No.514686

IS 世界を守る者 EP60 残・時・教・師

ギアルさん

今回は学園祭後の話です。

2012-12-03 15:59:21 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:2625   閲覧ユーザー数:2419

IS学園、ジンヤの部屋。

 

ジンヤは自分の部屋のベッドの上で目を覚ました。

 

「あれ?なんで僕がここに居るんだ…」

 

身体を起こすと、左肩の方から激痛が走った。

 

左肩を見るとそこには包帯が巻かれていた。

 

「失血で気を失ったのかよ…ある意味不死身なのに失血で気絶とはお笑い種だな…」

 

ジンヤは自分を皮肉っているとドアがノックされた。

 

「あの…ジンヤさん。オルコットですけど少しよろしいですか?」

 

「別に大丈夫だけど…」

 

そして、ジンヤはドアを開けると…

 

「どうも、ありがとね♪」

 

「え…?」

 

そこに居たのは栗色の長髪で、頭の左右に白い造花の髪飾りをした女性だった。

 

「だ、ダメだよ、マルタ。勝手にセシリアの声を真似るなんて…」

 

「そうですわ、お母様!」

 

その女性の後ろには金髪、童顔の男性にセシリアが居た。

 

「お、お母様?」

 

あまりの事態にジンヤの頭はショート寸前?みたいになった。

 

そして、数分後…

 

一応落ち着いたジンヤは部屋にあった紅茶とスコーンをセシリアと男性と女性に出した。

 

「あの〜今更ですがお2人はどちら様で…」

 

ジンヤは遠慮がちにそう言うと…

 

「え?あの…その…ごめんなさい…」

 

「いきなり、謝ってどうしますのお父様…」

 

すると男性が謝り、セシリアがつっこんだ。

 

「そうか!エミルは超紳士だから、女尊男卑関係無しのレディファーストで私に自己紹介の順番を譲ってくれたんだ!」

 

「いや、あの…」

 

「ありがとう!エミル!私、エミルの事、だ〜いすき♪」

 

「お母様…」

 

そして女性は自己紹介を始めた。

 

「はじめまして!私はアマンダ・オルコット。エミルからはマルタと呼ばれているよ♪後、苗字から分かると思うけどセシリアの母だよ♪」

 

「後って…酷すぎますわお母様」

 

マルタの自己紹介にセシリアは呆れながらつっこんだ。

 

「そして、隣に居るのは最高に強くて、優しくて…私の夫の…」

 

「え、エミリア・オルコットです…マルタからは…エミルと呼ばれています…よ、よろしくお願いします…」

 

「お父様、もう少し自信を持ってください…」

 

エミルのオドオドしながらの自己紹介にセシリアはつっこんでいた。

 

すると、マルタはニヤニヤしながら言った。

 

「どうしたのですか?お母様?」

 

「いや〜なんと言うか…2人共、ヤッちゃったの?」

 

マルタの言葉にジンヤとセシリアは顔を真っ赤にして否定した。

 

「お、お母様!わ、わたくしがジンヤさんと…///や、ヤッちゃっていませんわ!でも…ジンヤさんとなら///」

 

「にゃ…にゃー!にゃー!うー、にゃー!うー、にゃー!」

 

すると、ジンヤは何処かの這いよる混沌のオープニングみたいに暴走していた。

 

一方、エミルはジンヤをじ〜と見ていた。

 

「ん?どうしたんですか?」

 

「いや、キミとは何所かで会わなかった?イギリス辺りで…」

 

エミルの言葉にジンヤは考えながら言った。

 

「イギリスか…数年前、イギリスのBSAA本部で訓練していて、警備を頼まれた事があって、警備していたときはガスマスクしていたから多分その時…」

 

「そうか…ゴメンね。休んでいる時に…」

 

「それじゃあ、これからもセシリアをよろしくね♪」

 

「それでは失礼しますわ、ジンヤさん」

 

そう言うと、3人は去った。

 

すると、ジンヤは呟いた。

 

しかも、冷酷に…

 

「…あの時の列車事故の生き残りか」

 

そう言うと、ジンヤの右腕が変わった。

 

灰色の鉤爪がある右腕へと…

 

「あの姿が見られたか…」

 

そして、しばらくしてラウラが来た。

 

「嫁、右腕の方は大丈夫か?」

 

「ああ昔、手のひらに風穴開いたことがあるからまだマシだ…」

 

ジンヤがそう言うと、ラウラは悲しげな表情で言った。

 

「なあ、ジンヤ。何故教官はあんな事を…」

 

「…すまない」

 

「嫁が謝ることじゃない…ただ、あの人は私をどう思っていたんだ…」

 

ラウラはそう言うと、ジンヤは昔を思い出しながら言った。

 

「さあな…ただ、英雄と狂人は紙一重だ。一歩進む道を違えば、狂人は英雄に英雄は狂人になる」

 

そこまで言うと、ジンヤは真剣な表情でラウラに言った。

 

「キミは狂人にならないでくれ…」

 

「嫁よ、心配はいらん。私は狂人になる気はない…すまないな、時間を貰って」

 

そして、ラウラも去った。

 

しばらくして、ジンヤは洗面所へ向かった。

 

すると、鏡に映ったジンヤは邪悪な笑みを浮かべた。

 

『貴様は損するな…さっさと食わないのか?女共を…ここの女共はアイドル並の可愛い子ちゃんだらけだぜ?』

 

「黙れよ、クソ野郎が」

 

『まあ聞けよ、篠ノ之箒は身体を鍛えているから食い応えは有ると思うぜ?シャルロット・デュノアも良い身体しているぜ?更識楯無、更識簪は2人お得だぜ?ラウラ・ボーデヴィッヒは軍人だが綺麗な肌をしているし、黒ウサギ隊、シュバルツェ・ハーゼだっけ?オマケだらけだぜ?セシリア・オルコットはイイモン食っているから味も…』

 

「黙りやがれ!!」

 

そう叫ぶと、ジンヤは洗面所の鏡を殴って割った。

 

そして、懐から細い筒状の注射器を取り出すが、それを落としてしまう。

 

拾おうとすると、シェリルが拾った。

 

「シェリル…」

 

「落としたわよ、ジョン。いや、ジンヤ」

 

シェリルから注射器を返してもらうとそれを首に注射した。

 

「前から気になっていたけど、それは何が入っているの?」

 

「…オルフェノクの力を弱める物。力を抑制し、身体の崩壊を防ぐ。また、オルフェノクの本能…種を残したいという本能も抑制できる」

 

すると、シェリルは悲しげに言った。

 

「それでも…」

 

「ああ、完全に防げない。でも、これは自分で選んだ道だ…」

 

そして、翌日。

 

1年1組にて…

 

真耶が教壇の前である事を話した。

 

「皆さん、今日は新しい先生を紹介しますね」

 

真耶がそう言うと、ラウが教室に入ってきた。

 

「ラウ兄!まさか、ラウ兄が…」

 

「まあな…教員免許が有るからな」

 

すると、生徒の1人がラウに質問した。

 

「あ、あの〜織斑先生は?」

 

「ああ、あの千冬(バカ)はしばらく停職、IS委員会が政府と取引したのかな…戦闘に参加した警備部隊員は全員クビ、日本代表の天上院は国家代表の資格剥奪、専用機没収だ」

 

すると、もう1人の生徒がラウに質問した。

 

「あの…お兄様は彼女は居ますか?」

 

「お兄様言うな…因みに彼女は居ないぞ」

 

ラウがそう言うと…

 

「「「ひゃっふー!!」」」

 

生徒達は歓喜した。

 

真耶は苦笑し、ラウは呆れていた。

 

「…授業を始めます」

 

こうして、ラウの教師生活は始まった…

 

しばらくして、胃薬は美味いと言うようになったのは別の話。

 

 


 
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