No.454759

俺、遊戯王の世界で生き残れるかな…… 第五話

RYOさん

俺は何の変哲もない普通の高校生。なのに…… え?ここどこ? トイレ? 何故に? え?遊戯王の世界? ちょっ!? 俺そんなに強くないんですけどーーー!?

2012-07-17 19:37:15 投稿 / 全14ページ    総閲覧数:5012   閲覧ユーザー数:4791

夜のオシリスレッドの寮で俺と十代と翔と隼人は怪談話をしていた。

その怪談話にはルールがあり。カードの束から引いたカードのレベルだけ怖い話をするというものだ。

 

「さて、俺のターン。ドロー! ……お、レベル9か……ふむ、では……百物語というものを知っているか?」

 

詳細はぬ~べ~参照!

 

「……な、なんか後味の悪い話しっすね……」

 

「まあ、怪談ってのは得てして後味の悪い話しだろう?」

 

「なかなか怖かったぜ」

 

「………………………………」

 

隼人が何の反応も示さない。よく見ると気を少しやっているようだ。

 

「おい、起きろ隼人……おい!」

 

「…………っは! お、俺は何を……」

 

呼びかけると何とか隼人は持ち直した。気絶した位じゃ逃がさないぞ?

そう思っていると後ろから誰かが俺たちに呼びかけた。

 

「皆さーん♪ 何してるんですかにゃー?」

 

「うぉっ!? …………何だ大徳寺先生か」

 

「脅かさないでくださいよ!」

 

俺達に話しかけてきたのはこのオシリスレッドの寮長の大徳寺先生だった。

 

「先生! 今ね、引いたカードのレベルだけ怖い話しするってゲームやってるんです!」

 

「それは面白そうですにゃー。どれどれ~? 私も」

 

そう言って大徳寺先生はカードを引く。引いたのはレベル12『F・G・D(ファイブ・ゴッド・ドラゴン)』だった。……持ってるならこれ入れたデッキ作れよといいたくなるカードである。

 

「とっておきのお願いします!」

 

翔がそう言うと大徳寺先生は笑いながら話し始めた。

 

どうやらこの島の奥に使われていない寮があるらしい。そこは昔この学園の特待生が使っていた寮だったらしいが、何人もの生徒が行方不明になっているらしい。

 

「何でもその寮では闇のゲームに関係する研究をしていたらしいのにゃ」

 

「や、闇のゲーム!」

 

珍しく隼人が興味があるように反応した。

 

闇のゲーム……か。遊戯王の無印の時の主人公、武藤遊戯のパートナーである3000年前のエジプトのファラオ、アテムが冥界に一緒に持って行った千年アイテムで行える危険なゲーム。そのゲームの研究が行われていたのか。

 

「千年アイテムね? でも、そんなの迷信だろ?」

 

「真実は私も知らないのにゃ! 私がこの学園に来たときにはあの寮は立ち入り禁止になってたにゃ!」

 

その寮の話しをして、大徳寺先生は帰っていった。

 

「やだな~本当にこの島にそんな場所があるのかな?」

 

「楽しそうジャン! 明日の晩行ってみようぜ!」

 

「え~?」

 

「こ、怖いけど、俺も行きたい」

 

本当に珍しいな。隼人がそんなに積極的になるなんて。

 

「よーし! 決定!」

 

「けって~い!」

 

「おー……」

 

……ま、いっか。

 

 

次の日の夜

 

俺たちは件の廃寮に向かっていた。

 

「しかし、以外だぜ。いつもは授業に出るのもめんどくさがるのによ」

 

十代が隼人に言う。

 

「別に俺、出無精でも勉強が嫌いなわけでもないよ? ただ……」

 

「ただ?」

 

え!? 違ったのか!? 俺はてっきり落ちこぼれだからって理由で学校にも行かないヒッキーだと思ってた!

 

「嫌なんだ。デュエルで勝つことだけの授業が……」

 

ふ~ん。隼人はそういう考えの持ち主だったのか。そっか~。

 

こうして俺は友達の新たな一面を知ることになったのだった。

 

 

そんなこんなで俺たちは廃寮に到着した。

 

おー、特待生が住んでいただけあってでかいな。

 

俺がそんな事を考えていると近くで枝を踏む音が聞こえた。

 

「「出たーーーー!」」

 

翔と隼人が叫び声をあげる。俺と十代は音がしたほうに明かりを向ける。光を当てられた人物は眩しそうに目を細める。

 

「……明日香!?」

 

そこには天上院明日香が居た。

 

「どうしてここに?」

 

俺は明日香に聞いた。

 

「それはこっちの台詞よ。あなた達こそ何をしてるの!?」

 

「チョイと俺たちは夜の探検にね」

 

十代が言った。

 

「あなた達、知らないのここで何人もの生徒が行方不明になってるって」

 

「そんな迷信、信じないね」

 

「この寮の話しは本当よ。遊び半分で来る場所じゃない! それにここは立ち入り禁止のはず。学校に知られたら騒ぎになるわ」

 

「そんなの怖くて探検なんて出来ないぜ」

 

おいおい、十代。そんな態度だとこういう性格の子は……

 

「真剣に聞きなさい!」

 

ああ、やっぱり怒っちゃったか。

 

「なんだよ、やけに絡むな? ……そっちこそ、質問に答えてないぜ! どうしてこんな所に居るんだよ!?」

 

「……勝手にすればいいわ」

 

そう言って明日香は来た道を戻る。

 

「ここで消えた生徒の中には私の兄もいるの」

 

そう言い残して明日香は行ってしまった。

 

 

廃寮の中

 

俺達は廃寮の中を見て回った。

その中で石版がある部屋に俺達は足を踏み入れた。

 

十代たちが明日香のお兄さんの写真を見つけたと言って見せてくれた。

この人は確か天上院吹雪。レッドアイズブラックドラゴンを使うかなりやり手のデュエリストだったな。何時だかは覚えてないけどダークネスだか何だかって名前で登場するはずだ。

 

俺はそれを十代に返し探索を再開した。

 

……これは! 千年アイテムの事が書かれた石版! ……どうやらこの寮は本当に闇のゲームについて研究していたらしいな……

 

俺たちがその部屋を捜索しているときにそれは起こった。

 

「キャーーーーーーーー!」

 

この寮の中から女の子の声が聞こえてきた!

 

「アニキ! 今の!」

 

「うん! 行こう!」

 

そう言って俺達は声のした方へと進んだ。一階に下りるとそこには何かを引き摺った跡と、『エトワール・サイバー』が落ちていた。このカードを持っていてここの近くに居た人は明日香しかいない。俺達は明日香の名前を呼びながら引き摺ったような跡を追っていく。

 

そうしていると俺達は大きな広間へ出た。明日香は奥のほうに棺に収められていた。ここからじゃ死んでいるか生きているか分からない。アニメの展開的には死なないと思うけど……

 

「ふふふ……この者の魂はもはや深き闇に沈んでいる」

 

どこからか声がする。

 

「誰だ!?」

 

十代がそう呼ぶと地面から湧き出るようにガタイのいい大男が現れた。

 

「ようこそ遊戯十代。そして山崎涼太」

 

俺と十代の名前を!? ……ん? こいつ見たことがある。 確かPSPのゲームで出てた……催眠術師の……

 

「我が名はタイタン。闇のデュエリストだ」

 

若本キターーーー!

 

 

「貴様! 何者だ! 明日香に何をしたんだ!」

 

「私は闇のゲームを操る。闇のデュエリスト」

 

「闇のゲーム?」

 

「ふざけるな! 闇のゲームなんてあるわけないだろ!」

 

それがあるんだよね。怖いことに。

 

「ふふふん。試してみれば分かるだろうよ小僧。ここは何人も踏み入ってはならぬ禁断の領域。我はその誓いを破るものに制裁を下す」

 

「ここで居なくなった人達も貴様のせいだな!? 明日香は返して「待った!」 涼太!?」

 

「十代。ここは、俺にやらせてくれないか?」

 

俺は十代にそう言う。

 

「で、でも!」

 

「良いよな? タイタン!」

 

「どちらが先に相手をしようと構わん。貴様らは全員。ここで闇に飲まれるのだからな! ふふふ……」

 

「そう言う訳だ十代。俺が負けたら、俺の変わりにあいつを倒してくれ」

 

そう言って俺はデュエルディスクをつけ、タイタンと対峙する。

 

さて、なぜ俺がタイタンとの勝負を受けたのかというと……

 

「俺が勝ったら色々と台詞を言ってもらうぜ? 安心しろ、決して恥ずかしいものじゃない」

 

…………いや、違うんだよ!? 決して若本の声を録音して永久保存したかったとかじゃなくてだね! こいつとのデュエルは本物の闇のゲームじゃないから安心してデュエルできると思っただけなんだ!

 

「くくく、後悔するなよ? 小僧!」

 

「「デュエル!」」

 

 

「先手を取らせてもらおう。ドロー! 私は『インフェルノクインデーモン』を攻撃表示で召喚!」

 

タイタンのフィールドにモンスターが召喚された。

 

「デーモンデッキか」

 

確か……毎ターンコストにライフがかかるけどパンディモニウムでコストなしで戦えるんだっけ?

 

「このカードがフィールドに存在するときデーモンと名のついたモンスター1体のモンスターの1000ポイントアップする!」

 

『インフェルノクインデーモン』

レベル4 炎 効果 悪魔族

攻900 守1500

このカードのコントローラーは自分のスタンバイフェイズ毎に500ライフポイントを払う。

このカードが相手のコントロールするカードの効果の対象になり、その処理を行う時にサイコロを1回振る。

2・5が出た場合、その効果を無効にし破壊する。

このカードがフィールド上に存在する限り、スタンバイフェイズ毎に「デーモン」という名のついたモンスターカード1体の攻撃力をエンドフェイズまで1000ポイントアップする。

 

なっ!? こんなカードあったのか。しかも効果が微妙に強い……俺、このチェスデーモンのクイーンだけは持ってなかったんだよな……

 

『インフェルノクインデーモン』

攻900→1900

 

タイタンは『インフェルノクインデーモン』の効果を自身に使わせたらしい。弱いモンスターが一気に主力級のモンスターになった。

 

「私は更にフィールド魔法 『万魔殿-悪魔の巣窟(パンディモニウム-あくまのそうくつ)』を発動!」

 

タイタンがフィールド魔法をセットすると悪魔の住処のような不気味なフィールドが展開された。

 

「このカードによりデーモンを維持するコストは発生せず。デーモンと名のついたモンスターは戦闘以外で破壊された時そのカードのレベル未満のデーモンという名のついたモンスターカードをデッキから1枚選択して手札に加える事ができるのだ」

 

万魔殿-悪魔の巣窟(パンディモニウム-あくまのそうくつ)

フィールド魔法

「デーモン」という名のついたモンスターはスタンバイフェイズにライフを払わなくてよい。

戦闘以外で「デーモン」という名のついたモンスターカードが破壊されて墓地へ送られた時、そのカードのレベル未満の「デーモン」という名のついたモンスターカードをデッキから1枚選択して手札に加える事ができる。

 

「さあ、お前のターンだ」

 

 

俺 ライフ4000 手札5枚

モンスター なし

魔法・罠 なし

 

タイタン ライフ4000 手札4枚

モンスター 『インフェルノクインデーモン』

魔法・罠 『万魔殿-悪魔の巣窟(パンディモニウム-あくまのそうくつ)

 

「おおっと! この娘が気になるようならお前の目に入らないようにしてやる」

 

誰もそんな事は頼んでないが明日香の入った棺は地中に埋まっていった。これはソリットビジョンの映像なのかそれともタイタンの見せる幻なのか……

 

「汚いぞ!」

 

「卑怯者!」

 

翔と隼人がタイタンを罵る。

 

「ふふっ、何とでも言え、これが闇のゲームだ。何ならお前たちも消してやろうか!?」

 

タイタンがそう言うと翔と隼人は黙った。

 

「俺とのデュエルが終わるまで後ろの奴らには手を出させない! 俺のターン! ドロー!」

 

さて、どうするか。俺のデッキの中に攻撃力1900以上のレベル4以下のモンスターは居ない。

 

「よし。俺は『魔術師・間桐慎二』を召喚! 『魔術師・間桐慎二』効果発動! このカードが召喚されたとき自分のデッキ、手札からサーヴァントと名のつくモンスターを特殊召喚する! 現れろ! 『サーヴァント・ライダー』!」

 

『魔術師・間桐慎二』

レベル3 闇 効果 魔法使い族

攻1000 守1000

このカードが召喚されたとき自分のデッキ、手札からサーヴァントと名のつくモンスターを特殊召喚する。

 

『サーヴァント・ライダー』

レベル4 地 効果 戦士族

攻1300 守1000

自分のフィールドに『魔術師』と名のつくモンスターがいないとき次のターンのエンドフェイズにこのモンスターを破壊する。

 

「俺は更にカードを2枚伏せてターンエンド!」

 

 

俺 ライフ4000 手札3枚

モンスター 『魔術師・間桐慎二』『サーヴァント・ライダー』

魔法・罠 2枚

 

タイタン ライフ4000 手札4枚

モンスター 『インフェルノクインデーモン』

魔法・罠 『万魔殿-悪魔の巣窟(パンディモニウム-あくまのそうくつ)

 

「私のターン。ドロー。『ジェノサイドキングデーモン』を新たに召喚!」

 

『ジェノサイドキングデーモン』

レベル4 闇 効果 悪魔族

攻2000 守1500

自分フィールド上に「デーモン」という名のついたモンスターカードが存在しなければこのカードは召喚・反転召喚できない。

このカードのコントローラーは自分のスタンバイフェイズ毎に800ライフポイントを払う。

このカードが相手のコントロールするカードの効果の対象になり、その処理を行う時にサイコロを1回振る。

2・5が出た場合、その効果を無効にし破壊する。

このカードが戦闘で破壊した効果モンスターの効果は無効化される。

 

「『ジェノサイドキングデーモン』は自分のフィールドにデーモンと名のついたモンスターが存在しなければ召喚できない。だが私の場には『インフェルノクインデーモン』が居る!『インフェルノクインデーモン』の特殊効果により、『ジェノサイドキングデーモン』の攻撃力アップ!」

 

『ジェノサイドキングデーモン』

攻2000→3000

 

「攻撃力3000!?」

 

「食ぅらうがいい! 我がデーモンたちの怒りを!『ジェノサイドキングデーモン』!『魔術師・間桐慎二』に攻撃! 炸裂五臓六腑ぅ!」

 

冗談じゃねえ! 間桐慎二がやられたら連鎖でライダーもやられちまうじゃねーか!

 

「俺は罠カードを発動!『炸裂装甲(リアクティブアーマー)』発動! 『ジェノサイドキングデーモン』を破壊する!」

 

「やった!」

 

「これで奴のモンスターは!」

 

「ふふふ……お前が雑魚モンスターを餌に、トラップで迎撃することなど最初から見抜いているわ!」

 

っ! そう言えばあいつ、俺のフィールドの伏せカードを無視して攻撃してきた。何故!?

 

「そんな小細工は私のデーモンデッキには通用しない。『炸裂装甲(リアクティブアーマー)』のトラップにチェーンして『ジェノサイドキングデーモン』の特殊能力を発動する!」

 

タイタンがそう言うと、パンディモニウムの中央のマグマから丸い球体が6つ飛び出てきた。その球体には1から6までの数字が記されていた。

 

「『ジェノサイドキングデーモン』の特殊能力、それは相手の効果対象になった時、サイコロを一度振るい2か5が出た場合、その効果を無効にし破壊する。このデュエルではサイコロの代わりにこのルーレットを使用する」

 

いや、サイコロ使えよルール通りに。

 

「さあ、地獄のルーレットよ。奴の運命を乗せ、回り始めよ!」

 

タイタンがそう言うとルーレットに炎が灯り回り始める。……止まった数字は……2.

 

「ルーレットの目は2。よって『ジェノサイドキングデーモン』の特殊能力が発動!『炸裂装甲《リアクティブアーマー》』は破壊!」

 

タイタンがそう叫ぶと『炸裂装甲(リアクティブアーマー)』が破壊され『ジェノサイドキングデーモン』の攻撃によって間桐慎二が破壊された。

 

「ぐぅ!」

 

俺 ライフ4000→2000

 

「だが俺のフィールドにはまだ『サーヴァント・ライダー』が居る。これ以上このターンでは俺のライフを削ることは出来ない!」

 

「ふふふ……確かにな……だが……」

 

そう言ってタイタンは何かを取り出した。

あれは千年パズル! ……のレプリカだな。

そのレプリカの目が光る。

 

「消えていく……お前の体が消えていく……ライフポイントに従い徐々に消える……」

 

タイタンがそう言うが俺の体が消えていく。左足と右腕か……ちくしょう……持ってかれた! ……とでも言えばいいのだろうか? まあいいや。そんな事より重要なのは。

 

「俺の体が消えた……」

 

「涼太!」

 

「涼太君!」

 

催眠術ってすげー! まじで消えてるように見える!

 

「ふふふ……小僧、言っただろう? すでに闇のゲームは始まっているとな……」

 

ここで俺はタイタンをからかうためにタイタンが本当に闇のゲームをやっていて俺が闇のゲームについて知っているような事をしゃべる。何故かって? その方が面白そうじゃないか。

 

「くくくっ! まさか本当に闇のデュエルをするとはな……気をつけろよ? クル・エルナ村の亡霊達が貴様を狙っているぜ?」

 

「クル・エルナ村だと? ……なんだその村は?」

 

「く、くくくっ! 知らないなら良いさ。知らぬが仏というしな?」

 

「貴様!」

 

ビビッてるビビってる。

 

「ゲームを続けようぜ? 俺のターンだな? ……ドロー!」

 

 

俺 ライフ2000 手札4枚

モンスター 『サーヴァント・ライダー』

魔法・罠 1枚

 

タイタン ライフ4000 手札4枚

モンスター 『インフェルノクインデーモン』『ジェノサイドキングデーモン』

魔法・罠 『万魔殿-悪魔の巣窟(パンディモニウム-あくまのそうくつ)

 

「 ……俺は『魔術師・遠坂凛』を守備表示で召喚する! 更に『魔術師・遠坂凛』の効果で『サーヴァント・アーチャー』を守備表示で特殊召喚する!」

 

『魔術師・遠坂凛』

レベル4 光 効果

攻1300 守1300

このカードが召喚されたとき自分のデッキ、手札からサーヴァントと名のつくモンスターを特殊召喚する。

 

『サーヴァント・アーチャー』

レベル4 風 効果 戦士族

攻500 守2000

自分のフィールドに『魔術師』と名のつくモンスターがいないとき次のターンのエンドフェイズにこのモンスターを破壊する。

 

「更にカードを1枚伏せてターンエンド!」

 

さてさて、なかなか厄介なデッキだな。デーモンデッキ。

 

 

俺 ライフ2000 手札4枚

モンスター 『サーヴァント・ライダー』『魔術師・遠坂凛』『サーヴァント・アーチャー』

魔法・罠 2枚

 

タイタン ライフ4000 手札4枚

モンスター 『インフェルノクインデーモン』『ジェノサイドキングデーモン』

魔法・罠 『万魔殿-悪魔の巣窟(パンディモニウム-あくまのそうくつ)

 

「結局この二ターン、お前が私に与えたダメージはゼロになる。そろそろ決着をつけようではないか? 私のターン!私はもう1体の『ジェノサイドキングデーモン』を召喚! バトル!炸裂! 五臓六腑!」

 

「トラップ発動! 『攻撃の無力化』発動! このカードによりモンスターの攻撃を無効にしバトルフェイズを終了させる!」

 

「うまいぞ涼太! この効果なら『ジェノサイドキングデーモン』の効果は発動しない!」

 

「ちっ、しぶとい! ターンエンドだ!」

 

 

俺 ライフ2000 手札4枚

モンスター 『サーヴァント・ライダー』『魔術師・遠坂凛』『サーヴァント・アーチャー』

魔法・罠 1枚

 

タイタン ライフ4000 手札4枚

モンスター 『インフェルノクインデーモン』『ジェノサイドキングデーモン』『ジェノサイドキングデーモン』

魔法・罠 『万魔殿-悪魔の巣窟(パンディモニウム-あくまのそうくつ)

 

「さーて、そろそろフィナーレだ! インチキの種明かしをしてもらうぜ!」

 

「何だと!?」

 

「俺のターン! ドロー! 俺は『サーヴァント・アーチャー』を生贄に、『天馬―ペーガソス』を召喚!」

 

俺のフィールドに美しい天馬が現れる。

 

『天馬―ペーガソス』

レベル6 光 通常 獣族

攻2000 守2000

 

「さらに手札にある『英霊・メドゥーサ』の効果発動! 場に居る『サーヴァント・ライダー』『天馬―ペーガソス』を墓地に送ることで特殊召喚できる!」

 

俺のフィールドに天馬に乗ったお姉さんが召喚された。……うん。やっぱりでかい。何がとは言わないけど。

 

『英霊・メドゥーサ』

レベル8 風 効果 獣戦士族

攻3000 守3000

フィールド上に存在するとき『サーヴァント・ライダー』『天馬―ペーガソス』を墓地に送ることで手札から特殊召喚できる。

このカードの効果でこのカードを特殊召喚できたとき相手のフィールドのカードを全て破壊できる。

1ターンに1回モンスターの表示形式を変更することが出来る。

自分のフィールドに『魔術師』と名のつくモンスターがいないとき次のターンのエンドフェイズにこのモンスターを破壊する。

 

「攻撃力3000だと!?」

 

「それだけじゃないぜ? このカードは『サーヴァント・ライダー』『天馬―ペーガソス』を墓地に送って特殊召喚したとき相手フィールドのカードを全て破壊できる!」

 

「何だと!? 」

 

まあ、天馬の生贄含めて3体のモンスターを使ったんだからこれくらいやってくれないと困る。

 

「行くぜ! 騎兵の手綱(ベルレフォーン)!」

 

ライダーが乗った天馬が凄まじいスピードでタイタンのフィールドに突撃していく。

 

「ぬぅぅ!」

 

ライダーが相手のフィールドのカードを全てを吹き飛ばし、モンスターとパンディモニウムが消えた。

 

「この瞬間! 手札の『デスルークデーモン』の効果を発動! 『ジェノサイドキングデーモン』が墓地へ送れらた時、このカードを手札から墓地へ送ることで『ジェノサイドキングデーモン』を墓地から特殊召喚する!」

 

『デスルークデーモン』

レベル3 光 効果 悪魔族

攻1100 守1800

このカードのコントローラーは自分のスタンバイフェイズ毎に500ライフポイントを払う。

このカードが相手のコントロールするカードの効果の対象になり、その処理を行う時にサイコロを1回振る。

3が出た場合、その効果を無効にし破壊する。

自分フィールド上の「ジェノサイドキングデーモン」が破壊され墓地に送られた時、このカードを手札から墓地に送る事で、その「ジェノサイドキングデーモン」1体を特殊召喚する。

 

「ちっ! だがこっちのほうが攻撃力は高いぜ! 『英霊・メドゥーサ』の攻撃! 騎兵の手綱《ベルレフォーン》!」

 

ライダーが『ジェノサイドキングデーモン』に突っ込み破壊した。

 

「ぬぅ!」

 

タイタン ライフ4000→2000

 

タイタンのライフが減るとタイタンの体が消え始めた。

 

「皆! こいつの体! どこが消えた!?」

 

「右腕と腹と右足だぜ!」「両腕と両足だよ?」「足以外の下半身なんだな」

 

「「「え?」」」

 

「くっ! これを見ろ!」

 

そう言ってタイタンは千年パズルのレプリカを取り出す。

 

「させるかよ!」

 

俺はそう言ってカードを投げつける。カード投げはせっかく遊戯王の世界に来たから海馬みたいにカード投げられるようになりたいなと思っていらないカードで練習していた。が、やっぱりにわか仕込みではうまくいくはずも無く、千年パズルのレプリカの目を狙ったのだが少し逸れてタイタンの手を少し傷つける。

 

「ぬぅっ!?」

 

驚いたタイタンは千年パズルレプリカを取り落としてしまう。落ちた千年パズルレプリカは音を立てて砕けた。……結果オーライ!

 

それと同時に俺やタイタンの体の消えていた部分が元に戻る。

 

「涼太君の体が元に戻った!」

 

「皆! こいつの闇のゲームはインチキだ!」

 

「「「え?」」」

 

皆はタイタンを見る。

 

「たぶんこいつは催眠術師か何かで俺達に催眠術をかけていたのさ! 体が消えて見えたのも本当じゃない! だから俺やこいつの体は皆には違う消え方で見えたんだ! そうだろう?」

 

「何をほざく! 私は本当に闇のゲームを……」

 

「なら当然知っているよな? 千年アイテムが出来た場所! その原料! 千年アイテム7つ全ての名称くらいならな!?」

 

「そ、それは!? 」

 

俺の質問にタイタンは動揺する。

 

「分からないようだな? くくく……」

 

「な、なら貴様は知っているのか! 知らないのだろう!?「知っているさ」何!?」

 

「出来た場所はクル・エルナ村! 原料はクル・エルナ村の村人! 千年パズル、千年リング、千年錠、千年眼、千年ロッド、千年秤、千年タウクだ! これくらい闇のゲームを知っている者なら常識だぜ? ひゃははははは!」

 

「き、貴様まさか! 本物の闇のデュエリストか!?」

 

「だとしたら……どうする?」

 

「じょ、冗談じゃない!」

 

そう言ってタイタンは逃げ出そうとする。

 

「待ちやがれ! まだ勝負はついていないぞ!」

 

せっかくの若本ヴォイス! 逃がすか!

 

そう思って俺はタイタンを追いかける。

 

しかし、周りの石造の口から光が放たれ俺は足を止めた。

 

「な、なんだ!? ……これは!」

 

俺が下を見るとそこには千年パズルなどの装飾の目の模様が記されていた。

 

 

目の模様を中心に黒煙が竜巻のように回転しだす。

 

「「涼太!」」

 

「涼太君!」

 

次の瞬間、俺とタイタンは四方八方を闇で覆われた場所に居た。

 

「おいおい……これってまさか……」

 

ペガサスと遊戯が戦ったときのあの空間か!?

 

「お、お前! 何かしたのか!?」

 

「俺じゃない。だがどうやら俺達は闇のゲームに招待されたらしい!」

 

「何だと!? ……ぬ!?」

 

「何だ!?」

 

闇の中から何かうごめくような音がしたのでそちらを見ると、変な黒いモンスターがこっちに向かってきている。

 

「く、来るな! た、助け……!」

 

そう言うと、タイタンはモンスターに囲まれてしまった。

 

「くっ!」

 

俺の周りにもモンスターが集まってきた。

 

「邪魔だ! くっ! このっ!」

 

何とか追い払おうとするがモンスターが多すぎる!

 

「このままじゃ……!」

 

まずい! そう思ったその時、デッキから光が放たれ青い閃光とともに何かが飛び出してきた!

 

「下がりなさい! 彼はあなた達の様な存在が触れていい人ではありません!」

 

そう言ってその人は俺の周りにいるモンスターを下がらせる。

 

「き、君は……」

 

俺を助けてくれた人は……

 

「サーヴァント・セイバー。召喚に従い参上しました」

 

セイバーだった。

 

「ありがとうセイバー。助かった」

 

「これが私たちの使命ですから。それより涼太。彼が……」

 

「そうだ! タイタン!」

 

俺がタイタンを見るとタイタンの中にモンスターが入り込んでしまっていた。

 

「…………さぁ山崎涼太。デュエルを続けようか?」

 

タイタンは少しの沈黙の後、俺にそう言った。明らかにさっきと目の色が違う。たぶんモンスターに操られている。

 

「…………闇のデュエルからは逃れられない。そうだったな?」

 

「その通りだ」

 

「…………仕方が無いか。悪く思うなよ? 俺も死にたくないんでね?」

 

フィールドにカードが現れデュエルが再開される。

 

「俺のターンだったな? …………ターンエンドだ」

 

 

俺 ライフ2000 手札3枚

モンスター 『英霊・メドゥーサ』『魔術師・遠坂凛』

魔法・罠 1枚

 

タイタン ライフ2000 手札3枚

モンスター なし

魔法・罠 なし

 

「私のターン。『デスルークデーモン』を召喚。さらに装備魔法発動『堕落(フォーリン・ダウン)』。装備するのはもちろん『英霊・メドゥーサ』だ」

 

堕落(フォーリン・ダウン)

装備魔法

自分フィールド上に「デーモン」という名のついたカードが存在しなければ

このカードを破壊する。

このカードを装備した相手モンスターのコントロールを得る。

相手のスタンバイフェイズ毎に、自分は800ポイントダメージを受ける。

 

ライダーに青いオーラが発生しタイタンのフィールドに移って俺と対峙した。

 

「なっ! ライダー! 貴女はそれでも涼太のサーヴァントですか!」

 

「無茶言うなセイバー」

 

カードの効果なんだからさ。

 

「『英霊・メドゥーサ』で貴様のモンスターを攻撃だ!」

 

ライダーが凜に向かって突進する。

 

「くぅ!」

 

「凜!」

 

「さらに『デスルークデーモン』で攻撃!」

 

「ぐああああ!?」

 

「涼太! 大丈夫ですか?」

 

「っ……ああ」

 

俺 ライフ2000→900

 

「ターンエンドだ。さあ、カードを引け」

 

俺の周りにまたモンスターが集まってくる。

 

「離れなさい!」

 

そう言ってセイバーがモンスターを追い払ってくれる。ありがたい。

 

…………この手札だと……あのカードが来ないと……負ける!

 

「来い! ドロー!」

 

来た!

 

「俺は手札から、永続魔法『他者封印・鮮血神殿(ブラッドフォート・アンドロメダ)』を発動! 『英霊・メドゥーサ』がフィールドに存在するときに発動可能! 相手フィールドのモンスターの攻撃力を半分にし、エンドフェイズごとに下げた攻撃力分のライフを回復する!」

 

『英霊・メドゥーサ』

攻3000→1500

 

『デスルークデーモン』

攻1100→550

 

「俺は更に俺は『魔術師・バゼット』を召喚! 効果で『サーヴァント・ランサー』を特殊召喚! 」

 

『魔術師・バゼット』

レベル4 地 効果 魔法使い族

攻1400 守1000

このカードが召喚されたとき自分のデッキ、手札からサーヴァントと名のつくモンスターを特殊召喚する。このカードが戦闘で破壊されたターンの最後にこのカードをフィールドに守備表示で特殊召喚することが出来る。

このカードが攻撃対象に選ばれた場合、ダメージステップ時このカードの攻撃力は500ポイントアップする。

 

『サーヴァント・ランサー』

レベル4 地 効果 戦士族

攻1500 守1000

自分のフィールドに『魔術師』と名のつくモンスターがいないとき次のターンのエンドフェイズにこのモンスターを破壊する。

 

「さらに魔法カード『死者蘇生』を発動! 『魔術師・遠坂凛』を召喚!」

 

これで俺の勝ちだ!

 

「『サーヴァント・ランサー』で『英霊・メドゥーサ』を攻撃!」

 

タロットカードのランサーがライダーに攻撃を仕掛けて相打ちになった。

 

「『魔術師・バゼット』で『デスルークデーモン』を攻撃!」

 

「ぐぅ!?」

 

バゼットが『デスルークデーモン』を殴り飛ばす。

 

タイタン ライフ2000→1150

 

「さっきの恨みを晴らしてやれ凜! ダイレクトアタック!」

 

凜がタイタンに走り寄って行き、たこ殴りにし始めた。あっれ~? 凜って魔術師じゃなかったっけ? いや、格闘も出来るのは知ってるけどさ。後なんかすっげー嬉しそうなのは……気のせいですかそうですか。

 

タイタン ライフ1150→0

 

タイタンのライフが0になると魔物がタイタンに群がってくる。

 

「な、何をする!? ば、バカな!? 本当に闇のデュエルが存在するとは!?」

 

そう言い残してタイタンはモンスターで見えなくなってしまった。

 

「くっ!」

 

俺は目を逸らす。俺が生き残るためとはいえ、人一人をモンスターに……

 

「涼太! 早くここから出ないと貴方もモンスターに!」

 

そう言ってセイバーは光が差している場所を指差す。

 

「……分かった!」

 

俺は光に向かって走っていく。

そして俺はなんとか闇から抜け出せた。

 

「涼太!」

 

「涼太く~ん!」

 

「おう、皆。心配かけたな?」

 

「全くだぜ。心配かけやがって」

 

そんな事を言いながら和んでいると闇が物を吸い込みながら収縮しだした!

 

「伏せろ! 吸い込まれたら、出て来れないぞ!」

 

俺の言葉に皆が伏せて、吸い込まれないようにする。

だが、明日香が入った棺が徐々に移動していた。俺は棺を押さえて吸い込まれないように踏ん張った。

 

闇は数秒でどこかへ消えていった。

 

「…………ふぅ」

 

「ねぇ、涼太君。あいつはどこに行ったの?」

 

「えっと……負けたらさっさとどこかに行っちまった」

 

死んでしまったとは言えずに俺はごまかした。……俺はこいつらに嫌われたくない。だから、それくらいの嘘は……いいよね?

 

 

廃寮 外

 

俺達は廃寮の外に移動して明日香を介抱していた。

 

「…………ん、んんっ」

 

しばらくすると明日香が目を覚ました。

 

「お、気がついたのか!」

 

十代が声をかける。

 

「っ! 貴方たち! どうしてここに!?」

 

「悪かったな、変な目にあわせて、でも安心しろよ明日香。お前を襲った奴は涼太がデュエルで勝ったら逃げて行ったらしいぜ?」

 

十代のその言葉に胸がチクリとする。

 

「え? じゃあ、貴方たちが!?」

 

「まあな! あ、そうだ! ……えっと」

 

十代がポケットを探り出す。

 

「これと、これ」

 

十代が取り出したのは明日香のカードと明日香のお兄さんの写真だった。

 

どうやら持ってきていたらしい。何時の間に……つーか十代は意外とフラグを立てるのがうまいな……天然のなせる業か?

 

そうしている内に日が昇ってきた。……マジかよ……こりゃあ今日の授業はサボりか居眠りだな。

 

「やばっ! 皆が起きだす前に早く戻ろうぜ!?」

 

「それじゃあ、またな?」

 

そう言って俺達はレッド寮に向かって走っていく。

 

「…………(遊戯十代。山崎涼太。……ありがとう)」

 

 

 

闇のゲームに巻き込まれたけど今回も何とか生き残れた……か。

 


 
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