No.661380

真恋姫無双〜三国に舞う鬼龍〜part8

ひぐらしさん

part8です。
真名襲名です。やっと、書いてて楽しくなってきましたね。

2014-02-07 22:53:00 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:1600   閲覧ユーザー数:1495

 

俺は最近日課というかこれも仕事の一部なのだが、警邏がてら街を見回っている。

 

北条隊は警備隊も兼ねているから、街の治安維持も仕事のうちなのだ。

 

 

「お、御使い様じゃねぇか!今日もサボりか!」

 

「ちがうわ!ちょっと休憩してるだけだ!」

 

「はっは!それをサボりっていうんだよ!ほら肉まんだもってきな!」

 

「お、ありがとなおっさん、ほれお代だ。」

 

 

お金を少し多めに渡して、またこいよーと叫んでるおっさんの声を背に警邏を再開する。

 

まあ、こんな感じで歩いていたら街の人とも仲良くなれて色々情報もくれたりとこの警邏も役に立っている。

 

それにしても、この街も大きくなってきた。華琳の善政のおかげでこの街に来る人も多い。

このご時世安全に商いができるだけで、商人たちはやってくる。

 

大きくなるのはいいが、これは警備体制とかを考え直したほうが良さそうだな。帰ったらその辺を煮詰めてみるか。

 

 

「隊長。」

 

「どぅわ!!」

 

「なんですか、変な声だして。」

 

 

顎に手を当て、考え事をしてたせいか目の前に立っていた明夏の存在に気づけなく変な声を出してしまった。

 

「いや、変な声って..変な声なんだけどね。それでどうしたんだ?サボりか?」

 

「私を隊長と一緒にしないでください。曹操様が呼んでいます至急玉座の間にきてください。」

 

「華琳が?なにかあったのか。ありがとな明夏。」

 

俺はお礼とともに明夏の頭を撫で急いで城に向かう。遅れたらなにされるかわからんからな。

 

 

 

 

「ばか隊長....」

 

 

***

 

玉座の間に着いた俺を待っていたのは玉座に座る華琳とその横に立つ春蘭と秋蘭、それと桂花だった。

 

 

「どうしたなにかあったのか?俺は仕事中だったんだが。」

 

「あらごめんなさい、書簡をほったらかして肉まんを食べ歩くことがあなたの仕事とは思っていなかったわ。」

 

 

なんだ...と!?一体その情報どこから!

見られていたにはあまりにも早すぎる!!

 

「あなたのことなんてなんでもお見通しなのよ。まあいいわ、早速本題に入らせてもらう。」

 

「お、おう。」

 

 

助かったと思っていいのだろうか。

 

 

「話というのはこの前話した真名の件なのだけど。」

 

「あー考えてくれたのか?」

 

 

真名と聞いてがらにもなく胸が弾んでいるのがわかる。正直、真名というのが羨ましかった。

 

それに。

 

「ああ、私でいいのか?」

 

それに秋蘭が俺のことを見て考えてくれたんだ。それをうれしいと思わざるにはいられないだろう。

 

 

「もちろん。」

 

「そうか....北条皇矢。夏侯妙才から貴殿の真名を授けさせてもらう。皇矢お前の真名は..."龍華"」

 

「よかったら、意味を教えてくれないか?」

 

「無論だ。華琳様の隣で龍のように圧倒的な力で我々を守り、時には龍の怒りで我々の道を正してくれ。」

 

 

そして、秋蘭が俺の前になにかを持ってきた。

 

「これは...羽織?」

 

「ああ。」

 

黒を貴重とし、金色の装飾が施されており、背中には大きく覇と書かれ、その下に少し小さめに"春""秋""龍"と書かれている。

 

 

「ありがとう秋蘭大切にさせてもらうよ。」

 

「当然だ私が作ったのだからな。」

 

器用だな...姉妹でここまでちがうかとこの場に似つかわしくない思考をやめ、それを羽織る。

 

そして、その場に座り、頭を深く下げる。

 

 

「性は北条、名は皇矢、真名は龍華。字も真名もない世界からきた。我は誇り高き覇王の覇道と共に....華琳、春蘭、桂花....そして秋蘭俺の真名をどうか受け取ってほしい。」

 

 

「ええ、その力でこの覇王につくしなさい。」

 

「御意に。」

 

玉座で満足そうに微笑む華琳。

 

 

「ふん、秋蘭に良い名をつけてもらったな華琳様と同じ華を冠するのだ。恥ずかしい真似はするなよ。」

 

「ああ、春蘭も暴走すんなよ。」

 

 

なんだとぅ!と叫びながらどこか満足気な春蘭。

 

 

「男だけどあなたの力は認めざるを得ないわ。本当に遺憾だけど、ほっんとに遺憾だけど受け取ってあげるわ。」

 

「ありがとう桂花、ちょっとはでれくてくれてもいいんだぜ。」

 

妊娠するぅうといつも通りの反応の桂花。

 

 

「秋蘭ありがとう。俺に名を...この世界での居場所をくれて。正直、いきなりこの世界に飛ばされて心もとないというか....さみしかった。だから、こうして真名をくれてやっとみんなと同じ場所にたてたきがするよ。」

 

「礼を言うのは私のほうだ。あのとき、あの言葉を言ってくれてなかったら私たちは大切なことを忘れてしまっていた。私たちにとってお前は光だ。戦ばかりで荒んでしまう心を癒してくれると信じているよ。」

 

 

随分期待されてるな....

本当に信頼できる仲間。なんの理念もなく命令のまま人を殺していたあのときの俺とはちがう。

 

大切なことを思い出したのは俺のほうだ。荒んだ心を癒してくれたのはみんなだ。

 

 

だから今度は俺がみんな癒す番なんだな。それだけじゃない、この大切な仲間たちを必ず守る。

 

 

 

それが俺の......

 

 

 

龍華の役目。


 
このエントリーをはてなブックマークに追加
 
 
7
0

コメントの閲覧と書き込みにはログインが必要です。

この作品について報告する

追加するフォルダを選択