No.518973

インフィニット・ストラトス-九番目の熾天使- 

ね~む~い~・・・
あと、束ねさんは小悪魔

第三話『IS学園』

2012-12-15 22:24:28 投稿 / 全2ページ    総閲覧数:6945   閲覧ユーザー数:6243

 

 

 

 俺達が帰国して一週間が経った。

 

 そして今日も、俺は束の突然な発言に驚かされる。

 

「っと、言う訳で!IS学園に入学おめでとう♪」

 

「何が『おめでとう♪』だゴルァ!!」

 

「あいたーっ!?」 

 

 俺は束の頭に拳骨を入れた。

 

「あいたたた・・・・もー!酷いよ煉!世界で最も偉大で優秀な脳細胞が壊れ馬鹿になったらどうするのさー!」

 

「心配ない。既にお前はバカだ」

 

「ひっどーい!」

 

 まったく・・・・。で、束の本当の目的を聞くと、どうも俺が織斑姉弟を護衛する為だそうだ。まあ、色々細かい事もある。

 

 例えばIS学園に入れば外部企業や国からの干渉が出来なくなる。

 

 ISは独立した自治組織であるが故らしい。これは俺達に好都合である。

 

 さらに、IS学園の敷地内に束の家を建設することにしたみたいだ。

 

 ただ、俺はどうも不安だ。以前、アームズフォートのデータを見せて欲しいと言ってきたから、ただの好奇心かと思い見せてやった事がある。

 

 それから何かを設計しているようだが・・・・・心配だ。

 

 普通って結構大事というのが最近分かってきた今日この頃。

 

 閑話休題

 

 そして、その織斑千冬である織斑一夏もISを使えるらしい。本人は全く知らなかった上に知識も無いみたいだが・・・。

 

 勿論、俺もシステムにあまり詳しくない。

 

 展開や戦闘だって無意識に操作しているので解説をしろと言われたらかなり厳しい。

 

 ま、それは束が教えてくれているから少しは知識が付いている。

 

 意外と優しいのか・・・・?

 

「・・・・で、入学式は何時だ?」

 

「明日だよ?」

 

「明日かよ!?」

 

「それと、今から実技試験だから♪」

 

 前言撤回。こいつはウサ耳を付けた悪魔だ。

 

 

 

 俺は第三アリーナといわれる場所に来ている。

 

 何故か?入学の為の実技試験だからだ。

 

 試験管は女性教師一名。機体は・・・ラファール・リヴァイブだったか?

 

 俺はセラフを装着していない。取りあえず説明を聞いている。

 

「それでは試験を始めます。私を倒すか、1本取れば試験終了です。・・・貴方は専用機を持っていると聞いたのですが?」

 

「ああ、失礼しました。ナインボール・セラフ・・・起動」

 

【準備OKです、マスター】

 

 ルシフェルの音声は俺にしか聞こえないようになっている。

 

「っ!全身装甲(フルスキン)・・・!?」

 

 俺のISを見て驚く試験官。・・・そんなに驚くものなのか?

 

「試験官?始めないのですか?」

 

「っ!それでは、始め!」

 

 試験官は手にマシンガンを持つと乱射しながら迫ってきた。

 

 集弾率は中々のものだ。だが、俺には当たらない。

 

 俺は一瞬で上昇し回避する。そして右腕のブレードを展開。QB(クイックブースト)で距離を詰める。

 

「なっ!?瞬時加速(イグニッションブースト)!?」

 

 違うけね。だが、似たような物だよ。

 

 試験官は飛んで俺から逃げようとする。だけど、セラフの機動から逃げることは出来ない。

 

「ふ、振り切れない!?このっ!」

 

 尚も撃ち続ける試験官。勿論、距離を保つことを忘れていない。

 

 それでも距離は縮まり、俺はもう一度QBで肉迫してブレードで斬り裂く。

 

 何か障壁に阻まれる感触がした。

 

「そんな!?一撃でエネルギーが80%も削られた!?」

 

 そんなにエネルギーは低いのか?

 

 まあ、コンデンサーを使っているから低くても当然か。こっちは半永久機関だけど。

 

「でも、ブレードしか使ってこないのは近距離戦しか出来ない筈。なら!距離さえ保てば!」

 

 残念でした。

 

「試験官、俺は一度も中距離攻撃の手段が無いとは言ってませんよ?」

 

 俺は両腕を試験官に向けて言った。

 

「え?」

 

 そしてそのまま『Stardust』を撃った。まだ近距離だったのでほぼ全弾命中し、ラファールは墜ちた。

 

【目標の撃破を確認。通常モードに移行します。お疲れ様でした】

 

「ありがとう、ルシフェル」

 

「っ・・・・ま、参りました」

 

 試験官も負けを認め、俺の勝利で終了した。

 

 これで試験は合格だろう。

 

 

 

 

 そして入学式当日――――

 

 

 俺は無事に入学式を終え、現在は一年一組の教室で席に座り、担任を待っている。

 

 だが・・・・この視線、かなり痛い。

 

「こ、これは・・・・想像以上にキツイ・・・」

 

 俺の左隣に座っている一夏がそう呟いた。

 

 額には冷や汗が浮かんでいる。

 

 そしてその痛い視線を誤魔化すかのように俺に話しかけてきた。

 

「な、なあ?アンタもISを使えるんだろ?俺は織斑一夏。同じ男同士、仲良くしないか?」

 

「・・・ああ。俺は篠崎煉だ」

 

 俺は互いに握手を交わした。

 

 俺は人が苦手だが、今回ばかりは別だ。

 

 何故か?それは今俺達が置かれている現状を思い出したら分かると思う。分からない奴は前に出ろ。ベクターキャノンで吹き飛ばしてやるから。

 

 俺がそう思っていると教室のドアが開いて緑ショートヘアの身長がやや低い女性が入ってきた。

 

 やっと担任が来たか?

 

「皆さん入学おめでとう。私は副担任の山田間耶です」

 

「「「「・・・・・・・・・」」」」

 

「え、えぇ~・・・?」

 

 う~む、見事なまでに全員スルーだな。担任より俺達に視線が行っているしな。

 

「き、今日から皆さんはこのIS学園の生徒です。この学園は全寮制。学校でも放課後でも一緒です。仲良く助け合って楽しい3年間に

 しましょうね?」

 

「「「「・・・・・・・・・」」」」

 

「え・・・えぇ~と・・・そ、それじゃあ自己紹介をしてもらいますね!」

 

 またもやスルー。少し山田先生が可哀想になってきた・・・・・

 

 そう言えば、他の女子とは別に一夏をチラチラ見ている奴がいるな?アイツは・・・ああ、束の妹か。確か篠ノ之箒だったな。

 束がよく食事の際に話していたな。

 

「・・・くん。織斑くん!」

 

「は、はい!?」

 

 一夏の奴、ボーッとしてたな?

 

 周りの女子が笑っているぞ。

 

「大声出してゴメンね?でも、いま『あ』から始まって『お』なんだよね?自己紹介してくれるかな?ダメかな?」

 

 山田先生・・・・アンタ、どんだけ腰が低いんだ?教師だろ?

 

「いや、あの・・・そんなに謝らなくても・・・」

 

 一夏も困っているようだ。困るのは良いが、さっさと自己紹介しろ。

 

「えー・・・えっと・・・織斑一夏です」

 

 一夏が席を立って名乗った。そして全員がその続きを期待して待っている。

 

 だが、俺は気づいている。コイツ、それ以外の言葉を考えていないっていう事を。

 

 だが、その時誰かが教室に入ってきた。スーツの女性教師・・・待て、コイツ・・・織斑千冬じゃないか?

 

「すぅ・・・・はぁ・・・」

 

 一夏は深呼吸した後、何か言うことを決めたようだ。

 

「以上です!」 

 

 その言葉に全員がずっこける。ふむ・・・何か問題があったか?何も言うことが無い以上、自己紹介を終わらせるのは当然だと思うが?

 

「え?あれ?ダメでした?うごっ!?」

 

 一夏が慌てていると、恐らく織斑千冬だと思われる教師が一夏の脳天に拳骨を入れた。

 

 ・・・・痛そうだ。

 

「うぅぅ・・・いっつ~・・・・げっ!?千冬姉!?」

 

 ゴンッと鈍い音を立てて再び拳骨が下された。

 

 本当に痛そうだ・・・・・。

 

「学校では『織斑先生』だ!

 

 一夏が痛みに悶えている

 

「先生、もう会議は終わられたのですか?」

 

「ああ、山田君。クラスへの挨拶を押しつけてすまなかったな」

 

 千冬・・・・・織斑先生がそう言うと教卓の前に立った。

 

「諸君、私が担任の織斑千冬だ!君達新人を一年で使い物にするのが私の仕事だ」

 

 話に聞いた通り凜とした女性だな。中々厳しそうだ。・・・ん?

 

「「「「「きゃああああああああ!!!!」」」」 

 

 ぎゃあああああ!!!耳がっ・・・耳がぁああーーー!!

 

「千冬様・・・本物の千冬様よーー!」

「私、お姉様に憧れてこの学園に来たんです!北九州から!!」

 

 な、何だこの騒ぎは!?いや、それよりも俺の耳が深刻なダメージを!

 

「よくもまあ毎年これだけの|馬鹿者《若者》が集まるものだな・・・。私のクラスにだけ集中させてるのか?」

 

 クソッ!突っ込む暇が無いくらいにダメージが・・・

 

「お姉様ぁ!!もっと叱って!罵ってーー!!」

「でも、時には優しくしてーー!!」

「そしてつけ上がらないように躾をしてーー!!」

 

 こ、こいつら・・・・新手の信仰者か!?今此処に織斑教が誕生したぞ!? 

 

「で?挨拶すらまともに出来ないのか、お前は?」

 

 っつつ・・・・ん?一夏のやつ、また怒られているのか?しかも挨拶如きで・・・

 

「い、いや・・千冬姉!お、俺は―――うごっ!?」

 

「織斑先生だ!」

 

「はい・・・織斑先生・・・・」

 

 今度は机に頭を押しつけられている・・・・

 

 そして周りにいる女子達がヒソヒソと話し始めた。どうやら一夏が先生の弟だと気づいたらしい。

 

「静かに!諸君等にはISの基礎知識を半年で覚えて貰う。その後実習だが、基本動作は半月で体に染みこませろ」

 

 ふむ、中々ハードじゃないか。ま、俺は動作は問題無い。あとは知識だけだ。

 

「良いか?良いなら返事をしろ!良くなくても返事をしろ!」

 

 端から聞くと横暴な物言いだな・・・・。

 

「「「「はいっ!」」」」

 

 それでもこの信者共は返事をした。すげぇな・・・織斑教。

 

 

 

 ―――休み時間

 

 

「災難だったな」

 

「本当だよ・・・」

 

「ま、あの拳骨は痛そうだった」

 

 俺は受けたくない。絶対に!

 

「あははは・・・・。あ!所でお前って「煉でいい」分かった。煉って束さんの護衛でISを操縦できるって聞いたが・・・なんで動かせるんだ?」

 

 いきなり聞くか普通?

 

「さあな?一応俺の深い話は政府が情報操作で曲げている」

 

 俺が実験体という事は非公式扱いにされた。理由は分かるだろう?それに、記者会見に集まった記者は国が選定した記者達なので

 口は堅い。

 

 でもまあ、何かしらで脅されるとバラすだろうけど。

 

 世間一般的には俺は束の護衛ってことになっている。勿論、第二の男性IS操縦者ということも。

 

「へ、へぇ・・・ってか、ソレ・・・言ってもいいのか?」

 

「さあな?」

 

 一夏が俺の答えに顔を引き攣らせる。

 

 するとそこへ、束の妹である箒がやってきた。

 

「今、取り込み中だろうか?」

 

「・・・箒?」

 

「いや、大丈夫だ。一夏を借りたいのだろう?連れて行け」

 

「・・・すまない」

 

 箒の俺の見る目が若干違和感があった。恐らく姉と繋がりがあるからだろう。

 

 束もかなり嫌われているな・・・。

 

 さて・・・・どうしたものか?

 

 一夏が居なくなった事で必然的に視線が俺に集中するのだが・・・。

 

 だが、俺の目つきが悪いせいか、誰も話しかけようとしない。俺としてはそっちの方が助かるが・・・・

 

 やはり視線が痛い。

 

 ・・・・・・・頼む、一夏!早く帰って来てくれ!!

 

 

 

 その後、最初の授業では一夏が全く知識が無いどころか教本すら読んでいなかった。

 

 そう言う俺も半分しか理解出来なかった。だが当然と言えば当然だ。

 

 俺が入学を知らされたのは昨日だからな!勿論教本すら無い・・・束が捨てたから!

 

 本当に勘弁して欲しい。

 

 因みに、アイツは今・・・恐らく家であろう建物の建築作業の指揮を執っている。

 

 多分・・・・・家だと思いたい。もしかしたら、束にとって家=研究所もしくは、家=要塞という価値感をしているかもしれない。

 

 後者がよっぽど信憑性があるが・・・

 

 そして休み時間になった。

 

 俺と一夏は結構仲良くなったと思う。

 

 自分でも驚いている。こんなに人と話したのは久しぶりだ。

 

「ちょっとよろしくて?」

 

 よろしくない。

 

「・・・は?」

 

「なんだ?」

 

 それでも無視するのは気が引けたので返事だけはしておく。

 

「まあ!何ですの、そのお返事!」

 

 いや・・・何と言われても・・・?

 

「私に話しかけられるだけでも光栄なのですから、それ相応の態度というものがあるのではないかしら?」

 

 ・・・・・・ああ、俺こいつ嫌いだわ。

 

 俺が嫌いなのはタバコと麻薬と貴族だ。

 

 この金髪ドリル娘、明らかに貴族みたいな話し方をしている。正直殺したくなるぐらいウザイ。

 

「悪いな。俺、君が誰だか知らないし」

 

「私を知らない?セシリア・オルコットを?」

 

「煉、知ってるか?」

 

「知らん」

 

「な!?イギリス代表候補生にして入試主席であるこの私を!?」

 

 ほう?代表候補生なんだな。その単語は知っている。

 

「質問いいか?」

 

 そして、一夏が手でオルコットを制して、何か聞こうとした。

 

「ふんっ、下々の者の要求に応えるのが貴族の務めですわ。よろしくてよ?」

 

 ああ、一夏・・・俺は分かっているぞ?お前が聞きたい事は・・・

 

「代表候補生って・・・・・何だ?」

 

 予想通りだ。そのバカさ加減に教室に居た女子は全員ずっこけた。

 

「あ・・・・あぁ・・・・」

 

「あ?」

 

「信じられませんわ!日本の男性の方とはこれほど知識に乏しいものなのかしら!常識ですわよ、常識!」

 

 その後一夏が代表候補生とは何かの講義(およそ一分間)を受けた。

 

「まあでも、私は優秀ですから貴方のような人間にも優しくしてあげますわよ?分からない事があれば、まあ泣いて頼まれたら

 優しく教えてもよくってよ?」

 

 う、ウゼェ・・・

 

「何せ私、入試で唯一教官を倒したエリート中のエリートですから!」

 

 ああ、それなら俺も倒したよ。圧倒的にな?

 

「あれ?俺も倒したぞ?教官」

 

 ・・・マジで?

 

「・・・はあ!?」

 

「倒したと言うより、向こうから突っ込んできたのを躱したら壁に激突して動かなくなったんだけどな」

 

 へぇ、中々やるじゃないか。でも、試験官がそんなんで大丈夫か?

 

 多分すっごくプライドが傷ついたと思うぞ?

 

「わ、私だけと聞きましたが・・・?」

 

 お前も倒したのか?まあどうせ、ギリギリでだろ?

 

「女子ではってオチじゃないか?」

 

 だろうな。俺が倒したことを知らないということはそういうことだろう。

 

 勿論、俺はそんなこと言わない。面倒なことになりそうだから。

 

「あなた!貴方も教官を倒したというのですか!?」

 

「お、落ち着けよ!な?ほら、煉も見てないで何とか言ってくれよ!」

 

「知らん」

 

 頑張れ、一夏

 

「こ、これが落ち着いていられ―――」

 

 オルコットが興奮していると始業ベルが鳴った。

 

「・・・話の続きはまた改めて!よろしいですわね!?」

 

 そう言ってオルコットは席に戻った。

 

「よ、よくねぇよ・・・・はぁ」

 

「お前も大変だな」

 

「んだよ・・・。見捨てたくせに」

 

「すまんすまん。もの凄く面倒な事に巻き込まれそうだったからな」

 

「お前・・・結構薄情な奴だな・・・・」

 

 何とでも言うがいい!アイツとは関わりたくないんだ!

 

 生理的に受け付けん!

 

 

 それから放課後、俺達は寮に入るために一緒に下校したかったのだが・・・・。

 

「篠崎、少し話がある。ちょっと来い」

 

 強制的に連れ去られることになった。

 

「煉、お前何かやったのか?」

 

「一夏じゃあるまいし、そんなことは無い」

 

「酷っ!?お前、結構酷い事言ったぞ!?」

 

「知らん。・・・それじゃあ行ってくる。多分部屋はお前と一緒だろ?また後でな?」

 

「おう、またな!」

 

 やれやれ・・・色々聞かれる(尋問)んだろうなぁ・・・。

 

 

――――学校敷地内の公園

 

 

「さて、ここでいいだろう。では篠崎煉、率直に聞こう。貴様は一体何者だ?」

 

 端っから記者会見の内容を信じてないような口ぶりだな。

 

「記者会見の内容は知らないのですか?」

 

「知っている。だが、それが全てでは無いのだろう?」

 

 勿論だ。

 

「ご想像にお任せします」

 

 織斑先生が威圧感を放った。そこそこ迫力はあるが、恐怖は感じない。所詮人を殺したことの無い小娘って事か?俺には可愛く見える。

 

 ま、俺もまだまだガキなんだけどね?

 

「ほう・・・怯みもしないか。・・・まあいい。お前とアイツの仲は知っているし、信用は出来ると思っている。これでも感謝しているんだ。アイツが人を愛し、変えてくれたことに・・・な」

 

「大したことはしていないつもりですが・・・。それに、俺も色々振り回されているので」

 

 俺は苦笑して言う。本当に振り回されているな・・・俺。

 

 織斑先生は同情のような笑みを浮かべた。

 

「・・・そうか。それともう一度聞きたいのだが、委員会が貴様のISデータを公開しろと言ってきたら・・・どうする?」

 

「お断りします」

 

「ほう?」

 

「このISには色々秘密があるんですよ。それこそ、エネルギー革命と戦争が勃発するぐらいにね?」

 

 反陽子生成炉なんか世界に広まったら大変なことになる。間違い無く戦争は起こる。

 

「それほどまでに危険なISを作ったのか、アイツは?」

 

「いえ、それは違います。それだけは断言します」

 

「そうか・・・ソレを聞いて安心した」

 

 束の話しによると彼女は信用に足る人物らしい。今話していてもそれが何となく分かる。だけど、あまり話す内容でもない。

 いや、何れ近い内には話すと思うけどね。そこら辺はまだ分からない。

 

「それでは俺は寮に行きますので」

 

「ああ、引き留めて悪かったな」

 

 俺は織斑先生と別れて寮へと向かった。

 

 

 

 

 

「お?遅かったな。千冬姉と何を話していたんだ?」

 

「ん?ちょっとした世間話だ」

 

「そう・・・なのか?まあいいや」

 

 

 


 
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