No.539641

デジモンクロスウォーズ 絆の将と魔道の戦士

第二十五話 古代ベルカの最強必殺兵器、復活

2013-02-03 19:50:41 投稿 / 全6ページ    総閲覧数:1612   閲覧ユーザー数:1602

クロスハートと機動六課、そしてナンバーズの同盟が結ばれてから、相変わらず皆激しい論議を展開していた。

「やっぱここは本部と交渉して当たれるだけの戦力で当たった方がいいんやないか?」

はやてがこう言うと、

「いや、ここは今すぐ攻め込むべきだ!」

と、クラウドが言った。

「アホか!何の対策もなしに当たって、玉砕されたら話にもならんやろ!!」

とはやては言ったが、

「いえ、もしかしたら一番有効な策かもしれませんよ。」

と、エリカ(ウーノ)が言った、

「連中は猶予として一週間の時を我らに与えました。そしてその間あちらからは何も手を出さないと大々的に言いました。」

「なるほど、もし連中が何か難癖つけても、こっちに別の用がある、って言えば有効な期間って訳ね。」

エリカの言葉に、キサキが補足すると、

「そういう事。それに自分から最強と言った「ムルムクスモン四鬼」を持っているなら一週間も待たずにすぐ攻めてくればいいのに、あえて猶予を設けたのは、すぐさま大々的な戦闘が出来ないからとも考えられるだろ。」

クラウドは言った、相手の戦力や戦備が整わないうちに先制攻撃するのが良いと、

「なるほど、となるとそれまでの移動手段と生活スペースが問題やね。」

はやてはこう言って、

「ならアースラを使わせてもらおう、引退間近だけど、移動と生活手段にはなるはずや。」

と、皆に言った。

「いや、もっと広くて頑丈なのを知ってるぜ。」

しかし、クラウドはこう言った、

「あの、まさか”あれ”を使うつもりですか?」

エリカは不安そうにクラウドに訊いた、

「そうだよ、ここのまでの大所帯をどうにかするには、あれくらいが十分な広さだと思うけど。」

クラウドはこう言って、

「ヴィヴィオを借りていきたいんだけど。」

と、なのはに言った、

なのはは最初、何のことか分からなかったが、とりあえず自分が付いて行くことで了承した。

 

 

 

そして、クラウド、なのは、ヴィヴィオの三人は、不思議な場所にやって来た。

「それで、これをこうしてから。」

クラウドはパネルを操作し、ヴィヴィオは玉座のような場所に座り、なのははその傍にいる。

「んで、これで後は聖王が来たことを読み込ませ、その上に別なプログラムを上書きしてと。」

クラウドはこう言うと、

「ああヴィヴィオ、少しきついかもしれないけど、すぐに済むから我慢して下さい。注射よりはまだましだと思いますから。」

と、ヴィヴィオに言って、

「聖王陛下、駆動炉共に異常なし、ゆりかご起動。」

と言う意味の言葉を古代ベルカ語で言って、操作しているパネルのキーの一つを押した。その途端、

「うわあぁぁぁ!!」

ヴィヴィオが魔力の流れにのまれて苦しみだした。

「ヴィヴィオ!?」

なのはは、ヴィヴィオの手をしっかり掴んでヴィヴィオに呼びかけた。

「あと4秒で浮き上がる!それまでそのままで!!」

クラウドは二人にこう言って、魔力がなるべくヴィヴィオに行かないようにした。

「後1秒!」

クラウドがこう言った時、突然部屋が揺れだした。そして、

「行くぜ!ゆりかご起動!!」

 

 

 

 

外には運よく誰もいなかったが、誰かいたら確実の大騒ぎになっていただろう。突然山が割れて巨大な船が姿を現したのだから。

「よし!!ゆりかご正常運転中、今こそ今の状況を永久継続状態にして……!」

船の中のクラウドはこう言って、猛烈な勢いでパネルを操作し始めた。そして、

「これでよし、そこから離れても大丈夫です。」

と、ヴィヴィオに言った。

「クラウド、一体何をしたの?」

なのはに訊かれると、

「古代ベルカの遺産の一つ、「聖王のゆりかご」を復活させました。」

と、答えた。

「とりあえず、俺がここの中の掃除と整頓をしておきますんで。ほかの連中を呼んできてください。」

クラウドはこう言って、どこからか取り出した掃除道具を持ってどこかに言ってしまったので、なのはとヴィヴィオはとりあえず戻って行った。

 

 

 

そして、他の連中が何をしていたかと言うと。はやてとウーノは作戦会議をしていたが、他の連中は遊んでいた。

「よし、俺の五連勝!!」

「あー!また負けたっす!!」

キサキの持ち込んだゲームソフト、「ベルカBASARA3 TAKENAWA」をやっているのだ。キサキの先祖である竜王がプレイヤーキャラクターになったことで有名になったソフトである。現在ではマンガやアニメにもなっている。

「ごきげんよう、聖王の御嬢さんに覇王さん。」

純白の装備を身に着けた妖艶な印象を思わせる美女「竜王エイリーン」は、とある戦場で出会った「聖王オリヴィエ」と「覇王イングヴァルト」に言った、

「なあ、お前はこの竜王をどう思うんだ?」

タイキは、ゲームをプレイしている様子を見ているキサキに訊いた、

「どうって?」

「あんな感じに描かれているけど、実際と違うって思わないのか。」

「別にどうも思わないよ。実際の竜王にはあったことないし。それにああいう悪女もまた魅力的なもんだよ。」

キサキの答えを訊いたタイキは、改めて画面を見た。そこには戦闘終了後の特殊ムービーで、「冥王イクスヴェリア」を倒した後の映像が流れていた。見た感じは大人しそうなのだが、笑いながら敵を蹂躙する等、生粋の悪人キャラになっている。

それはそれで、困ったのはアインハルトで、

「ええと、ここでこの人が来るからこの人を一分以内に倒して、それから。」

攻略本を見ながら必死に、史実では聖王の最期の戦場となっているステージの情報を纏めていた。

「せめてゲームの中ではあの現実を変える!」

と言い張って、約八回そのステージをプレイしたのだ。おかげで覇王のレベルはかなり高くなっている。

すると、部屋の扉が開いて、

「場所を移しますよ。」

と、エリカに言われた。

 

 

 

そして、一同は戻って来たなのは達に連れられて、ある場所へやって来た。そこには、真っ暗な中に、一本ロープが垂れ下がっていた。

「あれ?なんでしょうかこれ?」

キャロが気になって引っ張ると。くすだまのようなものが割れて、大量の紙吹雪と一緒に、

「ようこそ聖王のゆりかごへ」

と、書かれた垂れ幕が落ちてきた。

「ああ、いらっしゃい。」

どこからか掃除道具を大量に持ったクラウドが現れた、

「随分早かったな、もう大方掃除は終えたけど。」

クラウドはこう言って、紙吹雪と垂れ幕を片付けた。他の面々は周りを見回したが、床と壁はピカピカに輝いている。

「とりあえず、皆の部屋をそれぞれ用意しておいたから、荷物を置いたら集会所に集合ね。」

クラウドはこう言って、掃除道具を片付けに行ったが、皆一様に言った。

「自分の部屋も集会所の位置も分からない。」

と。しかし、クラウドは、

「ここのプログラムを変えといたから、どこに行きたいと考えれば、システムがそこまで転送してくれる。」

と言って、あえて口に出して、

「荷物置き場へ。」

と、考えた。すると、クラウドの姿は一瞬で消えた。

「どうする?」

皆は思った、このままクラウドの言うとおりで上手くいくのか、と、

「とりあえず、俺の部屋に。」

タイキはこう考えた、その途端、タイキは玄関から自分の部屋と思われる場所に飛んだ。そこには机とベッド、テレビやタンスと言った家具がそろっており、扉の外の表札のような物にも「タイキの部屋」と書いてあった。

「すげえ、一瞬で違う場所に。」

シャウトモンは外に出て驚いている。

(いやー、魔法ってすごいな)

タイキも驚きを隠せなかった。そして次に、食事の場にもなっている集会場に行った。そこには、可愛い帽子をかぶったピンク色の生き物が居た。

「おお!これなら私の腕もぞんぶんに振るえまする!!」

厨房内で喜んでいる生き物を見たジジモンは、

「あれはエビバーガーモンじゃな。」

と言った、すると、他の面々もどこからかやって来た。

「げ、まさかアイツのエビ地獄をここでも。」

キサキは開口一発こう言った、すると、

「地獄とはなんですか地獄とは!?」

エビバーガーモンはこう言って、エビチリとエビフライの載った皿を出した。

「これから夕飯なんですから、ちゃんと並べて下さい。」

エビバーガーモンはこれ以外にも料理を用意しているらしい。

「まさか、クラウドがここに来いってのも、食事のため?」

他のメンバーは勿論呆れたが、とりあえず用意された席に料理を並べて行った。

そして、クラウドが来たところで、

「いただきます!!」

皆で手を合わせ、食事を開始した。因みにメニューは、エビチリ、エビフライ、エビピラフ、エビのバーベキュー、と言ったエビ料理ばかりである。初めて食べた連中にはうけは良かったが、もう既に食べ飽きたキサキは不満そうだった。

 

 

 

一方、ムルムクスモンが拠点にしている場所では、

「ムルムクスモン様、あなたが一番の脅威と見ていたクロスハートと機動六課が動き出しました。さらにはナンバーズもそれに加わっていると。」

オファニモンがムルムクスモンに報告した、

「そうか、やはり一週間待ってくれるわけはないか。竜王のクローンはまだ成熟していないが致し方あるまい。」

ムルムクスモンはこう言うと、

「オファニモン フォールダウンモード、お前が行って食い止めてくれるか?」

と、命令した。

「畏まりました。」

オファニモンは短くこう言うと、そのままこの場所へ向けて飛んでくるゆりかごめがけて飛んで行った。

 

 

 

カットマン

「カットマンと。」

 

モニタモンズ

「モニタモンズの。」

 

全員

「デジモン紹介コーナー。」

 

カットマン

「今回は「エンジェモン」だ。エンジェモンは六枚の羽を持つ天使型デジモン。必殺技は聖なる拳で敵を殴る「ヘブンズナックル」だ。」

 

モニタモンA

「完全な善の存在とされ、デジタルワールドの危機に現れると言いますな。」

 

モニタモンB

「エンジェモンとデビモンは元々同じデジモンだったらしいですな。」

 

モニタモンC

「エンジェモンは天界、デビモンは地獄と、生息場所の違いですな。」

 

全員

「それじゃあまたね。」

 

 

 

 

 

 

次回予告

キサキはリィンフォースⅡを連れて管理局地上本部へ向かうゼスト、そして任務をまっとうしようとするドゥーエを止めに向かう。

そしてオファニモンとタイキ達の戦いが始まる。

次回「邂逅、オファニモン フォールダウンモード」

 


 
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