No.54271

霞、一刀と再会するの事

Zero Pさん

恋姫†祭り最後の作品!!!第四作目!!!
帰ってきた一刀シリーズ第三弾!!霞編ですっ!!!!
いや~インフルエンザにかかってしまいました(笑
だが、そんな事はどうでも良い!!
ありがちなネタ?んな野暮な事は言いっこ無しだぜ…!!なぁ兄弟!!!

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2009-01-25 23:35:42 投稿 / 全9ページ    総閲覧数:18463   閲覧ユーザー数:13152

「………」

 

普段は誰も居ない、小川の辺の岩場で黄昏ている霞が居た。

 

「…んぐっ」

 

彼女は、何かにイラつきながら酒を煽っていた。

飲みすぎているのか、それとも昂る感情に抑えが利かないのか、手が引っ切り無しに震えていた。

 

「一刀のアホ…」

 

彼女は今は遠い一人の男に思いを馳せながら、ポツリと呟いた。

 

「なぁ一刀…、もう一年経つで…?ウチとの約束破っといて、他の女としけ込んでるなんて事、あらへんよな?」

 

 

戦争が終った後の自分の存在意義を考えていたウチは、虚無感も重なり、生きる意味を見失いかけていた。

そんなウチに一人の男はこう言ったんや。

 

『な。もし、霞が心配してるようなことになったら、俺と二人で西方にでも旅をするか』

 

ウチ、ホント嬉しかった。その発想はウチには無かったモンやったから…。ウチが聞き返すと一刀は笑顔で、

 

『そ』

 

そう答えた。たった一文字。それなのにウチ、迷いの暗雲が吹っ飛んでいくような気がしたんや。

 

『西涼よりはるか西方……ローマに向かって、シルクロードを旅するのはどうだ?』

 

ろうまが良く分からんかったウチは、一刀に聞き返した。

 

『西方にある巨大な帝国。……あー、えっと、この国で言う大秦(だいしん)の事だよ』

 

その辺りかなと思っていたウチは度肝を抜かれた。羅馬と言えば、大帝国やと風の噂で聞いとる。そんなトコに行けるなんて夢みたいや!!

 

『そう、羅馬! そこに二人で旅しよう』

 

一刀が強調してくれた、『二人で』にウチの心は益々、晴れ晴れとしていった。

 

『うん、俺も。羅馬に行くなんて……無謀だし、不安で仕方ないはずなのに……霞と二人だって思ったら、絶対に大丈夫だって、そう思えるんだ』

 

そうや、幾ら警備隊長とは言え、一刀の腕っ節には正直、期待は出来んのが本音やった。でも、一刀はウチを頼りにしてくれてる。その事がウチの心を闇の沼から完全に引っ張り上げてくれた。

 

『ああ……霞と二人なら、絶対に楽しい未来が待っているよ』

 

ウチもそう思った。きっと、大変な事も多いと思った。でも、絶対に楽しい未来になると信じとった…。

 

それなのに―――。

その日は、運命の日やった―――。

長かった戦の日々が終わり、平和が訪れた日でもあった。

 

『おお!!華琳、そんなトコにおったんかいな!!』

 

『…霞』

 

『な~んや?んな時化た顔して!!今日は折角のお祝いの日なんやから!!』

 

『…そうね』

 

『…あれ。ところで、一刀は何処?主役が居らんと場も締まらんと言うか…』

 

『…一刀は天に帰ったわ』

 

『は…?』

 

『一刀は天に帰ったと言ったの…』

 

『え…?か、華琳…?幾らなんでもそう言う冗談はキッツイで…?』

 

『…こんな悪い冗談。言える訳無いでしょう…!!』

 

ガシャン―――。

手から滑り落ちた杯と、宴会で盛り上がっていた心が、同時に粉々に割れた。

快晴だった心は一転して、暗雲立ち込める地獄絵図に変わった。

 

 

『………』

 

それからのウチはしばらく何もせんかった。

いや、出来んかったっちゅうのが、正しいかもしれん。

 

『………』

 

ウチはそれこそ、人形みたいやった。

涙を流しては、酒を煽り。

酒を煽っては、また泣いて。

そんな繰り返しやった。

そして次に出てきたのは怨嗟。

 

『一刀の嘘つき…』

 

後で、事の顛末を華琳に聞いたら、一刀は大分前から、自分が消える事を予感していて、華琳にも打ち明けていたらしい。

それを分かっていながら、ウチとあんな約束をしたのかと思ったら…。

 

『何や…その場凌ぎの慰めやったんやないか…』

 

また、涙が溢れてきとった。あんなに嬉しかったのに。一刀となら何処までも行けると思っていた、それなのに。

 

『アホ…!!一刀のアホ…!!』

 

繰り返す言葉、煽り続ける酒。忘れたいのに、忘れられない。どんなに飲んでも、忘れてくれない。

その時だった。複数の足音が聞こえてきた途端、部屋の扉が乱暴に開けられた。

 

『霞!!何やってるの!!』

 

聞こえてきた華琳の言葉も耳に入らん程、ウチは飲んでいた。

 

『こ、これは…!?何を考えているんだ!!霞!!』

 

春蘭の怒号にようやく耳が反応してくれたのか、ウチは辺りを見回し鏡を見た。すると其処には…。

 

『う、ウチ…。何を…?』

 

其処には、痩せ細ったウチが居た。

爪で、自分の体に傷を付けていた。

飲み過ぎていたんやろか、普段はそんな事無いのに、口から血も出とった。

 

『し、霞…』

 

秋蘭の悲痛な声。痛ましい物を観るような、季衣と流琉。桂花も呆然としていた。

三羽烏の面々も声を掛けようとしては、口を噤み、凛も風もその光景から目を背けていた。

 

『あ、あれ…。皆、どないしたん?皆お揃いなんて、どっかに出かけるん…?』

 

『し、霞さまっ…!!』

 

凪が泣き出して、その場に崩れ落ちた。

 

『あ、姐さんっ!!しっかりしぃや!!』

 

真、真桜も、なんや…、顔がマジやで…?

 

『な、なんやなんや?何で皆、泣いとるん…?』

 

場の展開が理解できず、間の抜けた質問をした、ウチ。

次の瞬間やった―――。

 

バシィッ!!!

華琳の本気の平手打ちが決まった。そこで、ようやく意識が戻った。

 

『どうして、何でこんな事をするの…!?』

 

『な、何でって…ウチ、只飲んでただけやん…』

 

『この量を!?幾ら飲兵衛でも、限度があるの!!!こんなに飲んだくれて…。体を壊すなんて物じゃないわよ!!!』

 

『せやかて…、戦争が終ってしもた…。一刀と約束してたのに、破られてしもた。もうウチ何もすること無い』

 

『約束…?』

 

『せや。ウチ、戦争が終ったら、一刀と旅に出よう思っとったんや』

 

『……!!』

 

『一刀が誘ってくれたんや。ウチ、戦争が終った後の自分に酷く怯えとった。存在意義がなくなってしまう事への恐怖や』

 

『霞………』

 

『でも、だったら作ればいいって、一刀が羅馬に旅しに行こうって、言うてくれたんや…』

 

『そんな事が…』

 

『でも、もう一刀居らん。もう何もかもがつまらん。何やってもつまらん。酒飲んでても涙しか出てこん…』

 

『霞さま…』

 

『ホンッと、最低!!あのチ○コ男はっ!!』

 

『約束を破るなんて、タマ付いてる奴のする事じゃねぇよなぁ』

 

『風もそう思いますー』

 

『全く…、あの人はどれだけ皆に迷惑をかければ気が済むのでしょう…』

 

『ははっ…せやな、約束守らん男は最低や…。ちゅうワケで、まだ飲むから酒、寄越しぃ』

 

『駄目よ』

 

霞から取り上げた酒瓶を後ろ手に隠す、華琳。

 

『…いくら大将言うても、ウチの最後の楽しみを奪うのだけは許さへんで…!!』

 

『何とでも言いなさい。…春蘭!!秋蘭!!』

 

『はっ!!』

 

『御意!!』

 

『霞を牢に繋いでおけ!!見張りは私達自身が行うものとして、交代制とする!!』

 

『なっ…!?』

 

その場に居た全員が困惑の声を上げる。

 

『なんやて!?どういうことや!!』

 

『今のままでは霞、貴女は死にます。私達はこれからも命ある限りは生き続けなければならないの。貴女を死なせる訳には行かないわ。分かって頂戴』

 

冷静に諭す華琳。その目には悲哀が漂っていた。

 

『…あ~あ。とうとう最後の楽しみも取られてしもた…。ええよ、もう…。好きにして…』

 

『では…行くぞ…』

 

『悪く思わんでくれ…』

 

『…ん~』

 

部屋から、霞と春蘭と秋蘭が出て行った。それを見送る華琳達。

 

『アンタのせいよ…馬鹿…!!』

 

変わり果てた部下の姿を見ながら、今は居ない男に文句を言う、華琳であった。

『あ~つまらん』

 

『何やろ…。今までは死ぬの怖かったのに、今じゃ、生きててもつまらん…』

 

愚痴しか出て来ん。ウチは牢の中の寝台の上でグダグダ愚痴を漏らしていた。見張りは流琉らしい。

 

『そんな事、仰らないで下さい!!霞様…お辛いのは分かりますが…』

 

『何が分かるんや!?』

 

『っ!!』

 

『分かってる様で皆、分かっとらんのや…。ウチが皆、どれ位悲しいか分からんのに…』

 

『すみません…』

 

謝っている流琉を見て、ハッとなった。何あたっとんねん…カッコわる~…。

 

『あっ…ウチこそ…言い過ぎた…。ゴメン…』

 

気まずい空気が流れたその時やった。

コンコン―――。

 

『あれ、もう交代の時間かな…?』

 

流琉が扉の方に向かい誰かと話し始めた。ウチは寝台寝っ転がった。

 

『ん…』

 

『……ですか。……はい、………あ、…事でしたら………』

 

やけに会話が長い。何か有ったんやろか…?

 

『ん~…。何や?』

 

戻ってくる足音が増えた気がする。

 

『失礼する』

 

『お邪魔します…』

 

其処には、長身のオドオドした姉ちゃんと、季衣や流琉位の身長の、偉そうなチビッ子が居た。

 

『…アンタ等、誰?』

 

ウチがそう言うと、カラカラ笑いながらチビッ子が答えた。

 

『ふむ。相当やさぐれとるのぅ。ワシは、姓は管、名は輅、字は公明じゃ。よろしくのぅ』

 

『わ、私は…管辰と言います…。よ、宜しくお願いします…』

 

ウチはその名前を聞いて愕然とする。

 

『ん…?管輅ゆーたら、凄腕の占い師やないか!?こ、こんなにチッコイのが…。それがウチに何の用?』

 

『…チッコイは余計じゃ!!…ゴホン!!うむ。御主の主がのう、部下を破滅させない方法を占って欲しいと言ってのう』

 

『華琳が…?』

 

心配かけさせてしもたもんな…。後でちゃんと謝らなアカンな。

 

『ならば直接出向き、御主を見て占ってやる方が手っ取り早いと言う事になったのじゃ』

 

『………』

 

『あ、其処の御主』

 

『は、はい!!』

 

『気が散る故、退室願おう。無論、誰も入れるなよ?』

 

『分かりました』

 

黙って立っていた流琉を部屋の外に追い出し、何やら水晶を取り出し始めた。

 

『じゃ、姉さん…。始めましょう…』

 

『うむ…。御主、真名は?』

 

『…!?はぁ!?いきなりなに言うてんねん!!』

 

初対面の人間に行き成り真名を聞くなんて、なんて失礼なやっちゃ!!

 

『占う為に必要なのじゃ、ちなみにワシの真名は奏(かなで)と言う』

 

『わ、私は…調(しらべ)って言います…』

 

『………』

 

『御主を救う為じゃ、安いものであろう?』

 

『別に…救われんでもええもん…』

 

不貞腐れて、占い師姉妹に背を向ける。

 

『あの男と再会できなくてもか?』

 

『!?』

 

その言葉に直ぐに振り返った。

 

『そうかそうか…残念じゃのう、ワシは良かれと思って、占ってやろうと思ったのじゃが…。嫌ならば仕方あるまい。帰るとするかの、調よ』

 

『ちょ、ちょっと待ちぃや!!』

 

『…何じゃ、ワシの助けなど要らんのじゃろ?』

 

『一刀の事、知っとるんか!?』

 

『その者を知っている訳ではない。じゃが、全く知らん訳でも無い』

 

その言葉に希望の光が差した。ウチは縋るように訊ねた。

 

『………逢えるんか?』

 

『分からん』

 

『………逢えんのか?』

 

『それも分からん』

 

『何や…占い師も大した事ないんやな…』

 

その答えにがっかりして、ポロっとまた愚痴を漏らしてしもうた。

 

『当たるも八卦、当たらぬも八卦じゃ。御主の心がけ次第じゃ』

 

だが、占い師は気にするような事も無く、カラカラ笑っている。何か、賭けても良い様な気がした。

 

『………霞』

 

『それが御主の真名か?』

 

『そうや…』

 

『うむ、あい分かった。調、始めるぞ!!』

 

『はい!!』

 

『…………………………………』

 

急に黙った。ウチは心配になって話しかけた。

 

『……ど、どうや…?』

 

『今は、姉さんに話しかけないで下さい…!!』

 

妹に止められた…。何や、凄い気迫を感じる…。

 

『お、おう…』

 

『……………かぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!』

 

管輅は雄叫びを上げながら諸手を上に掲げた。その途端に水晶が光を放った。

 

『う、うわっ!?な、何や!!この光は!!』

 

『見えた…。ふむ…、可能性は万に一つじゃな』

 

『なんや…駄目なんか…』

 

結局占いもこんなもんかと、ウチが諦めかけたその時―――。

 

『喝ぁーーーー!!!』

 

何処からそんな大声が出るのか不思議だったが、管輅は目を怒らせていた。

 

『!?』

 

ウチはその目に気圧される。そして、姉妹に諭される。

 

『この戯けめ!!!何をやる前から諦めて居るか!!!』

 

『そ、そうです!!まだ、可能性はあるんです!!』

 

『んな事、言うたって!!どないすればええんや!?』

 

『その者と最も縁のある場所に行くのじゃ、そして其処で身を賭して祈りを捧げよ!!!』

 

『縁って何処なん…?』

 

『そんなの知るか、別に何処でもよい。抱かれた場所でも構わん。只、一番効果的なのは、誓いや約束を立てた場所じゃ』

 

『約束…』

 

『心当たりあるようじゃの?なら其処に行け。奴は今、彷徨い続けている』

 

『彷徨ってる…?』

 

『運命に引き剥がされながらも、こちらの世に未練が有る。必死にしがみ付いているが力が足りん。御主の思いにて、それを救える筈じゃ』

 

『祈りが足りんかったら…?』

 

『元の世界に戻されるか、このまま狭間の世界に閉じ込められるかのどちらかじゃ』

 

『…!!』

 

『と、ワシが言えるのは此処までじゃ。帰るぞ、調』

 

『はい。それでは…頑張って下さい…』

 

『…待ってや…!!』

 

『何じゃ』

 

『ウチの真名を聞いた理由は?』

 

『覚悟があるかどうかを見極めるためじゃ。ではさらばじゃ』

 

『な、なんやったんや…一体』

 

一陣の空っ風みたいに去っていった二人。不思議な二人だった。

 

『終ったみたいですね。何だか厠(かわや)に行きたくなってきました…』

 

流琉が戻って来て、そう言うと徐に、

チャリン―――。

霞の目の前に鍵が落とされた。

 

『頑張って下さいね』

 

『おおきに…!!』

 

背を向けながら応援の言葉を贈ってくれた流琉に感謝しながら、ウチは牢から抜け出した。

回想を終えたウチは、城壁の上に立っていた。

 

「一刀…」

 

「一刀…ウチとの約束…。守ってぇな…約束したやんか…!!」

 

「ウチを一人にせんといてよ…!!」

 

「皆、寂しがってる。ウチかて寂しい…!!」

 

「あんなに期待させといて、約束破って、バイバイの一言も無いんか…?」

 

「行ったらアカン!!行くな!!一刀!!」

 

「戻ってこいや!!一緒に旅行く言うたやん!!あれ、嘘やったんか!?」

 

「一刀居らんと、もう…ウチ…なにやっても楽しく無いんや!!!」

 

ウチは思いの丈を天高くぶつけた。後悔しないように。

可能性がある内は、まだ諦めへん。絶対に諦めへん!!

その様子を俺はずっと見ていた―――。

 

<…と、貴様を愛する女はああ言っているが?>

 

〔し、霞…!!ぐっ…!!体が動かねぇ…!!〕

 

<無駄だ。貴様はこのまま消えるのだ>

 

〔ざけんな!!霞!!霞ーー!!〕

 

<往生際の悪い、何がお前を其処まであの世界に執着させる?>

 

〔約束だ!!約束したんだ!!俺、あの子と約束したんだよ!!〕

 

<そうか、残念だったな。叶わぬ願いだ>

 

〔うるせぇ黙れ!!霞が、皆が俺を呼んでくれてるんだよ!!!テメェの思い通りなんかになるかよ!!〕

 

<むっ…!?な、何故だ…!?なぜ突端が開く!?な!!御主は!?何故此処にいる!!>

 

〔え…?〕

 

『早く行くのじゃ!!』

 

『早く彼女の元へ、行って下さい!!!』

 

〔あ、あんた達は…?〕

 

『説明の暇は無い!!はよ行かんかい!!』

 

〔な、何だか分からないけどありがとう!!恩に着る!!!〕

 

俺は、光に手を伸ばした―――。

 

<…ぬ!?逃がすかぁ!!>

 

『邪魔はさせませんよ』

 

<ぐぅ…姉妹揃って我の邪魔をするとな…。このまま消えたほうが雅と言うに…!!!>

 

『ふん!!選定者風情が、雅を解する事など笑止!!世の理を捻じ曲げてまで愛を貫く気持ち、貴様には永劫分かるまい!!』

 

<ぬぐぐぐ…!!!おのれぇ!!!!!ほざきおって!!!>

 

『今じゃ!!脱出するぞ!!』

 

『はい!!』

 

<覚えていろよ!!管輅!!管辰!!>

 

『ふっ、生憎記憶力には自身が無くての』

 

『非常に残念ですが、忘れさせて頂く事にします』

 

<あ~ら、管輅ちゃんに管辰ちゃんじゃな~い?>

 

<ちょ、貂蝉!?貴様まで我の邪魔を!?>

 

<もう~いい加減になさ~い。良いじゃないの幸せな外史の存在だって>

 

<ぐぬぬぬぬ…!!>

 

『御主か…逢えればまた酒でも共に飲もうではないか』

 

<そうねぇ。とりあえず今はご主人様の事、お願いねん>

 

『…見守るだけじゃぞ』

 

<任せたわよん♪>

 

<ひっ!?ひぃ~!!寄るな化け物~!!>

 

『では、さらばだ!!貂蝉!!』

 

<ばいば~い♪>

日も暮れようとしていた。ウチは声が枯れるまで叫んでいた。

でも、やっぱり駄目なのかもしれないと思ってしまった。

ふと、頬を風が撫でた。一刀が慰めてくれたのかと思い、涙が滲んで来た。

堪えようと上を向いた。その時―――。

 

「一刀…ん?」

 

「のわあぁぁぁぁぁぁ!!!!!」

 

「か、一刀!?」

 

一刀が空から降って来た。

 

「し、霞!?あ、危ない!!どくんだ!!」

 

「え!?う、うわっと!!」

 

「うわ!?」

 

「あ………」

 

「あ………」

 

つ、つい、受け止めてしもた…。

腕がジンジンする…。

が、溢れてきた涙は痛みの所為では無かった。

 

「このアホ…何処ほっつき歩いとったんや…?」

 

「ごめん」

 

「もう二度と逢えないんやと思ってた…」

 

「ごめん」

 

「嘘つかれたと思って、へこんだわ…」

 

「嘘つきになる所だった、ごめんな…霞」

 

「………」

 

本物や。この天然スケコマシは間違いない。

ウチは夕焼けを見つめながら、涙を止め処なく溢れさせていた。

すると一刀は、こそばゆそうに、

 

「あ、あの霞…?そろそろ降ろして欲しいかな…?」

 

と言って来た。ウチはもちろん、

 

「駄目や」

 

と言うた。

 

「こ、これってお姫様抱っこ…」

 

「玉座の間までこれで移動する」

 

「ええ~!?」

 

「ウチに心配かけさせた罰や、我慢しぃ」

 

「そう…だな…。霞」

 

観念してウチの腕に大人しく抱かれる一刀。

首に手を回してきて顔を近づけてきた。

 

「ん?」

 

ちゅっ―――。

と、不意打ち気味にウチに口付けをしてきた。

 

「!!」

 

「大分遅くなっちゃったけど、ただいま!!霞っ!!」

 

「ホンマや!!!遅すぎんねん!!!でも、お帰り!!一刀っ!!」

 

ウチに抱きつく一刀。笑顔で抱きしめるウチ。

もう絶対に離さへん。この張文遠をここまで惚れさせたんやから。

せやから一生一緒に居てもらうんや!!

大好きやで!!一刀!!これからも宜しゅうな!!!

 

 

~完~

 

 

~管輅と管辰からのお知らせ~

 

「めでたしめでたしだったのぅ…」

 

「そうだね…姉さん」

 

「ところで、ワシ等の物語や他の物語は無いのかの?魏の他の武将やそれだけでなく、蜀や呉などの」

 

「ある…にはあるのですが、もう時間がありませんね」

 

「外史の作者は書く気満々だった様なのだが、つか色々書いて居ったのだが」

 

「なにやら原因不明の病魔に襲われたようで…」

 

「『いんふるえんざ』と言うらしい…。五斗米道でなら治せるだろうが…、生憎華佗は出払っておるからのぅ…」

 

「それに卒業試験もあるらしいんです…」

 

「試験ほっといて大丈夫なのかのぉ…?」

 

「漢字検定も2級を受けるそうで…」

 

「作者…馬鹿ではないのだろうか…?文章に関してももっと実力を弁えてからやれば良いものを…」

 

「つまり、その他作品はこの恋姫祭り中には出典できそうにないんです…。ごめんなさい…」

 

「いつになるかは分からんが『ぶろぐ』なる物や此方のさいと様に載せるそうじゃ、良ければ見てやってくれると嬉しいのう!!」

 

「全く…学校とやらの卒業試験前や漢検受験前に重病にかかるって、馬鹿ですね、馬鹿。文章力無い癖にしゃしゃるんじゃねぇよって感じですね♪言い訳する位なら最初から参加すんなボケって言いたくなりました♪」

 

「(か、管辰が黒いのぅ…)」

 

「と、ともかく!!無双の乙女達の物語はまだまだ続くっ!!刮目されたし!!その生き様をっ!!」

 

「外史の作者はこれからも恋姫†無双を応援し、少しでも恋姫†無双に貢献したいとの事です!!」

 

「皆も!!どんどん恋姫ってくれなのじゃ!!末永く楽しめるのじゃぞ!!!」

 

「それでは、せ~の!!(作者)」

 

「「再見です!!(なのじゃ!!)って作者!?どうして此処に!?」」

 

 

~今度こそ、完~


 
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