No.537644

魔法少女リリカルなのは -九番目の熾天使-

第四話 ジュエルシード破壊

2013-01-29 21:11:07 投稿 / 全2ページ    総閲覧数:4575   閲覧ユーザー数:4175

 

 

「いつつっ……クソッ! 何なんだアイツは!」

 

 二日前にあの機械にやられた傷がまだ痛みやがる!

 

 おっと、まだ自己紹介していなかったな!

 

 オレの名前は神崎帝だ。

 

 イケメンオリ主でハーレム王になる男だ!

 

 なんかもう一人転生したモブキャラがオリ主だとか言っているが、それは間違いだ!

 

 オリ主は俺なんだ! いつか絶対にぶっ潰してやる!

 

 おっと、そう言えば今は登校中だった。

 

 もうすぐ俺の嫁達が乗ったバスが来る頃……。

 

「あ? 何でお前が此処にいるんだよ!?」

 

 の筈だが、何故かモブキャラの天城がいる。

 

「お前こそ何でここにいんだよ!?」

 

「はっ! 将来俺の嫁になるなのは達を出迎えに来たに決まっているだろうが!」

 

 コイツ、調子こいてんじゃねーぞ!

 

「黙れ! モブキャラはスッ込んでろ! なのはは俺の嫁だ!」

 

 なのは達は俺の物だ! 誰にも渡さない!

 

「ああん!? お前こそ引っ込んでろ! ぶっ潰すぞ!」

 

「それはこっちのセリフだゴラァ! 今日こそ白黒付けてやる!」

 

「いいぜ! 掛かってこいよ!」

 

 そうして俺達の戦いは相棒のアイリスが時刻を知らせるまで続いた。

 

 

 

 

 

 

「アリサちゃん、ありがとうね?」

 

 今私達はアリサちゃんの車で学校に送って貰っているの。

 

「いいわよ、別に。バスだったらアイツ等が待ち構えてるものね。すずかも気をつけなさいよ?」

 

「う、うん……頑張る」

 

 何をどう頑張るかしらないけど……すずかちゃんも大変だね。……人の事言えないけど。

 

 それにしても……ルシフェルさんって、一体何なんだろうね?

 

 あれからずっと気になって仕方なかった。

 

 それに、あの子も……。

 

「……のは?」

 

 あの子、とっても悲しそうな目をしていた……。何であんな目をしているのか聞けないのかな……?

 

 

「なのは!」

 

「ひゃい!?」

 

 び、ビックリしたの……。

 

「もう、またボーとしてるわよ? 大丈夫?」

 

 え? また!?

 

「う、うん。大丈夫だよ?」

 

 ……考えても仕方ないよね?

 

「もう、しっかりしなさいよ? ほら、学校に着いたわ」

 

「うん」

 

 私はアリサちゃんの車を降りると、校舎に入っていった。

 

 そしてその日の昼休みに……私はアリサちゃんと喧嘩しちゃった……。

 

 

 

 

「ルシフェル、解析は出来たか?」

 

【申し訳ありません。解析不能です。分かったのは以前言った通り、不安定なのと高エネルギーを結晶体に封じ込めているという事だけです】

 

 俺はルシフェルに手に入れたジュエルシードを解析してもらっていた。

 

 しかし、何度試しても一向に解析は出来ない。

 

 未知のエネルギー……それが魔力なのだろうか? 憶測でしか無いが、今はそれが一番納得出来る。

 

「ま、いいさ。それより、ユーノはこれが人の願いを歪めて叶えるって言ってたな?」

 

【はい。確かに言いました】

 

 となると、何らかの願望に反応してそれが最悪な形で達成されるのだろうか?

 

 取りあえずコレは何処かに仕舞っておこう。……と言っても、今はただの箱に入れるしか無いが……。

 

「さて、取りあえず街に行くか……。喫茶店には行きたかったが、また絡まれても面倒だ。取りあえず暇だから散歩にでも行こう」

 

【了解しました】

 

 

 ―――数十分後

 

 

「ああ……やっぱりここの公園は落ち着く」

 

 俺は小学校の近くにある公園で芝生に寝っ転がって休んでいた。

 

 これ程大きく、自然が豊かな公園は早々見ないだろう。

 

「さて……どうしたものか……」

 

 俺は刺激を求めて来たはずだ。

 

 それなのに……つまらない。

 

 もっと気持ちが高ぶるような相手はいないのか?

 

 いや、無理だな。ISの世界ならいただろうが、生身の人間にそれを求めるのは酷だ。

 

 ああ、何だか眠くなってきたな……。

 

 少しだけ……寝よっと……。

 

 

 

 

 

 

【…………ター】

 

 誰だ? 折角良い気持ちで寝ているんだ。

 

 邪魔をしないで欲し―――

 

【マスター!】

 

「うお!?」

 

 この声、ルシフェルか?

 

「って! 夜になってる!?」

 

 俺としたことが……。寝過ぎてしまったらしい。

 

【マスター、未知のエネルギー反応を感知】

 

 な!? それじゃ、もう始まっているのか!?

 

「ナインボール・セラフ、起動!」

 

【イエス、マスター】

 

 俺はすぐに感知した場所に向かった。

 

 そして今気づいたのだが、人の気配が全く無い。通行人も、自転車も、車もいないのはどういうことだろうか?結界のせいか?

 

「っと、もう始まっているか……」

 

 目的地に着くと、アルフとユーノ、フェイトと高町が戦っていた。

 

 ……馬鹿二人はどうした? 何故いない?

 

 ……気にしないでおこう。邪魔が減ったと思えばいいか……。

 

 そして高町達の近くには……ジュエルシードがある。

 

 ってアホか!? ジュエルシードは不安定な結晶体なんだぞ! あんなに近くでドンパチやって流れ弾でも当たったらどうするんだ!?

 

 ……あ、そういえば破壊しても問題ないって言ってたな?

 

 だが……なんかこう……嫌な感じが……。

 

 俺が見守っていると、急にジュエルシードが輝きだした。

 

「なっ!? 流れ弾も当たっていないのに……何故!?」

 

【恐らく彼女達が発する未知のエネルギー……以後、魔力と呼称。それに共鳴のような現象を起こしていると推測します】

 

 高々漏れ出る魔力に反応するほど不安定なのか!?

 

 ん? 高町とフェイトが気づいたようだな。よし、これで封印をしてくれれば……。

 

 俺は少し安堵したがそれも束の間

 

「っ! あのバカ共……何やってるんだ!」

 

 二人は同時に封印しようとしてお互いの武器がぶつかり合って互いの邪魔をする形になった。

 

 そして、ジュエルシードの輝きが一際大きくなり、二人は吹き飛ばされる。

 

「いかんな……ルシフェル、アレを完全に破壊するに足る武装は?」

 

【推奨武装……『Ω』『ベクターキャノン』の二つです。『Akatuki』のエネルギーウェーブ及び『Halberd』も候補にありますが、威力不足の可能性があるので推奨しません】

 

 ……ベクターキャノンは切り札だ。そう簡単に使う訳にはいかない。となると『Ω』か……。これも出来れば使いたくないが、そんな事を言っている状況ではない。

 

「仕方ない、か……んな!?」

 

 いざ行こうとしたときにオレは信じられない物を見た。

 

 金髪の女の子、フェイトが素手でジュエルシードを掴もうとしているのだ。

 

「アホか!? ルシフェルっ!」

 

【了解。ゼロシフト、レディ】

 

 俺はベクタートラップで空間を圧縮、そして空間の復元しようとする反動で亜光速移動し、フェイトの側で止まる。

 

「え……っ! 貴女は……あっ!」

 

「ルシフェルさん!?」

 

 俺はすぐにジュエルシードを彼女の手から離させた。

 

 そして後方へ退避する。

 

 ルシフェル、また頼む。

 

「な、何を!?」

 

【貴女は馬鹿ですか?】

 

「……え?」

 

 突然ルシフェルに馬鹿と言われて困惑する。

 

【先ほどの武器を使うならまだしも、素手で掴む事は理解できません。まだ軽傷で済んでいますが、下手をすれば手が使えないどころか、死んでいました】

 

「だ、だけどっ!」

 

 その指摘に抗議しようとするが、ルシフェルはそれを無視。アルフがフェイトの元に駆け寄り、ルシフェルから遠ざける。

 

「フェイト! ……よかった、そこまで酷くないね。……アンタ、一体どういうつもりだい?」

 

 アルフはルシフェルに問いかける。

 

【私はアレを危険と判断し、破壊します。彼女は破壊するのに邪魔だったため、引き離したに過ぎません】

 

「…………?」

 

 アルフは何か疑問に思っているようだが、ルシフェルが続けて言う。

 

【そこのフェレットに問います。この結界のような中で建造物を破壊するとどうなりますか?】

 

「え!? べ、別にどうにもならないよ……? ここで建造物を破壊しても解除したら元に戻るから問題は無いけど?」

 

 それを聞いて安心した。なら心置きなく破壊出来る訳だ!

 

 そうこうしている内に輝きは増している。

 

【把握しました。なら、アレを破壊します】

 

「ええ!? どうやって……?」

 

 フェレットが何か聞いているがそれも無視。すぐにチャージを開始し、射撃体勢に入る。

 

【エネルギー、チャージ開始。……60%……70……80……90……100%、完了】

 

「あ、あの……ルシフェルさん? 一体何を?」

 

 チャージは完了した。あとはアレに向かって撃つだけだ!高町のことは気にしない!

 

【離れていなさい。アサルトキャノン『Ω(オメガ)』……照射】

 

 俺の胸部にある部分が開き、レンズの様な物が現れる。そして、そこから高出力のレーザー砲が放たれた。

 

 それはジュエルシードに直撃し、数秒の拮抗の後に押し勝つ。そして爆発音と共にジュエルシードは砕け散り、蒸発した。

 

 よくよく見ると地面が溶けていて、見た目数十mまで陥没している気がする……。

 

 流石変態科学者達が改造した機体だ。威力が底上げされている……と思う。

 

 あの変態達、何を改造したか俺に教えなかったからな……。この分だとオービットも改造されていると思うが……。

 

「な、何なの……?」

 

「凄まじいね……」

 

「ほぇ~……すごいの……」

 

「う、うそ……!? 暴走状態のジュエルシードを破壊するなんて……。それに、魔力が一切感じられなかった?」

 

 ふむ。流石に全員が驚いているな。さて、俺は目的を達した。……引き上げるか。

 

「ま、待って下さい!」

 

 俺はその場を去ろうとしたらユーノが引き留めた。

 

「貴女の今の攻撃は……魔力が一切感じられなかった! それは質量兵器なんですか!?」 

 

 質量兵器?

 

【質量兵器? 推測は出来ますが定義が分かりません。説明を要求します】

 

「……質量兵器とは大雑把に言うと、魔法を一切使わない兵器の事です」

 

【把握しました。貴女の定義で言うと確かに私の今の攻撃は質量兵器になるでしょう。ここは地球です。魔力を使った技術は存在しません。質量兵器があっても驚くことは無いでしょう?】

 

 となると、俺は質量兵器の塊だな。何種類あると思っているんだ?

 

「っ! た、確かにそうですが……なら何故、貴女は此処(・・)にいられるのですか? 対象人物を特定していない以上、ここは一定値以上の魔力を持った人しか入れないはずです!」

 

 それは恐らく俺がその一定値以上の魔力を持っているからだろうな……。さて、どう答えるべきか……。

 

 しらばっくれるか?

 

【……それは私にも分かりません。気づくと入る事が出来ました】

 

「…………」

 

 ユーノは何かを思案しているようだが、いつまでも話に付き合っていると面倒なことになる。さっさと引き上げ・・・・ん? 何だ? 誰かに見られているような感覚がする?

 

 ルシフェル、半径数キロに索敵を掛けて欲しい。

 

【了解。索敵開始……・キャッチ。とても微弱な反応ですが、一時、三時及び六時の方向の上空に金属反応があります。距離、200】

 

 俺の頭の中にルシフェルの音声が流れる。

 

 ルシフェルの言われた内の一つ、一時の方向上空を見つめた。

 

【光学迷彩で隠蔽している模様。サーモグラフィでの映像を送ります】

 

 俺の視界の隅に温度感知式の画像が映し出された。するとそこに、小さい何かが赤く表示されている。

 

 ……何だ? 序でにリアルタイムでの映像をルシフェルに頼む。

 

 っ! 動いた!? するとあれは……カメラ関係か!? ルシフェル! すぐに退散だ!

 

「それではもうh―――【私はこれで失礼します】え!? ちょっ!」

 

 ユーノが何か言っているがそんなことは知らねぇ! すぐに離脱する!

 

 しかし、一応最高速度は出さない。序でに建物の影に隠れてECMスモーク(光学迷彩)で姿を隠す。

 

 このECMスモークは便利なことにバーニアの炎まで消してくれる。だけど、QBのような瞬発的な炎までは隠せない。

 

 そして俺はさっきの未確認物体の事について考える。

 

「……監視されていたのか?」

 

【恐らくは。私も気づくのが遅れました。申し訳ありません】

 

 いや、ルシフェルは悪くない。

 

「ルシフェルは悪くないよ。魔法なんて大層な物があるんだ。それに伴った組織や第三者が居てもおかしくない。ただ、アサルトキャノンを見られたのは痛いな」

 

 あれほどの高威力レーザーなら警戒されるだろう。もしかしたら襲撃を受ける可能性があるかもしれない。

 

 ま、それはそれで楽しめるかも知れないが……。

 

【マスター、不謹慎です】

 

 ……そう言えば俺の考えは全部ルシフェルに筒抜けだったな……。

 

 ちょっとこの機能は問題があるかもしれないな……。

 

【問題ありません】

 

 ……はぁ、プライベートが無くなった気がしてきた。

 

 

 

 


 
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