No.663955

美希「マージャン?」真「マージャンかあ」P「やってみるか?」  第3話中編

shuyaさん

美希・亜美・真美が麻雀ゲームをしたらどうなるのでしょうか。


注1:『一』は一マン、『1』は一ソウ、『(1)』は一ピンです

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2014-02-16 21:28:39 投稿 / 全2ページ    総閲覧数:581   閲覧ユーザー数:575

P「で、今は美希がやっているのか」

 

美希「あ、ハニー!ミキね、マージャン得意かもしれない!」

 

P「得意?ってことは、勝ってるのか!すごいな……美希にはまだ、何も教えていないのに」

 

美希「よくわかんないけど……でも、なんとなくキレイにすればオッケーなの!」

 

P「なるほどな。美希はそういう考え方で麻雀を理解しているのか」

 

真「なんだかよくわからないんですけど、数字が大きい方が勝ちなら美希は勝っていますね。それも、かなり」

 

P「8万点持ちって……美希、ひょっとして麻雀知ってたのか?」

 

美希「ううん、見たのも聞いたのも今日が初めてだよ。けっこうカンタンだね、マージャンって」

 

亜美「ぜんぜん簡単じゃないよっ!亜美たちボロ負けしたんだよ?ミキミキなんで勝てるのさ?!」

 

真美「ゲーマーの真美たちよりも上手いとか、ありえないよっ!」

 

美希「このゲーム、なんかいいね……ほら見て!ミキの手が、すっごくキラキラしてきたっ!!」

 

P『メンチンイッツー……いや、まさか』

 

美希「左と右をおんなじにしたら、もっと面白いかな?」

 

P『おい、いくらゲームだからっていきなりそれは』

 

美希「でーきたっ!ツモなのっ」

 

 

 

 一一一二三四五六七八九九九  ツモ 五

 

 

P『純正九蓮宝燈。フリテンにしてまで無理矢理ツモあがる、か……』

 

美希「うわあ、なんか点数がすっごいね」

 

真「ああ、それこの本に載ってるのと全く同じ形だよ。ほらこれ」

 

亜美「やくまん」

 

真美「これ一番高いやつだよね?」

 

真「親だから48000点だね。16000点オールかな」

 

P「ゲームとはいえ、ちょっと凄すぎるぞ。美希はこれが本当に初めてなんだろ?」

 

美希「そうだよ。それがどうかしたの?」

 

P「俺は、ゲームでも初回で九蓮宝燈をあがったという話は聞いたことがない。麻雀を知らないならなおさらだ」

 

美希「ねえハニー。マージャンってこういうゲームなの?」

 

P「こういう、ってどういうことだ?」

 

美希「自分をキラキラさせれば勝ち、ってゲームなの?」

 

P「うーん……」

 

亜美「何いってんのさ。意味わかんないよ、ミキミキ」

 

真美「アイドルとは違うんだからさー」

 

P「……そうだな。そういう捉え方もできなくはない。でも、否定する人がほとんどだろう」

 

美希「よくわからないの。じゃあ、ハニーは?そういう考え方、嫌い?」

 

P「いや……どうだろうな」

 

美希「……」

 

P「……うん。美希だもんな。美希なら……もしかしたら、その捉え方でもやっていけるのかもしれない」

 

美希「ハニーもそう思うでしょ!ミキ、マージャンでもきっとすっごいキラキラできると思うな!!」

 

P「ただ、常に圧勝を狙うような麻雀を目指すことになる。難しい道のりになるのは間違いない。それでもいいのか?」

 

美希「ミキは自分のやりたいようにやるだけだよ。難しくても、道なんてなくても、ぜんぜんへーきなの!」

 

P「美希らしい、いい答えだ。なら、美希が麻雀を覚えてそのまま成長したら、ものすごい強敵になるかもしれないってことだ」

 

美希「その時を楽しみにしててね、ハニー」

 

P「ああ。楽しみにしているよ」

 

美希「じゃあ、ミキにマージャン教えてほしいな。向こうに用意されてるんでしょ?」

 

P「ああ。会議室に同じく初心者の春香がいるから、同じ練習から始めようか」

 

美希「れんしゅう~?練習よりも実戦の方がよくない?ミキ、レッスンよりも本番で輝くタイプなんだけどな~」

 

P「実戦をやるにはゲームを回せるようにならなきゃいけないんだ。まずはそこから始めていこう」

 

美希「うう……マージャン、けっこうめんどくさいの」

 

 

亜美「行っちゃったねー」

 

真美「行っちゃったよー」

 

真「プロデューサーにやっつけてもらうんじゃなかったの?」

 

亜美「そのつもりだったんだけどね」

 

真美「ミキミキと盛り上がってたから、うっかり忘れちゃったのかなあ」

 

真「あはは。プロデューサーに限って、それは無いと思うけどね」

 

亜美「でも、ミキミキすごかったなあ」

 

真美「真美たちじゃぜんぜん勝てなかったのに」

 

真「プロデューサーも美希から何かを感じ取ったみたいだね。センスがいいんじゃないかな?」

 

亜美「え~!いっつもミキミキばっかりずるいよ~」

 

真美「歌もダンスもできて、おむねもばいんばいんで、しかもまーじゃんもできるなんてずるいずるい!」

 

真「胸は関係ないと思うけど……でも、そうだね。たぶん美希は、物事の本質を掴むのが上手いんだろうね」

 

亜美「ほんしつ?」

 

真美「なあにそれ?」

 

真「うーん、『大事なこと』って意味が近いかな。他の人が道に迷っているのに、美希だけ地図を持っているようなものさ」

 

亜美「やっぱりミキミキずるいじゃん!」

 

真美「一人だけ近道してるんだ!」

 

真「まあ、うん。そうなのかもね。でも、それを言うなら亜美も真美もずるいんじゃないか?」

 

亜美「え、なんで?」

 

真「だって、他の人に比べてずっとかわいいじゃないか。女の子にとって、これほどまでに羨ましいことは他にないだろ?」

 

真美「そりゃあ真美たちはぷりちー&せくちーだけどさ」

 

真「今、二人が美希に感じているものは、他の人が二人に感じている感情だと思う。だから、きっとそういうものなんだよ」

 

亜美「……ごめん、よくわからないかも」

 

真美「でも……うん。そうだね。それ、みんな同じだとつまんないじゃんってことでしょ?」

 

真「ああ、そうとも言えるかもね。まあどうでもいいじゃないか。だって、まだ負けたと決まったわけじゃないだろう?」

 

真美「あ……あったりまえじゃん!ね、亜美」

 

亜美「モチ!ガンガンにやっちゃうよ!ね、真美」

 

真「よーし、その意気だ!マージャンはぜんぜんわからないけど、ボクも一緒に頑張るからさ」

 

亜美「うーん……その一言、いつもならすっごく頼もしいんだけどねー」

 

真美「まこちん、どっちかっていうと肉体派だからさー」

 

真「言ったなあ!じゃあ貸してみろよ。今度はボクがやってやる!」

 

亜美「えー!今は亜美たちの番だよっ」

 

真美「そうだそうだ!今度は絶対に負けないんだかんね!」

 

真「よーし。じゃあじっくりと拝見させてもらうおうか」

 

亜美「任せといてよ!」

 

真美「今度こそ、ぼっこぼこにしちゃうよー!」

 

P「おお、まだ始めてなかったか。間に合ったんなら、やりながら続きを教えていくとしよう」

 

亜美「兄ちゃん!」

 

真美「来てくれたんだね!」

 

真「急にあっち行っちゃったんで、二人とも不安がってましたよ」

 

P「練習の指示出しをしたかったんだよ。美希と春香、どっちが早く上手くなるかで勝負するみたいだぞ」

 

真「ふーん。それって、マージャンの勝負ですか?」

 

P「ん?ああ、当たり前だろ。山を連続で10回積めるようになるのが今日の目標だ」

 

真「……その勝負で何が決まるのやら」

 

P「なんだぼそぼそと。真らしくないぞ」

 

真「いえ、こっちの話です。気にしないでください。それよりプロデューサー、もうゲームが始まっていますよ」

 

P「おっといけない。どれどれ、亜美の打ち筋は……」

 

亜美「いっけえー!チャンタ一直線だあ。キタキタ一マン!」

 

真美「やったよ!後はこの456ソウを切って南と北と8ソウを引くだけだね」

 

亜美「そのくらいこの亜美の力をもってすれば楽勝!」

 

真美「いける……もう勝てる気しかしないよ!」

 

P「コラコラコラコラ~!さっき『三つで一セット』って教えたじゃないか。なんで切り飛ばしちゃってるんだよ」

 

亜美「何を言っとるのだねプロデューサー君!」

 

真美「今はこの本に書いてあるこの手役を狙っているのだよ!」

 

亜美「Do-Daiこの華麗な打ちまわち!!」

 

真美「神SUMMER!!もビックリだね!!」

 

P「すでに俺が吃驚してるよ……よーし。まず『初めの頃は手役を狙わない方がいい』ってことから学んでいこうか」

 

亜美「え?でも、手役がないと点数が高くならないんでしょ?」

 

真美「安い点数をあがっても、結局後から負けちゃうじゃんかー」

 

P「そうか?この間やった765プロの初麻雀じゃ、俺のあがりは最高でも2900点だったんだぞ」

 

亜美「それじゃあボロ負けでしょ?」

 

P「いいや。最後の局であがればトップという2着だった。まあ、リーチまでいって春香にツモられたんだけどな」

 

真美「やっぱ負けてるじゃん!」

 

P「でもマイナス数千点だぞ。今のお前らよりはよっぽどマシだ。麻雀はな、無理に高い手を狙うもんじゃないんだよ」

 

真「空手でも、気合の入った一撃はなかなか入れさせてもらえませんからね」

 

P「そういうことだ。ボクシングでもジャブがあるように、良い手を決めるためにも小さなあがりを大切にしなきゃいけないんだ」

 

亜美「えー!」

 

真美「でもでも、高い手をあがってみんなを”うぎゃー!”って言わせたいよう」

 

P「響の真似か?妙に上手いな」

 

亜美「亜美たちの物まねを舐めちゃいけないですなー」

 

真美「ひびきんのやられボイスは各種完全にマスターしてるよっ!」

 

真「あの謎すぎる手の動きも完璧だなあ」

 

亜美「ひびきんのみりきって、困っている時に最大のパワーを持つかんね」

 

真美「あ。今度さ、ステージの上でひびきん困らせまくって、ファンの兄ちゃんたちをメロメロにするってのどうかな?」

 

P「そういう冗談は響が真に受けるから勘弁してくれよ……後で『自分、そうなのか?』って真剣に聞かれるんだぞ」

 

真「あれ、本当に悲しそうな目をしますもんねえ」

 

P「背が小さいからいつも上目遣いでなあ。たまに目が潤んでたりするから、だいたい無関係の俺さえも心がえぐられる」

 

真「わかります。プロデューサーがいなかったらボクのところにきますからね。正直、かなり胸にきます」

 

P「本当に素直ないい子だからなあ。あのまま真っ直ぐ育ってほしいよ」

 

真「それにさ、二人とも。やられっぷりとか言ってるけど、今なら完全な素人の響の方が強いって可能性もありそうじゃない?」

 

亜美「えー」

 

真美「真美たち、なんにも知らないひびきんにも負けちゃうの?」

 

P「ああ、麻雀にはありがちな話だぞ。麻雀には中途半端な知識を入れると逆に弱くなってしまうって面もある」

 

真「厄介なゲームなんですねえ」

 

P「何しろ学べば学ぶほどに弱くなる理論ってのも、平然と世に出ているくらいだからなあ」

 

亜美「ああっ、また相手にあがられちったよ」

 

真美「なんでだろ。この本が間違ってんのかなあ?」

 

P「だから、まずは三つを揃えろとあれほど……これはもう、酷くならないうちに止めた方がよさそうだな」

 

真「じゃあ、ちょっとボクがやってみますから指示をください。三つを揃えればいいんでしょう?」

 

P「その方がいいかもしれないな。実際に見てもらった方が理解も出来るか。おーい、交代してくれ」

 

亜美「え~!」

 

真美「やだやだ。まだ何にも出来てないもん!」

 

P「だーめーだ。間違ったやり方で癖がついちゃう前に、正しくやったらどうなるかを見ていてくれ」

 

真「正しいって……プロデューサー、ボクは一度もマージャンをやったことないんですよ?」

 

P「あんまりにもマズい時には指示を出すよ。まずは、素直に三つを揃えていってくれ」

 

真「わかりました。じゃあ、やってみます!」

 

 

 


 
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