No.608104

一刀の晋王転生録 第五章十二話

k3さん

馬騰、死す。一刀、曹操に衝撃走る。そして馬超の元に曹操の使者が訪れるが……

2013-08-12 22:13:43 投稿 / 全4ページ    総閲覧数:2790   閲覧ユーザー数:2444

 姓:司馬 名:昭  性別:男

 

 字:子上

 

 真名:一刀(カズト)

 

 北郷一刀が転生した者。

 

 

 

 

 姓:司馬 名:懿  性別:女

 

 字:仲達 

 

 真名:理鎖(リサ)

 

 一刀と瑠理の偉大なる母。第三章で死亡した。

 

 

 

 

 姓:司馬 名:師  性別:女

 

 字:子元

 

 真名:瑠理(ルリ)

 

 母を目標にする一刀の姉。一刀を異性として愛す。

 

 

 

 

 姓:張  名:春華 性別:男

 

 真名:解刀(カイト)

 

 一刀と瑠理の父にして、一刀の師。第四章前編で死亡した。

 

 

 

 

 姓:王  名:元姫 性別:女

 

 真名:美華(ミカ)

 

 一刀に異常なまでに執着する一刀の妻。

 

 

 

 

 姓:鄧  名:艾  性別:女

 

 字:士載

 

 真名:江里香(エリカ)

 

 後の司馬家軍の宿将。司馬家に対して恩を感じている。

 

 

 

 

 姓:賈  名:充  性別:女

 

 字:公閭

 

 真名:闇那(アンナ)

 

 司馬家の隠密。一刀のために働くことを生きがいとする。

 

 

 

 

 姓:王  名:濬  性別:女

 

 字:士治

 

 真名:澪羅(レイラ)

 後の司馬家の水軍の将。一刀を気に入り、司馬家のために戦う。

 

 

 

 

 姓:司馬 名:望  性別:女

 

 字:子初

 

 真名:理奈(リナ)

 

 一刀達親戚で、一刀と瑠理とっては義姉という立場。

 

 

 

 

 

 

 姓:杜  名:預   性別:女

 

 字:元凱

 

 真名:綺羅(キラ)

 

 一刀とは同期。親同士の仲は良くないが、当人達の仲は良い。  

  第十二話

   「曹操の乱、義姉妹の怒り」

 

 

 馬騰が自ら首を斬ったその日の夜。策を考えていた一刀の元に闇那が訪れた。

 

「一刀様、私の部隊の者から信じられない情報が」

 

「? 何だ? 何かあった?」

 

 闇那の報告に一刀の表情が驚愕に染まる。

 

「確かか!?」

 

「はい、間違いありません。馬騰が自決したようです」

 

「何故だ?」

 

「そこまでは、わかりません」

 

「そうか……」

 

 一刀の中で様々な疑問が出てくるが、一旦考えるのを保留にする。

 

「お前は何か気になることでもあるか?」

 

「そういえば、最近になって噂が大きく広がったようです。内容は確か、馬騰は曹操と何か取引をしたとか」

 

「……まさか、漢がそれを真に受けて、それで馬騰殿は追い込まれたのか?」

 

 彼女の事だ、もしかしたら忠義を再度示すために、というのは有り得ると思った。もしそうなのだとしたらと、一刀は漢に対して落

 

胆を覚える。

 

(馬騰殿程の忠臣を何故? それほどまでに陛下は周りが信じられないのか?)

 

 そこまで考えるが、まだ確定では無いと思い直す。

 

「駄目だ、情報が無さ過ぎるな。闇那! もう少し調べてくれ!」

 

「はい!」

 

 闇那が出て行った後、一刀は馬騰の事を考える。

 

(あの人とは最後まで敵だった、でも俺にとって、尊敬できる人だった……)

 

 だからこそ一刀は真相を知りたかった。

「な、何ですって!? どういう事!?」

 

「も、申し訳ございません! まさかこんな事になるとは……」

 

 曹操は郭嘉の報告に、血の気が引いた。このような結末は微塵も予想出来ていなかった。

 

「今すぐ馬騰軍に使者を送りなさい!」

 

 彼女は未だに半信半疑の状態で、直接この目で見るため使者を出す。

 

(どうして不当な扱いをする漢にそこまで……)

 

 この後、使者を選び、馬騰軍の元に向かわせる。しかし、曹操は迂闊にも人選を慎重に選ぶことをしなかった。

「お義姉さま、曹操軍の使者が来てるよ、何か聞きたいことがあるって」

 

「……ああ、分かった」

 

 馬超は静かに返事をし、使者の元に向かう。

 

(……母様の事、か)

 

 馬超の予想どうり、使者を送り出した内容は馬騰の事だった。

 

 馬超と使者は少しずつ、その内容を話していく。

 

 だが、その途中、馬超は使者のある言葉に強く反応する。

 

「お前、さっき何て言った?」

 

「え? 漢の理不尽なやり方によって馬騰殿が死に追いやられた事は誠に残念であると」

 

 馬騰の事で悲しみにくれながらも、その死を起こした理不尽に対する怒りがあった。そのためだろう、普段の彼女では気付かない使

 

者の発言に疑問を抱く。

 

(何だこいつ? 何でこんなに知っているんだ?)

 

 事件が起こったのはこの日の昼なのに関わらずである。

 

「お前……何でそこまで知っている!? 言え!」

 

「ひっ!」

 

 馬超は使者を脅し、吐き出させる。そして知る。曹操が噂を広がせたという事を。その理由は漢を裏切らせ、此方に寝返るようにす

 

るためだという事を。

 

「それは本当か!」

 

「ま、間違いないです。私が噂を広めた部隊の一人だっ……!?」

 

 使者が全てを言い終わる前に馬超は使者を斬っていた。

 

「そうか……全ては曹操のせいだったのか!」

 

 馬超は思考が怒りと憎しみで支配される。

 

「よくも、よくもお母様を! 許すまじ! 曹操!」

 

「お義姉さま……どうするの?」

 

 馬岱もまた声から怒りが込められているのが分かる。

 

「決まっている」

 

 馬超は妹分の馬岱に宣言する。

 

「曹操を討つ! 蒲公英! 準備しろ!」

 

「うん!」

 

 二人とも分かっていた。この決断は馬騰の忠義を潰しかねない事だという事は。先ほどの死を無駄にしかねないという事は。だがそ

 

れでも二人は止まらない。否、止まれなかった。


 
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