No.645386

ALO~妖精郷の黄昏~ 第2話 イチャつく2人

本郷 刃さん

第2話になります。
今回はキリアスのイチャイチャになりますので、
至急コーヒーなどの苦味類を用意するように!

では、どうぞ・・・。

2013-12-15 13:46:07 投稿 / 全3ページ    総閲覧数:20074   閲覧ユーザー数:19124

 

 

 

 

 

第2話 イチャつく2人

 

 

 

 

 

 

 

和人Side

 

「明日奈、くすぐったい」

「ん…和人くん、動いちゃダメだよ~」

「いや、さすがにこの体勢だし」

「もぅ、我慢して~…もう少ししたら、ね?」

「りょ~かい」

「………ん、終わったから動いていいよ」

「ありがとう。いや~やっぱり明日奈に耳かきしてもらうのはいいな~」

「ふふ、なぁにそれ?」

 

俺は明日奈に耳かきをしてもらった。今日は明日奈が久しぶりに俺の家に来ている。

というのも、ここのところ俺は菊岡からのアルバイトをしているため、お休みデートというわけには中々いかないのだ。

平日も俺は6コマ目まで授業をフルに入れているので放課後デートも長くは出来ない。

まぁ、それでも夜の9時くらいまではデートする時もあるのだ。

最近は明日奈のご両親も俺が一緒ならOKという感じで信用してくれているので、

俺が一緒の時だけ夜9時までっていう門限になっている。

それでも毎日は無理だし、ALOでユイやみんなとの時間も大切にしないといけない。

そういうことで、今日はバイトが休みな俺にとことん甘えてもらおうというわけだ。

 

「よし、今度は明日奈の番な?」

「うん、お願いします♪」

 

入れ替わるように明日奈の膝から頭を上げてベッドから起き上り、

今度は俺が座って膝を軽く手で叩いて促し、彼女は喜んで俺の膝に頭を乗せた。

その表情は至福ともいえるものであり、見ているこちらが和んでくる。

 

「それじゃ、始めるからな」

「は~い」

 

そして俺は手に持つ耳かき棒を明日奈の耳に入れ、耳かきを始めた…。

 

 

「あぁ~んっ/////////!?」

 

 

15分後、耳かきが、奇妙な耳かきが終わった…。

 

「まさか明日奈があんな声を上げるとは思わなかったぞ…」

「うぅ、ごめんなさい…///」

「夜でも滅多に聞かない声だった…」

「お願いだから言わないで…//////!?」

 

俺が半ば呆れ半ば残念に言ったのに対し、明日奈は恥ずかしさで一杯のようだ。

俺が明日奈に耳かきをしてあげるのは初めてのことだったのだが、

どうやらそれが彼女のツボに入ったらしく、嬌声に近い声をあげたのだ。

 

「まぁいいや、良いものを見せてもらったから」

「も~///! 和人くんのバカ///!」

 

笑みを浮かべてそう言えば明日奈は羞恥を覚えたようであり、彼女は俺のベッドに横になると布団を被って隠れた。

 

「あ~、ゴメン、明日奈」

「ふんだ///………折角、二人きりでいられるのに///」

「明日奈…」

 

明らかに拗ねているという可愛い声で抗議する彼女に苦笑…いや、笑みが浮かんでくる。

そうだな、折角の二人きりだもんな……そう考えてから、彼女が被っている布団を勢いよく引きはがし、

明日奈を抱きあげてから胸元に引き寄せ、そのままベッドに倒れ込む。

俺が仰向けになり、彼女は俺のうえで抱き締めあいながらベッドに横になる体勢である。

 

「か、かずとくん///?」

「改めてごめん、明日奈……二人きりだもんな?」

「うん///♪」

 

甘い声で囁くとあっという間に上機嫌になった明日奈は俺の胸に顔を埋めて摺り寄せてくる。

そんな彼女を甘やかすように優しく頭を撫で、綺麗な額に唇を落とす。

 

「えっと、額へのキスは“祝福”だったよね///?」

「あぁ」

「それならわたしは…(ちゅっ)///」

「手の甲は“敬愛”や“尊敬”だな」

 

柔らかで嬉しそうな笑顔を浮かべたまま明日奈が聞いてきたので答えると、それに応えるように俺の手の甲にキスをしてきた。

キスはする箇所によって意味が異なってくるものであり、俺は単純に知っていたからだが、

やはり彼女は女の子であるためかそういうことに興味ありか。

ま、意味なんて関係無くお互いに愛情は込めているんだけどな(笑)

その時、ふと胸へのキスを思い浮かべたことであることを思い出した。

 

「俺が今やっているバイトがフルダイブマシンのものだっていうのは言ったよな?」

「うん。菊岡さんから紹介してもらった会社のものなんだよね?」

「そう。それでそのマシンの被験者、まぁ長時間フルダイブが主な仕事内容なんだけどな。

 俺の胸の丁度この部分か……5mmくらいの超小型センサーがインプラントされているんだ。

 簡潔に言うと、保護措置とでも言えばいいかな」

「小型、センサー…?」

 

驚きの表情を浮かべる明日奈。勿論、彼女が誤解したり心配したりしないようにする為にしっかりと説明をする。

 

「体調の変化を確認する為に、『死銃事件』の時みたいに電極を貼ったりするんだけどさ、

 毎回そうしていると面倒臭いから先方がインプラントを勧めてきたんだ。

 菊岡たちからすれば俺に何かあれば自分たちの首が危ないからな」

「そうなんだ……大丈夫、なんだよね?」

「今回のアルバイトには凜子さんも関わっているから大丈夫だよ」

 

心配そうに訊ねてきたので、俺は菊岡らへの皮肉も込めて安心させるように優しく言った。

凜子さんの名前を聞いたからか一先ずは納得してくれたようだ………が。

 

「でも、小型センサーねぇ~……和人くんは自分の身体の中にそんな物を入れてるんだ?」

「ま、まぁな…。あの、明日奈…?」

「しかもわたしやユイちゃんには何も言わないで、入れてから伝える…と?」

「お、おぉ…」

 

バイトについてはある程度納得してくれたようだが、センサーをインプラントしていた事を黙っていたのが不味かった。

またもや不機嫌になってしまった……さて、どうしたものか。

 

「……い…」

「え、なんて「ずるい!」な、なにが…?」

 

小さく呟いた明日奈に聞いてみようとしたら、大きな声で「ずるい」と言われた。

 

「インプラントしちゃったのは安全の為だし、もう済んだことだから仕方ないけど…。

 その何処かの会社だけ和人くんの心拍数とか体温を独占してるなんて、ずるいよ!」

 

あ、そういうことですか…。

 

「わたしも和人くんの心拍数と体温を逐一知りたい!」

「いきなりそんなことを言われてもなぁ…」

 

俺のバイタルデータを知りたい、か……さて、一体どうしたものか…。

現状でのその2つは俺の端末にも送られてくるようにはなっているが……む、まてよ?

それなら、俺の元に送られてくるその2つの情報を明日奈の端末にも知らせられるようにすればいいから……よし、この案でいくか。

 

「明日奈も俺のバイタルデータを知りたいんだよな?」

「もちろん!」

「それなら、俺のバイタルデータを送信するアプリを組むよ。

 俺の端末に送られてくるバイタルデータをネットを介して明日奈の端末にリアルタイムで送れるものを作って、

 それを明日奈の端末に組み込む、っていうのはどうかな?」

「もぅ、だから和人くんのこと大好き///!」

「あ、あす、むぐっ…」

 

提示した案を瞬時に理解した明日奈は俺の上に居るままで覆い被さり、俺の顔を自身の胸に抱き締めてきた。

役得で非常に嬉しいのだが、圧迫感が相当なものでさすがに苦しい!?

ちょ、マジ、息が…!?

 

「え、どうしたの、和人くん…って、ご、ごめんね!?」

「ぷはっ、はぁ、はぁ、はぁ、はぁ……恋人の胸で、窒息死とか、笑い者にしか、ならない、ぞ…?」

「えっと~………テヘペロ☆?」

 

誤魔化したよ、可愛いから良いけどさ……襲っちゃうぞ?

 

「(ぶるっ)!?…そ、それよりも、そのアプリを組むのって大変なんだよね?」

 

寒かったのだろうかして一瞬身を震わせた明日奈だったが、すぐに笑顔を浮かべてそう訊ねてきた。

 

「まぁ手間はかかるけど、明日奈の為だし」

「ありがとう/// でもどれくらいかかるの? やっぱり1週間とかそれくらいかな~」

「まさか、1時間半もあればできるよ」

「………え?」

 

頬を染めてお礼を言った彼女。続け様に聞かれた質問に回答するときょとんとしながら首を傾げた。

お、この表情もやはり可愛いな。

 

「あの、手間が掛かるんだよね?」

「そ、だから1時間半(・・・・)。ユイが居てくれたら精度も完璧で約1時間(・・・・)ってところかな。

 折角だからユイにも手伝ってもらうけど、呼んでもいいか?」

「う、うん…(や、やっぱり和人くんって規格外だよ~……改めて思ったらユイちゃんもそうだし、もしかしてわたしが一番普通?)」

 

今度は何処か引き攣った笑顔で頷く明日奈。勿論、彼女が考えていることなど俺は露知らずに。

 

「ユイ、いま大丈夫か?」

『はい、大丈夫ですよ。あ、ママ♪』

「こんにちは、ユイちゃん♪」

 

端末に向かって愛娘の名を呼ぶと呼応してくれたユイ。

明日奈の姿を確認すると嬉しそうにしている……やはり父親よりも母親なのか?

なんだか寂しいな…。

 

『わたしを呼んだということは何かご用なんですね?』

「ああ。実はな………」

 

さすがはユイ、察しが良い。

そして俺は彼女にアルバイトの為に超小型センサーをインプラントしたこと、

センサーによって心拍数や体温などを知れること、

それを知った明日奈が「自分も知りたい」と言ったのでその為のアプリを組むことになったことを伝え、

折角なので時間短縮に加えて精度の高い物を作りたいことを話した。

それに3人での時間もやはり貴重だからな……まぁ、

インプラントしたことを伝えてなかったことには明日奈とユイからのW説教を受けたが…。

 

『コホン、パパへのお話しはこの辺にしまして……アプリ製作の方は分かりました。わたしも全力でお手伝いしますね』

「ありがとう、ユイちゃん♪」

「助かるよ。それじゃ、早速始めようか」

 

ベッドから立ち上がって机の椅子へと座り、待機状態にしていたパソコンを起動させ、

左側の画面にユイが現れてサポートを始めてくれる。

一方、ベッドの方から視線を感じ、ちらりとそちらに目を向けると明日奈が寂しげな眼をしていた。

あ~、彼女はこういうことに精通しているわけじゃないからな。

 

「明日奈、おいで」

「ふぇ…?」

 

俺は椅子に座りながら空いている自身の膝をぽんぽんと叩きながら明日奈に声を掛ける。

その意味に気付いた明日奈は頬を紅く染めながら上目遣いに訊ねてきた。

 

「で、でも、お邪魔じゃ、ない///?」

「全然。むしろ傍に居てくれた方が作業がはかどるはず」

「そ、それじゃあ、失礼します///」

 

優しく語りかければ、照れながらも明日奈は俺の膝の上に腰を下ろした。

1年前まではほぼ同じだった身長も今では俺の方が結構高くなっているため、

別に明日奈が座っても前が見えなくなることはない。

彼女の温もりを感じながらユイのサポートを受けつつ、順当に作業をこなしていく。

 

 

50分後、俺は全てを確認したあとでキーボードのエンターキーを押すことでアプリを完成させた。

明日奈が傍に居てくれたし、ユイも手伝ってくれたことで1時間もせずに完成させることが出来たのだ。

 

「ふぅ~、完成っと…。手伝ってくれてありがとな、ユイ」

『どういたしまして、パパのお手伝いが出来て良かったですよ♪』

「和人くんもユイちゃんもお疲れ様」

 

俺たちは互いに声を掛けあうことで労うことにした。

 

「そういえば、明日奈は退屈じゃなかったか?」

「ううん、そんなことないよ。2人がわたしの為にしてくれたんだもん、嬉しかったし…。

 それよりも、和人くんこそ重くなかった?」

 

そう彼女に訊ねてみるも、逆に気遣われるような言葉を言ってきた。

 

「まったく。むしろ明日奈はもう少しお肉を付けた方がいいと思うぞ」

「え、そ、そうかな~?」

『そうですね。ママは年齢の平均に比べると軽い方みたいですし』

 

ユイまでもが俺の考えに頷きながら答える。明日奈はホントに軽いからな~。

 

『では、わたしはここでお暇しますね。パパとママは2人でごゆっくり♪』

「ユ、ユイちゃん///? 別にわたしたちのことなら気を遣わなくても…」

「そうだぞ。折角なんだからユイも一緒に…」

『いえいえ、少し疲れたんです。ですから休憩のために少し眠ろうと思いました』

 

なるほど、確かにユイも頑張ってくれたからな。疲れたのは仕方がないだろう。

 

『また夜にたくさん甘えます。それまでおやすみなさいです、パパ、ママ』

「了解した。おやすみ、ユイ」

「おやすみなさい、ユイちゃん」

 

笑顔と共に画面から去ったユイ。俺と明日奈はお互いに微笑を浮かべる。

 

「それじゃあ俺たちも休憩するか」

「そうだね。あ、わたし紅茶淹れて来るね」

 

俺の膝から降りた明日奈は部屋から出て台所へと向かったようだ。

彼女は基本的にうちの何処に何があるかを把握している…勝手知ったる恋人の家、とでも言うのかな?

それからは明日奈が紅茶を淹れて戻り、2人でゆっくりと談笑しながら休憩した。

 

 

そのあとに関しては夕方までイチャついたりもした……どんな内容かは察してくれ(笑)

 

和人Side Out

 

 

 

To be continued……

 

 

 

 

 

 

あとがき

 

今回のイチャイチャはなるべく自然を装ったものにしたつもりです・・・出来たかな?

 

ともあれ、ここのところ甘いのが少ないので軽い糖分補給的な感じにしてみました。

 

次回はついに新エリアの拡張・・・その話の前半部分になります。

 

では、また次の話で・・・。

 

 

 

 


 
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