No.656943

【真・恋姫†無双】桂花との甘い逢い引き(前編)

南無さんさん

こちらは真・恋姫†無双の二次創作でございます。
関係が公になった後のお話です。
このシリーズも長くなりましたね。
ここまで長くなるとは思いませんでした。
とは言え、後2,3話でこのシリーズを終わらせます。

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2014-01-23 16:09:24 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:7010   閲覧ユーザー数:5763

「なぁ、桂花。時間が空いてるなら俺と一緒に出掛けないか?」

 

 

この日、彼と初めて出会った第一声が逢い引きのお誘いだった。

 

私はこの後の事は喜びのあまり、よく憶えてない。

 

けど、一刀が言うには目を丸くし徐々に顔を赤らめながら、

 

首を何度も縦に振ったとの事。正直、全然記憶にない。

 

まぁ、そんなこんながあり、私たちは今、街中で逢い引きをしている。

 

 

「それにしても、あの時の桂花は可愛かったな。

 丸で、小動物のみたいに首を何度も縦に振ってさ。

 いやー、朝からいいモノが見れたよ」

 

「うう、忘れてよ」

 

「ダーメ、俺の記憶に刷り込んだから、桂花の可愛い姿は忘れない」

 

「…ばか」

 

 

可愛いと言ってくれるのは嬉しいが、どうしても羞恥心の方が勝り、

 

忘れて欲しいと思ってしまう。

 

何だか、ここ最近、一刀の前だと失態続きの様な気がする。

 

前の時も、思わず妄想に駆られて恥ずかしい所を見られちゃったし、

 

…自重できる様に努力しよう。

 

 

「さて、着きましたっと」

 

 

あれこれ考えていたら、目的地に辿り着いたようだ。

 

因みに私は今日何処に行くのか知らされておらず、全て一刀に任せている。

 

と言うのも、行き先を尋ねても私を驚かせたいが為、内緒との事。

 

そして、立ち止った先、目の前にあるのは装飾屋。

 

ここにどんな用件があるのかな?

 

 

「桂花。少しここで待っていてくれないか。直ぐ済むから」

 

「え、あ、うん。わかった」

 

「ありがとう。それじゃあ、行って来る」

 

 

そう言うと一刀は急ぎ早、吸い込まれる様に暖簾を潜った。

 

私は反射的に了承してしまったが、内心、気になってしょうがない。

 

一体、中で何が行われているのだろう。

 

次第に我慢が出来ず好奇心に負けたものの、流石に店内に入ることは出来ない為、

 

店先で聞き耳を立てる事にした。

 

 

「……が…う……ちゃ・・・」

 

「い……え……く…………です…………くだ……ね」

 

 

よく聞こえないわね。

 

――――うん?店主が一刀に何かを手渡したわね。

 

ここからじゃ、よく見えない。

 

って!?一刀が戻ってくるわ!!

 

 

「お待たせ桂花。……何してるの?」

 

「え、あの、その、さ、寒いなと思って………」

 

「だからって、店先の長布を身体に巻き付ける事はないだろう。

 カーテンで遊ぶ子供じゃないんだから」

 

「カ、カーテン?」

 

「いや、こっちの話」

 

 

う、上手く誤魔化せたかな?取り敢えず布を元に戻して、

 

服の皺を伸ばしつつ、話をすり替える事にしよう。

 

 

「……ゴホン。と、所で一刀はこのお店で何か買ったの?」

 

 

……声が高くなってる様な気もするが気にしない。

 

 

「うーん、今はまだ内緒かな」

 

「…朝から内緒が続くわね。一体何を隠してるの?

 もしかして、私に知られたくない事なのかしら」

 

「いや、そう言う訳じゃないんだ。只。まだ時期尚早と言うか何というか。

 必ず訳を話すからさ、もう少し待っていてくれないか」

 

「…わかったわよ」

 

 

あまり、しつこく問い詰めて一刀に嫌われたくないし、

 

何よりやましい嘘は吐いていない。これだけは確信を得ているから、

 

首を縦に振る事にした。

 

 

「ありがとう。じゃあ次に行こうか」

 

「…きゃっ!?か、一刀!!!」

 

「寒いんだろ?」

 

「それは、その、言葉の綾で……」

 

「それとも……」

 

「い、嫌じゃないわよ!!……もう」

 

 

一刀は私の肩に手を乗せ、急に引き寄せてきた。どうやら、嘘を看破されたらしい。

 

全く一刀は人が悪いんだから、わかっていたのなら指摘してよ。

 

…いじわる。

 

 

私は落ち着きを取り戻して、一刀の腕に抱き付いて逢い引きを再開させた。

 

そして、この後、食事を摂る事にしたのだが、その道すがら、

 

民衆から黄色い声が飛び交い、好奇な眼差しで温かく見られていた。

 

私は一向に気にもせず腕を組み続けて歩く。

 

華琳様には既に私達の関係を知られている為、怖いもの何てない。

 

だから、大いに喝采したり、祝福でもすればいいわ。

 

と、内心思っていたのだが、時が経つに連れ涼しげな顔から一転して、

 

徐々に汗が吹き出て、小さくなっていった事は、

 

正直、誰にも告げないで欲しいと願うばかりであった。

 

……ううぅ、また恥ずかしい所を見られたわ。

 

 

 

 

 


 
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