No.570340

マブラヴ オルタネイティヴ RETURN OF START 二十九話 集える者達

モアイ像さん

最近遅れてごめんなさい
ペースダウンで最低一ヶ月に一回という状態です

2013-04-27 11:46:25 投稿 / 全7ページ    総閲覧数:7739   閲覧ユーザー数:7382

マブラヴ オルタネイティヴ RETURN OF START

 

 

二十九話 集える者達

 

 

アスカ SIDE

 

 

「アスカ・サクラザキです」

 

欧州連合を代表する高官と上層部と思われる軍人の視線が集中して体が融解しそうだった

ファーレンホルスト中尉とララーシュタイン大尉まで順調にいくが、そこからグラサンしたSPに俺だけ手厚く連行され、1000人ほど入りそうなブリーフィングルームに立っていた

 

「では、サクラザキ少佐、“今回の研修”について全容は把握しているのかね?」

 

静かに「はい」と答えた

ヨーロッパは反オルタネイティヴ派まではないが、四番目から出向した俺を好ましくない連中から横槍もあり、口は出せるが手が出さないという条件を提示、日本からも資源や食料輸出規制の解除という条件を呑ませた

タイフーンの改修に色々と考えてきたが、それはそれで欧州連合がどういう風に作るか楽しみだ

それと西ドイツ陸軍の管理下になり作戦への参加は認められない

新参者が自分たちのテリトリーで勝手に動き回るのはプライドが許せないだろう

四番目の独自行動権はヨーロッパでも使えるが止めておこう

あれはあれで色々と厄介なことになるかもしれない

 

「最後に少佐には護衛を就ける」

 

「護衛ですか・・・」

 

向こうはケニーが護衛に就くって知っているはず?

米軍基地襲撃事件で警戒しているんだろう

香月博士が言っていた通り、半年ぐらい休養だと前向きに考えるしかないな

 

「では、入りたまえファルソ」

 

「はっ」

 

はぁ~と小さくため息つくと、ドアから一人の男が入ると内心で驚いた

サハラ砂漠でBETAに立ち向かった人が目の前にいたからだ

あの時、軍が来てしまい生存が分からなかった

「良かった・・・生きてくれて」と言いたくなるが、向こうは初対面で知らない

・・・・・・・・・ララーシュタイン大尉いないよな?

目だけを動かしララーシュタイン大尉の姿を探すがいない

 

「紹介しよう、護衛役のシルヴィオ・オルランディ中尉だ」

 

 

アスカ SIDE END

 

 

シルヴィオ SIDE

 

 

「よろしくお願いします」

 

護衛目標であるアスカ・サクラザキが手を出し握手を求め軽く返す

なんとも気が抜けているようで、簡単に殺されるのではないかと感じた

 

「―――ッ!?」

 

違う!

サクラザキはスパイを送っても逆にスパイの情報提示して送り返す四番目関係者だ

ヤツの雰囲気が相手を油断させ、情報を聞き出す戦略

数々のスパイが敗因した理由はこれか!中々侮れないヤツだ! ※違います

 

「シルヴィオ・オルランディ中尉?」

 

「・・・サクラザキ少佐、彼は気にしないでくれ」

 

「そ、そうですか・・・・・・それと殿下の親書と香月博士の手紙を預かりました」

 

なぜ?

今になって親書と手紙が、親書はお礼とか書かれていると思うが四番目責任者から手紙だと?

交渉は双方の納得した結果で・・・・・・これも違う、これはあくまでも国同士の交渉だ

ヨーロッパは日本をクッションとして使い四番目の技術を吸収しようとした

それが仇になり、次は四番目から交渉になった

この状態を初めから予測したいたというのか四番目は・・・・・・

サクラザキから渡された手紙に上層部は目を丸くした

やはりキツイ要求されたに違いない

 

「サクラザキ少佐、これで本当にいいのかね?」

 

「はい、この条件さえ守っていれば大丈夫です」

 

はい?

 

「我々が言うのは問題があるが、これは不味いのでは?」

 

「別に構いません、総理にも承諾を貰いました」

 

話が見えない

交渉は自分たちの有利に進んでいたはずだが、なぜ自分達が不利になるんだ?

一体何を要求したんだ四番目は?

 

 

シルヴィオ SIDE END

 

 

欧州連合 SIDE

 

 

アスカとシルヴィオが出て行き、見た目は穏やかであるが緊迫した空気が部屋を包み込んでいた

 

「どんな交渉がされるのか覚悟していたが、まさか予想外な要求されるとは」

 

「まったく天才は何を考えるのは分かりませんな」

 

上層部が驚くのは無理がない

夕呼が要求したのは、四番目に関係するもの全てを黙認させ、アスカの機体開発を自由に見学できることだった

日本にとっては情報漏えいになるが、電磁兵器を作りだした四番目(アスカから譲歩)に権利あり開発データが送られるため政府は容認した

 

「それほどの余裕があるのか四番目は?」

 

「だが電磁兵器の技術が間近で見られる良い機会だ―――技術者数人を派遣させるべきだ」

 

「しかし様々な計画が進行している中、人員を割くわけにもいかないぞ」

 

誰を派遣するのか各国が悩む中、イギリス代表がとある提案する

それは第三世代機タイフーンの評価試験を行ったレインダンス中隊を派遣させ、先行配備されているツェルベルス大隊とともに電磁兵器装備の機体を乗りこなし、ヨーロッパ奪還のための国内外にアピールさせる

各国はイギリスの提案に納得し満場一致で可決し夕呼の要求を呑むことにした

 

 

欧州連合 SIDE END

 

 

アスカ SIDE

 

 

交渉と呼べるのか分からない要求が終わり、ケニーと篁さんがいるドーバー基地に向かっている

車内には欧州連合側の護衛役オルランディさんとツェルベルス大隊の大隊長であり、85年イギリス本土防衛で活躍した七英雄のひとりヴィルフリート・アイヒベルガー少佐がいる

ちょうどドーバー基地に戻るため乗り合わせ、挨拶はしたが車内の空気は重い

 

「・・・・・・」

 

「・・・・・・」

 

「・・・・・・」

 

誰も喋らない

むしろ喋ることが許されないのか、それともこの二人は沈黙を貫き通すのか?

そんな沈黙を運転していたファーレンホルスト中尉が気になったのか話を切り出した

 

「ザクラザキ少佐、水は大丈夫ですか?」

 

水?

あっ、忘れていた

日本の水は軟水と言われカルシウムやマグネシウムの含有量が少なく飲んだときまろやかな特徴とされている

いつも飲んでいるから分からないけど

ヨーロッパやアメリカは硬水と呼ばれ軟水の逆でカルシウムやマグネシウムの含有量が多く軟水に比べて飲み辛いらしい

最近はイオン交換樹脂で含有量を減らし軟水に変換出来る装置が開発されている

 

「ご心配なく・・・」

 

「では基地にイギリス料理が出るのは知っていますね?」

 

―-――!?

あの不味いランキング一位を独占している料理がドーバー基地に出る!?

イギリス料理はフランス料理やイタリア料理に比べて種類が少なく、食材や調理法の多様性と言われている

とくに羊の内臓を羊の胃袋に詰めて茹でたハギスが有名だ

このハギスは、どこかの国の大統領が会談の中でハギスを指して「ひどい料理を食べるような連中は信用してはならないということだ」と言及され、イギリスの大衆紙は猛反発

しかしイギリスの外務大臣はハギスに関しては、大統領のご説はご尤も」と賛辞を示すと言われるほどの話を持つ

日本のイギリス料理店では、中国料理の本場と日本料理店の違いと同様、日本人が好む味付けされている

ま、何事も食べてみないと分からない

それから考えればいい

 

「だ、大丈夫です」

 

「それは良かった、こんどハギスが出た時によろしくお願いします」

 

「えっ!?」(°□°;)

 

「それでは私の分まで頼む」

 

「ちょっ!?」( ̄O ̄;)

 

「ジョークです」「ジョークだ」

 

ジョークって、怖いよファーレンホルスト中尉!

それとアイヒベルガー少佐、敬礼しないでなにか死亡フラグでも立ちそうだから、やめて!!

 

 

アスカ SIDE END

 

 

欧州連合 SIDE

 

 

アスカたちが派遣して一週間経つ頃、ドーバー基地にジープが向かっていた

荷台のベンチシートには国連の軍服を纏う三人の少女が座り、イルフリーデ・フォイルナーが荷台から顔を出しプラチナブロンドの髪が乱れながらも、まだ見えないドーバー基地を眺める

 

「ねえルナ・・・・・・そろそろよね?」

 

検問ゲートから40分、車に揺られながら同じ景色に飽き飽きしたイルフリーデに、向かいに座るルナテレジア・ヴィッツレーベンはやさしく微笑み頷き答えた

 

「ええ、もう間もなく基地が見えてくる頃ですわ・・・・・・おそらく」

 

イルフリーデが「おそらくね・・・」とオウム返しに呟きため息をついてしまう

ドーバー基地のグレートブリテン島南沿岸部一帯はヨーロッパ大陸からレーザー照射リスクが高いために移動手段が陸路と限られ、イルフリーデたちは鉄道で移動すると思いちょっとした小旅行気分が、部隊が寄越したのは部隊章付きのジープなり落ち込んでしまう

そんな落ち込みムードを見て運転手は苦笑いしながら喋り出した

 

「お嬢さん方、すまないね~鉄道は特別な物を輸送して今日だけ乗れないんだ」

 

「特別な物?」

 

ルナテレジアが首を傾げさらに陸地にある線路を見ると

ちょうど列車がジープを追い抜くと貨物に歪な形をした脚部と戦車の砲台が外され数倍大きくした物が何台も乗せられている

 

「戦車にしては大きいわね?」

 

「・・・・・・戦術機の支援に使うものですの?」

 

もし今運ばれている物が戦術機に組み込まれるなら、戦術機関連の知識が豊富すぎて「戦術機を嫁に取る」と噂されているルナテレジアとって見逃してはいけないと思い、運転手に質問する

しかし運転手は、「知らない」と言われルナテレジアは残念そうになり、イルフリーデは笑ってしまった

しかしルナテレジアの隣に座るヘルガローゼ・ファルケンマイヤーは違うものを見ていた

線路よりさらに奥に、かすかに見える戦術機の演習場に赤と黒の二つが火花を散らす

レーザー照射範囲の制限なのか、地面すれすれに飛び回り黒が赤に接近する

黒と赤が交わると思った瞬間で赤が離れ、今度は逆に赤が接近して黒を吹き飛ばした

 

「あれは一体?」

 

ヘルガローゼの問いに誰も答えることもなく、黒と赤は視界から消えていく

 

「ヘルガ、どうしたのですか?」

 

ヘルガローゼが視線を戻すとルナテレジアが心配そうに見つめていた

「大丈夫だ、ただ同じ景色に飽き飽きしただけだ」と喋り出すがイルフリーデが急に騒ぎ出しヘルガローゼはため息をつき、ルナテレジアは苦笑いをしてしまう

 

「二人とも見て!」

 

イルフリーデが指を指した方向にはグレートブリテン島防衛成功の象徴あるドーバー城があった

その地下にはイルフリーデ達が配属される巨大地下要塞・ドーバー基地が存在する

しかし指した方向は別なモノを指していた

欧州連合次期主力第三世代戦術機EF―2000タイフーン数機が道路と並行して立ち、長槍のようにMk―57中隊支援砲を天に向け屹立している

陽光を受けて輝く機体は、光を纏った巨人と思えるほどだった

 

「――素晴らしいですわ!」

 

ルナテレジアは目を輝かせ、タイフーンの詳細を喋り始める

イルフリーデは呆れながらも、再びタイフーンを見た

自分が乗る機体であり、欧州連合の最新式である戦術機

これ以上にもない気持ちの高ぶりを抑えつつ、心臓に手を当てた

自分の中に流れる騎士の血と祖先がドラゴンハートと称えられた名誉に誓いタイフーンに言い放つ

 

「この部隊の突撃前衛長(ストーム・バンガード・ワン)に絶対なってみせるわ!」

 

2000年3月21日

国連大西洋方面第一軍・ドーバー基地所属・西独陸軍第44戦術機甲大隊―――通称ツェルベルス大隊に3人の新任衛士が配属された

 

 

欧州連合 SIDE END

 

 

仙台基地 SIDE

 

 

格納庫は輸送車が往来し作業員は慌ただしく動いていた

ある機体は各パーツの換装、違う機体は両腕が外され電圧系統の試験が行われる

そんな中で強化装備を来た伊隅ヴァルキリー隊は夕呼に佐渡ハイヴでBETAの個体数を調節する間引き作戦の報告をしていた

 

「これが今回の作戦でした」

 

「ご苦労様、3時間休憩した後にシミュレーター訓練を始めるわよ」

 

「えーまたなの~?」という声が上がり男性二人は落胆する

最近の伊隅ヴァルキリー隊はスローネに慣れるべく、任務を終え基地に戻ると休憩を挟んでシミュレーター訓練すると言う毎日

ハードなスケジュールに不満も溜まりデータのBETAに八つ当たりしてストレス解消するが効果も薄れ誰も不満が顔に出ている

そんな彼らを見て夕呼は切り札を出す

 

「今回、スコアで上位一名は全て天然素材で作られた料理を食べることが出来ることにするわ・・・・・・」

 

止まった

この場にいた全員、時が止まるように動けなくなり、作業員の手から工具が落ち落下時の金属音が周囲に響く

 

「なんだって?」「まぁ?」

 

「博士、言ったことは本当ですか?」

 

まだ信じられない伊隅が尋ねると「本当よ」と答えられ周囲が騒然となり騒ぎ出す

 

「くそ~衛士だったらな・・・」「ヴァルキリー隊だけなのか?」「天然素材はかなりの美味と言われているぞ」

 

騒ぎが大きくなる前に夕呼が手を叩き、その場を収束させる

 

「天然素材といっても試験栽培して余り物よ―――ただし、味は桜咲からOKサイン出たわ」

 

アスカとともに仕事をした整備士は、試食で食べた時の味を思い出して頷く

それを見た全員が一斉に唾を飲み込んだ

 

「博士、我々にも権利を!」

 

「ずるいぞ、整備士にも!」

 

「ならばMPにも権利がある!」

 

「「いや、お前は関係ないだろ!」」

 

「関係ある!毎回裏役でお前等ばかりいい思いばかりしやがって!」

 

騒ぎが大きくなり、夕呼は止める様子もなく過去の戦闘記録を見比べる

最近は気にせず報告の書類を片付けない部屋にほこりを被っていたが、電磁兵器の登場によりBETAがどのように対応するか調べていた

BETAは当然の如く電磁兵器を優先的に狙うが、今回だけは過去の情報を見ても“BETAの数”だけが違う

過去の戦闘記録には師弾団規模1万~2万ほどのBETAを殲滅してきたが、今回は旅団規模5000ほど

帝国軍上層部は電磁兵器の効果として個体数激減と考えられ佐渡ハイヴが早期に攻略可能と考えられている

しかし夕呼は別な憶測を考えていた

 

「・・・不味いわね」

 

「博士、話し合いの結果、平等にするためチーフとケニーがいつもやりあった勝負になりました」

 

「あら?纏まりいいじゃないの?」

 

「ええ、チーフが色んな所で手伝ってくれるので多少融通が利くみたいで」

 

「・・・・・・そう、それなら大丈夫ね」

 

整備士は首を傾げる

夕呼の言葉はこの場にいた全員に言ったのか、それともヨーロッパにいるアスカに言ったのか誰も分からなかった

 

 

 

 

 

あとがき

 

 

どうもー最近、書く時間が短くキーボードをオラ!オラ!オラ!オラ!オラ!オラ!無駄!無駄!無駄!無駄!無駄!無駄!としている作者です

せめてDIOのザ・ワールドくらいほしい・゚・(ノД`;)・゚・

交渉の内容でアスカは裏方に回りますが、ケニーという不安定に掻きまわせてます

そしてツェルベルス大隊と絡みが始まりました

ジャガイモLOVEな隊長、心を読んでしまう男爵、右目の眼帯から波動砲を放つ中尉(嘘)がどんな混沌をもたらすか・・・・・・おや?誰かが来たようだ?

 

 

 

 

 

 

さらに機体は、戦艦の上で超重量装備を搭載など強化されますが、毎回やられ役のBETAも強化する予定です

例えばレーザーを展開した空飛ぶ突撃級・・・・・・ん?元ネタはクォー○ではないか!

 

そんなことでよろしくお願いします

 


 
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