No.611250

ダンガンスクール[9] セレスティア・ルーデンベルク

アッキさん

ダンガンロンパIfストーリー。
もしも、彼ら彼女らが普通に学園生活を送っていたらどう言う生活を送っていたのか?
 第9話、【超高校級のギャンブラー】セレスティア・ルーデンベルクの話。

2013-08-22 15:26:58 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:2374   閲覧ユーザー数:2348

【ダンガンロンパIfストーリー・ダンガンスクール】

【希望ヶ峰学園デノ生活】

【第9話・セレスティア・ルーデンベルク】

【超高校級のギャンブラー】

 

 

【ロクガツ・ジュウサンニチ】

 

 

 希望ヶ峰学園の教室。窓の外では梅雨のため、雨がザーザーと降り続いている。そんな中、【超高校級の幸運】、苗木誠は壁際に追い詰められていた。追い詰めているのは【超高校級のギャンブラー】、セレスティア・ルーデンベルク。

 黒髪のパッツン前髪に白い肌、赤い瞳が印象的な細身の少女。とくに目を引く両脇に結んだ巨大な縦ロール(ツインドリル)に、衣装は、黒を基調とした白いフリルのあしらわれたドレスを着用し、頭部にもそれに合わせた白いボンネットを乗せている。アクセントに赤色の靴・ネクタイ・リボンなど、全体的に黒・白・赤の三色で統一されている。 また、手の爪には黒いマニキュアを塗っている他、右手人差し指には外骨格のような金属製のプロテクターを付けている。

 皆が皆、愛称であるセレスと言う彼女は、苗木の事を追い詰めていた。

 

 

「え、えっとセレスさん……。なんで、僕を追い詰めているのかな?」

 

 

「苗木君。苗木君にわたくし……伝えたいことがありますの」

 

 

 と、セレスはそう言いながら苗木の方に近付いていく。苗木はいきなりセレスにこうやって追い詰められているのを見て、「何か変だな、今日のセレスさん」と思って後ろに下がって行く。

 

 

「苗木君。4月、教室で初めて会った時、苗木君の言った初めての言葉を覚えてます?」

 

 

「えっ……今から2か月も前の事か。ちょっと覚えてないかな?」

 

 

「そうですね。覚えてなくても良いですかね。わたくしも覚えていませんが」

 

 

「えぇっ!?」

 

 

 自分で話を振って起いて、「知りません」ってどう言う事なの? と思いつつ、苗木は頭を悩ませる。

 

 

「……嘘ですよ。冗談です。苗木君、わたくしは【嘘の天才】ですよ。ちゃんと対応しないとダメですよ、苗木君」

 

 

 セレスは軽く笑っている。

 

 

「【よろしく、セレスさん。今日からよろしくね】。苗木君はそう言っていたんですよ?」

 

 

「えっ、そんな普通の事?」

 

 

 そんな普通な事をセレスさんはどうして聞いて来たんだろうと、苗木は不思議に思うのであった。

 

 

「苗木君は、まとめのスレッドで皆さんの事を調べていたんですよね? 実際、十神財閥の十神白夜君から、有名進学校の風紀委員をしていた石丸君を知っていましたよね? 他の皆様はテレビなどで有名ですが、中には彼らや私のようにテレビ番組にあまり出ない人達の事まで知っていましたよね? だったら、苗木君は勿論、わたくしが【超高校級のギャンブラー】である事も、それに【嘘の天才】である事も知っていたはずです。

それでもわたくしと言う嘘吐きにも関わらず、ああやって親しげに話しかけてくれている苗木君に、私、興味が湧きました」

 

 

「た、大した事はしてないよ」

 

 

「苗木君。大した事、ありますよ。大切なのは相手がどう思っているのが、大切なんですよ。だから、苗木君の何気ない行動は、わたくしのこの胸に確かに届いたんですよ」

 

 

そう言って、彼女はニコリと微笑みながら、苗木にこう言った。

 

 

「わたくし、苗木君の事、【大嫌い】ですよ」

 

 

「えっ? そ、それって?」

 

 

「はい、わたくし、嘘の天才なのでこれも嘘ですよ。本当のわたくしの気持ちは――――――――」

 

 

 そのセレスの嘘偽りない言葉は、梅雨の激しい雨によってかき消されていた。


 
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