No.642340

真・恋姫†無双 裏√ 第二十五話

桐生キラさん

こんにちは
今回は猪々子視点で描かれる、猪々子が晋にいた頃のお話です

2013-12-03 13:17:40 投稿 / 全5ページ    総閲覧数:2339   閲覧ユーザー数:1921

 

 

 

 

 

 

猪々子の生活

 

 

 

 

 

 

あたいが『晋』に来て二ヶ月近くが経とうとしていた。

今でこそ慣れてきたけど、最初は驚きの連続だったなー

 

 

 

猪々子「え?風呂って毎日入ってんの?」

 

咲夜「あぁ。うちは特殊な技術(魔術)によって、風呂を沸かすのはそれほど手間じゃないからな。

毎日の汚れと疲れを落とす為にっていう、零士のこだわりだ」

 

あたいが初めて『晋』で一夜を過ごす時、咲夜が気ぃきかせて風呂に入ろうと言ってくれた。

なんでも、ここの風呂はいろいろ変わってるらしい

 

猪々子「へー……お!結構広いな!」

 

咲夜「あぁ。三人くらいなら余裕で入れるぞ。

これも零士のこだわりだ。足を伸ばして入りたいんだとさ」

 

一般家庭にしては十分過ぎる程広い。詰めて入れば大人五人くらいは入るだろう

 

猪々子「ふーん…なぁなぁ咲夜、これはなんだ?」

 

あたいはこのよくわからない、先端に無数の小さな穴が開いた物を指差す

 

咲夜「それはシャワーだ。そこをひねってみろ」

 

ん?これか?

 

猪々子「よっ、うわ!な、なんだ?」

 

あたいが何かをひねると、先端から水が勢いよく出てきた。

すげー冷たい…

 

咲夜「ははは。月も詠も、似たような反応してたなぁ。

それな、そこをひねると水が出たりお湯が出たりするんだ」

 

猪々子「そういうのは先に言ってくれよ。びっくりしたぜ」

 

咲夜「悪い悪い。あ、ちなみに出しっ放しにはしないでくれよ。

動力が枯れちまうからな」

 

 

 

零士「ックシュ」←動力

 

 

 

風呂から上がると、今度は詠が飲み物を持ってきてくれた

 

猪々子「詠、これなんだ?」

 

詠「牛乳よ。風呂上がりに飲むと最高なのよね」

 

猪々子「え?牛の乳?飲めんの?」

 

詠「僕も最初は信じられなかったわ。

でも特殊な技術(魔術)で加工したから、飲めるようになってるのよ。

栄養価も高いみたいだし、害はないわ」

 

猪々子「へー、いただきまーす。んくんく」

 

おぉ!なんだこれ!美味い!

濃厚な味わいのはずなのに、なんだか飲みやすい。すげぇ!牛乳美味ぇ!

 

猪々子「ぷはーっ!もう一杯!」

 

詠「あんまり飲むと、お腹壊すわよ」

 

猪々子「ところで、なんでこんなに冷えてんだ?」

 

詠「あぁ、それはこれ、冷蔵庫のおかげよ」

 

あたいは詠の案内で、厨房に向かう。

その奥に冷蔵庫と呼ばれる大きな箱があった。中を開けると

 

猪々子「うお!なんだこれ?冷てぇ!」

 

詠「主に食材を保存するためのものね。

これならどんなに暑くても、食材がすぐ痛むなんてことはないわ」

 

猪々子「おー、涼しー」

 

詠「あ、あんまり開けっ放しにしないで。動力が枯れちゃうから」

 

 

 

零士「はっくしゅん!」

 

恋「…零士、風邪?」

 

零士「んー?いや、そんな事は…まぁ最近冷えてきたからね」

 

恋「………恋が、暖めてあげる」

 

 

 

 

 

 

飯も美味かったなぁ。さすがは飯屋!羨ましいぜ

 

 

 

月「あ、猪々子さん。おはようございます。昨晩は眠れましたか?」

 

猪々子「おう!爆睡だったぜ!」

 

月「ふふふ。いま、朝食を用意しますね」

 

月が朝食を用意してくれてる間、あたいはその姿をずっと眺めてた。

すると、咲夜が入ってきた

 

咲夜「ん?起きてたか猪々子」

 

猪々子「おはよう!咲夜はどこにいたんだ?」

 

咲夜「あぁ。私は早朝訓練だ。営業中は暇がないからな。

力の維持のために毎朝やってるんだ。明日はお前も一緒にやるか?」

 

猪々子「頼むぜ!……って言いたいとこだけど、起きれるかな?」

 

咲夜「ふん。やる気があるなら、叩き起こしてやるさ」

 

月「朝食ができました。咲夜さんもご一緒にどうぞ」

 

咲夜「ありがとう。いただくよ」

 

猪々子「いただきまーす!…美味ぇ!」

 

出された料理は米に焼き魚、卵に吸い物。

特にこの吸い物、食った事ねーけどなんだかホッとする

 

猪々子「なぁ!この吸い物、なんていうんだ?」

 

月「それはお味噌汁です。

味噌という、東さんが特殊な技術(魔術)を用いて作った調味料があるんですけど、

それをだし汁と一緒に溶いで作ったものなんです」

 

猪々子「へぇ、お味噌汁かぁ。美味いなぁ」

 

咲夜「月、また腕が上がったな」

 

月「えへへ、ありがとうございます」

 

猪々子「あー、あたいこれ好きだなー」

 

月「東さんも好きですよね、お味噌汁」

 

咲夜「そうだな。味噌の開発には、全力でやってた節があったからな」

 

月「そういえば東さん、今日は調子悪そうでしたね」

 

 

 

零士「あーイタタタ」

 

悠里「??どうかしたんですか東おじさん?」

 

零士「あぁいや、昨晩、恋ちゃんと寝たんだけどさ…」

 

悠里「え!?やっちゃったんですか?」

 

零士「女の子がやっちゃったとか言わない。

そうじゃなくて、最近冷えてきたでしょ?

それを恋ちゃんに言ったら暖めてくれるって言うから、恋ちゃんが抱き枕になってくれるかと思ったんだ。

なのにまさか僕が抱き枕になるとは。しかも思いっきり抱きしめられるなんて…

骨が折れるかと思った…」

 

悠里「なんですかそれ?なんて羨ましい!

今晩、恋ちゃんと寝ていいですか!?」

 

 

 

訓練はしんどかったなぁ。何回死にかけたっけなー

 

 

 

猪々子「うっへー、地下にこんなバカデカイ空間があるんだ」

 

零士「ここは特別訓練場でね。

雨の日や、特定の武器の訓練をする時とかに使う場所なんだ。

特殊な技術(魔術)で作ったから、どんなに暴れても上には響かない。

思う存分やってくれ。武器はその辺にあるものを使ってくれて構わない」

 

猪々子「かー、いっぱいあんなー。見たことねぇもんもあるし。

…お!ちょうど良さげな大剣が、これにするわ」

 

零士「うん。それじゃあ恋ちゃん、後はよろしく頼むね。お腹が空いたら言ってね」

 

恋「…わかった」

 

猪々子「よーし恋!さっそくやるぜ!」

 

恋「…こい」

 

 

 

数時間後

 

 

 

猪々子「モウ…ムリ…」バタリ

 

恋「ふぁぁ……お腹、へった」

 

 

 

正直訓練は、毎日の風呂と美味い飯がなかったら続かなかっただろうな

 

 

 

猪々子「おかわり!」

 

恋「…おかわり」

 

零士「二人ともよく食べるねー」

 

咲夜「ていうか食い過ぎだろ」

 

猪々子「だって美味いもん。なぁ恋?」

 

恋「ん、零士のご飯は、大陸一」

 

零士「嬉しいなぁ。まだあるから、ゆっくり食べるんだよ」

 

詠「…東、この量を毎日だと、近々赤字になるわ」

 

零士「え?」

 

 

 

 

 

 

唯一残念だったのは、あまり外を出歩けなかった事だな。

曹操の領地だから仕方ねぇけど、あたいも『晋』の仕事手伝いたかったなぁ

 

 

 

猪々子「さすがに世話になりっぱなしだし、何か手伝いてぇんだけど、何かあるか?」

 

咲夜「…って言っても、あまり店内に出るのはまずいし

………あぁなら、家の方の掃除を頼めるか?意外と手間なんだよ。結構広いし」

 

猪々子「そんなんでいいなら毎日やるぜ!」

 

咲夜「へぇ、言ったな?なら毎日してもらおうか。

早朝訓練に、飛将軍との特訓、それに加え家の掃除か。途中で投げ出すなよ」

 

猪々子「??任せろ!」

 

この時のあたいは知らなかったんだよなぁ。

まさかこの家の掃除がこんなにも大変なんて…

って言うか広過ぎんだよ!おかしいだろ!どこぞの貴族の所有物件かと思っちまったよ!

 

咲夜「猪々子、大丈夫か?」

 

猪々子「心配してるんなら、そのニヤニヤ顏はおかしいと思う…」

 

咲夜は笑いを堪え切れていなかった

 

 

 

いろいろあったけど、この二ヶ月は本当に楽しかった。

出来ることなら、ずっとここで暮らせたらとも思った。

でも、明日はいよいよ出発しなきゃいけない。

斗詩と麗羽様が劉備の所にいるってのがわかった。

でも、その情報をくれた人物が、劉備を攻めるらしいから、助けに行かなきゃいけない。

『晋』のみんなも、本当に大好きで、本当に大切なやつらだけど、

斗詩と麗羽様も同じくらい大好きで大切なんだ。

それに、斗詩はきっと待ってくれている。だから、行かなきゃいけない

 

 

 

詠「ほんと急よね」

 

零士「仕方ないよ。状況が状況なんだから」

 

咲夜「なんだ詠、寂しいのか?」

 

詠「ば、馬鹿言わないでちょうだいよ!僕は別に…」

 

月「でも詠ちゃん。寂しくない、って言えないよね」

 

詠「うぅ…」

 

咲夜「詠は相変わらずだな」

 

悠里「とかいう咲夜姉さんも、寂しいくせに」

 

咲夜「…」

 

悠里「ちょ!図星だからって、ナイフ振り回さないで下さいよ!」

 

猪々子「はは!ほんと、いいよなここ。なんつーか、すげぇ安まるよ!」

 

零士「……そうだ。記念にみんなで写真撮っとこうか」

 

猪々子「しゃしん?」

 

零士「うん。…よっと」

 

猪々子「え?」

 

零士の手から、なにかよくわからない物が出てきた。

え?え?どうなってんだ?

 

猪々子「い、今のどうやって…」

 

零士「はは、まぁ細かい事は気にしない。写真と言うのはね…」パシャッ

 

零士があたいに写真?ってのを向けると、そのからくりから音が出た

 

零士「はい。これが写真」

 

猪々子「す、すっげぇ!あたいがいる!」

 

手渡された一枚の絵には、あたいが写っていた。

すげぇ精巧に描かれてる。本物みてぇ

 

零士「このからくりはカメラって言ってね。

これを使うと、その場の風景を鮮明に写し出す事ができるんだ。

ここの品書きにある絵も全部写真だよ」

 

猪々子「へー、なんかよくわかんねーけど、すげぇな」

 

咲夜「まぁ、そんな反応だよな。よし、じゃあみんな集まって撮ろうぜ」

 

悠里「あたし咲夜姉さんの隣!恋ちゃんもあたしの隣ね!」

 

恋「…セキトも」

 

月「私は詠ちゃんの隣だね!」

 

詠「わかったわかった。だから引っ張らないで」

 

零士「僕はセットしなきゃいけないから、端っこにいくね。猪々子ちゃんは真ん中だね」

 

左から零士、詠、月、あたい、咲夜、悠里、恋(セキト抱っこ)という順番に並んだ

 

零士「みんな笑ってねー。よし!十秒後だよ」

 

猪々子「な、なんか緊張すんな」

 

月「ふふ、笑顔ですよ」

 

咲夜「気をつけないと、ずっと残るぜ」

 

悠里「経験者は語る、ってやつですね」

 

詠「だ、大丈夫かな?」

 

恋「…セキト、あっち見て」

 

セキト「わぅ?」

 

零士「3、2、1…」

 

 

 

パシャッ

 

 

 

 

 

 

斗詩「文ちゃん?あれ、起きてたの?」

 

ガチャリと扉を開けて斗詩が入ってくる。

あの後あたいは曹操軍を退かせ、無事に入蜀を果たした。

あの時、夏侯惇とも戦ったが、倒す事は出来なくても、十分渡り合える事は出来た。

特訓の成果はあったようだ

 

猪々子「よー斗詩!最近早起きが染み付いちまってな。

さっきも早朝訓練終えたとこだぜ!」

 

斗詩「文ちゃんが早起きなんて…ん?何見てるの文ちゃん?」

 

斗詩はあたいが持ってた写真を指差す。

あたいそれをもう一度見て、そして斗詩に見せてやった

 

猪々子「これは写真って言ってな?あたいの、大切な家族と一緒に写った絵なんだ」

 

 

写真には、みんなが笑顔で写っている姿があった

 

今は離れ離れだけど、いつか必ずまた『晋』に帰ろう

 

今度は、斗詩も麗羽様も一緒に

 

 

 

 

 

 

あとがき

 

 

 

こんにちは!

 

まず初めに

 

お気に入り登録が50人越えましたーー!!

 

本当にありがとうございます!

 

まさか50越えると思ってなかったので歓喜してしまいました!

 

今後も頑張って書いていきたいと思います!!

 

 

 

 

ってな感じで今回は猪々子視点で日常編をやりました

 

ほのぼの、ゆるゆる全開です!

 

最初は袁紹編の中でやろうと思っていましたが、袁紹編のアフターチックにも読めるし

 

まぁ、日常でいっかなって感じで書いた作品です

 

うちの猪々子はどういう訳かツッコミキャラ!!

 

 

 

さてさて、次回からは日常編とストーリー編の間みたいな話が続きます

 

今後もお付き合いしてくださると幸いです!

 


 
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