No.611352

ダンガンスクール[10] 安広多恵子

アッキさん

 ダンガンロンパIfストーリー。
 もしも、彼ら彼女らが普通に学園生活を送っていたらどう言う生活を送っていたのか?
 第10話、【超高校級のギャンブラー】セレスティア・ルーデンベルクの話。

2013-08-22 22:13:05 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:2542   閲覧ユーザー数:2510

【ダンガンロンパIfストーリー・ダンガンスクール】

【希望ヶ峰学園デノ生活】

【第10話・セレスティア・ルーデンベルク】

【別タイトル・安広多恵子】

【超高校級のギャンブラー】

 

 

【ジュウイチガツ・ジュウクニチ】

 

 

「苗木君、少し相談事がありますの」

 

 

 と、【超高校級の幸運】、苗木誠はいつものように帰ろうとすると【超高校級のギャンブラー】、セレスティア・ルーデンベルクに呼び止められた。もうすっかり定例となっている【超高校級のアイドル】、舞園さやかと【超高校級の???】、霧切響子の2人と一緒に帰っているけれども、先に帰って欲しいと言って帰ってもらった。出来る事ならば早く帰りたいと思いつつ、苗木は椅子に座る。

 

 

「なんだい、セレスさん。何か用なのかい?」

 

 

「実は……苗木君に聞いて欲しい事が、覚えて欲しい事があります。【嘘の天才】とも呼ばれるくらい嘘だらけのわたくしですが、苗木君に伝えておきたい【真実】が1つあります」

 

 

「そ、そうなんだ」

 

 

 そう言いつつ、苗木はセレスさんに信用されているんだなと思って、嬉しく思いつつ、苗木はセレスの言葉を待つ。

 

 

「わ、わた、わたくしは……」

 

 

「良いんだよ、セレスさん。僕は逃げないんだから。ちゃんと、ゆっくりでも良いから言ってくれれば良いんだから。ね?」

 

 

「苗木君……」

 

 

 うるうると涙をためるセレスは、慌てて目に溜まった涙を拭くセレス。

 

 

「ち、違うんですよ。苗木君。今のは、そう心の汗です」

 

 

「セレスさんも、大和田君や石丸君みたいな事を言うんだね」

 

 

「うるさいですよ、苗木君。

 ……でもまぁ、こう言う掛け合いも良いと思っているわたくしも居るんですが」

 

 

 そう言って、セレスは決心したような顔で苗木の顔を見つめる。

 

 

「苗木君。今日はわたくしの本名をお教えいたします。本来ならばあまり他人に言いたい事ではないんですが、苗木君はわたくしの中でCランクで、わたくしの騎士になっていますので、騎士に自分の名前をお教えしないのは失礼だと思いまして」

 

 

「そ、その話、まだ続いていたんだね」

 

 

 と、そう言いながら、苗木は思い出す。

 いつか、セレスさんが苗木を見て「苗木君、苗木君をわたくしのランクでCランクに認定します。これからは苗木君はわたくしの騎士ですわ」と言っていた事を。あの時はいつものセレスさんの冗談かと思っていた苗木だが、どうやらあれは本当に普通に本物だったんだなと思う苗木。

 

 

「そんな苗木君に名前をお教えしなかったのは、流石に主としてダメなんじゃないかなと思いまして。

 ……では、お教えします」

 

 

 そう言って強い決心をしてこちらを睨みつけるセレスさんに、苗木は緊張しつつ答えを待つ。

 

 

「わたくしの名前は……」

 

 

「おぉー、苗木誠殿に安広多恵子殿ではないですか! どうかされたのですかな!?」

 

 

 と、【超高校級の同人作家】、山田一ニ三が「どうかしたのですか、二人とも!?」と言いながらずけずけと教室に入って来る。

 

 

「山田君、どうかしたの?」

 

 

「実は僕の大好きなアニメの眼鏡ふきを教室に置いて来てしまいましてな。取りに来たのですぞ。苗木誠殿と安広多恵子殿はどうしてここに?」

 

 

 状況が飲み込めていない山田は、きょとんとした顔で2人を見つめる。苗木は「アハハ……」と笑うしかなく、セレスが山田の方を見る。

 

 

「こ、この……」

 

 

「おぉ、どうしたのですかな? 安広多恵子殿?」

 

 

「この大豚めが!」

 

 

 そう言って、山田を思いっきり蹴るセレス。

 

 

「あべしっ!?」

 

 

 と言いながら、倒れる山田。

 

 

「折角、わたくしが勇気を持って苗木君に打ち明けようとしていたのを邪魔して! これじゃあ、わたくし、ただのピエロじゃないですか!」

 

 

「言っている意味が……分からない……のですが!? し、しかし、これもまた良い……」

 

 

「気持ちよくなってんじゃねえぞ、この豚野郎が!」

 

 

 そう言ってなんだか変な雰囲気になっている中、苗木はそろそろ帰っても良いかなと思い、その教室を抜け出すのであった。


 
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