No.460928

Unlimited Blade Works IN ソードアート・オンライン 2話 第一層攻略戦

http://www.tinami.com/view/460023 の続きです。
こちらで二次ファンから避難分は終了です。
次回からは二次ファンでも公開してない部分を書いて行きますので、少し更新が遅くなると思います。
ご意見ご感想お待ちしております。

2012-07-28 09:09:17 投稿 / 全3ページ    総閲覧数:6071   閲覧ユーザー数:5926

第一層攻略

 

レベルが低かった士郎は2週間死にもの狂いでレベルアップに励んだ。

ダンジョンで睡眠をとり、興味本位でダンジョンに入ってきたプレイヤーを助け、その間をついて狩りをして自身の経験と積み、2週間という短い期間で攻略組の一人に食い込む程に急成長を果たした。

 

 

「ありがとう士郎またどこかで」

フィールドのとあるアイテムを取りに行ったらどう見ても迷子にしか見えないプレイヤーが居たので保護してこの街アルバーナにまで連れてきた。

「いや気にしないで、この街にようがあったんだよ、それじゃ」

軽く挨拶をするとその場から士郎は離れる。

「あ、そういえば名前聞くの忘れてたな・・まぁ人助けは出来たんだしまぁいいか」

そう思うことにして士郎は集合場所である広場に向かう。

 

広場には沢山のプレイヤーが居た、どのプレイヤーも始まりの街にいるプレイヤーとは違った風格を持ったプレイヤーばかりだ。

掲示板に書き込んで率先してプレイヤーを集めたディアベルと言うプレイヤーはまだ来ていないらしい、

「まぁまだ集合時間には余裕あるからな・・」

自分の目線の右上に表示されている時間を見ながらぼやいているとワープポイントが青く光りその光の中から騎士と呼べるような風格をまとったプレイヤーが現われる。

「あれが・・ディアベルだな間違いない」

見たことがないプレイヤーであったが不思議と目を引く風格・・そんな感じの雰囲気を醸し出しているので恐らく間違いはないだろう。

プレイヤーの間を割って前に行こうとする、すると自然と列が割れて道ができる。

その間をディアベルと思わしきプレイヤーが歩いていく。

 

広場の中心にある少し高いところにディアベルが立つ。

「今日はオレの呼びかけに応じてくれてありがとう!」

そうして今回の攻略戦の説明が始まった。

説明の内容はモンスターの情報、攻略に関する話、説明会というよりかはディアベルの演説みたいになっていきたが。

ディアベルの話は実に上手に出来ており、集まったプレイヤーを次々に引き込んでいった。

かくいう俺もその一人で、彼の持つカリスマに関心を抱いていた。

 

 

「ようやくフロアボス手前までこれた!、一ヶ月もかかったけど……それでも、オレたちは、示さなきゃならない。フロアボスを倒し、第二層に到達して、このデスゲームがきっとクリアできるんだってことを、はじまりの街で待ってるみんなに伝えなきゃならない!」

周りの皆の顔を見渡す。皆同じように頷いているように見えた。

「それが、今この場所にいる俺達トッププレイヤーの義務なんだ! そうだろ、皆!」

ディアベルを中心に歓声が上がる。それに応じてかほかのプレイヤーからは拍手が送られていた。

 

そしてその話し合いが終わった後アルバーナの露天商人が面白い本を配布し始めた。

「アルゴの攻略本第一層ボス攻略編」

本来ならば偵察隊を組み、敵の行動パターンを把握するという危険な任務があったのだが、この本のおかげでかなりのリスクが減少した。ただし・・

情報はSAOβテスト時のものです。現在では変更されている可能性があります。ということらしい。

しかしまぁ・・初期のβテストをプレイしていない俺たちのようなプレイヤーからすれば、敵の情報がわかるということはかなりのありがたい事であった。士気も上がるだろう。

 

士気が高い・・プレイヤーたち各々やる気というか気力が充実しているので急ぎ足だが早速攻略戦を開始しようと言う話の流れになり、士郎もその一人としてソロパーティに入っていた。

しかしソロパーティという連携が取りにくい集まりのせいかボスの攻撃は参加せず周りの雑魚モンスターの殲滅が主な任務だ。

パーティに入った時に名前が表示されその中にキリトの名を見つけてクラインと会って伝言受け取っているのでその内容をキリトに言う。

キリトは軽く笑ったあとにありがとうと礼を言い。

「あいつらの為にもこの戦い勝たないと・・」

と静かに決意をつぶやいた。

 

そして長い百層の中の最初の一層目の攻略が開始される。

あの森でクラインから譲り受けたアイテムをNPCに渡して、手に入れたアニールブレード。

今俺の腰に装備されているがボスを見上げるとその結構使えるらしいレアな武器も貧弱に思える。

 

「でっか」

 

まずそのボスモンスターを見て思ったことはそれだ。

 

イルファング・ザ・コボルドロード

ダンジョン部分でコボルドと呼ばれる種族の人型モンスターが大量に出てきたのでもしかしたらとは思っていたが、情報と実物をみて更に確信をした。

あのダンジョン部分にいるコボルトの親玉という設定だろう。

通常のコボルトはプレイヤーの背を大体165cm位とみてその半分いかに収まるサイズだが。

このボスと呼ばれるモンスターはプレイヤーたちの二倍を超えて三倍に到達するかと思える大きさだ。

 

フロアボスが姿を表すのと同時に周りに迷宮部でよく見かけるコボルドが現われる。

門が開ききって次々のボス攻略のメンバーが入口に集まる。

普通のゲームならば楽しむというかそういう気分が多少味わえるのかもしれないが今の空気はこの死のゲームになってからの初めてのモンスター対プレイヤー同士の戦争を味わう気分だ。

 

ディアベルが皆より一歩大きく踏み出して、

「全員絶対に死ぬな!いくぞ!」

大声を上げて一番にボスに突っ込んでいく、それを見たボス攻撃プレイヤーたちはボスに突っ込んでいく。

士郎が今回担った任務は周りの雑魚モンスターの撃破である。

剣を腰から引き抜きボスに攻撃を仕掛けるべくダッシュしているプレイヤー達を守るべくこちらもダッシュを開始する。

同じパーティメンバーのキリト、アスナの両名は綺麗にスイッチを繰り返しながらコボルドを次々と倒していく。

俺はというとエギルというスキンヘッドのプレイヤーとなれないスイッチを繰り返しながらコボルドを撃破していく。

「――――はっ!」

アニールブレードでソードスキルスラントを発動させ一閃する。

エギルと背中合せに辺を見渡し敵が居ないことを確認してお互いポーチからポーションを取り出し煽る。

「エギル、背中ありがとうな。」

「士郎、お前こそありがとうな」

拳をぶつけてお互い生きているのを再度確認をする。

ボスのHPはガンガンと削れており半分を切ろうとしていた、それでも仲間のHPはスイッチという作戦が成功したのか大きく削れているプレイヤーは見る限り居ない。

そういえばと思い出し同じパーティを組んでいたキリトとアスナの姿を探す。

「・・居た・・ちょっとボス側に寄りすぎじゃないのか・・?」

キリトとアスナはお互いスイッチを維持したままボス寄りの雑魚モンスターを討伐していた。

その様子を見てキリトとアスナに休憩をさせるべく接近しようとしたとき。

ボスから雄叫びが発せられ、周りに居たプレイヤーから叫び声が上がる。

「―――なっ!」

ボスの方を見ると剣を振り抜いた後だったがその剣が薄く光を放っている。

「ソードスキル!?」

そう気づくと同時にボスにダッシュをかけていた。キリトアスナの方を見るとキリトは俺よりも早くボスに接近するためにダッシュしている。

しかしダッシュの途中で敵に阻まれてしまう。

「邪魔だあああああ!」

アニールブレードをコボルドの弱点である首を狙い一匹一匹確実に弱点をついて攻撃していく。

コボルドをあらかた倒した時にはボスのHPはレッドゾーンに突入していたが前線メンバーのHPが全体的にイエローに入っているプレイヤーが大半であった。

そんな中ディアベルが止めを差すつもりか一気に突撃を開始する。

「ダメだディアベル下がれ!」

自然にそう声が出ていたがディアベルに届いたのか届いていないのかわからないがディアベルの突撃は止まらない。

「くっ!」

士郎は地面を蹴ってボスに近づこうとするがディアベルが先にボスに接近してソードスキルを発動させる。

1、2、3連続と切りつけディアベルは敵を見上げる、がHPバーがほんの1ドット残っておりボスは笑を浮かべながら剣を振り上げた、振り上げた剣が薄く輝き出す。

それをみたディアベルが逃げようとするがソードスキルを発動させたあとの硬直時間に課せられる。

ボスモンスターが剣を振り下ろして来る。

ギィィィン。

鈍い音が辺に響き渡りボスモンスターの一撃目はディアベルに当たることはなかったがボスモンスターの攻撃を逸らしたキリトは大きく振り払われる。

「うわあああああああ」

士郎の頭上を飛んでいったキリトは丁度アスナにぶつかり落下ダメージが軽減され死亡までには至らなかった。

ボスが振り下ろした剣が振り上げられるがキリトが剣先をずらしてくれたおかげで2激目も回避する。

振り上げた剣をボスが力いっぱいに振り下ろそうとする。

 

―――速く・・もっと速く!!

「ああああああああああああああああああ!」

何を叫んでいるか自分でもわからなかったが叫ばずには居られなかった。

間に合え、救いたい、死なせないと言う想いが心を支配していく。

残り振り下ろすまで1秒というところでダッシュしている体の動きが急に遅くなる。

「なっ・・なんだよこれ!」

体が鉛のように重たくなりついには動かなくなってしまった。

「速く・・速くしないとあいつが・・!」

そう思いディアベルの方を見るとボスの攻撃も士郎と体と同じように停止していた。

「え?」

見える範囲で周りを見てみるがプレイヤーを含めてすべての事柄が時間停止のような状態になっていた。

「なんだ・・これ・・」

喘ぐような声を上げるとはっと気づき無理やりでも体を動かそうと躍起になる。

「今・・今動けば、ディアベルを救えるんだ・・・動けよ、動けよっ!」

だが無常にも体が動くことはなかった。

 

 

「無駄よどんなに体を動かそうとしても動くはずがない、今あなたは意識だけの存在だから」

後ろから声が聞こえて振り返ろうとするが体が動かず振り返ることができない。

「しかし、『今』のあなたと接続することになるとはね、キリトやアスナの言うとおりだったということかしら」

言葉をおいてから恐らく少女と思われる声の主は言葉を続ける。

「士郎、今の貴方は他のプレイヤーとは違う方法でこのゲームに接続している、多分気づいているとは思いますが、」

「違う方法・・?」

「今の貴方にはそれを知る必要は無い、今貴方はあの攻撃をされそうなプレイヤーを救いたいそうでしょう?」

「あぁ、ディアベルを助ける方法があるのか!?」

「えぇ、あるにはあるわけどそれにはあなたの心が必要になる」

「心・・・俺の心はどうなってもいい!あいつを救えるのならば方法を教えてくれ!」

少女は大きく溜息をついた後

「なるほどね、私が知ってる士郎とはだいぶ印象が違うみたいね・・キリトが言うわけだ・・・士郎方法なんて貴方が知っているはずよ?貴方の剣製は心から生まれているもの、溢れているもの、だったら心をこぼして剣を作ればいい貴方の心の分身とも言うべき剣を作ればいい。」

悲しそうな寂しいそうな声で更に言葉を続けてくる。

「でもわかってるとは思うけど貴方の心を使って剣を作っている以上剣が壊れると貴方の心も砕けるそれだけは忘れないで。」

士郎はその言葉を聞いていたのか聞いていなかったのか静かに瞑想を始めていた、自分の心の奥底を探るように。

「まったく、貴方という人は・・人の話聞いてなかったのですが?・・・貴方の『心意』が正しい使い方をされるように祈ってるわ」

そう彼女が言うと彼女の存在感がなくなっていくのがなんとなく分かった。

「ありがとう救う手段を教えてくれて・・・君の名前は?」

彼女が少し笑ったような気がした後に

「アリスよ・・・、士郎、アンダーグラウンドで貴方がくるのを待ってるわ」

一言つぶやいた後完全に気配が消える。

 

すると周りの景色がゆっくりと、ゆっくりとまるでビデオのスロー再生のように再生されていく。

 

「見つけた」

心の奥底で夫婦剣を見つけておもいっきり引き抜こうとする。

パキンと眼球が割るような感触に包まれる、辺にノイズが走り体が心がこれをやってはいけないと警告してくる。しかし士郎は止まることなく一気に引き抜いた。

 

 

すると士郎の体が炎に包まれていく。

振り下ろすまで残り0.9秒。

その炎が一気にボスとディアベルの間に割り込み両手の剣を十字にクロスさせる。

振り下ろすまで残り0.5秒。

地面の辺りから炎が消えていくと炎に包まれる前に肌色だった肌の色が濃く褐色肌になっている。

振り下ろすまで残り0.3秒。

炎が完全に消えてその場にいた士郎は髪の毛は真っ白になっており服は赤い外套を装備した別人とも言ってもいいような容姿になっていた。

ボスが勢い良く剣を振り下ろすとガキンという音と共に1秒前までには居なかった存在に剣で攻撃を防がれる。

 

「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!」

士郎は持てる力を振り絞って夫婦剣で一気に敵の剣を押し返した。

 

押し返したボスモンスターは後ろにそのまま倒れていく。

ズズーンと大きな音を立てると土煙がおきウォベルや士郎の体を隠す。

土煙が消えるころにはボスモンスターが起き上がろうとしていた。

士郎の姿を見ると先程の赤い防具が消えており初心者よりも少し良い鉄の防具を付けた元の姿に戻っていた。

しかし手には黒と白の剣を持っていた。

 

カラン・・

軽い音が広場に響きわたり士郎の手から剣がこぼれ落ちる。

その後に士郎の膝が急に折れガクンと前倒しに倒れていく。

「士郎!」

士郎の手から剣が溢れた瞬間キリトは駆け出していた。

ボスモンスターが健在なのを確認するとキリトは下から飛び上がるようにボスモンスターに攻撃を仕掛ける。

「ああああああああああ!」

跳躍限界まで跳躍してボスモンスターを斬り上げた、キリトは着地し剣を左右に振り背中の鞘に戻すと、ボスモンスターのHPバーが全損するのを確認もせず士郎の元に走る。

「士郎!大丈夫か士郎!」

地面にうつ伏せに倒れた体を仰向けにする。

「え・・あ・・?俺、どうなったんだ?」

士郎は意識が混濁しているようだったがどうにもゲームのプレイには支障がないらしい。

「無事・・かよかった」

キリトはふうと息を吐き出す。

息を吐き出した後にボスモンスターのアバターが四散する。

キリトは士郎の事を街まで連れていきたかったが、LA(ラストアタック)を奪ったプレイヤーは街開きの義務がある。

「だいじょうぶだ、キリト次の階層を開いて始まりの街にいるプレイヤーに希望を上げてくれ」

士郎は無理やり体を起こして薄く笑いかける。

キリトはなんとも言えない顔をした後立ち上がり空になった手を握りしめる。

「あのプレイヤーを救うためとは言え、あいつボスドロップ独り占めだぜ?いいのかよそれ」

ダメージを受けて後方に下がっていたプレイヤーが愚痴というか妬みを言うとそれが辺に広がっていく。

士郎はその声を止めようと立ち上がろうとするが体に力が入らなく声も上げることができない。

その声が聞こえてるのか聞こえてないのかキリトは一歩目を踏み出す。

「もしかしてあいつ・・βテスターじゃないのか・・?」

真っ黒のフードを被った白髪で褐色肌のプレイヤーが一言呟くとざわざわと周りに伝染していく。

広がっていく疑念と妬みはある意味オンラインゲームならではなのかもしれない。

ざわざわと声が広がっていく中キリトは歩いて上層に向かおうとする。

「俺はβテスト中に誰も到達することが出来なかった階層までのぼったんだ、他のβテスターなんかと一緒にするな。」

その言葉を聞いた白髪のプレイヤーは、

「なんだよそれ!チート、チーターじゃないか!βテスターでチーターだからビーターだお前なんか!」

その言葉を聞いた後キリトは駆け出すようにその場から離れキリトのためだけに開かれた階段を登っていく。

「キ・・リ・・ト・・・」

最後に搾り出すように声を出した俺の意識はそこで消滅した。

 

 

 

 

 

「ディアベルが生き残ったから・・ビーターの由来をつくらないといかなかったんだ済まないなキリト」

真っ黒のフードを被ったプレイヤーは誰にも聞こえないようにつぶやいた。

 

第一層攻略戦 END


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