No.630535

魔法戦記リリカルなのはmemories 最終章 新たなる聖王の歴史(メモリー) 本幕【終わり、そして始まりの日】 第百十九話

J・S事件から八年後、高町なのははある青年に会った。

その青年はなのはに関わりがある人物だった。

だがなのはにはその記憶が消されていた。

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2013-10-22 23:42:13 投稿 / 全2ページ    総閲覧数:1357   閲覧ユーザー数:1329

今日からまた、memoriesが終わるまで優先して書かせてもらいます。

 

前回は諦めてほかの作品を書くようにしましたが、あと数話となったために急ごうかなと。

 

まぁ、そんな報告をしておきますね。

 

それではどうぞ!!

「これで……すべてが終わった。オリヴィエが残した最後の敵も倒すことができた」

 

 ナノハはミルティオル・ベスカが息をしていないという事を近付いて確認すると、はやての様子をみた。

 はやてはその場でしゃがみこんでおり、その様子をみてナノハは、はやてが人を初めて殺めてしまったという事に後悔しているのだろうと思った。ナノハだって初めて人を殺めた時は悩んだため、はやてが苦しんでいる理由はナノハも理解していた。

 

「……はやてちゃん、大丈夫?」

「大丈夫なわけ……ないやろ……」

 

 なのはの口調として、ナノハははやてに話しかけるが、はやての返事を見る限りかなり重症だと気付いた。

 はやてがミルティオルを殺すように仕向けたようなものではあったが、ここまで人を殺めた時の精神面が弱いとはナノハも思ってもなく、はやてなら大丈夫だろうと過信していたナノハのミスでもあった。こうなった責任としてナノハははやてを支えようとも思うが、どうすればいいのか分からなかった。

 

「……人を殺すという事がこういう事なんだなと初めて実感したわ。なのはちゃんは……初めて殺したときどうやったんや?」

「……はやてちゃんほどではないけど、これでよかったのかなと何度も繰り返したよ。だけど、そんなことで悩んでいたら先に進めないとおもって吹っ切れることにした」

「……そっか。なのはちゃんは強いな……」

「強くないよ……いまでも、人を殺めるために何かを失っているような感覚になるから……」

 

 ここまで来れたのもその感情をずっと抑え込んでいたからだった。抑え込んでいなければ、ナノハは狂っていただろうし、抑え込む方がかなりつらかった。もう数えきれないほどナノハは人を殺めているため、感覚は狂ってしまったのかもしれないが、人を殺めるためにナノハは内心悲しんでいた。

 とにかく、このままはやてを一人にさせると何をするかわからないため、ナノハははやてに問うことにした。

 

「はやてちゃん……これから、どうしたい?」

「……遠くに行きたい。こんな姿……ヴィータやシグナム達にも見せられへんよ……」

「……分かった。私が付いて行ってあげるから…… 同じ、人を殺めた同士として……」

「ありがとうな……」

 

 はやてから最後に感謝を聞いたあとのナノハは転移魔法を発動させ、管理局がこのまま復興しても気づかれないような世界へと、ナノハ達は移動するのだった――

 

 

----

 

 

 ナノハとはやてがどこかへと居なくなったことを知らないフェイトやアリシア達は、アマルナの洗脳を解くためにアマルナの耳に付いている見えないピアスを破壊するために動いていた。

 

「くっ、相変わらず早すぎる!!」

 

 アマルナの瞬間移動並みな速さに、フェイトはどうしても回避する事だけしかできないでいた。

 しかし、アマルナ対多人数なため、一人ずつしか対応できないアマルナとしては圧倒で気に不利で、先ほどから何度もアマルナへと魔法の攻撃を当てることはできていた。だけどすべてが耳以外に当たり、うまく耳に当てることができなかった。

 

「今だっ!! ラケーテン――ハンマー――っ!!」

 

 フェイトがアマルナの攻撃をかわしたのを見てヴィータは一気に近付き、ラケーテンハンマーをアマルナに振る。

 アマルナはフェイトに攻撃をかわされた時だったため、ヴィータの攻撃を防げるような状態ではなかった。そのままもろに直撃を受け、地面へと直下していった。

 

「よしっ、とりあえずこれで体力的に減らしただろう」

「だが、まだ勝負が決まったわけじゃない。安心するのはまだ早いぞ」

「シグナムに言われなくても、分かってるよ!!」

 

 と、そこまで言うと、アマルナのところに誰かが近づいてきていることに気付いた。

 

「みなさん~ 大丈夫ですか~」

「リイン!! アギト!!」

「それに、エリオ達も!!」

 

 ようやくエリオ、キャロ、トーマの三人も集まり、そしてナノハがスター・ライト・ブレイカー・ジ・エンドを放った時にそれぞれはやてとシグナムとはぐれてしまったリィンとアギトの姿もあった。

 シグナムはアギトとはぐれてしまったのは知っていたがリインがはやてとはぐれてしまったことを知らないため、リインがどうしてはやてと離れ離れになっているのかという事を聞く

 

「リイン!! どうしてここに」

「アギトさんと同じで、はやてちゃんとはぐれてしまって……」

「だから、はやてと一緒にリィンが居なかったのね。っていうかシグナムもそうだったんだ」

「あぁ、とにかくアギトは私と、リインはヴィータとユニゾンしておくぞ。ヴィータもいいな」

「おう、行くぞリイン」

『ユニゾン――インっ!!』

 

 ヴィータとシグナムはそれぞれリインとアギトとユニゾンをし、ヴィータは騎士甲冑が真っ白へとかわり、シグナムは騎士甲冑が紺色と変わり、マントは白のままだった。

 

「ヴィータとシグナムは準備できたようだね」

「あぁ、アマルナ・ラスティルの様子は」

「まだ動く気配はない。なのはが居なくなる前に与えたダメージのおかげでかなりの疲労が出ているようだけど」

 

 ダメージの影響か、アマルナは反射能力がよわ回っているようにも考えられた。操られているとはいえ、魔法を使うとしても結局は人間だ。魔法を使いまくった疲れとダメージによる疲れが出てこないわけがなかった。

 このままいけば、アマルナのピアスを破壊するところまでは行けるかもしれない。とにかく、アマルナがまだ動けない状態である現状にどうするべきか話し合っておくべきだった。

 

「動いたままピアスを狙うことは難しい。となれば、アマルナを気絶さえてから倒す方が手っ取り早い」

「フェイトの言うとおりだね。人数も増えたことだし、先ほどと同じようにアマルナを錯乱させていけば大丈夫でしょう」

「そうね――その通……っ!?」

 

 アリシアとフェイトが簡単に作戦を決め終えた刹那、アマルナの周囲から先ほどよりもかなり強いオーラを感じた。それはそのオーラだけで押されるほどのオーラでこの場にいた全員が驚かされていた――

 アマルナはその場で立ち上がり、フェイト達が居る上空付近まで上がってきた。余りにオーラに、フェイトは思わず口をだしていた。

 

「なんなの……あれ」

「まさか……まだ力を隠し持っていたというの!?」

 

 想定外の出来事にフェイト達は全員が驚き、全員がアマルナに警戒をし始める。

 そして、アマルナがこの言葉を発した直後、さらに空気が入れ替わるのだった――

 

「ダメージ負傷が大きいため、最終段階へと入ります。この場に居る人間すべてを殲滅します」

 

 

----

 

 

「な、それはどういうことだ!!」

「だから言った通りだ。アマルナが負傷すればするほど、自分の身体を気にせずに周りを殺す最終モードに入ると」

 

 一方、フィルノはリュベルからアマルナが負傷をかなり負うと最終モードにはいるという言葉を聞いた直後、リュベルに詳しく求めていた。

 この最終モードはアマルナの洗脳を解かせないために仕組まれたものであり、アマルナが亡くなることによって証拠を隠滅するという意味も含まれていた。

 

「てめぇら……本当に人をなんだと思ってるんだ!!」

「そんなことを言っている場合か? このことを報告しておくのが最優先なのではないか?」

「ちっ」

 

 フィルノは舌打ちしながらも、アリシアへと状況報告とアマルナの事について話すために念話で話かけていた。

 そんな様子を見たリュベルはため息を吐きながらも、これからのことについて考えるのだった。

 

(さて、ミルティオル・ベスカ中将は殺されてしまうが、子供が生きていれば管理局に反逆するチャンスがあるだろう。それまでは、密かに暮らしておこう)

 

 リュベルは知らない。すでにミルティオル・ベスカもその子供も殺されてしまい、すでにその目論見は終わっていることを知る由がなかった――


 
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