No.499270

遊戯王アイドルマスターフォース 特別デュエルZEXAL編 遊馬VSトロン

アステルさん

特別デュエル、ここに開幕です!

今回は番外編ですが、一応本編をリンクにしてお送りします。まぎわらしい…

今回は、11月に発売予定の新カードを交えてお送りします。にしても、遊馬が使用したカードがあれしか…

続きを表示

2012-10-22 23:18:23 投稿 / 全5ページ    総閲覧数:2336   閲覧ユーザー数:2312

アステル「さあ、やって参りました!今回は本編とは全く無縁の物語です!色々と注意して観戦してください」

 

遊星「今回は、10話を突破し第1部を完結してので、特別デュエルを実施する。最後まで楽しんで見ていってくれ」

 

アステル「司会は私、この物語の作者のアステルと」

 

遊星「不動遊星でお送りする」

 

今回は、とある会場でお送りしている。ちなみに765プロのアイドル達も勢ぞろい。961プロから遊馬・アストラル・凛・冬馬も来ている。

 

十代「それで、今日は一体何をやるんだ?」

 

アステル「そう。今回お前たちを呼んだのは他でもない。前回の前書きを見れば分かるが、第1部終了記念と言う事で、特別デュエルを開催する事になった」

 

春香「特別デュエル…感じからして通常のデュエルとはちょっと違う感じですね?」

 

遊星「そうだ。この特別デュエルは、過去の遊戯王シリーズからデュエリストを呼び、デュエルを行う事だ。ちなみにZEXALも該当に入っている」

 

 

時間の都合上、一人一人ずつしか出来ないが…まあ仕方ない。

 

アステル「そして、ゲストを呼ぶのは…これだ!!」

 

空中から、何かがこっちに向かって落ちてきて、それが作者の手に渡る。見ると、5枚のカードだ。

 

アステル「形式はこれだ。このカードにはそれぞれ「DM」・「GX」・「5D’s」・「ZEXAL」・「特殊」の文字が入っている。誰かがこの中から裏側になっているカード一枚を選択し、選択したシリーズからランダムで、そのシリーズのデュエリストとデュエルを行う。尚、参加者は本編では出られないメンバーばかりだ」

遊星「まあ、状況によっては出られる可能性はあるが、今はそのプランは考えてない」

 

これなら、以外にも早く決められそうだ。

 

アステル「ちなみに、こちら側で参加するのは…現時点、本編でデュエルを行っている者限定でやらしてもらう。本編でデュエルすら行ってない者は、観戦でもしていてくれ」

 

やよい「それじゃ、私達の大半が出られないじゃないですか!?」

 

冬馬「俺達来る意味ねえし!!」

 

アステル「喧しい。それから、ここでのデュエルは本編等の設定をぶっ飛んでいるので、超展開過ぎる展開があるかもしれないので、注意してください」

 

アリス「ちなみに、今回は誰がデュエルを行うの?」

 

アステル「それは既に決めている。今回は…遊馬!お前だ!」

 

遊馬「お、俺!?」

 

アストラル『意外だな。私はてっきり、765プロのアイドルがデュエルを行うと予想していたが』

 

 

この一大事に、まさかの遊馬をデュエル!?

 

アステル「選んだ理由としては、遊馬のデュエルが一番書きやすいんだよな。ぶっちゃけの話」

 

遊馬「そうなのか?」

 

アステル「ああ。単純かつ明確だから、本当に書きやすいな」

 

遊馬「そんな理由かよ!?」

 

アストラル『と言え、この特別デュエルで最初に選ばれた以上、無様なデュエルは出来ないな』

 

と言え、この判断に大半のメンバーが反発。言うまでもないが。

 

美希「こんな判断おかしいの!!ミキ達だって早くデュエルしたいのに!!」

 

響「そうだぞ!扱いがあんまりだぞ!」

 

貴音「此処まで来て、私達がデュエル出来なければ、私達の存在にも少なからず影響が出ます」

 

アステル「安心しろ。既に次のプロットは出来ている。いくら俺でもそこまで鬼畜な所業はしない。きちんと、今回遊馬がデュエルをするにも理由があるからな」

 

千早「理由があるんですか?」

 

アステル「それは、今回のデュエルを見てのお楽しみだ。それじゃ遊馬、こっち来てカードを選べ」

 

遊馬を誘導し、裏側になっているカード5枚ある所に来る。

 

遊馬「どれも気になるな…」

 

アストラル『遊馬、ここは君に任せる。君の思うままに決めろ』

 

遊馬「…おっしゃ、決めたぜ!俺は真ん中のカードを選ぶぜ!!」

 

真ん中のカードを手に取り、作者に渡す。それを表にする。

 

アステル「ほお…中々良い線いってるな。決まったぞ。では、早速ゲストデュエリストを呼ぼう。さあ、来い!!」

 

この言葉を気に、ゲストデュエリストが現れる。その人物は…

 

???「へえー、まさか君とまたデュエルするのか、遊馬」

 

遊馬「な!?お前は…トロン!?」

 

そう、遊馬の対戦相手は…「遊戯王ZEXAL」の重要キャラ、「アークライト家」の父親。その名を「バイロン・アークライト」。と言え、ここでは「トロン」と名乗っている。ちなみに、このトロンは本編終了後のトロンです。

 

遊星「(何だ?彼から感じる不思議な力は?)」

 

閣下『見た感じとして、外見に騙されてはいけないわね』

 

遊馬「何でお前がここにいるんだ!?」

 

トロン「まあ、今の君ならそう言うよね。安心しな、今の僕はあの時のような力を発揮できない。もう、全てに片をつけたからね」

 

アストラル『片を付けた?』

 

アステル「本当なら言うべきだが、ネタバレ禁止だからな。知りたければ後で存分に知れ」

 

知っての通り、遊馬とアストラルはトロンとデュエルを行って無いため、全ての真実を知っていない。いくら番外編と言え、ある程度の設定はそのまま引き継いでます。

 

トロン「今回は、作者の頼みでここに来たからね。やるからには、僕も本気でやるよ?」

 

遊馬「望むところだ!お前の言っている事は良くわかんねえけど、ここで決着を付けてやる!!あいつ等の意思を、あんたに伝えて見せる!!」

 

完全に敵対心をする遊馬。それを見た他のメンバーは。

 

冬馬「あの遊馬が、ここまで本気で怒るなんて、珍しいな」

 

凛「あの二人に何かあったの?」

 

アステル「それ以上はプライバシーに関わる。あまり触れてやるな。遊馬自身、いつの日か話してくれる、その日までな」

 

 

そんな事言っている間に、デュエルが開始される。

 

遊馬「行くぜ!!デュエルディスク、セット!!D・ゲイザー、セット!!」

 

トロンもデュエルディスクを起動し、仮面の左目が光る。そしてAR空間が発生する。遊星達も、すぐにD・ゲイザーを付ける。

 

<ARビジョン、リンク完了>

 

「「デュエル!!」」

 

 

九十九遊馬 LP4000 手札5 デッキ35 墓地0 除外0 エクストラデッキ15

トロン LP4000 手札5 デッキ35 墓地0 除外0 エクストラデッキ15

 

 

トロン「先行は僕から行くよ。ドロー!」 手札5⇒6 デッキ35⇒34

 

遊星達は、初めてみるトロンの戦術を気にしている。

 

トロン「僕は『紋章獣アバコーンウェイ』(ATK1800)を召喚!」 手札6⇒5

 

 

紋章獣アバコーンウェイ 風属性 ドラゴン族 ☆4 効果モンスター OCG

ATK 1800 DEF 900

このカードが墓地に存在する場合、このカード以外の自分の墓地の「紋章獣アバコーンウェイ」1体をゲームから除外して発動できる。

自分の墓地の「紋章獣」と名のついたモンスター1体を選択して手札に加える。

「紋章獣アバコーンウェイ」の効果は1ターンに1度しか使用できない。

 

 

早苗「『紋章獣』?私でも分からないカードですね…」

アリス「早苗でも分からないカードですって?」

 

基本ZEXAL出身のカードの内、特定のデュエリストしか使って無いカードは、その人限定しか使わないので。

 

アステル「『紋章獣』の中でも、比較的ステータスはまあまあだ。ついでに墓地に入れば、『紋章獣』をサルベージ出来るからな」

 

十代「サルベージ効果も使えるなら、確かに強いな」

 

最近、遊馬デッキに入れようか検討中。

 

遊馬「あのカードは、確かドロワとのデュエルで使ったモンスターカード」

 

アストラル『遊馬、油断だけはするな。奴は必ず何か仕掛けてくる』

 

トロン「随分な言い草だね。僕はカードを1枚セットして、ターンエンド」 手札5⇒4

 

まあ、これが基本的な戦術。

 

遊馬「行くぜ、俺のターン、ドロー!」 手札5⇒6 デッキ35⇒34

 

アストラル『まずは様子見だ。『ゴゴゴゴーレム』を守備表示だ』

 

遊馬「おう!俺はモンスターを裏守備表示でセット!ターンエンドだ!」 手札6⇒5

 

 

2ターン終了。フィールド状況。

九十九遊馬 LP4000 手札5 デッキ34 墓地0 除外0 エクストラデッキ15

モンスターゾーン セットモンスター1

魔法・罠ゾーン 無し

 

トロン LP4000 手札4 デッキ34 墓地0 除外0 エクストラデッキ15

モンスターゾーン 『紋章獣アバコーンウェイ』攻撃表示

魔法・罠ゾーン リバースカード1

 

 

トロン「僕のターン、ドロー!」 手札4⇒5 デッキ34⇒33

 

確実に何かを仕掛けてくる。はたして何を使ってくるか?

 

トロン「君が攻めないなら、今度は僕が攻めるよ。僕は『紋章獣レオ』(ATK2000)を召喚!」 手札5⇒4

 

 

紋章獣レオ 光属性 獣族 ☆4 効果モンスター OCG

ATK 2000 DEF 1000

このカードを召喚したターンのエンドフェイズ時、このカードを破壊する。

また、このカードが墓地へ送られた時、デッキから「紋章獣レオ」以外の「紋章獣」と名のついたモンスター1体を手札に加える。

「紋章獣レオ」の効果は1ターンに1度しか使用できない。

 

 

現れたのは、百獣の王の如くのモンスター。てか、あれって11月に発売予定のカードじゃないか!

 

遊馬「な、何だあのモンスターは!?」

 

アストラル『新たな『紋章獣』モンスターか。こうなると、依然トロンの戦術が読めなくなる』

 

トロン「やっぱり、このカードの事は知らないようだね。まあ、効果は使わないままかな?でも、バトルは行くよ。『アバコーンウェイ』で、裏守備モンスターに攻撃!」

 

遊馬「俺の裏守備モンスターは『ゴゴゴゴーレム』(DEF1500)だ!」

 

 

ゴゴゴゴーレム 地属性 岩石族 ☆4 効果モンスター OCG

ATK 1800 DEF 1500

フィールド上に表側守備表示で存在するこのカードは、1ターンに1度だけ戦闘では破壊されない。

 

 

遊馬にとっての防御カード『ゴゴゴゴーレム』が登場。

 

トロン「まあ、そうだよね。『ゴゴゴゴーレム』は1ターンに1度、守備表示に時、このカードは戦闘では破壊されない効果を持っているからね」

 

冬馬「だが、2度目は防げない…」

 

トロン「その通り。『レオ』で『ゴゴゴゴーレム』に攻撃!」

 

2度目の攻撃に耐えられず、破壊される。

 

遊馬「くそ!」 墓地0⇒1

 

トロン「今日ぐらい、一気に行かせて貰うよ。僕は『紋章獣アバコーンウェイ』と『紋章獣レオ』でオーバーレイ!」

 

2体のモンスターが属性の光となり、トロンの場に時空の渦が現れる。

 

トロン「2体の『紋章獣』モンスターでオーバーレイネットワークを構築。エクシーズ召喚!!」

 

光が渦に入り、大爆発の現象が起こる。

 

トロン「現れろ!『No.8 紋章王ゲノムヘリター』(ATK2400)!!」 エクストラデッキ15⇒14

 

 

No.8 紋章王ゲノムヘリター 光属性 サイキック族 ランク4 エクシーズモンスター OCG

ATK 2400 DEF 1800

「紋章獣」と名のついたレベル4モンスター×2

1ターンに1度、相手フィールド上のエクシーズモンスター1体を選択して発動できる。このカードは選択したモンスターと同名カードとして扱い、同じ攻撃力と効果を得る。

その後、選択したモンスターの攻撃力は0になり、効果は無効化される。

このカードの効果はエンドフェイズ時まで適用される。

 

 

巨大な仮面が現れ、そこから徐々に変形していき、現れた姿は、この世と思えない程の姿をした4本足の獣の姿。そして顔に不気味な仮面をしており、その仮面に、『08』の数字が刻まれている。

 

春香「あれって、『No』!?」

 

十代「あいつも『No』使いかよ!?」

 

突然の『No』の出現に、十代達は驚く。

 

早苗「(『ゲノムヘリター』…あんなカードが存在していたとは。私もまだまだですね)」

 

閣下『彼から発していた気配はこれだったわね…』

 

遊馬「ついに来た…あの『No』が!」

 

アストラル『あのモンスターは、確か3つの効果を秘めていた筈。1つはモンスターの名称を奪い、永続的にそれを得る効果。残りの二つは分からないが、いずれも強力な筈』

 

しかし、遊馬とアストラルはまだ知らない。この『ゲノムヘリター』は別の効果に入れ替わっている事に。

 

トロン「僕はこれで、ターンエンド」 手札4

 

遊馬「俺のターン、ドロー!」 手札5⇒6 デッキ34⇒33

 

アストラル『遊馬、こちらも『No』を呼ぶぞ!』

 

遊馬「勿論だ!俺は『ガガガマジシャン』(ATK1500)を召喚!」 手札6⇒5

 

過労死先輩が召喚しました。

 

遊馬「さらに、俺の場にレベル4モンスターが召喚に成功したから、こいつを特殊召喚するぜ!来い!『カゲトカゲ』(ATK1100)!」 手札5⇒4

 

 

カゲトカゲ 闇属性 爬虫類族 ☆4 効果モンスター OCG

ATK 1100 DEF 1500

このカードは通常召喚できない。

自分がレベル4モンスターの召喚に成功した時、このカードを手札から特殊召喚する事ができる。

このカードはシンクロ素材とする事はできない。

 

 

地味に遊馬デッキの力持ちで有名なトカゲです。そして、レベル4モンスターが2体揃った!

 

遊馬「行くぜ!俺はレベル4の『ガガガマジシャン』と『カゲトカゲ』でオーバーレイ!」

 

2体のモンスターが属性の光になり、遊馬の場に現れた時空に飲み込まれていく。

 

遊馬「2体のモンスターで、オーバーレイネットワークを構築。エクシーズ召喚!現れろ!『No.39 希望皇ホープ』(ATK2500)!!」 エクストラデッキ15⇒14

 

毎度おなじみ、遊馬のエースモンスター、『ホープ』の登場。

 

トロン「来たようだね、君達のエースモンスターが」

 

遊馬「行けえ『ホープ』!『ゲノムヘリター』に攻撃!『ホープ剣・スラッシュ!』」

 

剣を抜き、『ゲノムヘリター』を斬る『ホープ』。

 

トロン「でも、僕もそう簡単に通すつもりはないよ。罠発動!『和睦の使者』!」

 

 

和睦の使者 通常罠

このカードを発動したターン、相手モンスターから受ける全ての戦闘ダメージは0になる。

このターン自分のモンスターは戦闘では破壊されない。

 

 

トロンの場に、光り輝くベールが出現。『ホープ』の剣は届かず、『ホープ』は遊馬の場に戻る。

 

アストラル『防御カードか。これでこのターン、『ゲノムヘリター』を戦闘破壊する事は出来なくなったか』

 

トロン「残念だったね。これでこれ以上の攻撃は出来ないね」 墓地0⇒1

 

雪歩「次のターンで、『ゲノムヘリター』の効果が発動しますよね?どんな効果ですかぁ?」

 

アステル「トロンのターンで分かるぞ。まあ確実に言うと、『ホープ』は戦闘破壊され、遊馬も大ダメージを受けるぐらいだ。この窮地をどう乗り越えるかな?」

 

遊馬「(手札に『タスケナイト』があるけど、今の俺の手札じゃ墓地に置けないし、それに手札が0にならないと効果が使えない。今は耐えるしかないか)俺はカードを1枚セットして、ターンエンドだ!」 手札4⇒3

 

 

4ターン終了。フィールド状況。

九十九遊馬 LP4000 手札3 デッキ33 墓地1 除外0 エクストラデッキ14

モンスターゾーン 『No.39 希望皇ホープ』(OVU2)攻撃表示

魔法・罠ゾーン リバースカード1

 

トロン LP4000 手札4 デッキ33 墓地1 除外0 エクストラデッキ14

モンスターゾーン 『No.8 紋章王ゲノムヘリター』(OVU2)攻撃表示

魔法・罠ゾーン 無し

 

 

トロン「僕のターン、ドロー!」 手札4⇒5 デッキ33⇒32

 

ドローしたカードを手札に加えたトロン。そんな時、トロンはある事を語る。

 

トロン「遊馬。君も薄々感づいている筈だよ。君の持っている『No』。いや、元々僕達が持っているカードの効果が、別の効果に書き換えられている事を」

 

遊馬「別の効果…そういやそうだったな。『No』共通の戦闘破壊耐性が無くなってるし、大半のカードも、召喚に制限がかかる。知らない効果が加えられているのもある。例えば、『ガガガマジシャン』はフィールドに1体しか存在できない。『クリボルト』の効果で呼べるのがトークンじゃなくて、2枚目以降の『クリボルト』になる。それに強制効果も付け加えている。『ガガガカイザー』は攻撃に制限があるし、レベルを合わせる効果は『ガガガ』モンスターで統一されている。今出ている『ホープ』は、OVUが無い状態で攻撃を受けるときに自滅する。『リバイス・ドラゴン』はOVUが無いとダイレクトアタックが出来ない。他にもデメリット効果もあるけど、強化されているカードもあったな」

 

アストラル『私の覚えでは、『ガガガガール』だな。『星に願いを』を内蔵化している。その後の効果は、ほとんど条件下付きだが、総合的に強化されても過言ではない。もうひとつは『奇策』だな。元は相手のダイレクトアタック時、手札のモンスターカード1枚を墓地に送って、戦闘によって発生するダメージは、墓地へ送ったモンスターの攻撃力分ダウンする効果が、今はフィールド上のモンスターの攻撃力をダウンする効果に変わっている』

 

トロン「その通り。本来の効果の大半が入れ替わっている。詳しい事は分からないけど、僕達にも分からない強大な力が働いているかもしれないね」

 

アステル「コン○○の事だな」

 

遊星「…(俺のカードも、明らかに効果が変りすぎているのもあるのが納得いかないのもある)」

 

トロン「ここまで言えば分かるよね。僕の『ゲノムヘリター』の事も」

 

アストラル『まさか、その『No』も効果が変っている!?』

 

トロン「その通り!『ゲノムヘリター』の効果発動!1ターンに1度、相手の場に存在するモンスター・エクシーズ1体を選択。ターン終了まで、『ゲノムヘリター』は選択したモンスターの名称となり、同じ攻撃力・効果を得る。そして、選択したモンスターの攻撃力は0になり、効果は無効になる!」

 

アストラル『なん…だと!?』

 

遊馬「攻撃力と効果もコピーだって!?しかも、OVUを消費しない!?」

 

トロン「そう。これこそ、『銀河眼』に続く対モンスター・エクシーズのメタカードでも言った方が良いね」

 

『ゲノムヘリター』の長い毛が伸び、『ホープ』に絡みつく。体毛から赤い何かが『ゲノムヘリター』に流れ込んでくる。

 

遊馬「そんな…『ホープ』が」

 

トロン「これで、君の『ホープ』は名前が無く、戦う事が出来なくなった、ただの置物になったね。対する僕の『ゲノムヘリター』は、君のおかげで『ホープ』になった」

 

吸収し終えた『ゲノムヘリター』は、姿を変え『ホープ』になっていた。顔は仮面で覆われているが。そして『ホープ』は石化する。

 

 

No.39 希望皇ホープ(名称無し・効果無効)

ATK 2500⇒0

 

No.8 紋章王ゲノムヘリター(カード名『希望皇ホープ』)

ATK 2400⇒2500

 

 

トロン「さあ、今度は君達が『ホープ』の力を受ける番だ。『希望皇ホープ』で、名無しとなった『ホープ』に攻撃!『ホープ剣・スラッシュ』!」

 

『ホープ』の姿になっている『ゲノムヘリター』が、石化した『ホープ』を一閃し、破壊する。

 

遊馬「うわああああああ!!!!!」 LP4000⇒1500 墓地0⇒3

 

一撃でライフが半分も持っていかれる。本当に恐ろしい効果だ。

 

アストラル『大丈夫か、遊馬!?』

 

遊馬「あ、ああ。でも、まさか『ゲノムヘリター』がこんな強力な効果を秘めていたなんて」

 

トロン「これで僕の有利になったわけだ。メインフェイズ2、カードを2枚セット。エンドフェイズ、『ゲノムヘリター』(ATK2500⇒2400)の効果は終了。元の姿に戻るよ。ターンエンド」 手札5⇒3

 

その言葉通り、『ホープ』の姿をした『ゲノムヘリター』は、元の姿に戻る。だが、違うのは場が変った程度である。

 

遊馬「くそ!やっぱりトロンは強え…でも、俺はまだ諦めたわけじゃない!!」

 

凛「遊馬…」

 

トロン「君は相変わらずだの考えだね。でも、それが君の力でもあり、君と一馬を支える繋がりの強さでもある。やはり君は、一馬の息子だ」

 

響「一馬?誰の事を言ってるんだ?」

 

アステル「遊馬の親父さんの名前だ。冒険家で今は行方不明中」

 

真美「え!?そうなの!?」

 

セカンドだと、どうなっているのか…

 

遊馬「行くぜトロン。これが俺のかっとビングだ!俺のターン、ドロー!!」 手札3⇒4 デッキ33⇒32

 

ドローしたカードを見た遊馬は

 

遊馬「これなら、あの『ゲノムヘリター』を倒せる!だが、その前にこいつを使う!手札から速効魔法『サイクロン』を発動!トロンのリバースカードを破壊する!」

 

『サイクロン』で打ち抜いたカードは『ミラーフォース』。定番『ミラーフォースは働かない』。

 

トロン「まあ、このカードには左程期待してなかったから良いとしておくよ」 墓地1⇒2

 

アストラル『よし、あのカードさえ倒せば、我々にも反撃の機会はできる。遊馬!』

 

遊馬「おう!俺は『ガガガカイザー』(ATK1800)を召喚!」 手札4⇒3 墓地3⇒4

 

 

ガガガカイザー 地属性 戦士族 ☆3 効果モンスター OCG

ATK 1800 DEF 600

このカードは自分フィールド上にこのカード以外の「ガガガ」と名のついたモンスターが存在する場合のみ攻撃できる。

また、1ターンに1度、自分の墓地のモンスター1体をゲームから除外して発動できる。自分フィールド上の全ての「ガガガ」と名のついたモンスターのレベルは、この効果を発動するためにゲームから除外したモンスターと同じレベルになる。

このカードはシンクロ素材にできない。

 

 

『ガガガ』皇帝、見☆参!!

 

遊馬「さらに、俺の場に『ガガガ』モンスターが存在するから、こいつを特殊召喚できる!来い!『ガガガクラーク』(ATK400)!!」 手札3⇒2

 

 

ガガガクラーク 地属性 戦士族 ☆2 効果モンスター OCG

ATK 400 DEF 800

自分フィールド上に「ガガガクラーク」以外の「ガガガ」と名のついたモンスターが存在する場合、このカードは手札から特殊召喚できる。

 

 

委員長にして副会長タイプの『ガガガ』戦士。てか可愛いです。

 

トロン「成程。レベルを合わす気だね」

 

遊馬「その通りだ!『ガガガカイザー』の効果発動!俺の墓地のモンスター1体をゲームから除外する事で、俺の場に存在する『ガガガ』モンスターのレベルを、除外したモンスターと同じレベルにする事が出来る!俺は『カゲトカゲ』をゲームから除外して、『ガガガカイザー』(☆3⇒4)と『ガガガクラーク』(☆2⇒4)のレベルを4にする!」 墓地4⇒3 除外0⇒1

 

『ガガガカイザー』と『ガガガクラーク』が、闇のオーラに包まれる。

 

遊馬「力を貸してくれ、ゴーシュ!レベル4になった『ガガガカイザー』と『ガガガクラーク』でオーバーレイ!2体の戦士族モンスターで、オーバーレイネットワークを構築!エクシーズ召喚!!」

 

時空の渦が現れ、属性の光になった『ガガガカイザー』と『ガガガクラーク』が渦の中に入る。

 

遊馬「現れろ!!『H-C エクスカリバー』(ATK2000/OVU2)!!」 エクストラデッキ14⇒13

 

伝説の剣の名を持つ戦士が、遊馬の場に現れる!

 

真「え!?遊馬も『エクスカリバー』を持っていたの!?」

 

アステル「正確に言えば、譲り受けたと言った方が良いな」

 

最終回でようやく使用したから、マジ嬉しいです。

 

遊馬「『エクスカリバー』(OVU2⇒0)の効果発動!1ターンに1度、OVUを2つ取り除く事で、『エクスカリバー』の元々の攻撃力を、次の相手のエンドフェイズまで倍にする!!」 墓地3⇒5

 

『エクスカリバー』(元々のATK2000⇒4000)が勢いよく剣を抜き、戦闘態勢に入る。

 

春香「これなら、『ゲノムヘリター』を倒せる!」

 

冬馬「あいつもあんなエクシーズモンスターを持っていたのかよ…俺達のデュエルじゃ一度も出して無かったのにな」

 

凛「それだけ、あのカードに思いやりがあったんじゃない?」

 

戦友から譲り受けたカードでもあります。ノリは大事。

 

アストラル『今のあらゆる『No』は、『No』以外での戦闘破壊耐性は無い。一気に決めるぞ!』

 

遊馬「行けえぇ!!!『エクスカリバー』!!『ゲノムヘリター』に攻撃!!『一刀両断・必殺神剣』!!」

 

『エクスカリバー』が大ジャンプし、『ゲノムヘリター』に向かって一直線の剣を振り、『ゲノムヘリター』を真っ二つにする。

 

トロン「ぐっ!?」 LP4000⇒2400 墓地2⇒5

 

十代「凄いぜあいつ!」

 

千早「あの『No』を…倒した!?」

 

閣下『『No』を操り、『No』を倒すデュエリスト…九十九遊馬。面白くなってきたわね。彼とは一度デュエルしてみたい感じになったわ』

 

真美「凄いよ!!後であの子と話してみよう!!」

 

亜美「亜美もだよ!真美達に負けるつもりはないよ!」

 

観戦していた他のメンバーも、遊馬の活躍を見て、すっかりテンションが上がっている。

 

トロン「やるね遊馬。僕の『ゲノムヘリター』をこうも簡単に倒して、ライフを大きく削ってくるなんて」

 

遊馬「これが俺のデュエルだ!諦めずデュエルをすれば、どんなデュエルも絶対楽しめるんだ!」

 

トロン「(もう、僕の心配事は無くなったようだね…)エクシーズ素材の『レオ』の効果発動。このカードが墓地に行った時、デッキから新たな『紋章獣』モンスター1体を手札に加える事ができる。この効果は強制効果だから、とても助かるけどね。そうだね…『紋章獣モアレー』を手札に加えるよ」 手札3⇒4 デッキ32⇒31

 

アストラル『遊馬、このカードで決着を付けるぞ!』

 

遊馬「おう!更に俺は、このカードを発動するぜ!罠発動!『エクシーズ・リボーン』!」

 

 

エクシーズ・リボーン 通常罠

自分の墓地のエクシーズモンスター1体を選択して発動できる。選択したモンスターを特殊召喚し、このカードを下に重ねてエクシーズ素材とする。

 

 

アストラル『このカードは、自分の墓地に存在するモンスター・エクシーズ1体を選択し、選択したモンスターを特殊召喚する。その後『エクシーズ・リボーン』は、この方法で特殊召喚したモンスター・エクシーズのOVUになる』

 

冬馬「呼ぶのは、あいつしかいないな!」

 

遊馬「蘇れ!!『希望皇ホープ』(ATK2500/OVU1)!!!」 墓地5⇒4

 

再び現れる希望の戦士。何度破れても、復活し、勝利をつかむ希望の戦士。それは過労死(違う)。

 

冬馬「よし!これであいつのライフを0に出来る!流石だぜ、遊馬!!」

 

遊馬「行け!『希望皇ホープ』!!トロンにダイレクトアタック!『ホープ剣・スラッシュ』!!」

 

『ホープ』の一撃が、トロンに止めを刺したかのように見えた。だが…

 

トロン「甘いよ。罠発動!『ガード・ブロック』!」

 

 

ガード・ブロック 通常罠

相手ターンの戦闘ダメージ計算時に発動する事ができる。

その戦闘によって発生する自分への戦闘ダメージは0になり、自分のデッキからカードを1枚ドローする。

 

 

トロンに障壁のようなバリアが施され、『ホープ』の一撃が止められた。

 

トロン「この戦闘によって発生するダメージを一度だけ0にする。そして僕は、デッキからカードを1枚ドローできる。ドロー!」 手札4⇒5 デッキ31⇒30 墓地5⇒6

 

凛「惜しい!あと一歩だったのに」

 

やよい「お互い、凄いデュエルをしてますね!」

 

遊星「ああ。正直、今の俺でも苦戦するかもしれないが」

 

嘘だ!!!嘘をつくな!!!初手クェーサーを平気で出せるお前が言うな!!!(マジ泣き)

 

遊馬「俺はカードを1枚セットして、ターンエンドだ!!」 手札2⇒1

 

 

6ターン終了。フィールド状況。

九十九遊馬 LP1500 手札1 デッキ32 墓地4 除外1 エクストラデッキ13

モンスターゾーン 『No.39 希望皇ホープ』(ATK2500/OVU1)攻撃表示 『H-C エクスカリバー』(元々のATK4000/OVU0)

魔法・罠ゾーン リバースカード1

 

トロン LP2400 手札5 デッキ30 墓地6 除外0 エクストラデッキ14

モンスターゾーン 無し

魔法・罠ゾーン 無し

 

 

トロン「流石だね、遊馬。僕をここまで追い詰めるなんて」

 

遊馬「これがかっとビングだ!どんな時でも、諦めずに真正面向いていれば、いつか絶対乗り越える事が出来るんだ!!」

 

アストラル『遊馬…』

 

流石かっとビング教。

 

トロン「なら、僕も行かせて貰うよ。僕の…かっとビングを!僕のターン、ドロー!!」 手札5⇒6 デッキ30⇒29

 

遊馬「かかってこい!!トロン!!

 

トロン「僕は『紋章獣バジリスク』(ATK1000)を召喚!!」 手札6⇒5

 

 

紋章獣バジリスク 地属性 獣族 ☆4 効果モンスター OCG

ATK 1000 DEF 1400

このカードが相手モンスターと戦闘を行ったダメージ計算後、その相手モンスターを破壊する。

 

 

鳥のような、トカゲのようなモンスターが現れる。

 

トロン「手札から魔法カード『蘇生紋章』を発動!」 手札5⇒4

 

 

蘇生紋章 通常魔法 OCG

自分の墓地の「紋章獣」と名のついたモンスター1体を選択して発動できる。

選択したモンスターを特殊召喚する。

 

 

トロン「僕の墓地に存在する、『紋章獣』モンスター1体を特殊召喚できる。蘇れ!『レオ』(ATK2000)!!」 墓地6⇒5⇒6

 

再び『レオ』が姿を現す。鎖に繋がれて復活するが。

 

トロン「更に!僕の場に『紋章獣』と名のついたモンスターが2体以上存在する時、このカードを手札から特殊召喚できる!『紋章獣エアレー』(ATK1000)を特殊召喚!」 手札4⇒3

 

 

紋章獣エアレー 地属性 獣族 ☆4 効果モンスター OCG

ATK 1000 DEF 1800

自分フィールド上に「紋章獣」と名のついたモンスターが2体以上存在する場合、このカードは手札から特殊召喚できる。

 

 

何と言うか、ヤギの角が非常に長く生えているのが特徴のモンスター。何かドラゴン族に似ている?

 

遊馬「レベル4のモンスターが3体…これってもしかして!?」

 

アストラル『新たなモンスター・エクシーズを出すのか!?』

 

トロン「行くよ?これが僕の全力だ!!レベル4『紋章獣バジリスク』・『紋章獣レオ』・『紋章獣エアレー』でオーバーレイ!!」

 

3体のモンスターが属性の光になる。そして時空の渦が現れるが、今度は上空に出現。光は上空の光に吸い込まれる。

 

トロン「3体のモンスターで、オーバーレイネットワークを構築!エクシーズ召喚!!!」

 

渦から大爆発。だが、その輝きは今までより凄まじい。

 

トロン「見せてあげるよ…これが僕の正真正銘の切り札だ!現れろ、『No.69 紋章神コート・オブ・アームズ』(ATK2600/OVU3)!!!」 エクストラデッキ14⇒13

 

 

No.69 紋章神コート・オブ・アームズ 光属性 サイキック族 ランク4 エクシーズモンスター OCG

ATK 2600 DEF 1400

レベル4モンスター×3

このカードが特殊召喚に成功した時、このカード以外のフィールド上の全てのエクシーズモンスターの効果を無効にする。

また、自分のメインフェイズ時、このカード以外のエクシーズモンスター1体を選択して発動できる。エンドフェイズ時まで、このカードは選択したモンスターと同名カードとして扱い、同じ効果を得る。

「No.69 紋章神コート・オブ・アームズ」のこの効果は1ターンに1度しか使用できない。

 

 

上空から姿を現したのは、カードイラストと同じ姿で現れる。その姿、最早化け物としか思えない異形の姿をしている。左肩の角に「69」の数字が刻まれている。

 

遊星「これがあいつの、切り札なのか!?」

 

アリス「禍々しい力を感じるわ。この感じ…もしかして」

 

遊馬「これがあいつの…『復讐心』そのもの」

 

トロン「『コート・オブ・アームズ』の効果発動!このカードもまた、『ゲノムヘリター』同様、OVUを消費しないモンスター!特殊召喚に成功したとき、このカード以外の全てのモンスター・エクシーズの効果を無効にする!」

 

『コート・オブ・アームズ』から紫色の波動が発せられ、フィールドにいる『ホープ』と『エクスカリバー』の動きを制限する。

 

トロン「更に!1ターンに1度、このカード以外のモンスター・エクシーズ1体を選択し、エンドフェイズまで、選択したモンスターの同名カードとなり、同じ効果を得る!僕は遊馬の場に存在する『エクスカリバー』の名称と効果を得る!『ゴッド・メダリオン・ハンド』!!」

 

『コート・オブ・アームズ』から伸びる触手が、『エクスカリバー』に巻き付き、禍々しい色をした物は、『エクスカリバー』の力を吸い取っている。

 

アストラル『まずい、奪った効果を使ってくるつもりか!』

 

トロン「さあ行くよ!僕は『コート・オブ・アームズ』(OVU3⇒1)の効果で奪った『エクスカリバー』の効果を発動!1ターンに1度、OVUを2つ取り除く事で、次の相手のエンドフェイズまで元々の攻撃力を2倍にする!!」 墓地6⇒8

 

OVUを吸収した『コート・オブ・アームズ』(元々のATK2600⇒5200)の力が急速に増している。

 

伊織「攻撃力が5200!?」

 

響「しかも、『ホープ』の効果が使えない以上、遊馬に防ぐ手段が無い!」

 

貴音「それに、『エクスカリバー』(元々のATK4000⇒2000)の効果が無効になっている以上、攻撃力も元の数値に戻っております」

 

まさに絶体絶命!!

 

トロン「エクシーズ素材で墓地に送られた『レオ』の効果で、デッキから2体目の『レオ』を手札に加えるよ」 手札3⇒4 デッキ29⇒28

 

遊馬「(俺が伏せいているカードは『ダメージ・ダイエット』。ダメージを半減しても、どの道耐えられない!?)」

 

トロン「さあ最後だ!バトル!『コート・オブ・アームズ』で『エクスカリバー』に攻撃!!『ゴット・レイジ』!!!」

 

上空から稲妻が発生し、そこから暗黒の突風が巻き起こり、『エクスカリバー』に向かって放つ。そして、破壊される。

 

冬馬&凛「「遊馬!!!!!!!!」」

 

遊馬「ぐあああああああああ!!!!!!!!!!!!」 LP1500⇒0

 

 

九十九遊馬 LOSE トロン WIN

 

 

 

AR空間が解除される。

 

アステル「勝者、トロン!!」

 

デュエルが終了すると、冬馬と凛は急いで遊馬のもとに向かう。

 

冬馬「遊馬、大丈夫か!?」

 

遊馬「いてて…まあ、何とか大丈夫だぜ」

 

凛「それにしても、本当に無茶をするんだから」

 

一応大丈夫だった遊馬。

 

アストラル『遊馬が負けた。だが、『No』が奪われる気配が無い?』

 

トロン「もう僕には、『No』を集める気は無いけどね。このままで十分だ」

 

アストラル『トロン、お前は一体何を知ったんだ?私達の知らないところで』

 

トロン「君に教えるつもりは無いね。でも…」

 

トロンは思い出す。あの日のデュエルで、遊馬と会話したあの事を…

 

 

 

 

遊馬「今じゃよくわかる。ⅢだってⅣだってⅤだって、皆大したヤツだった!立派だった!必死に自分を支えようとして、最後にはみんなあんたの事を心配してた。なのに、どうしてあんな良いヤツらが、あんたみたいなヤツのために…全部投げ出しちまうのか!!!」

 

遊馬は分かる。父親である一馬が行方不明になって、どれだけ心配をしたか、どれだけ悲しい思いをしたか。

 

遊馬「あんたはそれを親子だから当たり前だと思ってる。けどそうじゃねぇ!皆信じてたんだ!あんたがいつか元に戻ってくれるって!!」

 

アストラル『遊馬…』

 

遊馬は分かる。彼の息子達は、優しかった昔の父親に戻ってほしいと、心より願っていた。たとえどんな手を使っても…

 

遊馬「どうしてあんたは戻ってきた時、あいつらに優しくしてやんなかったんだよ!!どうして復讐なんてくだらない事をやり始めちまったんだよ!!」

 

遊馬には理解できなった。何故父親が復讐に拘るのか。その前に、何故息子達をあんな風にしてしまったか。

 

トロン「わかるハズないさ。君みたいな子供には…」

 

親友に裏切られ、そして長い間心に闇を溜めてきた。それがどれほどの物か、対する少年には分かる筈が無いと…

 

遊馬「分かるさ!!!父ちゃんがいなくなって、どんなに淋しい思いをするのか俺には分かる!あいつらは皆、あんたがいなくて寂しかったんだ!!」

 

遊馬は分かる。大切な人がいなくなって、どれだけ寂しい思いをしたか。それは、息子達も同じ事だ。

 

トロン「!?」

 

遊馬「不安で泣きたくて、一生懸命だったんだよ!!」

 

遊馬は分かる。今だって泣きたくなる思いを、一生懸命我慢している。だからこそ、その思いをぶつけている。

 

トロン「黙れ!お前にそんな事を言われる…!?」

 

ここにきて、トロンが迷いだす。ここまでの遊馬の言葉が、真っすぐに響いてきた。かつての思い出を思い出しながら。

 

トロン「Ⅲ…Ⅳ…V…家族の、思い出…。そんなの、そんなものはこの顔と共に…」

 

顔の半分が歪みつつ、表情を曇らせる。彼もまた、迷っていた…

 

遊馬「俺は諦めねぇ!!このデュエル!!俺は皆から色んなものを預かってきたんだ!!アンタにそれが伝わるまでは、絶対に諦めねぇ!!!!」

 

遊馬は挑む。必ず、トロンに自分の…色んなデュエリストから預かって来た思いを、必ず届けて見せると。

 

 

 

 

やがてデュエルは遊馬の勝利に終わる。だが、それを待っていたかのような出来事が襲う。Dr.フェイカーの罠で、遊馬とトロンは絶体絶命のピンチに陥る。黄色い物体に飲み込まれようとするトロンを救う遊馬。ZEXALの力で『ZW-雷神猛虎剣』をリアル召喚し、『スフィアフィールド』の障壁を刺す。

 

遊馬「ぐ…ぐあああ!!!!」

 

必死で支える遊馬。それを見たトロンは、あの日を思い出す。そう、一馬と同じような光景を思い出す。

 

トロン「一馬…」

 

遊馬「くそ!なんなんだよこれ!?」

 

抑えるだけで精一杯の遊馬。このままでは2人とも飲み込まれてしまう。

 

トロン「…遊馬、アストラル。『スフィアフィールド』は、全ての『No』を回収するためのフィールドだ」

 

アストラル『何!?』

 

驚愕の真実を聞く遊馬とアストラル。

 

遊馬「どう言う事だよ!?」

 

トロン「デュエル・カーニバルに集まった『No』は決勝戦に集結する。この絶好の機会をDr.フェイカーが逃すハズがないだろ。」

 

遊馬「じゃあ、このフィールドは最初から、罠!?」

 

完全に仕込まれてた。初めから騙されていたとも言う。

 

トロン「そう。奴は我々が戦い、『No』の力が高まるのを待っていたんだ。」

 

遊馬「くそ!!!!うっ!?」

 

障壁に突き刺した『雷神猛虎剣』のが緩み始める。体全体を襲う強風に、二人の体を支えている。それに、ここまでのデュエルで既に大きなダメージを負っている。既に体の限界を超えている。

 

トロン「手を離せ。このフィールドでは、僕は異物。このままでは君たちも」

 

遊馬「嫌だ!俺は、俺は諦めねぇ!!!」

 

トロン「なぜだ…なぜボクを助ける?」

 

理解できなかった。ここまでの行為は決して許されるものじゃない。遊馬の親友である『神代凌牙』に散々辛い目を合わせ、『天城カイト』の弟、『天城ハルト』の力を奪い、更なる悪行を繰り返してきた。他にも、様々な事もしてきた。それなのに、何故?

 

遊馬「当たり前だろ!!デュエルをやったら仲間なんだよ!!」

 

トロン「遊馬…」

 

仲間。この言葉に、トロンはようやく理解し始めてきた。遊馬が背負ってきた『思い』に。

 

遊馬「難しいことはよく分かんねえけど、デュエルが仲間を…絆を作ってくれる!だから、デュエルをしたなら、お前も俺の仲間だ!!」

 

仲間…そしてこの純粋な思い。遂に分かったのだ。遊馬の『思い』の真意が。

 

トロン「…今やっとわかったよ。君がなぜ諦めないのかを。君達のデュエルは、僕の復讐の先にあったんだね。遊馬、僕は一馬や君のように生きられなかった」

 

遊馬「トロン…」

 

トロン「でも、全てをフェイカーの思い通りにはさせない!僕が捉えた魂は全て解放する!」

 

トロンの体を通って、『スフィアフィールド』から無数の魂が飛び出していく。それは全て、『No』に囚われて心を空にした人の元に戻っていく。

 

トロン「お別れだ。遊馬、アストラル」

 

最後にそう言ったトロンは、子供の姿の自分ではなく、かつてのバイロン・アークライトその人だった。その手は、遊馬の手を離れ、渦巻く球体へ。

 

遊馬「トローーーーーーーーン!!!!!!!!!」

 

 

 

トロン「許してくれ、皆。今度は忘れない…あの頃を…」

 

3つの魂…それは息子たちの魂。それを解き放つ。もう忘れない。この復讐劇を終わらせる。彼らの『思い』を胸に刻んで。そして、薄れゆく中、小さな言葉が響いたが、それが聞こえたか、定かではなかった…

 

 

 

 

トロン「まあ、想像は君達に任せるよ。もしくは、元の世界に戻った後、それを体験する事だね」

 

アストラル『トロン…』

 

この時のアストラルは、トロンの言葉に気付かなかった。それに気づくのは、まだ先の話だが。

 

トロン「取りあえず、これで僕はお役目ごめんだ。次に会う時を、楽しみに待ってるよ」

 

そう言いトロンは去って行った。遊馬に声を掛けずに。そんな中、遊馬は立ち上がり、トロンを探していたが、見つからなかった。

 

遊馬「あれ?トロンの奴、いないじゃないか!?何処に行きやがったんだ!?」

 

アストラル『遊馬。トロンならもう帰って行ったぞ』

 

遊馬「マジかよ!?あいつ!!!」

 

ともあれ、無事に特別デュエルも一旦終了。

 

アステル「さて、今回の特別デュエル、如何だったでしょうか?次にお会いする時は、また特別な事が起きてから。それまでは、本編を思う存分楽しんでいってください」

 

遊星「それでは、今度は本編で会おう」

 


 
このエントリーをはてなブックマークに追加
 
 
1
1

コメントの閲覧と書き込みにはログインが必要です。

この作品について報告する

追加するフォルダを選択