No.550334

仮面ライダー 打ち砕け! 暗黒魔術師の野望 37

ゲルショッカーの怪人塾はダブルライダー、そして華蝶仮面の活躍により、潰え子供達を救出する事に成功した。そして、一文字は事情を聴く為、本郷に城へと案内されるのであった。

2013-03-02 09:27:44 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:1708   閲覧ユーザー数:1670

一文字隼人、本郷に紹介されるのこと

 

 

仮面ライダー達が子供達を救出したその夜、城に戻った本郷猛は

 

この世界にやってきた一文字隼人に事情を説明していた。

 

一文字隼人

「ここは1700年以上も前の昔の中国だって!? つまり俺達は三国時代にいるってか?」

 

本郷猛

「ああ、そうだ。」

 

一文字隼人

「お前がいなくなって2週間、この世界に2週間もいたのか?」

 

本郷猛

「2週間? 俺は半年近く、この世界にいるんだが・・・」

 

一文字隼人

「えっ? どういうことだよ? こっちではお前がいなくなって

既に2週間経過したんだぞ」

 

一文字にそう言われた本郷は驚いた。

 

本郷猛

「何だと・・・・・? ・・・そうか、この世界と俺達の世界の

時の流れ方は若干ずれているのか」

 

一文字隼人

「浦島太郎の話と同じで、こっちの方が時が経つのが早いのか?」

 

本郷猛

「現に俺がいなくなって2週間しか経っていないと言うんだ

間違いない」

 

一文字隼人

「そうか・・・それにしても、ここが三国時代なんてち

ょっと信じられないな」

 

本郷猛

「だがここは俺達の知っている三国時代とはちょっと違う」

 

一文字隼人

「なっ? それはどういう・・・?」

 

その時、執務室のドアを誰かがノックする。

 

(コンコンッ)

 

本郷猛

「どうぞ・・」

 

そして部屋に桃香、愛紗、鈴々、星、朱里、雛里そして華琳、季衣、流

 

琉、桂花、風、雪蓮、小蓮、月、詠が入ってきた。

 

愛紗

「失礼しますご主人様」

 

一文字は見覚えのある少女達が入ってきたので思わず顔を見る。

 

一文字隼人

「君達はさっきあの現場にいた・・」

 

桃香

「えっ? あなたは?」

 

現場にいなかった桃香はそこに見知らぬ男がいたので少し驚いていた。

 

本郷猛

「彼か? 彼は一文字隼人 俺の友人だ」

 

一文字隼人

「よろしくっ! 俺は一文字隼人 フリーのカメラマンだ♪」

 

隼人はそういうと愛紗達にカメラを見せる。

 

桃香

「か・め・ら・ま・ん?」

 

鈴々

「それってどんな人なのだ?」

 

彼女達は聞いたことない言葉に反応して思わず首をかしげてしまう。

 

一文字隼人

「ああ・・写真という絵をこのカメラで撮るのを仕事とする人達のことだ」

 

一文字はここが三国時代と聞いており、カメラの事を知らない彼女達に

 

自分の事を説明していた。

 

そんな中、愛紗だけが必死に何かを考え込んでいる。

 

愛紗

「一文字隼人? ・・・一文字隼人・・・ ! あ、あの一文字隼人

ですか!?」

 

桃香

「えっ?・・・・・・・・・ああっ!」

 

桃香も何かを思い出したのか彼をみて、驚く。

 

そう、黄巾党との戦いの後、本郷がゲルショッカーについて話していたとき

 

天の国で本郷猛の代わりに天の国でゲルショッカーと戦い続けていたと

 

いう男の名。

 

そう、もう一人の仮面ライダーである。

 

桃香

「あ、あなたも仮面ライダーなのですか?」

 

一文字隼人

「!! どうしてそれを知っているんだ!?」

 

一文字は彼女達が自身の正体を知っていることに驚いてしまう。

 

本郷猛

「俺が話したんだ」

 

一文字隼人

「本郷、お前が話したのか」

 

本郷猛

「そうだ・・・」

 

二人が話していると華琳が二人の間に割って入る。

 

華琳

「へえ~・・・あなたも改造人間なのっ? あなたも中々凛凛しい顔を

しているのね」

 

(ジロジロッ・・)

 

雪蓮

「そうね♪ 猛もいいけどこっちも中々イケテルわ♪」

 

一文字隼人

「君達は一体?」

 

愛紗

「私は姓は関、名は羽、字を雲長と申します。」

 

桃香

「私は姓は劉、名は備、字は玄徳です。」

 

鈴々

「鈴々はね、姓は張、字は飛、字は翼徳。真名は鈴々なのだ」

 

「我が名は趙雲 字は子龍です。」

 

朱里

「私は姓は諸葛。名は亮。字は孔明です」

 

雛里

「私は姓は鳳統。字は士元です」

 

「給仕の月です。 ご主人様のお友達にお会いできて光栄です。」

 

「同じく給仕の詠です。」

 

華琳

「我が名は曹操。字は孟徳 そして、この子達は私の配下、右から荀彧、程昱、典韋、許緒よ」

 

華琳は配下の彼女達に代わり、一文字に彼女達を紹介した。

 

ちなみにそうしたのは、男嫌いの荀彧こと桂花が絶対に自分から男に名を名乗らない

 

と思ったからである。

 

そうなれば、一文字に対する無礼とされ、批難されていたであろう。

 

そして次に雪蓮が自己紹介を始める。

 

雪蓮

「私は孫策 字は伯符よ♪」

 

小蓮

「私は孫尚香 真名は小蓮よ シャオって呼んでね お兄ちゃん達♪」

 

一文字隼人

「ええっ!?」

 

一文字は彼女達の名を聞いて驚いていた。まるで本郷が初めて愛紗達とあった

 

時に自分達の名を聞いて驚いていたのだ。

 

愛紗

「どうしましたか?」

 

一文字隼人

「あっ・・・い、いや何でも・・・・」

 

すると本郷の所でこっそりより彼にこういう。

 

一文字隼人

「本郷・・・どういうことだよ? 曹操、孫策、劉備と言えば、三国志の中でも

有名な英雄じゃないか? 何故有名な英雄が全員女なんだ?」

 

一文字は彼女達の名を聞いて驚いていた。無理もない。

 

本来なら男であるはずの英雄達(尚香を除く)が全員、美少女なのだから・・・

 

本郷猛

「これが俺達の知っている三国時代とは違うといった理由だ。ここでは何

故か武将達が全員女なんだ どうやらここは別の世界の三国時代らしい」

 

一文字隼人

「へ、へえ~・・・・ゲルショッカーめ こんな時代で何を作ろうとして

いるんだ? そうだ聞きそびれた事がある。何故、仮面ライダーが天の御遣

いと呼ばれているんだ? それにお前が主ってどういうことだよ?」

 

本郷猛

「ああ実はな・・・・」

 

本郷は一文字にこう説明しだす。

 

『天の御遣い』とはこの戦乱を治める為に天より遣わされた使者、つまり救世主

 

の事であり、偶然空から落ちてきた自分を目撃した桃香達から天の御使いと思われ

 

た事。

 

彼女達に最初にあった頃、力を貸してくれと頼まれたが、タコガラスを追わなけれ

 

ばならず、一度は『天の御遣い』でない事を理由に断ろうとしたが、落胆させ

 

てしまった彼女達の様子をみて一時的に力を貸し、彼女達の主になることを決

 

めたこと。

 

そして、この時代にいないはずのゲルショッカーの怪人も現れて人々に襲い掛

 

かった時、仮面ライダーに変身して奴らと戦い、人々を守ってきたこと。

 

彼女達に自分が改造人間になった経緯を説明して、改めて受け入れられたこと。

 

こうして、自分は『天の御遣い』仮面ライダーとして、この世界を暗黒魔術

 

師率いるゲルショッカー三国時代支部から守る為に戦う事を決意したことを

 

説明した。

 

一文字隼人

「そんな事があったのか?」

 

本郷猛

「ああっ・・・それよりも、隼人。 お前はどうやってこの世界に俺がいるって

分かったんだ?」

 

一文字隼人

「いや、俺はな、あの左慈元放ってガキと戦っているとき、偶然この世界にお前がいるって知ってこの世界に向かった奴を追ってきたんだ」

 

本郷猛

「左慈? あの銀髪の少年の事か?」

 

一文字隼人

「ああ・・」

 

今度は一文字が本郷に説明し出す。あの銀髪の少年の名は左慈元放。子供に化け、

 

自分と滝を殺そうとしたこと。

 

その正体はイリエワニと大アルマジロの合成改造人間ワニマジロだったこと。

 

奴との戦いの際、ワニマジロの必殺技『砲弾スクリューボール』に『ライダ

 

ー卍キック』で挑んだが、威力はワニマジロの技の方が上で一度は敗北してし

 

まった事。

 

そして自分が死んだと思ったワニマジロは徐に、本郷がこの世界にいること。

 

そしてショッカーの大幹部達が復活したことをしゃべり、本郷の危機を知った自分は

 

こっそり戦闘員の中に紛れ込み、この世界まで追ってきたことを話した。

 

本郷猛

「あの少年の正体は実は改造人間ワニマジロでライダー卍キックも打ち破る技

『砲弾スクリューボール』か・・この世界にくる前にそんなことがあったのか」

 

一文字隼人

「ああっ・・・認めたくはないが、奴の技は強力だ」

 

その時、華琳たちが二人の間に割って入る。

 

華琳

「お話の最中申し訳ないけど、そろそろ、話に割って入ってもいいかしら?」

 

一文字隼人

「ああっ悪い・・あっそれから・・・・張飛ちゃんと尚香ちゃんだったな?

君達に聞きたいことがある」

 

鈴々

「何なのだ?」

 

小蓮

「シャオ達に答えられることお兄ちゃん?」

 

一文字隼人

「君達は自分の名以外に別の名を名乗っていたな? それはいったい・・・」

 

鈴々

「真名の事かなのだ?」

 

一文字隼人

「真名?」

 

本郷猛

「親しい者の間で呼ぶことを許される本当の名で、許可なくその者の真名を

呼べば、殺されても文句がいえない。この世界ではそういう決まりなんだ」

 

それを本郷から聞いた一文字は思わず驚く。

 

一文字隼人

「!!・・・・あ、あっぶね~・・・・うっかり真名を呼んだらここにいる全員を

敵にしていたかもしれないな」

 

一文字は思わず冷や汗を流す。口は災いの元とよく言われるが、許可なく

 

真名を呼んでしまったら殺される。たまった物ではない。

 

鈴々

「別に気にしないのだ ゲルショッカーから友達と鈴々を助けてくれた

お兄ちゃんは特別なのだ」

 

小蓮

「うん♪ だから、気にせず私達を真名で呼んでね♪」

 

一文字隼人

「そ、そうか・・・では改めてよろしく 鈴々ちゃん シャオちゃん」

 

鈴々

「うんなのだ♪」

 

一文字は鈴々と小蓮に改めて挨拶すると、今度は桃香達の方をみた。

 

一文字隼人

「この子達に真名というものがあるなら、当然君達にも・・・」

 

桃香

「はい・・私達にも真名がありますよ」

 

鈴々

「この際だから、お姉ちゃん達も一文字のお兄ちゃんに真名を預けるのだ」

 

愛紗

「そうだな。 私の真名は愛紗です」

 

桃香

「私は桃香」

 

「星です 以後お見知りおきを」

 

朱里

「私の真名は朱里でしゅ」

 

雛里

「私は雛里です・・」

 

華琳

「我が部下を救ってくれたお礼に、私も真名を預けるわ 私は華琳よ」

 

季衣

「あの~華琳様・・・」

 

華琳

「何っ?・・・季衣」

 

季衣

「僕達も真名をこの人達に預けていいですか? 助けられた恩がありますし」

 

華琳

「いいわよ」

 

華琳から許しが出ると、彼女達は順番に本郷と一文字に挨拶し始める。

 

季衣

「僕の名前は許緒 字は仲康 真名は季衣だよ 華琳様から聞いたけど、

兄ちゃん達が僕達を助けてくれたんだよね? ありがとう♪」

 

流琉

「私は典韋 真名は流琉です。 助けていただいて誠にありが

とうございます。」

 

「私は程昱 字は仲徳 真名は風ですよ~ 風と呼んで下さい。

そしてこれが・・・・」

 

風は頭にある人形に触ると

 

宝譿

「俺は宝譿~。よろしくな~」

 

本郷猛

「ああっよろしくな宝譿」

 

宝譿

「おおっ・・・?」

 

「どうしたですか? 宝譿」

 

宝譿

「いや、人形の俺にまともに挨拶する人がいるのが珍しくてな」

 

彼女達が本郷、一文字に自己紹介している時、桂花がどさくさに紛れて

 

その部屋から出ようとしていることに華琳が気づき、呼び止める。

 

華琳

「あらっ? どこに行くの桂花?」

 

桂花

「(ギクッ!) ちょ・・・ちょっと厠に・・・」

 

「厠ですか? でしたら、ご案内いたしましょうか?」

 

桂花

「い、いいわよ! 別に子供じゃあるまいし・・・」

 

明らかに様子のおかしい桂花に華琳はこう問い詰める。

 

華琳

「まさか貴方。 男に真名を教えるのが嫌だからっといって

厠にしばらく籠もって・・うやむやにしようとか思っているん

じゃないでしょうね?」

 

桂花

「(ギクッ!)い、いいえっ! 決してそんなことは・・・」

 

図星だったのか彼女は冷や汗を流しながら、彼女から目を背ける。

 

彼女の様子に華琳は頭を抱えながら、こういう。

 

華琳

「はぁ~・・・・・ 貴方ねよく考えてみなさい。もし、この二人が助けてくれなかったら、貴方一生あの服を着たままだったのかも知れないのよ?」

 

桂花

「うっ!」

 

華琳

「そうならずに済んだんだから、感謝を込めて真名を教えてあげても

いいんじゃない?」

 

桂花

「うっ・・・ううう・・・(悔しいけど、このバッタ男達に

助けられなかったら、私は今でも・・・)」

 

華琳にそう言われ、桂花はしぶしぶ自分も自己紹介することにした。

 

桂花

「私は荀彧 字は文若 真名は・・・け、桂花よ! 私が男と馬鹿に

真名を教えることなんて、滅多にないんだから感謝しなさいよね!」

 

桂花は真名を教えたが、その場に何となく気まずい空気が流れる。

 

誰だってそんな自己紹介をされたら、不愉快に思ってしまうだろう。

 

本郷猛&一文字隼人

「は、ははは・・・」

 

本郷と一文字は思わず苦笑いしてしまう。

 

愛紗と鈴々は桂花を睨み付け、愛紗の方は今にも青龍偃月刀を桂花に振り下

 

ろしそうな雰囲気だ。

 

このままではまずいと思った華琳は

 

華琳

「今の桂花の無礼は私がわびるわっ! 桂花には良く言い聞かせるから

許してあげてっ!」

 

本郷猛

「い、いいや・・・俺達は別に気にしていない」

 

本郷がそういうと、愛紗と鈴々は桂花を睨み付けるのを止め、華琳は桂花の耳元で

 

こうささやく。

 

華琳

「(魏に帰ったら、お仕置きよ。 覚悟しておきなさい桂花・・・♯)」

 

華琳の声には怒りが籠もっており、本気で怒っていると桂花は悟る。

 

桂花

「(ひ、ひいいいいいいいっ!)」

 

自業自得なので、誰も桂花を庇おうと思う者はいなかった。

 

その時、一文字は真名を預けてくれた彼女達にこう聞く。

 

一文字隼人

「いいのか? いきなり、この世界に来たばかりの俺にそんな大切な物を

預けて・・・」

 

愛紗

「何をおっしゃいますか!? ご主人様不在の『天の国』でゲルショッカーと

戦われ、そして子供達を救ってくれた貴方が悪い人間であるはずがありません。」

 

愛紗がそういうと皆も頷く。

 

一文字隼人

「そ、そうか・・・・。では改めてよろしく皆」

 

桃香

「はいっ!・・・あの~それで貴方をこれから何とお呼びす

れば良いでしょうか?」

 

一文字隼人

「そうだな・・・本郷と同じく「ご主人様」じゃ、誰のことか分からな

いしな・・・俺のことは一文字さん、もしくは隼人さん。抵抗があるなら

、一文字様とでも呼んでくれ。 なければ気軽に隼人でもいいぞ」

 

一文字がそういうと、

 

一同

「分かりました」

 

一文字隼人

「これからは俺も人々を守る為にゲルショッカーと戦う。奴らと戦う為にも

皆の力を貸してくれっ!」

 

一同

「はいっ!」

 

こうして、三国時代に一文字隼人という心強い味方がやってきた。

 

彼もまた、ゲルショッカー三国時代支部と戦う事を誓うのであった。

 

その後、魏に戻った桂花は

 

桂花

「か、華琳様~・・・もう許して下さい・・・」

 

華琳

「駄目よっ! これはお仕置きなのよ! さあ、次は廊下を

雑巾がけしてきなさい!♯ 恩人に対してまであの様な態度を

とるなんてっ! 今日という今日は絶対に許さないわ!」 

 

桂花

「ひいいいいいいっ・・・・」

 

本郷と一文字に無礼な態度をとった罰として、城の掃除を全部一人で

 

するように命じられたのだ。

 

ちなみに魏の城はかなり巨大で、とても一人で掃除しきれる物ではない。

 

桂花は逃げたくなったが、華琳の命を受けた春蘭、秋蘭が見張っていて

 

逃げ出すことができなかった。

 

こうして桂花は掃除を終えるまで、勝手に休むこともできなかったという。

 

つづく

 

我らの仮面ライダーを狙うゲルショッカー三国時代支部が送った次なる使者は化石怪人タルボナイト! 死神博士とブラック将軍は古代の地層に眠っていたタルボサウルスとアンモナイトの化石を合成し、タルボナイトを生み出した。果たして仮面ライダーは恐竜の力を持ったこの怪人に勝利する事が出来るのか!? 次回「蘇った化石怪人 タルボナイト」にご期待下さい。


 
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