうさ。何しろ華佗は私らの親戚になるんだからな♪」

 

「へ?」

 

「白蓮さま、私達から見ると義理の弟って言う方が良いんじゃないですか?」

 

 ちょっと今白蓮さんと斗詩さんはなんて言いました?

 あたしと駕医さんが結婚したら、駕医さんは兄さんたちの義理の弟になる。

 これは分かる……………と言うか、あたしの頭にはここまでしか想像が及んで無かった。

 ちょっと待てよ?

 

「あの…………今更なんですけど、兄さんたちの正妻って決めてるんですか?」

 

「え!?二刃ちゃんはそのこと説明されてないの!?」

「そういや、二刃がここに来た時の宴会でもそんな話は一切しなかったな………

てっきり華琳が説明したと思い込んでたよ。

ええと……結論から言うと、私ら全員正妻と同じ扱いになってる。

桃香が『ご主人さまは全員平等に愛さなくちゃ駄目だよ』って言い出したのが切っ掛けでな。」

 

 桃香さんらしい言葉だなぁ……………。

 

「それじゃあ…………お義姉さん達の家は全部親戚になるんですか?」

 

「ああ、そうだよ。」

 

「劉家と曹家と孫家が親戚…………正史でもそれは……いや、でもあれはかなり遠縁だったりするし………」

 あたしは頭を抱えて現在の相関図を思い描いてみた。

 それは学校の授業で見たインターネットを説明する図の様に広がって行く。

 頭がオーバーヒートしそうになった所で肩を叩かれた。

 振り向くと駕医さんが笑っている。

 

「二刃、そう難しく考えるな。以前、月が懐妊した時に言った事が有るんだが、

この大陸に住まう人はみんな家族みたいなものだ。

そう考えれば親戚かどうかなんて些細な事に思えるだろう♪」

 

 これは駕医さんだからとても重みのある言葉だった。

 どんな病人も、どんな悪人も見捨てない駕医さんだから。

 

 あたしはこの人の妻になるんだ。

 

 だからあたしは力強く頷いた。

 

「はい♪」

 

「いやいやいや!華佗、立場が変わるのはお前自身なんだからな!

結婚式はお前に『医者王』の位を授ける戴冠式でもあるんだぞ。

一代限りの特別な位とはいえ、この帝国内で四番目の王だ!公式の場にも出る事になるぞ!」

 

「う~ん、俺はそういう堅苦しいのは苦手なんだがなぁ………」

 

「そんな所は一刀たちと似てるのな、お前………」

「それを支えるのが奥さんになる二刃ちゃんの役目だよ。頑張ってね♪」

 

「お、奥さんだなんてそんな………」

 またしても照れる事を言われてしまった…………………………………あれ?

 この場合、駕医さんの代わりにあたしが公式の場に出るのが、駕医さんの助けになるって事だよね?

 表舞台に立つのが内助の功って何だかおかしくない?

 

「そうだ、折角だからもう一つ言いたい事を言っておくか。」

 

 白蓮さんが真面目な顔で駕医さんに向き合った。

 

「私らの事をもう真名で呼んでも問題無いだろ。こうして姻戚関係を結ぶんだからさ♪」、

 

「う~ん、そうだな………」

 駕医さんは腕を組んで少し考えてから、あたしに振り向いた。

 

「俺が真名で呼ぶと言う事は、相手も俺を真名で呼ぶ事になるが、二刃はどう思う?」

 

「ええと、それは………」

 別にいいよと言いかけて言葉を止めた。

 真名を呼ぶという事の意味を改めて思い出すと、あたし以外の女性がこの人の真名を呼ぶというのは、

本来ならあまり面白くない状況という事だ。

 駕医さんはそこを気遣って、あたしに言ってくれたんだ。

 

「あたしは駕医さんもお義姉さん達も信じてるから気にしないよ。

今も月さんと詠さんを真名で呼んでるじゃない。

駕医さんがお二人に真名で呼ばないようにしてもらってるの、気にしてたの分かってたし、

丁度良い機会じゃないかな?」

 

「二刃がそう言ってくれるならそうしよう♪

それじゃあ、白蓮。斗詩。これからは俺の事を駕医と呼んでくれ!」

 

 駕医さんがまるで宣言するみたいに言った。

 ……………けど、白蓮さんと斗詩さんは顔を赤くして、何かニヤけてる。

 

「斗詩、この部屋急に暑くなって来たなぁ♪」

「ふふ♪微笑ましいと言うか、羨ましいと言うか………とにかく、ごちそうさまでした♪」

 

 え?え?え?

 今のあたしと駕医さんの会話ってそんな風に見えちゃうの?

 真名に関する話題ってそんなに深い意味になっちゃうの!?

 駕医さんも我に返って、なんか照れてるし!

 

「ああ、そうだ!二刃にもう一つ話が有った。」

 

 白蓮さんが話題を切り替えてくれるなら、ここは乗って行こう!

 

「結婚式の前に、二刃に(あざな)を贈ろうかって話が出てるんだ。」

 

「え?字………ですか?」

 

「一刀たちから聞いたんだけど、天の国は十六歳にならないと女性は結婚出来ない法が在るんだってな。

こっちにはそんな法が無いけど、元服をする事で二刃も気持ちが引き締まると思ってさ。

二刃に異存が無いか確認したかったんだ。」

 

 元服!

 字!!

 三国志フリークのこのあたしにとって、夢のようなイベントじゃないですかっ♪

 

「是非お願いしますっ!!」

 

 あたしは白蓮さんと斗詩さんの手を掴んで頭を下げた。

 

「そ、そんなに喜んでくれるとは………」

「しゅ、朱里ちゃん達に伝えておくから楽しみにしててね。」

 

 字かぁ♪

 お義姉さん達は三国志の男性武将の名前そのままだから、この世界だとあたしも男性みたいな字が貰えるかなぁ♪

 

コンコン

 

 教室の扉をノックする音が聞こえた。

 続いて聞こえて来たのは……。

 

「幼年部の健康診断はまだ始まりませんの!?

早くしないと今日中に終わりませんわよっ!!」

 

 麗羽さんの怒りを含んだ声だった。

 

「おっと、すまん!直ぐに始めるっ!二刃、行くぞ♪」

「はい!駕医さん♪」

 

 立ち上がって動き出した駕医さんの後ろに付いて、あたしはその背中を追いかけた。

 

 そして背後から白蓮さんと斗詩さんの会話が聞こえて来た。

「麗羽がまともになってくれて、本当に良かったよ。

私の親族でも袁家と親戚になった事に微妙な顔をするのが多かったからなぁ………」

「ホント……………色々とご迷惑をおかけします…………」

 

 白蓮さんと斗詩さん…………苦労してるなぁ………。

 

 

 

 

おまけ弐

『聖刀くんの日常』其の十六

リクエスト:桂花   5票

61)北郷聖刀 真名:輝琳  零歳

 

本城 分娩室                   (時報:桂花七人目 妊娠十ヶ月)

【桂花turn】

 

『ほぎゃあ!ほぎゃあ!』

 

 隣の分娩室から産声が聞こえてきた。

 

(華琳さまは無事ご出産されたようね。)

 

 そう思い安堵した次の瞬間、信じられない言葉を産婆の命佐(めいさ)が言った。

 

『男の子です!陛下!曹操様!男の子ですっ!!』

 

(オトコノコ?)

 その言葉の意味が最初理解出来なかった。

 華琳さまが無事に出産を終えるのを、この分娩室の隣の病室で祈っていたというのに。

 皆は廊下だけど、私は臨月という事でこの部屋の寝台に寝かされたのだ。

 

『『『華琳!でかした!!男の子だぞっ!!俺たちの息子だっ!!』』』

 

 続いて聞こえてきた一刀たちの言葉で、やっと事態が頭に入ってきた。

 

(男の子!?華琳さまのお産みになった、輝琳さまが!?)

 

 確認する為に急いで分娩室に行こうと立ち上がりかけた所で、私は動きを止めた。

 

(いけない、まずは眞琳さまが中に通されてからよ!私はその間に冷静にならなきゃ。)

 

 深呼吸をして脈拍を整える。

 

(以前は産まれるのが男か女かってよく話し合って居たじゃない。

二十人目を越えた辺りで誰も口にしなくなって、今ではそんな可能性が有る事を完全に忘れていたわ。

けれど、よりによって華琳さまのお子様、輝琳さまを男にしなくてもいいじゃない!

私は男嫌いなのよっ!!さっきまで祈っていた神がこんな仕打ちをしたと言うなら、

祈りではなく脅してやれば良かった!本当、攻め滅ぼしてやりたいわっ!!

 

私……………輝琳さまを見て、冷静でいられるかしら……………)

 

 そんな事を考えていたら、隣では眞琳さまが部屋を飛び出して行き、入れ替わりに桃香と蓮華、おまけに雪蓮まで入って来てしまった。

 このまま迷っていては華琳さまに一番忠実な家臣としての礼を失してしまう。

 私は考えるのを後回しにして、隣の部屋に飛び込んだ。

 

「華琳さまっ!お疲れ様でございますっ!!並びに無事のご出産、おめでとうございますっ!!」

 

(華琳さまのお顔に疲れの色が見て取れるけど、微笑んでおられるからお加減は良いようね。)

 

 一刀たち三人と桃香と蓮華は、私がどんな反応をするのか緊張の面持ちで見守っていた。

 雪蓮は明らかに面白い見世物でも見るような顔で待ち構えている。

 

「ありがとう、桂花♪輝琳にも挨拶してあげてくれるかしら♪」

 

(ああ、華琳さま!私が既に輝琳さまが男の子だと耳に入っているの承知での仰言りよう………

こんな時にも私をイジメてくださるなんて♪)

 

「「「桂花………右手と右足が同時に出るってベタな緊張の仕方してるぞ。」」」

 

「~~~~~~~~っ!!」

 

(大声を上げるわけにいかないんだから変な指摘するんじゃないわよっ!!)

 

 一刀たちを思いっきり睨んでやってから、華琳さまの横に寝ている輝琳さまに目を移す。

 

 輝琳さまと目が合った。

 

(………まさか……生まれたばかりで目が見えていないのよ………偶然だわ………)

 

 そう、それは本当に偶然だった筈だ。その直後に輝琳さまがお笑いになった事も。

 

(か、可愛いっっ!!!)

 

 私はその笑顔に魂の全てを持って行かれた!

 もう偶然かどうかなんて関係無い!

 この衝撃は眞琳さまがお生まれになった時以来だ!

 ああ♪神様!ありがとうございます♪

 後で必ず極上のお酒を祭壇にお持ちしますっ!!

 

「「「おい、桂花……何でヨダレを垂らして笑ってるんだよ…………」」」

 

 私は口元を拭って、一刀たちをもう一度睨んだ。

 一刀たちの隣で雪蓮が変な目で私を見ている。

 

「ちょっと桂花。あんたまさか輝琳ちゃんのおちんちん見てヨダレ垂らした訳じゃないわよね………」

 

「なに馬鹿なこと言ってるのよ!」

 すかさず反論した。

 大体、言われるまでその事を忘れていたわ。

 改めて輝琳さまが男の子である事を確認した。

 

(え?こんなにちっちゃいの?)

 

 私は男性器という物を一刀のしか見たことが無い。

 そりゃ赤ん坊だから小さいのは当たり前だ。

 生まれた時からあんな凶悪な姿をしていたら私は悲鳴を上げて逃げ出すわ。

 でも…………こんな可愛らしいのが、あんな風になってしまうのかしら?

 

「「「桂花、今度はまじまじと見て唸って…………怖いから止めてくれ………」」」

 

「(もう!さっきからうるさいわねっ!)」

 

 再度一刀たちを睨んでから華琳さまに振り返る。

 

「華琳さま。輝琳さまに一刀たちの悪い所が似ない様、この荀文若が全心全霊を以てお守りする事をここにお約束致します!」

 

 私の言葉に華琳さまがお答えになる…より先に、また雪蓮の奴が口を挟んで来た。

 

「あら?その言い方だと、桂花も一刀たちの良い所を認める様になったって事なのね。」

「雪蓮姉さま!そこは敢えて気付かない振りをしてください!」

 

「「「いや、桂花は二三年前からデレるようになってたぞ。特に子供の前だと気が緩むのか…」」」

 

「黙らないと貂蝉と卑弥呼をけしかけるわよ。」

 

「「「……………………」」」

 

(もう!恥ずかしい事をべらべらバラさないでよ………)

 

「桂花。貴女のデレは取り敢えず置いておいて、輝琳の事だけど。」

 

「は、はい!華琳さま!」

 

「躾には貴女の知恵と経験を頼らせて貰うわ。お願いね♪」

 

「はい!必ずご期待に応えてみせます!!」

 

 

 翌日の緊急会議で輝琳さまの姓名が『北郷聖刀』と決まった。

 そのすぐ後に私の陣痛が始まり、七番目の娘『柊』を産んだ。

 

 

 

二ヶ月後

本城 後宮談話室

【桂花turn】

 

 真夏のよく晴れた日。暑い日差しが照りつける。

 城内は今、今年の赤壁での調練の準備に忙しく、人が動き回っていた。

 特に今回は、調練の後でそのまま長江を下って海まで行くことになっている。

 子供達にとって初めての海。

 みんな大はしゃぎで、海に行く前に疲れて夏バテしないか心配だ。

 華琳さまも準備の為に呼ばれて出かけられた。

 私はこの部屋で涼みながら乳飲み子達の世話をしている。

 先程、柊と來羅にお乳を飲ませ今は二人共スヤスヤ眠っていた。

 すると今度は聖刀さまが泣き出され、私は慌てて駆け寄り、先ずオムツの確認をする。

 

「オムツは大丈夫ね。お腹がすいたんですね♪聖刀さま♥」

 

 私はすぐさまおっぱいを出して、乳首を聖刀さまの口に含ませる。

 元気に吸ってお乳を飲む聖刀さま。

 

(華琳さまのお子様に自分のお乳を与えられるこの至福感♪

春蘭、秋蘭、稟が羨ましそうに見ている姿がまた優越感を誘うのよ♪

もう最高だわぁ♥)

 

「え?ま、聖刀さま?そ、そんな強くは吸われては…あ!まさかお乳が無くなっちゃったの?

って、ああぁん♥聖刀さまぁ、そんなに吸ったら…わ、わたし……」

 

「桂花お姉ちゃん!聖刀ちゃん相手に何やってるのよっ!!」

 

「ひっ!!り、璃々!?こ、これはお乳を聖刀さまに差し上げていただけで、さっき來羅と柊にもあげたから途中で無くなってしまったみたいで、そうしたら聖刀さまが強くお吸いになられて、あぁん♥」

 

(ああ…聖刀さまがお腹を空かせているというのに、私はなんて不甲斐ないのかしら………

でも、これはこれで………)

 

「聖刀ちゃんにはわたしのおっぱいをあげます!」

 

 璃々が素早い動きで聖刀さまを奪って胸をはだけ、自分の乳首を聖刀さまに含ませた。

 

(クッ!本当にデカくなったわね……生で見ると迫力が増すわ………)

 

「はい、聖刀ちゃん♪たくさん飲んでね~…………………ちょ、ちょっと聖刀ちゃん!?

吸う力が強く!あん♥」

 

「璃々っ!!あなたも同じじゃないのよ!!」

 

 私は璃々から聖刀さまを奪い返した。

 

「あっれ~?確かにさっき牡丹に飲ませたけど、まだ残ってると思ったんだけどなぁ………」

 

「まったく!見掛け倒しで役立たずなおっぱいね!!妊娠中のマッサージを怠けてたんじゃないの!?」

 

「み、みかけだおし…………」

 

「目障りだからブラブラ垂れ下げてないで、さっさと仕舞いなさいよ!」

 

「わ、私まだ垂れてないよっ!ご主人さまも張りがあるって褒めてくれるし、

垂れてるのはむしろお母さん……」

 

 突如部屋が寒くなった。

 

「り・り・い~~~~!!」

 

 璃々の背後にどす黒い凰羅を纏った紫苑が居た。

 

(い、いつの間に…………)

 

 璃々は冷や汗を流して振り向けないでいる。

 私の腕の中にいる聖刀さまも泣き出してしまった。

 

「あ、あら?聖刀ちゃんも居たのね……ごめんなさい………璃々は後でお仕置きね♪」

 

(璃々が泣きそうな顔になっているけど、今は聖刀さまの事が最優先よ!)

 

「聖刀ちゃんの泣き方は紫苑ちゃんが怖くて泣いてる訳ではなさそうですね。」

 

 気が付けば音々が近くに居て、聖刀さまの顔を覗いていた。

 どうやら紫苑の凰羅の所為で姿が見えてなかっただけの様だ。

 

「音々!今、お乳はでそう?聖刀さまがおなかを空かせているの!!」

 

「お安い御用です♪音肆に離乳食を始めたので今はかなり余裕がある筈なのですよ♪」

 

 音々が胸をはだけてから聖刀さまを預ける。

 泣いている聖刀さまに音々が乳首を含ませると、夢中になって飲み始めて下さった。

 

「ありがとう、音々。」

 

 私が胸をなでおろして礼を言うと、音々は笑って応える。

 

「いえいえ♪察するに桂花ちゃんも璃々ちゃんもお乳をあげたばかりで出てこなかったのでしょう?

わたくしも聖刀ちゃんにお乳をあげてみたかったので大満足ですよ♪」

 

 私達はみんな子供が女の子ばかりだ。

 男の赤ちゃんは女の赤ちゃんと違うものなのかという、単純な好奇心も引かれるのだろう。

 かく言う私自身もそうだったのだから。

 

「あのぅ、音々さん。次はわたくしにも聖刀ちゃんにお乳をあげさせてもらえます♪」

 

「「「は!?」」」

 

 私と璃々と音々の三人が声を揃えて、思わず聞き返した。

 

「紫苑!あなた出産前なのにもうお乳が出るの!?」

 

「おっぱいマッサージをしていたら出るようになってしまって♪

せっかくですから聖刀ちゃんに飲んでもらいたいと♪」

 

(娘は見掛け倒しなのに…………ウシチチとは思っていたけど、出方まで牛なみなのね。)

 

 私も後が怖いので、流石に声にはしなかった。

 

(そう言えば命佐が出産前にも母乳が出る事もあるって言ってたわね。)

 

 今までは誰も出産するまで母乳が出たことが無かった。

 私の場合は次女の銀桂の乳離れから三女の丹桂を産むまでの約半年間以外、

お乳を飲ませ続けて来たので参考にならない。

 

「おぬしら…………全員で乳を放り出して何をしておるのじゃ………」

「あれぇ?音々ちゃんが聖刀ちゃんにおっぱいあげてる!ねえねえ、ボクもあげていい?」

 

 騒ぎを聞きつけた美羽と季衣も現れた。

 

 

 こうしてこの日以来、母乳の出る者が隙あらば聖刀さまにお乳を飲ませる様になってしまった。

 

 

 

三年後

本城 後宮談話室               (時報:桂花十人目秦翹 生後三ヶ月)

【桂花turn】

 

 昼下がりに子供達を昼寝させた所で、秋蘭の娘の鈴蘭が庭の方から走って来た。

 

「桂花媽媽!聖刀ちゃんのお着替えを用意してもらえますか!?」

 

「聖刀さまの着替え!?何かあったの!?」

 

 私は驚いて鈴蘭に事情を聞くと、春蘭の娘の光琳が原因で聖刀さまがおもらしをしてしまったという事だった。

 咄嗟に、着替えよりもお風呂に入れて差し上げた方が良いと判断し、

鈴蘭の案内で聖刀さまの下へ駆け付ける。

 眞琳さまが聖刀さまとご一緒だったので既に泣き止まれていらっしゃったけど、

やはり濡れた服が気持ち悪いらしく悲しそうな顔をされていた。

 光琳は聖刀さまのオシッコにまみれた服を着たまま恍惚とした顔をしていた………。

 私は四人を連れてお風呂場に直行する。

 後宮のお風呂はいつでも子供達の体が洗える様に、常に使える状態にしてあった。

 脱衣場で汚れた服を脱ぐと、聖刀さまはやっと安心したお顔をされた。

 眞琳さまと鈴蘭が光琳の服を脱がせ、準備が終わった所で五人揃って浴場へ入る。

 

「さあ、聖刀さま。先ずはお体を洗いますよ♪」

 

「うん♪」

 

 私は聖刀さまの前に膝立ちになり、お湯の温度を確認し、湯船から手桶で掬って聖刀さまのお体を流し始めた。

 オシッコを漏らされたのだから、下半身を中心に洗う事になるのだが………

聖刀さまのおちんちんをこうして間近でまじまじと見るのは久しぶりだ。

 

(オシメを替えて差し上げていた頃は毎日のように見ていたのに…………こうしてみてみるとあの頃より大きくなっているわね。)

 

「けいふぁまま、どうしたの?」

 

「あ!な、なんでも有りませんよ♪さあ、洗って差し上げますから、じっとしててくださいね♪」

 

 石鹸を手に取り泡立てて、聖刀さまの肌を私の手で優しくて洗っていく。

 

(やはり華琳さまのお子様ね……男の子なのに手触りが華琳さまにそっくり………)

 

「きゃはは♪けいふぁまま、くすぐったいよぉ♪」

 

「も、申し訳ありません、聖刀さま……もう少しだけ我慢して下さいね♪」

 

 両足を洗い、お尻も洗い………ついにおちんちんに………。

 

(ああ………こんな可愛いおちんちんが、いつか一刀たちの物みたいに女泣かせになってしまうのかしら………)

 

「ねえ、けいふぁまま。ぼくのおちんちんもぱぱたちのみたいにおおきくなるの?」

 

「ええっ!?」

 

「このまえ、ぱぱたちとおふろにはいったときにきいて、そうだよっていってたけど、

わらってたからほんとうかなって?」

 

(びっくりした………私の考えてる事が分かるのかと思ったわ。

でも、それはそれで、心が通じてるみたいで………じゃなくてっ!

もう!あいつら、父親なんだから子供の質問には真面目に答えなさいよねっ!)

 

「ええ、本当ですよ♪聖刀さまも大人になったらご立派に………なりますよ。」

 

(わ、私なに言ってるのよ!や、やだ…………ドキドキしてきちゃった…………)

 

 自分の気持ちを誤魔化す様に、私は聖刀さまの体を洗う事に専念する。

 芸術品を洗うように、丁寧に、優しく。

 聖刀さまの体がピクリと動いたので顔を見上げると、

私の言った事を守って、くすぐったいのを我慢して目を閉じていた。

 身をよじって耐える聖刀さまが可愛くって可愛くって可愛くって可愛くって!

 

「ま、眞琳お姉さまあぁぁああぁぁ♥」

 

(え?この声は光琳?)

 

 我に返って声のした方を見ると、光琳が洗い場の床でぐったりしていた。

 その横では眞琳さまと鈴蘭が光琳を見下ろしている。

 

「ま、眞琳さま…………一体何が………」

 

「光琳ちゃんにお仕置きをね♪」

 

 眞琳さまの笑顔は、この私が華琳さまと見間違えるくらいそっくりだった。

 

(この方は魂も華琳さまと同じものをお持ちなのだわ……………)

 

 早鐘を打つ胸を無理矢理抑え付け、素早くお風呂を終わらせた。

 四人の子供達を見送った後、私は早足で一刀たちの所に向かう。

 

(もうダメ………我慢できない!)

 

 私は一刀たちを激しく求めた…………いや、襲ったと言ってもいいかも知れない。

 

 結果として私はまた懐妊してしまった…………。

 

 

 

 

おまけ参

リクエスト:北郷親衛隊の結婚生活(個別)10票

 

インテリ⇒寇封(劉封) 嫁⇒孟達 真名:太白(たいはく)

追っかけ⇒波才 嫁⇒楊阜 真名:門風(めいふぉん)

尻好き⇒宋謙 嫁⇒張承 真名:真珠(しんじゅ)

董の兄ぃ⇒牛輔 嫁⇒申耽 真名:菫花(きんふぁ)

兄者⇒呂曠 嫁⇒徐晃 真名:雲雀(ひばり)

弟者⇒呂翔 嫁⇒張郃 真名:豹牙(ひょうが)

 

本城 会議室(現在はお見合い会場)       (時報:桂花 六人目 妊娠二ヶ月)

【緑一刀turn】

 

 季節は晩秋。

 この日、北郷親衛隊の十回目となるお見合いが開かれた。

 月も紫苑も流石に十回目となると女の子を集めるのが大変だったらしい。

 

「今日こそは上手くいって欲しいです……」

「大丈夫よ、月ちゃん。今日来てくれた子達は取って置きですもの♪」

 

「「「取って置きか………確かにそうだけど、あいつらに釣り合うのか?

勿論、女の子の格が上過ぎるって意味で。」」」

 

 お見合いが始まる前に女の子の名簿を見せてもらって目が飛び出るくらい驚いた。

 徐晃に張郃っていつの間に仕官してたんだよ!

 しかも後宮警備隊に居たなんて。

 張承は、喬玄さんと一緒に建業を任されている孫呉の大重鎮、張昭さんの娘さんだ。

 申耽は漢中の有力豪族の娘さん。

 この二人は花嫁修業の一環としてメイド隊に来ていたらしい。

 楊阜は稟の補佐として働いている軍師見習いだ。

 

「そんな事ありませんよ。ご主人さまの親衛隊ですもの、家柄や女の子達の地位は釣り合いが取れてますよ♪」

 

 月はそう言ってくれるが、正史を知っている俺たちには名前だけ見ると、とてもそうは思えない。

 この五人の年齢が鈴々辺りと近いから、そこで釣り合いが取れていると納得するしかないな。

 

「結構話が弾んでいて良い雰囲気ですよ♪」

 

 紫苑の声に会場へ目を戻す。

 確かに和気藹々だ…………………インテリ以外は。

 俺たち三人と月、紫苑はお見合いの見届け役&仲人として少し離れた場所に席を用意して出席していた。

 月と紫苑もあいつらの好みを熟知してるからこの子達をチョイスし、

事前にあいつらの事を売り込んでくれていたらしい。

 兄ぃも追っかけも尻好きも兄者も弟者も、緊張しつつも幸せそうな顔で相手に話しかけ、

女の子達も笑顔で返している。

 インテリも話しかけてはいるが………と言うか、熱く語っていて相手の女の子が完全にドン引きしている。

 何話してんだあいつは?

 

 

 

 お見合いが終わり、俺たちは別室で北郷親衛隊の面々に話を聞いてみる。

 

「「「どうだった、今回の子達は?」」」

 

 俺たちの質問に先ずは兄ぃが返答した。

 

「はい、実に素晴らしい女の子でした。お嬢様…いえ、董夫人と黄忠将軍に感謝の言葉もありません♪」

「「「兄ぃの相手は申耽ちゃんだったな。」」」

「ええ♪いやあ、メイド隊で働いているので何度か見かけて良い子だなぁとは思っていたんですよ♪」

「「「なんだよ、しっかり目を付けてたんじゃないか♪それじゃあ尻好きも張承ちゃんの事知ってたのか?」」」

「北郷様、俺が孫呉出身なの忘れてませんか?あの張昭様のご息女ですよ!メイド隊に入った時から知ってますよ。」

 尻好きの言葉に赤が首を捻った。

「え?そうなの?俺は昨日名簿を見せてもらうまで知らなかったんだけど、

って言うか張昭さんに娘さんが居たの昨日まで知らなかったぞ!」

 

 俺と紫が知らないのは仕方ないのかも知れないけど、赤が知らないってどういう事だ?

 

「それはまあ………何と言うか………それよりも俺、あの子と結婚したら張昭様が義理の母親になっちゃうんですよ!

い、いいんですかね?」

「「「月と紫苑が皇帝の親衛隊なら地位に問題は無いって言ってた………なにお前?

結婚を意識するくらいあの子の事を気に入ったの?」

「そりゃあもう!孫権様に勝るとも劣らないあのお尻♪やっぱり孫呉の女の子はお尻の発育が違いますよ♪」

 

 確かに良いお尻してたな。こいつにとってはそれが全てだし、お尻の為なら多少の苦労は我慢出来るだろ。

 

「「「追っかけはどうだ?楊阜ちゃんは俺たちも丞相室で会うんだけど………お前、あの子の話に付いて行けんの?」

「それがっスね、北郷様!あの子もシスターズのファンなんっスよ♪」

「「「えっ!?あの子が!?真面目でお堅い雰囲気で稟に似てるのに、

………あ、もしかして楊阜ちゃんも人和ファンなのか!?」」」

「そうっス♪おかげで話が盛り上がったっスよ♪」

 

 俺が見かける時はいつも稟と一緒だったから似た師弟コンビだと思ってたけど、

楊阜ちゃんは確かに人和にも雰囲気が似てる。

 人和と同じメガネを掛けてるし。

 

「実は次のシスターズのライブは一緒に行く約束をしったっスよ♪」

「「「なにいっ!!もうそこまで仲良くなったのか!?」」」

 

 むむむ!こいつもやるようになったな。

 次は兄者と弟者だが…………。

 

「「「なあ、兄者と弟者は」」」

 

「「あのおっぱいは最高ですっ!!」」

 

「「「………………………ああ、そう…………」」」

 

 もう、理屈抜きかよ。

 愛紗や雪蓮レベルのおっぱいだもんな。

 こいつらにはそれが重要か………。

 むしろ問題なのはインテリの方か。

 

「「「なあ、インテリ…………」」」

「ええ、分かってますよ、北郷様。私は断られるでしょうね。」

「「「そ、そうか…………で、お前は相手の子に何を話してたんだ?」」」

「そうですねぇ……あの子から子供が好きだという話題が出まして。」

 

 なっ!いきなり地雷原に突入したのか、あの子!!

 

「「「姫様方の素晴らしさを一人ずつ丁寧に説明していたら、あの子の顔が引きつった笑顔になりまして。

何がいけなかったのでしょう?」

 

「「「お前が俺の子供達を守ってくれてるのはよく解ってる…………

これからも出来るだけ遠くから守ってくれ。一里くらい離れた所から。」」」

 

「お任せ下さい♪姫様方はこのインテリが守ってご覧に入れます!」

 

 俺たちとしてはこいつを一番にどうにかしたいんだけど、

ホント、どうしたもんかな…………。

 

 

 

本城 会議室

【紫苑turn】

 

 ご主人さまが男性陣を別室に連れて行かれた後、わたくしと月ちゃんは女の子達から相手の感想を教えてもらっている。

 ただ、寇封さんのお相手に選んだ女の子は早くも断りを告げて帰ってしまっていた。

 

「菫花ちゃんは牛輔さんをどう思いました?」

「はい、とても紳士的でお優しい方でした。とても男らしく……その、私を引っ張って行って下さる方と思いました♪」

 菫花ちゃんの笑顔に月ちゃんも微笑み返す。

「牛輔さんは昔から私に仕え、守ってくれた人です。よろしくお願いしますね♪」

 

「真珠ちゃんはどうかしら?」

「はい、わたくしもこの縁談、お受けしたいと思います。

宋謙殿は孫呉の男性で一番の出世頭。その英雄の妻となる事が出来るのですから異存はございません。

ただ、お会いするまでは陛下の御付になったあだ名が気になっておりました。

わたくしもその………お尻が大きい事を気にしていましたから………

ですが、宋謙殿が蓮華様と同じくらい美しいと仰言ってくださいました。

あの方の下でなら劣等感を誇りに変えられると自信がつきましたわ♪」

 

 わたくしは少し冷や汗が出ましたが、真珠ちゃんが幸せになれるなら良い事だと納得しました。

 

「門風ちゃんは?同じ曹魏の波才さんだけど、印象は変わったかしら?」

 

「そうですね………私にとって波才殿は北郷親衛隊としてよりも、

数え役満☆シスターズのファン倶楽部会長としてのお姿の方をよく知っていました。

子供の頃から客席の最前列で声援を贈りファンを統率する波才殿を凄い人だなと思っていました。

今日はシスターズのお話がたくさん出来て、あの時の気持ちが更に強くなりました♪

これからは波才殿と一緒にシスターズを応援して行きたいと思います♪」

 

「そ、そう…………頑張ってね…………」

 夫婦で同じ趣味が有るのは素敵な事……………よね。

 

「雲雀ちゃんと豹牙ちゃんは?」

 わたくしが問いかけると、まず豹牙ちゃんが答えてくれました。

 

「はい、私も子供の頃から呂曠殿と呂翔殿の事を知っていました。

私も元は袁家の兵でしたし、白馬の戦いが初陣でその時から………。

私が春蘭さまに一発で吹っ飛ばされたその時、助けてくれたのが呂曠殿でした。

私に休むように言った後、呂翔殿と一緒に大金鎚を振りかざして敵陣に走って行く姿は今も鮮明に覚えています。

その後すぐに、お二人も春蘭さまに吹っ飛ばされてましたけど♪

戦の後で私は華琳様の軍に編入されて今に至るのですが、

数年前の龍退治の英雄の中に呂曠殿と呂翔殿がいた事に驚きました。

白馬で私を助けてくれた様に、都の民の為に龍の肉を獲ってくる、優しい心が変わっていないのが嬉しかったですし、

龍を退治出来るくらい強くなっていた事が何だか嬉しかったです。」

 

 豹牙ちゃんの話に雲雀ちゃんも楽しそうに加わって来ました。

「あの頃の豹牙は私にこの話を何度もしていましたね♪おかげで私も興味が出てきまして♪

貂蝉様と卑弥呼様に鍛えられて、更に頑丈になったみたいですし、あれなら多少手荒に扱っても壊れないでしょうね。あっはっはっは♪」

 

「雲雀ちゃん、そんな理由でいいの?それにやりすぎると嫌われてしまうわよ。」

 

「ちゃんと飴と鞭は使い分けますよ。さっき話していた時も私の胸にばかり目を奪われていましたから……

私も真珠と同じで女としての自信が取り戻せましたよ♪」

 

「それって、やっぱり華佗さんとの事よね………」

「ごめんなさい、みんなを華佗さんにけしかけておきながら………」

 

 わたくしと月ちゃんは頭を下げた。

 

「紫苑様!月様!お顔を上げて下さい!」

「そうですよ!我々五人も誰が華佗先生を振り向かせられるかと、悪乗りした所が有りましたから………」

 

「でも………みんな、華佗さんの事を好きだったのは本当でしょう?」

 

「そうですね………人間性は非の打ち所が無いですし……」

「何よりも顔が良いですから♪」

「でもただ一つの問題が、『男』として接してくれた事が一度も無かった事ですね。」

「恥ずかしいのを我慢して、色々と迫ってみたのですけどね♪」

「あれは本当に、自分の女としての自信を打ち砕かれたわ………」

 

 五人には辛い思いをさせてしまったわ…………そのお詫びとしても、このお見合いは成功させたかった。

 そして、ここまで来ればこの五人は大丈夫でしょう。

 

 残る問題は寇封さんひとりね…………。

 

 

 

【兄ぃturn】

 お見合いからトントン拍子に話が進み、ひと月後にはインテリを除いた五人が合同で結婚式を執り行った。

 そして現在、新婚ホヤホヤの我ら五人は甘い時間を新妻と過ごしている。

 

「あの…あなた♪今日のお戻りのご予定は?」

 

 頬を赤らめて恥ずかしそうに訊いてくるこの可愛い女の子が自分の奥さんなのだと思うと、

今にも叫び出して全力疾走したくなってくる!!

 しかし、私は理性で押さえ込み、落ち着いた態度で彼女に答える。

 

「定刻には上がれると思うから、昨日と同じ時間には戻る。」

 

「あ、あの………寂しいですから……少しでも早く帰って来て下さいね……」

 

 上目使いでこんな事を言われて落ち着いていられる男がいるか!?いや!絶対に居ないっ!!

 

「わかったっ!菫花っ!!仕事が終わったら全速力で帰ってこようっ!!」

 

 自分の奥さんとなった女の子の真名を呼べるこの快感っ!!世界が途轍もなく明るいぞっ♪

 

 

【尻好きturn】

 屋敷の門の前まで真珠が見送りに来てくれていた。

 俺は真珠が作ってくれた弁当の包みを手に提げる。

 

「それじゃあ行ってくる。出来るだけ早く帰るからね♪」

 

「もう、その前に忘れ物!」

 

「ん?弁当は持ったけど…………」

 

「いってらっしゃいの、く・ち・づ・け♡」

 

 ふおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!

 こ、これが伝説の『いってらっしゃいのチュー』というやつかあああああああああああっ!!

 

 俺は今まさに伝説の具現者となり、城に向かって足を一歩踏み出した!

 でも名残惜しいので真珠の姿が見える様に、後ろ向きのままで全力疾走をした。

 

 

【追っかけturn】

 俺と門風は婚約していた頃から一緒に参内するようになったっス。

 婚約中はお互いを意識して会話が途切れたり、緊張して声が大きくなったりしてたっスが、

結婚してからは手をつないでお城に向かう毎日っス♪

 手をつないでいると会話をしていなくても不思議と心が落ち着くっス。

 

 これって…………心が通じ合っちゃってるんスかねぇ♪

 

「あのぅ………」

 

 門風が握る手の力を強めて俺の顔を覗き込む様に見上げてきたっス!

 

「門風、どうしたんスか?」

 

「今日は冷えますので………腕を組んでもよろしいですか?」

 

 

うっひょおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!

 

 

 北郷様ですら『手をつないでの登校なんて、子供の頃に妹と数回しただけだぞ』って言ってたのに、

う、う、う、腕を組んでの参内っスよ!!

 

 俺は北郷様を超えたっスよおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!

 

 

【兄者turn】

 今日も参内前に朝の鍛錬を行っている。

 俺と弟者は同じ敷地内にそれぞれ家を建てているので、朝の鍛錬は一緒にやるのが常だ。

 そして今はお互いの新妻も一緒に、四人で鍛錬を行う様になっていた。

 俺の妻の雲雀と弟者の妻の豹牙は親友で、この二人もずっと一緒に鍛錬をしていたそうだ。

 今朝も雲雀と豹牙は斬り結んでの鍛錬を行っている。

 

「ほらほら!どうした雲雀!ご自慢の大斧が今日は冴えないじゃないの!?

『負けずの徐晃』の名が泣くよ!」

 

「そう言う豹牙だって槍捌きが鈍いんじゃない!?腰に力が入ってないよっ!!」

 

 俺と弟者は自分の鍛錬をそっちのけで二人に見入っていた。

 

 魅惑の果実がぶるんぶるんと暴れる姿にっ!

 

「結婚して良かったな、弟者♪」

「まったくだ、兄者♪」

 

 俺達は今!人生の素晴らしさを噛み締めているっ!!

 

 

「雲雀!あんた閨で頑張りすぎなんだよ!こっちにまで声が聞こえてくるよ!」

「何言ってんの!豹牙の声だってこっちまで聞こえてるわよっ!子作りだって豹牙に負けないんだからねっ!」

「やっぱりそんな事考えてたんだね!でもこの勝負は譲らないよ♪」

「私だってっ!!」

 

 

「あ、兄者………よ、夜が待ち遠しいな………」

「そ、そうだな…………お、弟者………」

 

 

 

二ヶ月後

皇帝執務室

【緑一刀turn】

 桃の花が咲き始めた頃。

 音々さんが懐妊して、ねねから久々にちんきゅーキックを喰らったりしていた。

 俺たちはこんな感じで通常運転だったが、北郷親衛隊の新婚五人組は…………。

 

「「「お前ら何かやつれてね?」」」

 

 全員の頬が痩けて目の下の隈が濃い。

 ただひとり独身のインテリは溜息を吐いてヤレヤレと呆れていた。

「北郷様、幸せ痩せというヤツですよ。はぁ…これだから『りあ充』は…」

 

「「「「「お前にこの辛さを教えてやりたいよっ!!」」」」」

 

 五人はインテリにツッコミを入れた後、へなへなとその場に座り込んでしまった。

「「「なに?マジでアッチの所為なの?」」」

 俺たちの問いかけに兄ぃがなんとか顔を上げてくれた。

「は、はい…奥さん達は誰が一番に懐妊するか競っているらしく………」

 う~ん、徐晃と張郃は肉食系って感じだから解からんでもないが、

文官系の三人もか……穏ほどでは無いと思うが、それでも過去の自分を見る思いだ。

 

「「「よし!お前たちに良い物をやろう!」」」

 

 俺たちは戸棚から『夜菓子』の入った箱を取り出した。

「何ですか、これ?」

「「「薬膳の携行食みたいな物だ。滋養強壮、疲労回復、精力補給に効果抜群。

俺たちがいざという時に使う最終兵器だ!」」」

 

「「「「「おお!スゴイ説得力があるっ!!」」」」」

 

 取り敢えず一個ずつ食べさせると立ち上がれるまでに回復した。

「「「ひと箱ずつあげるから持って帰れ。それと売ってる店も教えるから、後は各自で調達する様に。」」」

 五人は手に箱を持って安堵の息を漏らした。

「俺ら嫁さんひとりでもこんな状態なのに、北郷様って本当に凄い人ですね。」

「「「そうか…………お前らも解ってくれたか…………」」」

「そう言えば嫁さん達、将軍方や軍師の方々に相談してるみたいっス。」

「「雲雀と豹牙が今日は荀彧様にご挨拶してくると言っていたな。」」

「うちの真珠も孫策様と孫尚香様に会いに行くと………」

 

 場の空気がどんどん重たくなってくる………。

 

「「「死ぬなよ…………お前ら………」」」

 

 俺たちに贈れるのはこんな言葉だけだった。

 

 

 

そして更に三ヶ月後

【兄ぃturn】

 初夏の朝日が黄色く見える。

 太陽ってこんな色だっただろうか?

 

「あなた。今日のお戻りのご予定は?」

 

 頬をツヤツヤと輝かせた菫花が艶かしく聞いてくる。

 今にも逃げ出しそうになる足を私は理性で押さえ込み、冷や汗を流しながら彼女に答える。

 

「て、定刻には上がれると思う………もしかしたら定刻前に将軍方に追い出されるかも………」

 

「まあ♪では、少しでも早く帰って来て下さいね♡」

 

 満面の笑みの後ろに、獲物を狙う獣の影が見えた気がした………。

 

「わかった、菫花。仕事が終わったらまっすぐ帰る…………」

 

「いつぞやみたいにどこかで寄り道したら許しませんよ♪」

 

 目が…………目が笑って無い…………。

 

 

【尻好きturn】

 屋敷の門の前まで真珠が見送りに来てくれていた。

 俺は真珠が作ってくれた弁当の包みを手に提げる。

 ズッシリ重たい弁当箱の中身は、昨日と同じネバネバ系で埋め尽くされているに違いない。

 

「そ、それじゃあ行ってきます……」

 

「もう、その前に♪」

 

 毎朝の儀式となった口づけをする。

 一緒に暮らして気が付いたが、真珠は独占欲が強い子だった。

 昔の孫尚香様が可愛く思えるくらいに。

 この口づけも孫尚香様から教えられた、男を縛る為の技のひとつらしい。

 こんな所はいじましくて可愛いとは思うが。

 どうも俺達の嫁さんは全員独占欲が強いらしく、北郷様になびかなかった理由もその為だ。

 

「ふぅ…他の女の人に目を奪われたら許さないんだから。」

 

 そう言って俺の手を自分のお尻に持ってくる。

 昨日の夜、あれだけ地獄を味わったというのに、これだけで下半身が疼き始めた。

 ううっ!やっぱり可愛いなあっ!!

 

「思春殿と明命殿に監視をお願いしてますから、誤魔化してもダメですよ♪」

 

 …………………………………やっぱ怖えぇ………。

 

 

【追っかけturn】

 今日も門風と一緒に参内してるっス…………。

 もちろん手をつないで………と言うか、引き摺られる様に引っ張られて。

 

「おはようございます、楊阜様!今日も仲が良くてお熱いですねぇ♪」

 

 すっかりお馴染みになった街のオバチャンに冷やかされたっス。

 

「いえ♪この人、私よりも年上なのに目を離すと子供みたいにどこか行っちゃうものですから♪」

 

 二か月前にシスターズの新商品の売れ行きを確認しに行っただけなのに、この仕打ちっス………。

 

 門風が腕を絡めて俺の顔を覗き込む様に見上げてきたっス!

 薄着になった門風のおっぱいが腕に押し付けられてえええええええ!

 

「め、門風………ど、どうしたんスか?」

 

「今度あんな事したら、首輪を付けて縄で引っ張りますよ♪」

 

うっひいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいっ!!

 

 北郷様ですら足を踏み入れてない領域にっ!!

 

 こんな北郷様の超え方は嫌っスよおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!

 

 

【弟者turn】

 今日も参内前に朝の鍛錬を行っている………豹牙と雲雀が………。

 俺と兄者は庭の端でそれを見ながら一緒にモソモソと夜菓子を食っていた。

 

「今日も調子が良いじゃない、豹牙!『不死身の張郃』がいよいよ本調子って感じ!?」

 

「そう言う雲雀も肌の艶がいいわね!!昨晩頑張ってたお陰かなぁ♪」

 

「それは豹牙、あんただって同じじゃない♪」

 

 おかげで俺と兄者はカサカサだ。

 だが、今食べている夜菓子の効果。

 そして上半身裸で行われている鍛錬を見ていると、股間に元気が戻って来る。

 魅惑の果実が剥き身でぶるんぶるんと暴れる姿はまさに桃源郷のようだ。

 

「なあ兄者。」

「なんだ弟者。」

「結婚は人生の墓場と言うのを聞いた事が無いか?」

「有るな。」

「俺は墓場の向こうの極楽と地獄を瞬間移動で往復している気がするぞ………」

「それは俺もだ、弟者………」

 

 俺達は嫁さんひとりでこの状態なのに………北郷様って本当に化物、いや、神なのかも知れない。

 

「雲雀、今日は桔梗様に房中術を教わりに行かないか?」

「その前に桂花様へお供えをしないとね♪」

 

 今夜もまた搾り取られるのか…………。

 以前、北郷様から聞いた天の秘薬『恵媚牡』が欲しい…………。

 

 

数日後

皇帝執務室

【緑一刀turn】

 

「「「みんな、さっきの謁見の間での菅輅の予言は聞いていたな。」」」

 

 俺たちの前に北郷親衛隊の六人が並んでいる。

 既婚者五人はゾンビか操り人形みたいになっていて、見ているのも辛い。

 俺たちの奥さん達が五人の新妻の為に親身になって知識を授けた結果だと思うと、

責任を感じてしまう。

 

「「「天から降りて来るのは多分俺たちの妹だと思う。名前は北郷二刃だ。

場所はこの房都近辺だと言っていたが、何時かが判らない。

お前たちにはそれぞれ隊を与えるので、房都周囲を警戒し、流星の飛来が有ったら即座に駆けつけて貰いたい。」」」

 

「はい!畏まりました!」

 

 力強く返事をしたのはインテリだけ。

 残りの五人は赤べこみたいにカクカクと首を縦に振るだけだった。

 

「「「夜に来る可能性も有るので、巡回は三交代で行う事になる。」」」

 

「「「「「夜の巡回をやらせてくださいっ!!」」」」」

 

 瞬時に生き返ったな…………まあ、そのつもりでこの話をしたんだからな。

 

「「「安心してくれ!俺たちの権限で必ずねじ込んでやるから。

但し、毎日とは行かないぞ。一日置きか頑張っても三日の内二日が限界だと思ってくれ。」」」

 

「「「「「負担が今の半分になるだけでも有難いですっ!!」」」」」

 

 

 こうして、二刃がやって来るまでの三ヶ月で五人の体調は元に戻る事が出来た。

 結果として二刃は、この世界に現れる前から五人の命を救ったのだった。

 

 

 

三年半後

劉封・孟達新居

【インテリturn】

 

「孟達さん、いえ、太白さん。是非あなたに贈りたい服が有るのですが着ていただけますか?」

 

 北郷様たちを始め、色々な方々の助力で太白さんと結婚出来ました。

 そして、こんな私に嫁いでくれた太白さんにもお礼をしなければ罰が当たるというものです。

 

「え?わたしに服を!?………ちょ、ちょっと照れるなぁ♪」

 

「結婚してくれた太白さんへの感謝の気持ちです。さあ、これをっ!」

 

 私は一着の服を掲げて見せた。

 

「こ、これって!朱里様と雛里様が着られてるのと同じ物じゃないか!

そんなの恐れ多くて着れないって!」

 

「大丈夫!北郷様たちの許可は頂いています!それにこれは水鏡女学院の制服ですから

丞相様の服と限った物ではありません!!」

 

 服屋の親父さんに無理を言って手に入れた逸品です。

 

「許可が出てるなら………着てみてもいいかな♪」

 

 ふふふ、太白さんが諸葛亮さまに憧れているのは知っています。

 こうして切っ掛けをあげれば、今までの我慢を止めて着てくれるでしょう♪

 

「おお、そうだ!こちらの服もどうですか?」

 

 私はもう一着取り出して掲げて見せる。

 

「お、おい!それって二刃様や姫様方の着ている天の国の………」

「ええ、学園の制服ですが、こちらも許可は頂いております♪」

 

「天の国の衣かぁ………これもいいなぁ♪」

 

「そうそう、こちらを着るならこの赤い『らんどせる』という鞄も背負ってくれませんか?」

 

「姫様方がお持ちの物と同じじゃないか!…………本当にわたしなんかが身に付けていいのか!?」

 

「ですから許可は頂いていますって♪おっと、そうだ♪

この『らんどせる』はこちらの体操着と合わせるという手も有りますよ♪」

 

「その体操服も朱里様と雛里様が着られていた…………ま、迷うなぁ…………」

 

 三着の服を前に悩んでいる太白さんが可愛いですねぇ♪

 どれを選んでも、私には至福です♪

 

「それでは順番に着替えてみませんか♪」

 

 ああ♪結婚して本当に良かった♪

 

 

 

 

 

あとがき

 

 

リア充爆発しろ

 

…………すいません、つい本音が…………。

 

『本編』

今回は趣向を変えて、璃々が初めての親友の為に頑張る話にしようと考えて書き始めました。

結果は読んで頂いた通りです。

親友だからこそ、二刃に成長して欲しいと取った作戦ですが、かなりスパルタですね。

 

 

『北郷二刃奮闘記』

白蓮と斗詩が苦労人なのは、それだけ気が回る人だからではないでしょうか?

普通に結婚していれば、良妻賢母の素敵な奥さんになっていたと思うんですがねぇ。

 

 

『聖刀くんの日常』

今までとは変わって桂花中心でやってみました。

桂花は壊れかけ、眞琳はその本性が開花し始め、一刀はとばっちりw

紫苑も璃々の高齢出産発言には我慢出来ても、『垂れる』はNGだった様です。

 

 

『おまけ参:北郷親衛隊の結婚生活』

奥さん達には本編とこちらで活躍してもらいました。

今後は二刃と仲良くなって行く予定ですので登場回数が増えると思います。

 

そして孟達…………ランドセルの持つ意味を知ったら、インテリはどうなってしまうのでしょうw

 

 

《次回のお話》

 

特別ルールにより『スーパーメンマタイム』がおまけ弐で一位を取りましたので、

次回は

☆星②  2票

 

【北郷二刃奮闘記】

スーパーメンマタイム 7票

【聖刀くんの日常】

スーパーメンマタイム 7票

【おまけ参】

スーパーメンマタイム 7票

 

を、お送りいたします。

 

※『里帰り』最終回の袁家編は次々回に繰り越しとなります。

※『天の国講座』は『里帰り』終了後に続けます。

 

《現在の得票数》

愛紗②  39票

華琳③  38票 (華琳「が」イチャコラしちゃう話)

翠②   32票

雪蓮②  32票

小蓮②  26票

ニャン蛮②25票

音々音② 25票

秋蘭②  20票

桃香②  12票

音々②  12票

蓮華②  11票

冥琳②  10票

季衣②  8票

月②   8票

炙叉②  6票

桂花③  6票

風②   5票

真桜②  4票

紫苑③  4票

鈴々③  4票

凪②   2票

璃々③  2票

詠②   1票

沙和②  1票

二喬②  1票

 

【北郷二刃奮闘記】

華蝶連者 9票

蜀の子供とお風呂 7票

呉の子供とお風呂 7票

妹―ク 6票

真桜のからくり話其の二 4票

いい大人になるための漢女☆講座~女の子編~ 4票

璃々や小蓮ら年代が近い者たちのガールズトーク 4票

 

【聖刀くんの日常】

眞琳   5票

いい大人になるための漢女☆講座~男の子編~ 4票

螢    4票

魏のメンツで魚釣り 3票

黄乱   3票

炙叉   3票

北郷親衛隊とその子供達② 2票

昴    2票

聖刀さま♥親衛隊 2票

 

【おまけ参】

里帰り&お墓参り[袁家組] 14票

天の国講座 9票

流琉母娘他による料理教室 8票

騎乗訓練その後 7票

親子鍛錬(五虎将編)7票

超英雄大戦(華蝶連者×サン・アルジオン×見捨てない人)7票

紫苑、璃々、音々+子供によるキノコ狩り 5票

いい大人になるための漢女☆講座~ご主人様編~ 4票

「男装喫茶」へようこそ 3票

眞琳と蓮紅と香斗の街で「はじめてのおつかい」 2票

 

リクエスト参戦順番→冥琳② 風② 雪蓮② 凪② 小蓮② 翠② ニャン蛮族② 音々音② 月② 星② 璃々② 華琳③ 詠② 愛紗② 沙和② 秋蘭② 桃香② 蓮華② 音々② 季衣② 炙叉② 桂花③ 真桜② 二喬② 紫苑③ 鈴々③ 璃々③

 

おまけ壱リクエスト参戦順番→スーパーメンマタイム 蜀の子供とお風呂 呉の子供とお風呂 華蝶連者 斗詩+白蓮 真桜のからくり話其の二 いい大人になるための漢女☆講座~女の子編~ 璃々や小蓮ら年代が近い者たちのガールズトーク

 

おまけ弐リクエスト参戦順番→桂花 眞琳 いい大人になるための漢女☆講座~男の子編~ 魏のメンツで魚釣 黄乱 螢 炙叉 北郷親衛隊とその子供達② 昴 聖刀さま♥親衛隊 

 

おまけ参リクエスト参戦順番→里帰り&お墓参り 天の国講座 料理教室 騎乗訓練その後 親子鍛錬(五虎将編) 北郷親衛隊の結婚生活  超英雄大戦 紫苑、璃々、音々+子供によるキノコ狩り いい大人になるための漢女☆講座~ご主人様編~ 眞琳と蓮紅と香斗の街で「はじめてのおつかい」 「男装喫茶」へようこそ

 

 

子供達一覧

1)華琳の長女 曹沖(そうちゅう) 眞琳(まりん)

2)桃香の長女 劉禅(りゅうぜん) 香斗(かと)

3)蓮華の長女 孫登(そんとう) 蓮紅(れんほん)

4)思春の長女 甘述(かんじゅつ) 烈夏(れっか)

5)愛紗の長女 関平(かんぺい) 愛羅(あいら)

6)風の長女 程武(ていぶ) 嵐(らん)

7)桂花の長女 荀惲(じゅんうん)金桂(きんけい)

8)雪蓮の長女 孫紹(そんしょう) 冰蓮(ぴんれん)

9)冥琳の長女 周循(しゅうじゅん) 冥龍(めいろん)

10)祭の長女 黄柄(こうへい) 宴(えん)

11)恋の長女 呂刃(りょじん) 恋々(れんれん)

12)紫苑の次女 黃仁(こうじん) 露柴(ろぜ)

13)紫苑の三女 黃信(こうしん) 崔莉(ちぇり)

14)蒲公英の長女 馬援(ばえん) 向日葵(ひまわり)

15)翠の長女 馬秋(ばしゅう) 疾(しつ)

16)麗羽の長女 袁譚(えんたん) 揚羽(あげは)

17)桔梗の長女 厳逹(げんたつ) 竜胆(りんどう)

18)凪の長女 楽綝(がくりん) 濤(なみ)

19)七乃の長女 張路(ちょうろ) 八倻(やや)

20)天和の長女 張甲(ちょうこう) 九蓮(ちゅうれん)

21)地和の長女 張大(ちょうだい) 四喜(すーしー)

22)人和の長女 張吉(ちょうきつ) 一色(いーそー)

23)炙叉の長女 迷当(めいとう) 直(なお)

24)白蓮の長女 公孫続(こうそんしょく) 白煌(ぱいふぁん)

25)秋蘭の長女 夏侯衡(かこうこう) 鈴蘭(すずらん)

26)月の長女 董擢(とうてき) 春姫(るな)

27)美以の長女 孟節(もうせつ) 花鬘(かまん)

28)トラの長女 ベンガル

29)ミケの長女 マンクス

30)シャムの長女 ペルシャ

31)桂花の次女 荀俁(じゅんぐ) 銀桂(ぎんけい)

32)朱里の長女 諸葛瞻(しょかつせん)龍里(るり)

33)雛里の長女 龐宏(ほうこう)藍里(あいり)

34)詠の長女 賈穆(かぼく) 訓(くん) 

35)焔耶の長女 魏覚(ぎがく) 焔香(えんか)

36)春蘭の長女 夏侯充(かこうじゅう) 光琳(こうりん)

37)星の長女 趙統(ちょうとう) 螢(けい)

38)大喬の長女 喬櫂(きょうかい) 愛(あい)

39)小喬の長女 喬順(きょうじゅん) 華(か)

40)亞莎の長女 呂琮(りょそう) 茜(ちぇん)

41)明命の長女 周邵(しゅうしょう) 藍華(らんふぁ)

42)華雄の長女 華剛(かごう) 树莓(しゅうめい)

43)桂花の三女 荀詵(じゅんしん) 丹桂(たんけい)

44)霞の長女 張虎(ちょうこ) 雰(ふぇん)

45)沙和の長女 于圭(うけい) 紗那(さな)

46)斗詩の長女 顔教(がんきょう) 升謌(しょうか)

47)真桜の長女 李禎(りてい) 真梫(ましん)

48)桂花の四女 荀顗(じゅんぎ) 連翹(れんぎょう)

49)猪々子の長女 文獬(ぶんかい) 虎々(ふーふー)

50)稟の長女  郭奕(かくえき) 貞(てい)

51)穏の長女  陸延(りくえん) 毬(ちう)

52)鈴々の長女 張苞(ちょうほう) 爛々(らんらん)

53)流琉の長女 典満(てんまん) 枦炉(ろろ)

54)桂花の五女 荀粲(じゅんさん) 黄梅(おうめい)

55)小蓮の長女 孫仁(そんじん) 蕾蓮(らいれん)

56)音々音の長女 陳守(ちんじゅ) 音音(ねおん)

57)季衣の長女 許儀(きょぎ) 華衣(かい)

58)美羽の長女 袁燿(えんよう) 優羽(ゆう)

59)桂花の六女 荀淑(じゅんしゅく) 來羅(らいら)

60)音々の次女 陳修(ちんしゅう) 音肆(おとよ)

61)華琳の長男 北郷聖刀(まさと) 輝琳(きりん)

62)桂花の七女 荀倹(じゅんけん) 柊(しゅう)

63)璃々の長女 黄慮(こうりょ) 牡丹(ぼたん)

64)思春の次女 甘瓌(かんかい) 燃秋(ぜんしゅう)

65)紫苑の四女 黄薛(こうせつ) 紅葉(もみじ)

66)管輅の長女 管辰(かんしん) 辯天(べんてん)

67)鈴々の次女 張紹(ちょうしょう)

A)桂花の八女 荀靖(じゅんせい) 茉莉花(まりふぁ)

B)桂花の九女 荀燾(じゅんとう) 寿丹(じゅたん)

C)桂花の十女 荀爽(じゅんそう) 秦翹(しんぎょう)

D)桂花の十一女 荀粛(じゅんしゅく) 金鐘(きんしょう)

E)桂花の十二女 荀旉(じゅんふ) 橄欖(かんらん)

 

インテリ⇒寇封(劉封) 嫁⇒孟達 真名:太白(たいはく)息子⇒孟興 真名:昴(こう) 

追っかけ⇒波才 嫁⇒楊阜 真名:門風(メンフォン)娘⇒楊豹 真名:和了(ほうら)

尻好き⇒宋謙 嫁⇒張承 真名:真珠(しんじゅ)娘⇒張休 真名:珊瑚(さんご) 

董の兄ぃ⇒牛輔 嫁⇒申耽 真名:菫花(きんふぁ) 娘⇒申儀 真名:朔(さく) 

兄者⇒呂曠 嫁⇒徐晃 真名:雲雀(ひばり)娘⇒徐蓋 真名:朱雀(すざく) 

弟者⇒呂翔 嫁⇒張郃 真名:豹牙(ひょうが)娘⇒張雄 真名:白虎(びゃっこ)

 

引き続き、皆様からのリクエストを募集しております。

1・メインヒロインとなるキャラをご応募下さい。

2・『北郷二刃奮闘記』で二刃と絡むキャラを募集しています。

 例:「二刃視点で貧乳党」  という感じでお願いします。

3・『聖刀くんの日常』で聖刀と絡むキャラを募集しています。

 例:「聖刀視点で三羽烏」  という感じでお願いします。

4・おまけ参でのメインとなる子供達を募集しています。

 シチュエーションのリクエストも大歓迎です。

以上の四点にリクエストの集計(TINAMI、Pixiv双方の合計)を振り分けますので、

よろしくお願いいたします。

今まで通り、リクエストに制限は決めてありません。

何回でも、一度に何人でもご応募いただいて大丈夫です。

 

ここで絵師の皆様へ

この小説『三人の天の御遣い』の挿絵に皆様のイラストを是非お願い致します!

新たに描かれた作品、過去に描かれた作品を問いません。

TINAMI上で挿絵として使用しても良いという方はショートメールにてご連絡下さい。

また、こちらから使用許諾のお願いをさせて頂く事も有ると思いますので、その時はよろしくお願い致します。

お願いしたいイラストは恋姫達は勿論ですが

成長したちびっ子組やオリキャラ達

立ち絵、シーンイラストを問いません。

重ねてお願い致しますm(_ _)m

 

 

ご意見、ご感想、ご指摘などもご座いましたら是非コメントをお寄せ下さい。

誤字脱字は雷起の反省を促す為、修正後も抜粋して晒しますw

 

今回のマヌケ晒し

 

三年半後

劉邦・孟達新居

【インテリturn】

 

 


 
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