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ソードアート・オンラインIN衛宮士郎 6話 刻印

2012-07-14 13:26:41 投稿 / 全3ページ    総閲覧数:7926   閲覧ユーザー数:7740

セイバーはいつもの友人に合うような顔でゆっくりと近づいていき地面に捨ててあった還魂の聖晶石をひょいと拾う。

アイテムをタッチしてヘルプをクリック文章を読んでいるうちにだんだんとその顔が笑顔になっていく。

「くくく、」

「何がおかしいセイバー!」

そんな姿のセイバーを見に見かねてエミヤが大声を上げる。

「一生懸命死人と生き返そうとレべルホリックになって必死にレベルあげて結末がこれでしょ?面白いじゃない救いようが無くてさ!」

声を挙げながらセイバーはキリトに黄金の剣を突き立てる。

声こそは挙げなかったが顔が歪んでいるのがわかる。バトルヒーリングも発動するが徐々にHPバーが減っていく。

それを見ながらウィンドウを開いたクラインへのメールの文章をセイバー達に見つからないように書く。

「やめろセイバー!」

エミヤの声に反応したのか承諾したのか剣をキリトから引き抜く。

「今日のところはこのへんにしておいて・・いやエミヤだけはここで殺しておくように命令されてるんだっけ・・?」

部下なのか、後ろに控えているローブを着たプレイヤーに話しかけセイバーは頷く。

「ごめんねーエミヤうちのマスターの命令で君を生かすことはできないんだ・・死んで?」

黄金の剣が振り下ろされる。

「――――凍結、解除<<フリーズアウト>>」

つぶやいた瞬間セイバーは投剣もしくは、落下してくる剣に対応するため一気に距離を取る。

「そのコマンドは空中に浮遊している見えない剣を実体化させるコマンド・・見え見えだよ!」

剣製された剣は短い短剣で色は紫色、どちらかと言えば禍々しい感じの雰囲気を持った剣がエミヤの手の甲の部分に突き刺さる。

「くっ」

少しだけHPバーが減少し、同時に麻痺毒のアイコンも消失する。

「はあっ!」

一気に跳躍しセイバーに切りかかる。

「うわぁ・・状態異常回復の剣も作れるのかーほんとユニークスキルってずるい部分があるよね」

セイバーはのんきに感想を言いながら攻撃を回避し距離をとる。

「大丈夫かキリト、エミヤ!」

丁度入口のワープポイントからクライン達風林火山の面々が表れ各々剣を取るがセイバーの姿を見て剣を持つ手から力が抜けそうになっているようだった。

「どうしておめぇ・・セイバーが・・」

刀を構えたクラインも驚きを隠せないようだ。

「流石に分が悪いね・・とっとと退散させてもらうよ、それじゃお二人さんまたねー」

クラインが現れた反対側のワープポイントから逃走する、それを追いかけようと一歩踏み出そうと努力をするが殆ど動かず・・諦めてその場に倒れ込む。

風林火山の面々も死んだはずのプレイヤー、それも良いプレイヤーだった人間が生きていて笑う棺桶に入っていると言う事実に驚き、体を硬直させていた。

しんしんと雪が降る中俺たちは長い時間、実際には短い時間だったがお互い何もしゃべらずその時を過ごした・・・

 

 

次の日、軍の元に一通のメールが届いた、内容は元軍所属のプレイヤーが笑う棺桶に所属していて、そのプレイヤーが自分のパーティを自分以外全て皆殺しにしたという内容だった。

その話は直ぐにエミヤの元へ届けられエミヤは居ても経ってもいられずその現場に赤い外套を装備して向かった。

 

「わかってるさ、ここにきても何もないってことぐらい・・・ってあれ・・?」

索敵スキルを何気なく使用すると索敵範囲のギリギリの所でプレイヤーが2・3人写っているのが見えた。

「もしかして」

使用することがなかった無限の剣製のスキルのうちの一つ千里眼を発動させその方角を見る。

「居た・・」

セイバーは居なかったが昨日セイバーと一緒に来てたと思う赤目のローブ姿を発見した。

その3人のプレイヤーは話をすると奥に写っている薄暗い洞窟のなかに入っていく姿が見える。

「もしかして・・これアジトか・・?」

一旦距離を取りフィールドの安全エリアまで下がる。

フレンドリストに登録してあるが全く使ったことがないプレイヤーを選択しメールを送る。

返事は直ぐに帰ってきて詳しい話を聞きたいと言うことらしい、彼女が待つ街へと足を進めた。

 

「すまない忙しいときにアスナ」

「いえ、笑う棺桶のアジトが見つかったとなれば総力を上げて潰す価値がある話ですから」

その後はセイバーのことを含めて洗いざらい話最後に場所のについて話をした。

「・・・・相手に気づかれなかったというのは違和感を感じますが・・本当に見たんですか?」

本来そんなに近づくと相手の索敵範囲に引っかかり攻撃されるはずという疑いだろう。

「あーえっと、俺のユニークスキルの一つなんだ、ほらこれ。」

ウィンドウを可視モードにして千里眼のスキルを見せる。

「・・・・疑ってすいませんユニークスキルに関しては噂されていましたが本当に持っていたんですねエミヤさん、生命線の一部を見せてもらった事が何よりの証拠だと思うのであなたの話信じたいと思います。勿論スキルの事は誰にも言いませんよ。」

そう笑顔で行ってくれたことに感謝する。

「後非常に言いにくいんですが・・どうしてセイバーさんが生きていたんでしょうか・・石碑には間違いなくセイバーさんにはその・・横線が入っていたはずですし。」

「石碑にはセイバーと名前がついたぷいれやーが3・4人ぐらいいるんだ文字は違うけど読み方はセイバーって読むプレイヤーが・・多分そういう事だ」

アスナはなるほどと一つ大きく頷いてそれ以上聞かないでくれた。

 

 

後日アスナからのメールで笑う棺桶捕縛というメールのタイトルが届いた。

内容は、信頼している人だけにメールを送っていることと1週間後攻略組の面々を集めて笑う棺桶を捕まえるという内容であった。

捕まえれる程度でどうにかなるのかとは思ったが軍の協力により監獄エリアに直行してもらうらしい。

そしてエミヤにもこの作戦に参加して欲しいとのことであった。

 

一週間後更にレベルを上げて最近基本装備になりつつある赤い外套を装備しアスナが指定してきた集合場所に来ているエミヤの姿があった。

「キリトも来ていたのか。」

集合場所を見渡すとキリトの姿が見えた。

「あぁその、取り返したいしなたとえ帰ってこなくとも持ってたら今居る大切な人守れるかもしれないし」

キリトはキリト並みに考えて一歩踏み出したということなんだろう。

ギルドのエンブレムが消えてはいたが、それでも背負う覚悟を決めたということはなんとなく感じた。

「そうだな・・取り返そう、けど俺はセイバーを助けたい。多分・・いやきっと何かあってあんなところに所属しているんだろう・・・生き残ってることにも驚いたが」

「多分だけどこうだとおもう。ボスのHPが0になった瞬間結晶無効化空間がなくなったんだろうけど、継続ダメージが発生してて残りのHPでは地面に着地したときに落下ダメージでHPが全損するかもしれない・・だから結晶を使ってどこかの街にワープしたがそのあと何かあった・・かな?」

エミヤはそれを聞きつつ本当にキリトはこのゲームのことを理解しているなと再認識していた。

「しかし・・集まり悪くないか?このメンバーで笑う棺桶攻略するのはちと辛いものがあると思うのだが・・」

エミヤの心配も最もであった周りを見ると最前線のメンバーではあるが、基本的にソロプレイで最前線に来ているような連中ばかり集まっていた。

「それはそうよ、基本的にギルドマスターにメール送ってギルドのメンバーつれて現場集合になってるからね。」

声がした方に向くと純白と真紅で作られた騎士服を装備したプレイヤーが立っていた。

「アスナか・・」

「ソロで攻略しているプレイヤーたちは私の指示に従ってもらいます。嫌な人もいるかもしれないけど笑う棺桶を放置するわけにはいかないの、力を貸してください」

そこに集まったプレイヤーはアスナから言い渡される役割を聞きながら頷く。

個々の能力が高いが基本的にパーティを組まない彼らはギルドからすれば扱いづらいプレイヤーが一致団結して何かを行うというのはボス攻略以外だとはじめての試みではなかろうか、そんなことを考えながらキリトと俺はどんな指示がくるかとアスナを待った。

「お待たせ、キリト、エミヤ両名にはこちら側に死人が出ないように動いて欲しいの、方法は問わないから」

口で言うのは非常に簡単だが非常に難しい任務を言い渡される。

「方法はなんでもいいのか?俺の場合は投剣とかのことを言うが、」

「味方に当てないのであれば大丈夫です、どちらかといえば正確に遠距離から当てられるスキルを持っているのなら後方支援でも大丈夫です。」

「もう一つ、もしアクシデントがあった場合・・笑う棺桶の捕縛が困難な場合は相手のHP・・全損でも?」

エミヤが話す内容にキリトはアスナは少し驚き硬直していたが咳払いをし、

「覚悟があるなら」

そういうと私も死にたくないと一言付け足した。

そうだよな・・普通の人間は人殺しなんてしたこともないし、死に近づいたこともないだろうしな・・

 

「エミヤさんあそこでいいんだね?」

洞窟近くまで接近しアスナが聞いてくる。

それに頷く事で返事をして、アスナが討伐隊の面々に合図を送る。

「5、4、3、2、1、GO!」

合図と同時に飛び出そうとするが、視界に本来あるはずのない剣が見えた気がして体を硬直させる。

「伏せろ!!」

声を挙げた後直ぐに投剣と思われる剣が数えるだけで20本以上飛んでくる。

危険を察知し声を掛けたが30人以上いたプレイヤーの半分近くが投剣に当たり麻痺毒のエフェクトが走りその場に座り込む、残りのプレイヤーは各々剣を抜き臨戦体制になる。

「落ち着いて近くに居るプレイヤーに回復を・・!」

アスナがそう周りに言うとプレイヤーたちはポーチから回復を取り出そうとするがそれを投剣が邪魔をする。

「囲まれているアスナ!麻痺毒になっているプレイヤー達を守りながら応戦しないと!」

普段とは勝手が違う戦い方にプレイヤーたちは混乱しながらただ飛んでくる剣に対して武器防御スキルを駆使しながら攻撃を凌ぐ。

「風林火山のメンバーでプレイヤーの麻痺毒の解除!ほかのメンバーはサポートをお願いします!」

ようやく指示が飛んできてそれにあわせて行動を開始する。

エミヤはキリトの隣に立近くに麻痺毒を食らったプレイヤーを守りながら投剣から攻撃を防いでいた。

「エミヤ千里眼で見えないのか!」

「一瞬見えたら投剣して直ぐに草影に隠れるんだ、最後まで見れないっ!」

そう言いながら飛んでくる剣を綺麗に干将莫邪でさばいていく。

このままじゃ拉致があかない・・っ。へたすると全滅だ。

「キリト20秒!」

キリトは頷くのを確認すると一気にダッシュを掛けて一番投げる回数が多い草むらに近づく。

「死ねぇ!」

近づくと行こうとしていた草むらから少し離れた左右の草むらから同時に剣を振り上げて切りかかってくる。

それを干将・莫邪を使い片方ずつ受け流し降りおろさせた後にためらいなく干将・莫邪両方を投剣させ両方の喉を切り裂く。どちらのプレイヤーも自分のHPバーがが全損するのを笑いながら見つめたあとそのアバターのポリゴンが消失する。

「すまない・・手加減するほど余裕はなかったんだ」

そう言うと先ほどいた場所に一気にダッシュを掛けて戻る。

「大丈夫かキリト!」

「問題ないそっちはどうだった何かいたか?」

「・・・二人倒してしまった。」

飛んでくる投剣を集中して弾きながら静かに事実を言う。

そうか・・とキリトは一言だけ呟いてまた剣を弾く作業に入る。

「投げてくる剣の数が減った、来るぞ!」

誰かが声を上げそれに合わせて四方から敵の気配を探る。

ようやく麻痺毒にかかっていたプレイヤーが解除が完了し前線に復帰する。

ゴッ、っと空気を裂く音が聞こえてその方向に向くと赤い光芒を守った剣を構えたプレイヤーが一直線に突っ込んでくる。

「エミヤ、ヴォーパルストライクだ防御しようと考えるな!」

キリトの声を聞き剣をクロスさせ防御しようとしていたのをぶらんと剣を下げ自然体を意識する。

「おらああぁ!」

笑う棺桶のメンバーは掛け声と共に付き技のヴォーパルストライクを発動させ攻撃してくる。

その攻撃をエミヤは音速とも思われるスピードで腕を動かしわずかに剣先をずらし攻撃を外しそのまま突っ込んでくるプレイヤーに片方の剣を置く。

剣に突っ込んできたプレイヤーは丁度腹当たりに剣が刺さり同時にHPバーがぐいっと減っていきイエローゾーンまで下がる、そしてレッドゾーン手前までHPを一気に減少させる。

「投降しろ命までは取らない!」

エミヤはそう声を掛けるが、その剣を振りかぶろうとしたのでが腹に突き刺さった剣をエミヤがそのまま振り下ろしHPバーがレッドゾーンで止まることはなく全損しポリゴンがバラバになっていく・・。

ソードスキルを発動させるために投げた片方の剣はアスナに攻撃を仕掛けたプレイヤーの残り少なくなっていたHPを削りきる。

「アスナ、生き残りたかったら倒さないとこっちが倒される!」

明らかにHPが少なくなってから反撃ができなくなっていたアスナに声を掛けるが、弱々しい目でこちらを見つめるだけで言葉が返ってこない。

辺りを見渡すとそんなプレイヤーが大半を占めていた。

それもそうだろう、今戦っているプレイヤーのHP・・命を奪って生き残れと普通の人間が正常な判断を下せるわけがない。

「くっ。」

エミヤは毒づきながら追い詰めているはずが、追い詰められているプレイヤーを助けるために奮闘する。

 

「おーおー一人で頑張ってますねエミヤ」

青を主体とする騎士服を着た少女がそこに立っていた。

「今すぐメンバーを引かせろセイバーこんな戦い意味なんてない!」

そう声を掛けるが少し笑った後黄金の剣を腰から引き抜く。

「やりあいましょうエミヤ、それしか今の私たちないんだから・・」

 

「断る!俺はセイバーの真意を問いに来ただけだ!」

剣を引き抜いたセイバーに対してエミヤは無手で言葉を続ける。

「セイバーどうしてなんだどうしてそうなってしまったんだ笑う棺桶の・・っ」

最後まで言葉を続ける前に黄金の剣で斬り付けられる。

「私がPKをしたいと思ってたからだよ・・一回やるとその魅力に取り込まれそうになる・・そうだエミヤさっき笑う棺桶のメンバー倒したでしょ・・どうだった気持ちよかった?」

「気持ちがいい訳がないだろう!人が死んでるんだぞ、人を殺したんだぞ、そんなのそんなの気持ちがいいはずがない、けど仲間が死ぬかもしれなかったんだしょうがなかったんだよ!」

「はいはい、言い訳言い訳ー・・あぁそうだこのままエミヤが私のこと攻撃しなかったらそうだねー、うんアスナを殺そう。」

「なっ・・」

「どっちにしたってまともに攻撃を返せるのはエミヤぐらいだもんね皆人を殺す重みに耐え切れないみたいで、エミヤが私のこと放置するならこのまま皆死んでいくけどー?」

両手に力をいれ剣を更に強く握る。

「本心かセイバー」

「・・・本心だよ」

「そうか・・好きだったよ・・いや憧れだったかもしれないな・・」

「私は好きだったよエミヤそのまっすぐで利用されそうな所とか」

 

「――――投影、開始<<トレース・オン>>」

「――――凍結<<フリーズ>>」

 

 

ギンッ!剣と剣がぶつかり合い今死闘の幕が上がる。

 

 

何合うちあったのかわからないぐらい打ちあい剣と剣が弾く音が聞こえる。

殆ど周りの音さえも遠くの方になっていき今は目の前に居る好敵手と剣を交えるのみ頭の中で構築されていく。

5手先、6手先、7手先を創造し、理解しそれに合わせて剣を繰り出す。

お互いが後方にジャンプしおたがいの距離があく。

「はぁーーーはぁーー、ーーーぁ。」

溜め込んだ息を吐き出し剣を握る。勿論息をしているわけではないが緊張からかそうでもしないと心が暴れたままだっただろう。

ソードスキルが発動できない以上投剣をして片手剣になってから攻撃を仕掛けなければならない、しかしその投剣をする隙がなかった。

故に攻撃をしても1ドット減るだけで相手のHPバーを減少させる一撃にはならない。

かと言え、片手一本で戦えるほど相手の技は弱くはない、干将莫邪二本で使い込まれた愛剣だからこそ今まで戦ってこれている。

「強いな・・・こんなに強いとは思わなかった」

そう明らかに強かった。クリスマスの前の日戦ったキリトよりも更に上を行く強さにも感じる強さだ。

片手剣の熟練度が高いわけではなく、レベルがめちゃくちゃ高いわけでもない。ただ純粋にプレイヤーが強かったのだ。

「ボス戦では役に立たないけどね、あくまで相手がプレヤーならできる技だよエミヤ」

そう言うセイバーは実に楽しそうな顔をしていた。

 

 

これを超えなければならない、超えなければ皆が死んでしまう。

 

「いい試合だねエミヤ、そうだエミヤが勝ったらこれをプレゼントするよ!」

セイバーはそう言うとポーチから結晶を取り出す。

還魂の聖晶石が地面に置かれる。

 

「――――投影、開始<<トレース・オン>>」

「――――凍結<<フリーズ>>」

 

余力を、生命線を残している余裕はない。

剣を力強く握りしめる、最初の時よりも強く、次の次はない、次のソードスキルに全てをかける。

俺が「セイバー」を超える為に編み出した剣技。剣の才能がないが、しかしエミヤシロウでしか使えない唯一の剣技。

 

それを発動させようと始動キーを言葉で紡ごうとする。思考を邪魔するかのように考えにノイズが走る。

 

――――ついて来れるか。

 

頭の中で声が聞こえる。そんな言葉を言ったアイツは・・誰だったか

 

「―――鶴翼、欠落ヲ不ラズ」<<しんぎ  むけつにしてばんじゃく>>

 

両手に持つ剣を投剣し弧を描きながらセイバーに向って左右から攻撃を仕掛ける。

殆ど同時攻撃になった攻撃をセイバーは片方は剣、片方はあらかじめこうなることを予測したような行動でピックを投剣し左右からの攻撃を干将莫邪を弾く事によって避ける。

はじかれた二本の剣はあらぬ方向へ飛んでいく。

武器を投剣して無手になった所にセイバーが黄金の剣を構えて突っ込んでくる。

それにあわせてエミヤ自身も敵に突っ込む。

 

「――――凍結、解除<<フリーズアウト>>」

 

無手となったエミヤの手の中に先ほどと同じ剣が出現する。

黄金の剣とエミヤの干将莫邪が火花を散らす。

セイバーがそれに驚くこともなく再度剣を横に振るう。

 

「―――心技、泰山ニ至リ」<<ちから     やまをぬき>>

 

セイバーのはるか後方、弾いたハズの剣がエミヤが持つ剣に引き寄せられるように戻ってくる。

その間にいたセイバーに直撃するかに見えた。

キンッ!

またもやピックでまるで見えてるかのように後方から飛んできた剣を弾く。

「はあぁ!」

後方から飛んできた干将がセイバーに当たる瞬間セイバーの目の前にまで接近し右手に持つ剣を力いっぱい振り下ろす。

その剣をセイバーは黄金の剣で受け止め逆に力を込めて振り抜いた。

パキン、情けない音が剣から響きポリゴンになって消滅する。

く、投影、完了してなければ耐久度はこのへんが限界か、

「化け物かよっ!」

毒づきながら次の工程に行く!

 

「―――心技 黄河ヲ渡ル」<<つるぎ    みずをわかつ>>

 

今度は莫邪の方がセイバーの後方からまた引き寄されるようにエミヤに向って飛んでくる。

それをセイバーはまるで軌道をよんでるかのように攻撃を躱す。

同時に干将の方でセイバーに向って思いっきり叩きつけるが黄金の剣によってその剣も砕かれる。

しかし思いっきり体制を崩した状態での迎撃により今度こそ体勢を崩す。

 

「――――凍結、解除<<フリーズアウト>>」

 

最後の凍結を解除し無手だった手にもう一度剣を掴ませる。

 

「―――唯名 別天ニ納メ」<<せいめい  りきゅうにとどき>>

 

「届け・・・セイバーーーーーーー!!!!」

 

「―――両雄、共ニ命ヲ別ツ」<<われら  ともにてんをいだかず>>

 

唯一この世界でエミヤシロウに許された二刀流を放つ。ソードスキル鶴翼三連の最後の一撃は二刀流で斬り抜けるとなっており、それがエミヤシロウが唯一この世界で許された二刀流の技。

体勢がようやく崩れて無防備な体に干将莫邪を振り下ろした。

レベルとステータスの差に物を言わせてセイバーのHPを全て削り取る。

「ハッ・・ハッ・・はぁ―――」

息を整えながら正面を見据えると今にもきそうなセイバーの姿があった。

ドクンと心臓の音が聞こえた気がした、丁度手を伸ばせば届く距離に還魂の聖晶石がある。

「ハア―――」

意識が暴れる今すぐ使うべきだと言う想いと、悪はこのまま消えるべきだと言う心と二つの心がエミヤの内をお互いをお互いに支配しようと暴れる。

そうこうしているうちに10秒経過し使用する事ができなくなる。

ポリゴンが殆ど消滅して光の粒になったときにありがとうと頭に声が響いた気がした。

 

 

 

 

 

セイバーが倒されたことにより笑う棺桶の面々の士気が下がり次々に捕えられ、倒されていった。

セイバーを倒した後エミヤはフラフラ足で戦場から離れ、自宅に帰還していた。

その様子をみた討伐隊の面々はエミヤを戦場に引き止められずはずもなかった。

扉を開け自身のベットにうつ伏せに倒れ込む。

あぁ・・眠い今は・・寝てしまいたい。

仰向けになり眠ろうとしたとき腕が何かに触れてカチと音がなった。

 

 

「やっほーエミヤ元気?」

エミヤは飛び起きウィンドウを操作し干将莫邪を装備する。

「セイバーの声・・!?どこからっ」

辺りを見渡すが人影は無く、ベットの上に一つの結晶が鎮座していた。

「エミヤは今日笑う棺桶討伐隊に参加するんだよね?ということは私と戦うってことだよね。」

「これは・・・録音結晶か」

レアアイテムの一つである録音結晶がそこにはおいてありそこからセイバーの声が発しられていた。

「お願いがあるんだせめてエミヤの手でHPを削りきって欲しいんだ。どうせレッドネームのPKだからエミヤも躊躇せずに攻撃できるし、エミヤなら人とのHP削っても大丈夫な気がするし頼んだよ!

エミヤが作ってくれた黄金の剣あれには特殊スキルが付いてあってそれを扱えるのは私しかいなくて、笑う棺桶で直ぐに隊長クラスまで上り詰めることができたんだよありがとう!おかげでいっぱいPK出来たしね、でもそんな私を許さないでしょうエミヤ、だから人思いに一撃でよろしくね。」

 

なんだこれ遺言状ってわけでもないしただの煽り文句か・・?

 

「こんな悪人を倒したエミヤは自分を攻めたらダメだよ、エミヤが正しいことをしたんだから。笑う棺桶の隊長クラスの一人を単独撃破、悪いことじゃなくて正しいこと、だからエミヤが罪の意識を背負う必要はないからね。でもまぁ私も負けるつもりもないし、エミヤぐらいならなんとかタイマンでも倒せそうだしね、私が言いたいことは私を殺した程度で罪の意識を考えるなってことこの先倒すこと倒されそうになること助けられない命なんて山ほどあるんだから、それじゃエミヤアジトで待ってる存分に殺し合おうよ!」

 

話終わったのかザザーと言う音が結晶から発しられる

 

なんだろうこの違和感は、まぁ・・気にすることはないかと布団を被り睡眠を取るために眠ろうとる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「死にたくないよぉ・・助けてよぉ・・エミヤ・・・」

 

今度こそ布団を蹴り上げて録音結晶をその震える手で持つ。

「なんで・・なんで私なの、エミヤと一緒にこのゲームをクリアして一緒に現実世界で遊んだりするっていうのが希望をなくした唯一の願いだったのに・・どうして・・どうして・・」

嗚咽が結晶から流れてくる。

「偶々街にワープしたときに剣のスキルが発生してそれを笑う棺桶に目に付けられて・・生き残ったのはいいけどPKしないと笑う棺桶に殺される・・・・・・辛かったぉ・・嫌だったよぉ・・」

結晶を壊れるかもしれないぐらいに力強く握りしめる。

「そして今日・・エミヤを倒せば笑う棺桶から逃げれるって言われたけど・・エミヤが大好きな私がエミヤ殺せるわけないでしょぉ・・死ぬしかないのかなぁ私・・でも、もしかしたらエミヤなら私のこと助けてくれるかも・・無理なのかなぁ・・・なんでギルドマーク・・呪われた刻印なんか私の腕に書いてあるんだろう・・・・」

 

「やっぱり死にたく」

プツンと音を立てて結晶が輝きを失う。

 

エミヤはその場に倒れ込み絶叫した。

 

 

刻印編END

 


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