No.455660

新たなるEXA第10話・紅葉VSティアナ&スバル/小悪魔との再開

ティアナの前に現れた里村紅葉は容赦のない攻撃をする。
そんなとき、ティアナの危機にスバルが駆けつけるが……

2012-07-19 13:58:52 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:2981   閲覧ユーザー数:2908

MOMIZI・SATOMURA

 

(よし、きまった)

 

里村紅葉は攻撃をした瞬間に確信した。

 

紅葉の持つ武器、《七つの大罪(グリモワール)》は七つの色の結晶体からそれぞれ光線(レーザー)を出すことができる。もちろんその速さは光速。普通の人間ならなにが起こったかわけもわからないまま攻撃を受けて体を貫通し、絶命してしまうであろう。

 

「それは目の前にいる相手も同じ」そう考えたのが紅葉の浅はかな考えだった

 

「ふっ!!」

 

「なっ!?」

 

クロスミラージュから発射された魔力弾が紅葉の立っていたところにまで飛び、命中する。

 

「はぁ、はぁ」

 

これには紅葉はもちろんだが、ティアナ本人も驚いていた。

 

当然だろう。その光の速さで飛んできた攻撃を瞬時に避けたのだから。

 

それは反射に近いものである。結晶体に光が少し集まった時点で、すでにティアナの体は気付かないうちに傾いていた。そして発射されると同時に体は動き、同時に狙い撃ちした。常人なら間違いなく避けられない攻撃。それを避けれたのは普段の訓練と彼女の指揮能力にある。

 

指揮能力のある者は即座に状況を判断し、その場の状況に合わせて動きを決める。すなわち、状況判断力が優れている。ティアナの場合一瞬で敵の攻撃がこうであると見て脳内で即座に判断し、それに対応して反射で動いたのだ。

 

「やった、の?」

 

命中したのは間違いないが、ダメージがあったかは分からない。そもそも使っている武器には非殺傷設定がほどこされているのだから攻撃してくる可能性は十分にあった。そして、煙が晴れる

 

「ふぅー危ない危ない。もう少しで当たるとこだった」

 

そこには赤色、青色、藍色、紫色。この4色の結晶体がまるで花弁のような並びをし、ティアナの渾身の一撃を防いでいた。

 

「正直避けるとはいもわなかったけど、もうそれも無理ね」

 

「ぐっ!」

 

紅葉の言うとおり無理である。先の攻撃を避けたのは偶然、もしくは奇跡に近い。そうそうなんども光速の一撃を回避できるはずなどない。

 

「じゃ、念には念を入れて、こんどこそさようなら、はいおしまいなかんじで」

 

その言葉通り今度は7つの結晶体が輝き、光を放つ。先の一撃は紅葉の手加減によるもの。この攻撃はもはや避けきれない攻撃である。

 

「あ…」

 

光は放たれる。

 

死んだ。死んだ。自分はここで死ぬ。確実に。そんな思いだけが脳をよぎる。

 

(そうか、しぬんだ、わたし………)

 

人間は死ぬ瞬間に自分のこれまでの記憶が蘇る走馬灯と言うものがあると言われる。だが、紅葉の攻撃はそんな時間すらも与えられない。一瞬にしてただの塵になるそれだけだ。走馬灯など思い浮かべる暇もない。

 

「クリティカルヒットね」

 

今度こそ間違いようのない一撃。

 

「なっ!?」

 

しかし煙の先には

 

「はぁ、はぁ、はぁ」

 

「す、すばる?」

 

自分が出せる最大の防御で攻撃を防いだスバルの姿だった

 

「え、えへへ、まにあったね」

 

「あ、あぁ」

 

だが完全な防御ではないかすり傷だが身体から血が流れている

 

「ごめん、ごめん、スバル…わたし…」

「ストーップ!!」

 

ティアナが言葉をつづける前にスバルは止める

 

「え」

 

「あやまんないでよ。こうすると決めたのは私の意志なんだから。ティアは気にしなくていいーの」

 

「でも……「でもとかなし」…っ」

 

「それにあたしたちパートナーでしょ?」

 

その言葉が今のティアナにどう響いたかはわからないだが、少なくとも、今この時は死の感情からは脱していた

 

「!!……そうよね、ごめ「謝るの禁止」ちょ、それはないでしょ!というか、それ別の人のセリフでしょ!」

 

*注・中の人ネタです d(*^_^*)

 

「グーじゃないでしょ!」

 

「どうしたのティア?」

 

「ごめんなんとなく言いたくなったの」

 

と、この戦闘中だというのに馬鹿みたいな話をしていると

 

「お~い。あたしはむしですか~」

 

「「!!」」

 

一瞬だけだあるが無視されて怒り半分哀愁半分の顔の紅葉がそこにいた

 

「戦闘中によくそんなことができるわね~ちょっとドン引きなんですけど?」

 

「そう言うあなたも、その隙を狙わないなんて、随分律義ですね」

 

スバルの言うことも尤もである。……だが

 

「なに言ってんの?」

 

それは、ただの戦略的基本(・・・・・)にすぎない

 

「だって、もうあんた達はろくに動けないんだから」

 

「なにを……!!」

 

「!あ、あれ!?な、なに?」

 

突如2人は奇妙な感覚に襲われる。いや、スバルにいたっては、感覚がないというべきかもしれない。

 

「前が、よく見えないどうして…」

 

「グッ、立ち上がれない!地に着いた感覚もしない!」

 

ティアナは視力が著しく低下し、スバルは自分がここにちゃんといるのかすらつかめていなかった。

 

「さっき避けたのは褒めてあげるけど、それでも完全に避けたわけじゃないのね~」

 

「いったい、なにを!?」

 

ティアナは声がする方に目を向けてそういう

 

「《invidia(レヴィアタン)》、《gula(ベルゼブブ)》。んで、あんたは最初の一撃を避けたと思ってるけど、かすってたのよね~。おかげで《ira(サタン)》もじわじわ効いてきたみたいだし」

 

「どういう、こと?」

 

「あたしの武器の本当能力は光線(レーザー)なんかじゃない。それを受けたものに、罪を与えることなの。あんたが今受けたのは、視力を失う《ira(サタン)》そっちのやつが受けたのは、固有感覚が消失する《invidia(レヴィアタン)》と、触覚を失う《gula(ベルゼブブ)》。もうそいつは、自分の体がない。そういう感覚に襲われてるはずよ」

 

「そ、ん、な」

 

スバルは必死に動こうとするが触覚を失ったため地面に体ついてる感覚もなく、どうにか自力で立ち上がれても、固有感覚を失っているため、すぐに倒れてしまう。

 

「わかる?つまりあんた達は、あたしの攻撃を受けた時点で敗北してんの」

 

かすり傷は戦略的にあまり問題にならない。だが戦略破壊魔術兵器(マホウ)はそのような戦略的基本を無視し、破壊する。

 

「ぐっ!くっ…そ」

 

「こんな、とこで」

 

「どう?苦しいでしょ?でも安心してすぐにそれもなくしてあげる」

 

こんどは7つの結晶体が中央を開けるように、花のような形をとる

 

「あたしに仇し、その身に受けた罪、私が裁いてすべて浄化してあげる!」

 

7つの結晶体からは中央に今までと比べようのないエネルギーが集まっていく。

 

「なな、なんなの」

 

「この光……」

 

2人はこの光景に思わず呆然としてしまう。

 

「光栄に思いなさい。あんた達は私の最高の断罪の光で、その罪も肉体も無と帰すんだから」

 

光の正体は魔力。その力は現段階(・・・)では《穢れなき桜光の聖剣(レーヴァテイン)》を下回るがそれでも膨大な力には変わらない。

 

「とどめよ。消えなさい!!」

 

それが解き放たれ……

 

「里村!ストップだ!!!」

 

「なっ、れ、れーじ!?」

 

るまえに2人の前に彼女の初恋の人物、芳乃零二が割って入ってきた。

 

SIDE・END

REIZI・YOSINO

「ったく、ようやく会えたと思ったらこれだぜ」

 

「れーじ!会えた!やっとあえた!」

 

髪をくしゃくしゃとかきながら飽きれ半分怒り半分な零二に対し、紅葉の方は喜び全開の笑顔で零二に抱きついていた。

 

「それで、里村紅葉さんだよね?本来なら、ここで逮捕されても文句は言えないんだけど?」

 

となのはがそう言うと紅葉は急に冷めたような眼をして言い返す

 

「はぁ?なにあんた?いきなり現れて、あたしと零二の時間を邪魔しないでほしいんですけど?」

 

「はぁ~おまえはいつも通りだな。悪いが、俺も今回は色々聞きてぇから、話してくれ」

 

「むー零二がそう言うならわかったけど…一応言っとくけど、あたしはあたしに敵対してきたあいつに攻撃しただけだし。こっちは中に戻りたいだけだったのさ」

 

「だったら、ちゃんと事情徴収をうけてからなら入れたのに」

 

「なに言ってんのよ。あたしは何も悪いことしてないんだから、そんなもん受ける権利もないでしょ?そんなことも分かんないなんて、エネルギーが脳じゃなくて胸にいってんじゃないのこの金髪ボイン」

 

「う、うぅぅぅ」

 

今まで受けたこともない毒舌にフェイトは恥ずかしさとショックで涙目になっていた。

 

「大丈夫や。フェイトちゃん!フェイトちゃんの胸は最高や」

 

「「そんな問題じゃないでしょ!!」」

 

「それに、大きくても、小さくても、中身がよければいいんや」

 

「「だから話が違うでしょ!?」」

 

「あんた、よくわかってんじゃない!」

 

「「ここに賛同してきた!?」」

 

「せやろ!でも、あの胸のかんsy……」

 

「「それ以上言ったら、さすがにやばいですって!!」」

 

紅葉とはやての言動にツッコミが追い付けていない零二となのはの2人はとにかく話を戻すことに必死になっていた。

 

 

 

「で、話を戻すとだ、お前はトイレから出たらいつの間にか地下駐車場にいて、適当に歩いてたら大きな音がしたからそっちに向かうと出口があって外に出た」

 

「そっ!で中に戻るために、誰かに聞こうと思ったら、あいつに会ったってわけ」

 

「まぁ、百億歩ゆずったとしても、さっきまでのは流石にいただけないんだけど…」

 

「ふん!あたしはあたしの好きなように生きるの。それを邪魔するものは万死に値するものとして排除するだけよ」

 

紅葉はなのはの言い分にも常に我が道を突き通す。要するに自分の進む道にある障害は何であろうと破壊するということだ

 

「……すいませんなのはさん。でも、里村は基本いいやつなんです。言っても信じてもらえないかもしれませんけど」

 

「いや、そこはわかるよ」

 

零二はこの発言に思わず「え?」と言った。

 

「そやな」

 

「うん」

 

それははやてとフェイトも同じだった。

 

「だって、本当はあのとき、最初から撃つ気なんてなかったんでしょ?」

 

「!?」

 

そう、紅葉が攻撃しようとした時はすでに2人とも気絶してしまっていた。確かに彼女にとってティアナはムカつく対象である。だが、もう1人のスバルはそうでもないし、なにより殺す理由もない。巻き込むの嫌だし、親友であるティアナが消えれば余計な恨みを買ってしまう。それだけは避けたかった故に、あの時零二がこなくても攻撃は止まっていただろう。

 

だが同時に紅葉は疑問に思った。

 

「なんで、それがわかったの?」

 

「もし本当に殺す気なら、わざわざ弱ってる相手に大技なんて使って無駄に疲労をためたりせんよ」

 

「……………」

 

黙っているが紅葉は心底驚いていた。なぜなら眼の前の3人を彼女は正直に言ってなめていた。だがちょっと見ただけで自分の考えを読まれるとは想像もしなかった。

 

「ふーん。ちょっと興味がわいたわね」

 

「それはありがとう。で、最後にもう1つ、ここに来たのは確か、とある人の助手としてついてきたって聞いたんやけど」

 

「あぁ、それは……」

 

「それは僕だよ、はやて」

 

と、声がした方を見るとやや黄色みのある髪を長いのか後ろで少し結び、会場用のスーツ、どこか先生や学者を思わせるような眼鏡をした、年齢はフェイトやなのは達と同等ほどの男性がそこにいた。

 

「ひさしぶり」

 

「ユーノく…ユーノ・スクライア司書長!おひさしぶりです」

 

はやてはついいつものように呼ぼうとするがそれを直す。

 

「いつも通りでいいよ。今は任務中でもないんだし」

 

「なら、ユーノくんお久しぶりや」

 

「うん、ひさしぶりユーノ」

 

と、はやてとフェイトは友達のようにユーノにあいさつをする。

 

「しりあいですか?」

 

「あ、零二君達にはまだ説明しとらんかったな。私となのはちゃん、フェイトちゃん、それにユーノ君は、幼馴染なんや」

 

「ユーノ・スクライアだ。時空管理局のデータベース無限書庫の司書長と、考古学者をやってるんだ」

 

「はじめまして。それで、里村とはどうやって?」

 

「僕が無限書庫でアコース査察官の探し物を検索してたら、突然上から降ってきたんだ。それで、とりあえず事情を聞いて、探している人たちが見つかるまで僕の助手という名目にしてたんだ」

 

たんたんとユーノが話すのを聞いて零二は「なるほど」と呟いた。

 

「つーか、優眼鏡!零二達に会えるんだったら、そういいなさいよ!」

 

「だから、その言い方はやめてよ。それに僕だって彼が6課にいることどころか、6課がホテルの護衛をやってることすら知らなかったんだから」

 

「だったらさっさと調べればいいでしょ!この考古学オタク」

 

「はぁ、その他人に対する口の悪さと理不尽なところはどうにかした方がいいよ」

 

「これでもかなり譲ってんだから」

 

紅葉の言葉にユーノはため息をはいていたが、紅葉の言うとおり、これでもかなり譲っている。相手が自分を保護してくれたことへの感謝は一応あるのだ。何もなければもっとドライである。

 

「大変そうだねユーノ君……あ、それと、えと、久しぶり」

 

「あ、うん、久しぶりなのは」

 

となのはとユーノが話し出すと2人とも少し顔を赤くする。

 

「ほ~ふふ~ん♪なるほど~」

 

そんな2人を見てニヤニヤした顔をする。それはどこか小悪魔を連想させる。

 

(((あ、これはなにか考えてる。たぶん悪い意味で)))

 

零二、はやて、フェイト3人はそう思った。と、

 

「うりゃ!」

 

「うわわ!」

 

「きゃ!」

 

「「「あ」」」

 

紅葉はいきなりユーノの背中を押す。なのはの方に向いていたので必然的に彼女のほうに進む。

 

なのはとユーノの距離は一瞬ではあったが0となる。すぐさま2人は離れるがその顔は先ほどよりも真っ赤である。

 

「おい、里村?」

 

「むふふ~。あのふたり、な~んかなぎさ達を思い出すのよね~」

 

と妖艶な笑顔で2人を見つめる。

 

(はぁ、だめだこりゃ)

 

この先をどう進めるか、少しばかり悩む零二であった。


 
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