No.661679

IS 2体の魔神皇帝

HIBIKIさん

やっとこさ戦闘前の下準備が完了しつつある・・・

2014-02-08 20:50:56 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:1123   閲覧ユーザー数:1111

千冬「それで?」

 

束「その本って・・・」

 

一夏「あぁ。ドラコノサウルスのとの戦闘記録。映像以外で残っている数少ない資料だ。

   この中にドラコノサウルスの特徴がいくつか書かれているんだが・・・」

 

束「・・・体内に腐食ガスを溜め込んでいるので飛行船のように浮遊飛行が可能・・・って!?」

 

浮遊飛行可能と知り動揺する束。一夏は溜め息をついて無表情のままその先を読み上げる。

 

一夏「さらにそのガスは非可燃性のものでありたとえ体内の重油などに火が付いても直ぐに鎮火する」

 

千冬「そのような効果もあるのか・・・」

 

千冬も流石に隙がなく困っている。一夏も表情にはあまり出ていないが弱っている。

束はガスの成分表をみて対策を考えている。しかし最終的に場所で困っている。

 

束「でも下手に引火させても場所が・・・」

 

一夏「鈴のISにどうにか出来そうなモノはあったが封印されていたしなぁ・・・」

 

千冬「此処で爆発で倒したとして予想被害地域は?」

 

一夏「凡そ半径75~100Km圏内は壊滅。

   更に原子力潜水艦を取り込んでいるため放射線による被害が出る可能盛大。

   此処は人工島だから移動可能。しかしモノレールは使用不可能になる」

 

千冬「今の内に生徒達を光子力研究所に避難させるよう進言して来る」

 

千冬が部屋を出て行くのとすれ違いで箒達が入ってきた。

 

箒「一夏、一体如何したんだ?」

 

一夏「ドラコノサウルスについて思い出したことがあったから話してた」

 

鈴「どんな感じなの?」

 

一夏は近くにある画面に予想被害エリアを出す。爆発による一次被害だけで半径75kmある。

さらにその衝撃波による2次被害のエリアが半径100~120km圏内。

ライフラインなどの寸断による3時被害は半径150Kmにまで及ぶ。

さらに酷い事に放射線による被曝地域が推定半径130kmとなっている。

放射能物質が爆発の衝撃波と風により飛ばされるので被害は更に大きくなる可能性が高い。

 

セシリア「広すぎますね・・・」

 

一夏「鈴のISのディバイディングドライバーが使えればよそに引き付けて対処できるんだが」

 

鈴「封印されていて使えないって事?」

 

一夏「ドライバー系武装は全てそうだな」

 

束「解除しようとしたけどプロテクトが硬すぎて・・・」

 

ボス「なら如何するんだ?」

 

束「此処は人工島って皆は知ってるよね?」

 

シャル「え?はい。それも移動可能の人工島だって聞いてます」

 

束はそうだよと言ってシャルを撫でて笑う。

 

束「今上がっているプランはこの人工島にドラコノサウルスを引き連れて上陸させ、外洋で倒す。

  これしかないの」

 

清香「放射線被害を抑える為なのは解るんですけど生態系は大丈夫なんですか?」

 

一夏(いや・・・待てよ・・・確か剣造博士が・・・)

 

一夏は放射線被害の単語で何か思い出したようだ。束も一夏の様子を見て同じ事を思い出したようだ。

 

束「あ、一寸思い出したことがあるからいっくんと出かけてくるね」

 

箒「ん?もしかして剣造叔父様の所ですか?」

 

束「そう。叔父さんの科学要塞研究所だよ」

 

箒「なら私も・・・」

 

弾「待ってくれ。箒まで抜けたら移動の際の護衛メンバーが足りなくなっちまう」

 

箒「・・・」

 

箒も流石に迷惑を掛けられないと黙り込んでしまう。

 

束「じゃあ私の変わりに向ってくれる?」

 

箒「ですが・・・」

 

束「之でも清香ちゃんの機体のプロトタイプ持ってるんだよ♪

  これで護衛に一応は参加できるから。ね?」

 

箒は束に礼を言い一夏と共に科学要塞研究所に向った。

千冬は緊急職員会議を開いてこの事を話して生徒達を避難させる事を進言した。

 

千冬「ですので即刻生徒達を光子力研究所に避難させるべきかと・・・」

 

「しかし来ない可能性もあるのでしょう?」

 

暢気な教師が発言するが千冬が睨みつけて黙らせた。

 

学園長「しかし政府の承諾なしで・・・」

 

千冬「学園長、貴方は可愛い生徒達を核かドラコノサウルスで殺すおつもりで?

   此処のシェルターなんぞ奴の前では何の役にも立ちませんよ」

 

千冬のこの一言で言葉に詰まる学園長。彼女は生徒より自分の地位の方が大切らしい。

 

理事長「わかりました。今から準備させれば今日の夕方までには移動準備が出来るでしょう」

 

学園長「理事長!?」

 

千冬「では避難させるという事で?」

 

理事長「えぇ。政府はこの事を知っているでしょうし事後承諾でも何も言わないと思いますから」

 

千冬「では今日の授業を中止し、生徒達に避難準備をさせます」

 

そして職員全員が各々の教室に行き避難準備をするように指示。

一年生の者達は一夏やクラスの代表候補生から話を聞いていて既に準備が出来ており、

即刻一年生達から避難が始まった。代表候補生の居ない3組ですら話を聞いていて準備が出来ていた。

 

清香「ホント皆一夏や束さんの予想には絶大な信頼があるね・・・」

 

束「よく当てていたからね・・・。私と清香ちゃんは2年生の護衛か・・・

  聞かん坊が多そうだ」

 

弾「3年生は色々話を聞いてて準備をそれなりにしてたから午後一番には出発可能だってよ」

 

鈴「あたし達は3年生の護衛手伝いね」

 

セシリア「上級生に交じってですか・・・」

 

簪「一寸緊張する」

 

シャル「じゃあ僕は皆と行く事になってるから。光子力研究所でね」

 

ボス「後でな!」

 

ラウラ「お役に立てず申し訳ありません・・・」

 

マドカ「ん・・・」

 

ボス、ヌケ、ムチャ、ラウラ、シャル、マドカは一年生達と共に移動を開始した。

 

上記6名は荷物はボロットに積んでいる。移動は海は船、陸は研究所の用意したバスである。

ボロットは地上移動だが、ウイングル、マジンガーZは常に上空からの監視を行なう。

一年生達には学園のISを装備させているものが居るのでその護衛である。

ラウラはボロットでボス達が操縦している間周囲の監視を行なう。

 

束「しかしISを装着させて移動させるなんて・・・ちーちゃんも思い切った事を・・・」

 

清香「でも楽に移動できるでしょ?対岸にはIS運搬の為のトラックも居るし・・・」

 

弾「気がかりなのはDrヘルの事ですか?」

 

束「うん・・・でも可能性が低いんだよね。科学要塞研究所の側を通るルートだし」

 

弾「さっきも言ってましたけど科学要塞研究所って?」

 

弾は聞いた事のない研究所の名前に首を傾ける。

 

束「そう。私と箒ちゃんの叔父さん、お母さんのお兄さんが所長を勤める研究所。

  といっても戦闘用要塞みたいな感じなんだけど」

 

簪「戦闘要塞?」

 

束「普段は武器開発をしているの。叔父さんは本当はそんなことしたくないんだけど

  Drヘルの攻撃が続いてるから・・・」

 

束の表情を見て弾達は気まずい感じになる。

 

セシリア「あの、哨戒の時間ですけど・・・」

 

束「了解。今回私はスカルホースの試運転を兼ねるからセシリアちゃん一緒に来てくれる?」

 

セシリア「了解しました」

 

セシリアは敬礼で返事を返す。其処へ少し遅れて楯無がやって来た。

 

楯無「遅れてスイマセン。哨戒メンバーは?」

 

束「私とセシリアちゃん以外まだ決めてないよ」

 

楯無「マドカさんにシャルロットちゃんは一年生の子達の護衛の為外れてるっと。

   なら鈴ちゃんに弾君、私と簪ちゃんのチームで近辺は今此方に残っている

   他の学年の専用機持ちに行なってもらいましょう」

 

束「ん、了解。海中の探知機からのデータも見逃さないようにね。

  一人は海中、海上、一人は上空を見渡しながら時折相方を手伝うように」

 

「「「「「了解」」」」」

 

束「じゃ、いくよ」

 

三つのチームに分かれて警戒区域の哨戒を始めた。

一夏と箒は・・・

 

一夏「剣蔵博士の所に行くのも久しぶりだな」

 

箒「5年ぶりだな・・・」

 

一夏「あぁ」

 

箒は叔父の剣造に会えるのが嬉しいようだ。何しろ普段忙しく滅多に合えないからだ。

一夏は剣造を父当然に思っているので表情は少し緩んでいる。

彼も時折、剣造を「親父」と言いそうにもなる位慕っているのだ。

 

一夏が慕っている人物は少なく、既に亡くなって人物も居るが司馬博士、早乙女博士、宇門博士、

そして兜十蔵、兜剣造の5人は慕っている。前者3人はその研究の功績などで慕っていて、

兜親子二人は家族としてだけでなく、自身の師としても尊敬している

(十蔵に関しては世話の焼けるスケベジジィとも思われているが)。

 

兜親子も一夏を可愛がっているのは言うまでもない。

特に剣造は一夏を特に可愛がっていて暇を見つけては一夏に構っていた。

幼い頃、まだ母しか知らず疑心暗鬼になっていた一夏が最初に懐いた程である。

剣造には子が出来なかったゆえに父親のわからない一夏が実の子のように思えたのだろう。

 

一夏「おやj・・・剣造博士の研究所が見えてきたぞ」

 

箒「いま『親父』と言い掛けたか?」

 

一夏「・・・あぁ。言いかけた」

 

箒「言っても構わんだろうに・・・」

 

一夏「それはそれ、これはこれ」←苦し紛れ

 

箒「わけが解らんぞ・・・」

 

一夏は微妙な表情になり苦笑いしながら科学要塞研究所に入った。

 

剣造「待っていたよ二人とも」

 

一夏、箒「「お久しぶりです」」

 

剣造「一夏君、君の用事は解っている。放射能除去装置だね?」

 

一夏「あとイレイザーヘッド」

 

剣造「成程。人工島であるIS学園を沖合いに出し、周囲への以外を防ぎ、

   イレイザーヘッドで爆発の衝撃波を宇宙空間へ弾き飛ばし、放射能除去装置で

   生態系への被害を防ぐという事か・・・。いいアイディアだ」

 

箒「・・・あの、放射能除去装置とイレイザーヘッドとは?」

 

箒が気になる装置の名前の事を聞く。放射能除去装置なんて聞いたことが無い装置だからだ。

 

剣造「イレイザーヘッドは超振動で爆発等を宇宙空間に弾き飛ばす事のできる物だ。

   以前とある博士に助言をお願いしてやっと完成できたんだ。

   放射能除去装置・・・簡単に言えば放射能を消す事の出来る装置だよ」

 

箒「放射能を?放射線ではなく?」

 

一夏「放射能は放射線を出す力の事だ。テレビとかでもそのあたりが曖昧になっているから

   放射線=放射能と考えてしまう人も多いみたいだ。怖いのは放射線なんだけどな」

 

剣造は一夏の話に相槌を打つ

 

剣造「随分昔から原子力発電等の核が関わる事に関して私は放射線、放射能に関して懸念があったんだ。

   放射能は放射線を出す能力であるからこれを消せれば放射線被害を無くせると考え開発した装置だよ。

   ただ・・・」

 

箒「ただ?」

 

剣造「小型の上、一つしかない。それに周囲300Mの放射能を除去するのが精一杯なんだ。

   何しろ4年前に開発したものしか現物が無いからね。

   他の物は今設計図から組み立てている最中なんだ。

   それに一回作動させたら次に起動できるのは一ヵ月後になってしまう」

 

箒はよく解らなくなり頭が混乱しだしてしまった。

 

一夏「要するにパワーを馬鹿食いする割には放射能を消す事ができる範囲が狭いって事」

 

剣造「情けないことにな」

 

一夏「ドラコノサウルスとの戦いで出力が落ちているだろうからカイザー2機のエネルギーも

   使っても全然駄目だし・・・イレイザーヘッドと同時に使えれば一番良いか・・・」

 

剣造「それが一番だろう」

 

箒「装置は一機しかないんですか?」

 

剣造は頷いて箒の問いに肯定する。

 

一夏「こればっかりは俺が使うしかないか・・・」

 

箒「イレイザーヘッドは?」

 

一夏「これは精密射撃が基本だからセシリアだな。今のセシリアなら使いこなせる」

 

剣造「しかし爆発させるにも体内のガスを如何するんだい?送ってもらっていた資料を読んだが

   これが最優勢だろう?」

 

一夏「そうなんだよなぁ・・・まぁこういう準備も必要ですから・・・」

 

剣造「確かにね。イレイザーヘッドと放射能除去装置は今準備しているから

   確実に持って行ってくれ」

 

一夏「放射能除去装置はスカルカイザーに搭載しないといけないから後でまた調整か」

 

一夏は流石にまた疲れてきたようでゲンナリしている。

剣造と箒は掛ける言葉が見つからず彼の肩に手を置くしか出来なかったそうな。

 

「所長、IS学園のバス一行が近くを通りますよ」

 

剣造「解った。念のため、周囲の警戒を厳としてくれ」

 

「了解」

 

第一陣、一年生の通った2時間後に3年生達が通って行った。

この2時間の間に剣蔵がスカルカイザーに放射能除去装置を搭載し、調整を始めていた。

一夏はまだ疲れが残っていたようなので強引だが寝かせている。

箒はその間周囲の監視に参加していた。そして更に4時間後になり最後の2年生達が

やって来た。スカルカイザーの調整が終了し、イレイザーヘッドを乗せたトラックを

一夏が運転し箒が見張りの為に荷台に載って出発した。数分で2年生達と合流した。

 

束「いっくん、如何だった?」

 

一夏「2つとも大丈夫だった。放射能除去装置はスカルカイザーに搭載済み。

   イレイザーヘッドも見ての通り」

 

束「そっか」

 

清香「箒、一夏の方は如何?」

 

箒「叔父さんのお陰で六時間休む事が出来たから体調も大丈夫みたいだ」

 

清香「よかった。疲れを隠しているみたいだったから心配だったんだ」

 

箒「余り表情とかに出ないからな。其処が心配だ」

 

箒は心配そうに一夏の後姿を見る。清香は暫く黙っていた。

 

清香「でも疲れらしいものは一夏から感じないからしっかり休めているみたいだし

   今は大丈夫だと思うよ。ただドラコノサウルスとの戦闘で無茶をしそう」

 

箒「無茶をしたら千冬さんや姉さんに頼んで無理矢理にでも休ませるさ。

  というより一夏の方から休み始めるだろうけどな」

 

清香「今は現状が現状だから・・・か。もう少し私達を頼りにしてくれても良いよね」

 

箒「まぁ研究所に行ったらまた直ぐに休んでいてもらうがな」

 

その1時間後にはIS学園の全員が光子力研究所に到着したのだった。


 
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