No.585464

未来戦隊タイムレンジャー&魔法少女まどか☆マギカ

超AIn12さん

西暦3002年の時間保護局が西暦2012年の見滝原市で時間移動を確認した。時間移動を調査するため、ユウリ達は一旦2002年に行き竜也を再びチームに加え2012年へ向かう。そこで出会ったのは絶望に抗おうとする魔法少女と呼ばれた少女達。タイムレンジャーと魔法少女の出会いは新たな時を刻むのか・・・・・
この小説は未来戦隊タイムレンジャーと魔法少女まどか☆マギカのクロスオーバー小説です。

2013-06-09 17:04:31 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:1581   閲覧ユーザー数:1576

Case File2 2012年への旅立ち

 

 竜也は久しぶりに会ったユウリ達4人と会った後、ユウリ達を家に泊めてくれないかと渡に頼んだ。初めは許可してくれないかと思ったが、意外にも許可してくれたことで安心して4人を家に入れた。

 それから次の日、竜也の家で竜也達が色々と会話をしていた。

ユウリ「竜也、昨日言ってた話したいことって何?」

竜也「ああ、今言うよ。俺は昨日、親父達と一緒に見滝原市の再開発事業の会議で見滝原市に向かっていたんだ。」

ユウリ「(見滝原市!?)」

 竜也の見滝原市という言葉にユウリは驚いていた。

ドモン「それが昨日の言ってた話したいことか?」

アヤセ「ドモン、少し早とちりすぎだ。それで、会議に向かっただけか?」

竜也「いや、会議に向かったんだが、会議の準備をしていた会議をする相手の会社の社員が急に暴れだしたんだ。」

シオン「暴れた人はどんな人だったのですか。」

竜也「その会社の社長の話では普段はおとなしくて真面目だったって聞いていたんだ。」

ユウリ「じゃあ、どうして暴れたのか気になるわ。」

竜也「わからない…………ただ、暴れていた社員は気絶させた後に首筋を見たらへんな紋章があったんだ。」

 『紋章』という言葉に4人は信じられない表情を見せる。

シオン「紋章、ですか」

タック「暴れていた人についていたとは、まるで呪いの印のようだ。」

ドモン「おいおい、ひょっとしたらその紋章は刺青じゃないのか?」

アヤセ「待て、第一刺青を入れている会社員はあまりいないだろ。それにその紋章は書けるのか?」

竜也「わかった、大まかにだけど書くことはできるから今から書いてみるよ。」

 アヤセの問いかけに対して竜也は大まかに紋章を書く。そして、大まかに書いた紋章をみんなに見せた。

ユウリ「これが、暴れていた人に付いていた紋章?」

シオン「何だか通貨の記号が合わさったような紋章ですね。」

アヤセ「その紋章が暴れていた人の首筋についていたのか」

竜也「ああ、そうだ。それから、暴れていた人だけじゃなくて会議室のホワイトボードにもこれと同じ人が入れるぐらいの大きさの紋章があったんだ。」

ドモン「ホワイトボードに人が入れるぐらいの大きさの紋章、ただの落書きじゃなかったのか」

竜也「ああ、しかもその紋章はただの落書きじゃなくて入り込むことができたんだ。変な空間につながってたけど。」

ユウリ「変な空間?ホワイトボードの紋章は竜也の言う変な空間の入り口だったの?」

 竜也の言う変な空間の話を聞いてユウリは問いかけた。

竜也「多分、そうだった。タック、紋章を異空間の入り口にする囚人はいるのか?」

タック「いや、そんな囚人はいない。」

ドモン「じゃあ、変な空間はなんであったんだ?空間を作った奴でもいたのか。」

タック「多分そうかも知れないな。竜也、その異空間はどんな様子だったんだ?」

 タックは竜也に異空間の様子を聞く

竜也「異空間に入ったら、なんかユウリ達のいる時代の刑務所っぽい場所だったんだ。それに、頭部だけのゼニットがたくさんいたんだ。」

アヤセ「頭部だけのゼニット?」

ドモン「冗談だろ、頭部だけのゼニットなんてお化けでもあるまいし。」

シオン「ひょっとして、竜也さんの迷い込んだ異空間って、幽霊のいるあの世じゃなかったんですか。」

竜也「シオン、冗談はよしてくれよ。」

ユウリ「竜也、その異空間はロンダー刑務所みたいな風景で頭部だけのゼニットがたくさんいたけど、それだけだったの?」

竜也「ゼニットばっかりじゃない、異空間を進んで大きな金庫の扉を開いて金塊がたくさんある部屋を見たらリラを見つけたんだ。」

 竜也の「リラを見つけた」という言葉に4人は驚きを隠せなかった。

アヤセ「何、リラだって!?」

シオン「行方のわかっていないリラを見つけたんですか!?」

ドモン「だったらすぐに逮捕だ!」

ユウリ「リラ、今度こそ捕まえてドルネロとの因縁を終わらせるわ!」

 4人はリラの行方がわかって興奮状態になっていた。そこへ竜也が割り込んだ。

竜也「まだ説明の途中だから待ってくれよ。」

ドモン「まだ説明中かよ」

 ドモンが不満気に言った後、場の雰囲気が一時的に落ち着いた。

竜也「それでリラを見つけたんだが……外傷がなかったのに……死んでたんだ……。」

 竜也の言葉に場の雰囲気が一気に凍りつく

シオン「そんな………」

ドモン「嘘だろ……」

ユウリ「外傷もないのに死んでたなんて……」

アヤセ「それで、死因はわかったのか?」

竜也「まだわかってないけど、ちょうどニュースもあるからテレビを見よう。」

 竜也はそう言ってテレビの電源をつける。すると、ちょうどロンダースファミリーのリラが遺体で見つかったというニュースが流れていた。司法解剖の結果、体の内部でも異常は見つからず、原因不明の急死だと報じられた。

シオン「司法解剖しても死因がわからないなんて……」

アヤセ「少なくとも怪我で死んだわけではないらしいな。」

ユウリ「だとすると、31世紀の病気で死んだという可能性も否定できないわ。」

竜也「病気か……」

タック「多分そうだろうな。話は変えるが竜也、その金庫の扉の先の金塊がたくさんある部屋にあったのは金塊とリラの遺体だけだったのか?」

竜也「その部屋に入ってしばらくは何も起きなかったんだけど、リラの遺体を見つけてしばらくしたら怪物が出てきたんだ。」

 『怪物』という言葉に4人は竜也に視線を集中させる。

ユウリ「竜也、その怪物はどんな姿だったの?」

竜也「怪物の姿は頭がクジラで体が金庫だったんだ。それに左手はマシンガンで右手は吸引機を装備していたんだ。」

 怪物の姿を話したら、シオンとドモンは笑い出した。

シオン「クジラの頭って何だかドルネロみたいですね。」

ドモン「ひょっとしたらその怪物ってドルネロの亡霊か何かじゃないのか?あいつ、金の亡者みたいな奴だし。」

アヤセ「バーカ、幽霊なんているわけがないだろ、その怪物はたまたまドルネロに似てただけじゃないのか。」

ユウリ「ドルネロに似た怪物ね。それでその怪物は倒せたの?」

竜也「ああ、動きも鈍くて簡単に倒せた。そうしたら異空間も崩れて元の会議室に戻れたんだ。」

タック「怪物を倒して異空間から出られたとすると、その怪物が異空間を作っていた張本人だったのか。」

竜也「多分そうだった。それと、怪物を倒したら黒い宝石が出てきたんだ。」

アヤセ「黒い宝石?」

シオン「竜也さん、その宝石を見せてくれませんか」

竜也「それが……親父に研究素材として取り上げられてしまったんだ……」

ドモン「何日ぐらいで研究は終わるんだ?」

竜也「親父の話だと、1週間ぐらいかかるらしい。」

ユウリ「……それなら、1週間待つしかないわね。2012年に出発するのもそのときにするわ。」

 竜也の拾った黒い宝石を見るために2012年への出発を1週間待つことになった。

 

 1週間後、

 

 浅見グループのビル

竜也「親父、宝石はどうだったんだ?」

渡「それが……解析できなかった。」

竜也「宝石は施設にあるのか?」

渡「一応、昨日施設から返却された。お前が先に見つけたからこれはお前に返してやろう。」

 渡は竜也に黒い宝石を返した。

竜也「それから、親父。」

渡「どうした、竜也。今から会議だ。来てもらおう。」

竜也「親父、今からちょっと用事が・・・。」

渡「駄目だ。会議に出ろ。重要な話なんだ。・・・ん?そういえば・・・。」

 渡は1週間前に来たユウリ達のことを思い出す。

渡「そうか、お前はまた仲間に呼ばれていたのか?もう戦いは終わったのだろう?」

竜也「いや、仲間と行かなきゃいけないんだ。どうしても。俺が・・・浅見竜也が。」

渡「・・・そろそろ浅見を継ぐ気になったかと思ったが・・・フン、勝手にしろ。」

 渡はそういって会議室へ向かった。竜也は父、渡の気遣いに感謝しながらビルを出て、仲間達の元へ向かった。

 会議室では・・・

重役A「会長、竜也君はどうされたのですか?」

渡「あいつは仲間とどこかへ行ってしまった。」

重役B「どうして竜也君を引き止めなかったのですか?竜也君は会長の跡継ぎなのですよ。」

渡「いや……私が止めても止まるような奴じゃない。あいつは、私の息子だからな……」

 渡は部下に対してそう語った。

 

 以前竜也と初めて出逢った場所で4人は待っていた。そこへ竜也がやってきた。

ユウリ「竜也、ずいぶん遅かったわね。」

竜也「ごめん、色々とおそくなって。それから黒い宝石を返してもらった。」

 竜也は渡から返してもらった宝石を見せる。

シオン「これが竜也さんの言っていた宝石ですか。」

ドモン「何だか不気味で趣味が悪いぜ。」

アヤセ「確かに不気味だな。何か仕掛けでもありそうだ。」

ユウリ「忘れるところだったわ。竜也、これ。」

 ユウリはもう一つのクロノチェンジャーを竜也に渡す。竜也はクロノチェンジャーを受け取ったら腕につけた。

竜也「クロノチェンジャーか、懐かしいな……。」

ユウリ「感傷に浸っている場合!」

竜也「おっと、悪い。」

ユウリ「1週間前から聞きたかったけど、この時代の見滝原市で少女の蒸発事件はあったの?」

竜也「蒸発事件、ニュースでもあったけどどうかしたのか?」

ユウリ「やっぱりね。実は31世紀では見滝原市を中心に原因不明の少女蒸発事件が発生しているの。」

竜也「そんな事件が31世紀でも起きていたのか……1週間前の事件と同じ見滝原市で起きているなんて何か関係性でもあるのか?」

ユウリ「わからない……それにこれから向かう2012年では4月に見滝原市で自然災害が発生したの。」

竜也「自然災害!?」

シオン「何でも、急に発生して見滝原市は壊滅状態になったんですが、急に収まったんです。」

ドモン「おいおい、急に収まるなんておかしいんじゃないのか」

アヤセ「確かに収まるなんて何かあるに違いない。」

ユウリ「答えは2012年にあるようね。」

竜也「タック、この乗り物に乗り込んで行くのか」

タック「ああ、そうだ。みんな準備はできたか?」

ドモン「バッチリだぜ、タック。早速出発だ!」

 竜也達は時間飛行体に乗り込んだ後、目的地を2012年にセットした。いよいよ竜也達は謎の多い2012年の見滝原市に向かうのであった。

 だが、タイムゲートを開いたときに異変が起こった。なんと、タイムゲートの先に同時に魔法陣が出現したのである。

ドモン「何なんだよ、あれは!」

シオン「何か起こったんですか!?」

竜也「あれは、アニメなどであった魔法陣!?」

タック「まずいぞ、緊急ブレーキを!!」

ユウリ「駄目よ、間に合わない!」

アヤセ「とにかく落ち着け!!」

 慌てている間に魔法陣が先にあるタイムゲートに入ってしまった。

 

竜也「……ん」

 タイムゲートに入った竜也達はゆっくりと目を覚ました。周りをゆっくりと見渡した後、思わずこう呟いた。

竜也「一体、何なんだここは……おい、ユウリ、アヤセ、ドモン、シオン、しっかりしろ!」 

 そう呟くのも無理はなかった。

 そこは真っ暗な空間だった。前後上下左右、どこまでも果てしない闇が広がっていた。足場すら見えないので、自分達が立っているのか、それとも浮いているのか、それすらも分からない。しかも自分達の姿ははっきりと見えるのに、それ以外何も見えない。明らかに自分達が乗り込んでいる時間飛行体とは違う場所だった。

 竜也は起きた後、仲間達を起こした。

ユウリ「ここはどこなの……」

竜也「わからない。」

ドモン「まさか……時空の乱れに巻き込まれちまったのかよ!?」

アヤセ「そんなわけないだろ。」

シオン「ここはどこなんですかー!」

 シオンは大声で叫ぶが、その声に応える者は誰もいない。とにかくここから脱出する方法を探るために動こうとしたその時、頭上から明るいピンク色の光が輝いた。

 竜也達がその光を見上げると同時、球体状の光がゆっくりと降りてきた。その光景に驚く竜也達の前に、光は降りてきた。そしてその光は少しずつ治まっていき……、光が完全に消えると、そこには一人の少女が立っていた。

 桃色のふりふりとした服装に身を包んでおり、その外見はテレビなどで見る『魔法少女』の服装に近かった。柔らかそうな髪を赤色のリボンでツインテールにしており、幼い顔立ちをしている。首にあるチョーカーの下に桃色の宝石があった。

 だが、竜也達には少女の外見よりも少女が浮かべている表情の方が気になった。少女はとても悲しそうな顔をしていた。少女は竜也を見ると微笑みを浮かべたが、その微笑みは悲しげな笑みだった。

竜也「君は、誰なんだ?」

少女「……浅見竜也さん」

 竜也の質問に答えず、少女は竜也の名前を言った。それに竜也は思わず驚いた。なんと、彼女は1週間前に会った幼女に似ていたのである! 

竜也「え、前に会った事あったのか?」

少女「……はい、会ったことがあります。」

シオン「じゃあ竜也さんの知り合いですか……?」

ドモン「こんなかわいい知り合いができたなんて竜也、罪な男だな!」

アヤセ「そんなことを言っている場合じゃないだろ。」

ユウリ「竜也を知っているということは、私達の名前もわかるの?」

少女「はい、ユウリさん、アヤセさん、ドモンさん、シオンさん。」

 少女が名前を言ったことにユウリ達は思わず眉をひそめた。

ユウリ「じゃあ、どうして私達をここへ……?」

少女「あなた達が、私達の最後の希望だから」

 言葉の意味が竜也達にはよく分からなかった。竜也達が思わず首をかしげると、少女は悲しい目で竜也達を見つめて言った。

少女「浅見竜也さん、ユウリさん、アヤセさん、ドモンさん、シオンさん、今からあなた達は私達の時代に行くのですね?」

アヤセ「は? 私達の時代?何寝ぼけたこと言ってんだ?」

少女「頼みがあります。どうか私達の時代を救ってください!」

 少女の言った言葉に竜也達は思わず間抜けな声を出してしまった。少女の言葉に戸惑いながらも、竜也達は少女に尋ねる。

竜也「どうして俺達に頼むんだ?」

少女「……無数の時間の中で、あなた達がその可能性を持っていたから」

ドモン「可能性?」

少女「はい。絶望に覆われようとしている私達の世界の明日を、希望の明日に変える事が出来る可能性。その可能性を、あなたが持っていたから」

シオン「絶望の明日……」

少女「……私達の世界にもうすぐ、大きな絶望が現れます。その絶望が現れば、私の大切な友達が希望を失って絶望に沈んでしまうんです。……私にはできなかった。でも、あなたならできるかもしれない」

 少女はそう言うと、竜也達に向かって片手を差し出す。するとその手からピンク色の光が放たれ、竜也達の体内に吸収されるように消える。

少女「私の最後の力をあなたに渡します。今はまだ使えないけど、きっと役に立つ時が来ます。私の身勝手なお願いで、あなた達を危険な目に遭わす事になってしまってごめんなさい。でも、お願いします」

 少女は祈るように手を組んだ。そして最後に竜也達にこう言った。

少女「ほむらちゃん達を助けられるのは、あなた達だけなんです。浅見竜也さん、ユウリさん、アヤセさん、ドモンさん、シオンさん……」

 その言葉と同時に、少女の体からピンク色の光が放たれる。その光に目が眩み、竜也達は腕で目を守る。 光は膨らんでいき、闇色の世界を照らしあげていく。

 やがて竜也達の視界がピンク色の光で一杯になった時……、竜也達は意識を失った。

 


 
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