No.450558

ハイスクールD×D~最強の戦車と最強の兵士(予定)~

平和島静雄の肉体に悪魔の駒の『戦車』の能力をプラスしたら?という妄想で書いた小説です。

2012-07-10 19:57:09 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:3718   閲覧ユーザー数:3602

第一章

第八話「一度は言ってみたかったこのセリフ「ここは俺に任せて、先にいけ!」」

 

 

 

side静雄

 

すでに空は暗くなり、街灯の光が街を照らしている。

俺と祐斗、小猫にイッセーの四人は教会が見える位置で様子を窺っている。

人の出入りはない。

この嫌な感じからして、どうやら堕天使がいるのは間違いないみてぇだな。それに、エクソシストが少なくとも五十人以上いやがる・・・。

 

「これ、図面」

 

祐斗が路面に教会の見取り図を広げる。

 

「まあ、相手陣地に攻め込むときのセオリーだよね」

 

「・・・そうだったか?」

 

俺は何時も族のアジトを潰す時そんなものは必要とせず、片っぱしから潰していってるけどな・・・・。

 

「・・・静雄先輩、今回は救出作戦ですから」

 

「ん。そうか、確かにな」

 

小猫の言葉に得心がいき納得していると祐斗とイッセーは話を進めていった。

 

「聖堂の他に宿舎。怪しいのは聖堂だろうね」

 

「だろうな。確率的に宿舎は無視していい」

 

「宿舎は無視していいのか?」

 

「おそらくね。この手の『はぐれ悪魔祓い(エクソシスト)』の組織は決まって聖堂に細工を施しているんだ。聖堂の地下で怪しげな儀式をするんだよ」

 

「どうして?」

 

イッセーが疑問を口にすると祐斗は苦笑しながら、

 

「今まで敬っていた聖なる場所、そこで神を否定する行為をすることで、自己満足、神への冒涜に酔いしれるのさ。愛していたからこそ、捨てられたからこそ、憎悪の意味を込めてわざと聖堂の地下で邪悪な呪いをするんだよ」

 

「いかれてんな」

 

「何言ってやがる。堕天使やそれを敬ってる連中は大抵が頭イカレてンだよ」

 

俺の言葉にイッセーは思う所があるのか納得したように頷いた。

 

「入り口から聖堂まで目と鼻の位置。一気にいけると思う。問題は聖堂の中に入り、地下への入り口を探すことと、待ち受けているであろう刺客を倒せるかどうか、だけど、これの心配はしなくていいよ」

 

「え?どうしてだよ??」

 

兵藤の質問に祐斗は微笑しながら俺の方へ視線を向けてくるが、俺は手ごろな道路標識(通行止め)を手に持ち、引っこ抜く。

 

「僕達には『最強の戦車(ルーク)』がいるからね」

 

さあ!祭りの始まりだぁ!!

 

 

 

 

 

 

ドッガァッ!!!!!

 

 

月明かりに照らされながら俺たちは教会に侵入し、聖堂の入り口のドアを蹴破って中に侵入した。

 

「・・・・もうちょっと静かにできない?静雄君」

 

「うるせぇ、どうせ教会(ここ)に入った瞬間に連中にはバレてんだからコソコソする意味はねぇだろーが。それに・・・敵さんもお待ちかねみたいだぜ?」

 

「え?」

 

パチパチパチパチ。

 

俺の言葉と同時に聖堂内に拍手が響いた。

音のする方、柱の陰から神父らしき人影が現れた。

 

「ご対面!再会だねぇ!感動だねぇ!」

 

白髪の神父が顔を出してきた。

?アイツ、どこかであったっけ??

何処かであった気もするがそれが何処なのか思い出せない。

 

「俺としてはぁー、二度会う悪魔はいないってことになってんだけどさッ!ほら、俺、メチャクチャ強いんで悪魔なんて初見でチョンパなわけですヨッ!!一度会ったらその場で解体!死体にキスしてグッドバイ!!それが俺の生きる道でしたッ!!でも、おまえらが邪魔したから俺のスタンスがハチャメチャ街道まっしぐら、ダメだよねぇ〜。俺の人生設計を邪魔しちゃダメ〜!だからさ!ムカつくわけで!死ねと思うわけよ!特にそこのクソ金髪グラサン悪魔ッ!!催促で死ねつーのッ!!このクソ悪魔がよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉッッ!!」

 

「あ~・・・勝手に盛り上がってるところ悪ぃんだが・・・」

 

「あ~!?なんだよクソ悪魔ぁ!!」

 

「いや、お前・・・誰だっけ?」

 

「「はっ!?」」

 

俺の疑問に神父だけでなくイッセーも固まってしまった。

?なんだ、イッセーお前知ってんのか?

 

「静雄君。彼、昨日兵藤くんを襲撃した神父だよ」

 

「あ?・・・あ~!?いたな、そんな奴!道理で見覚えがあるなっと思ってたんだよ」

 

祐斗の言葉にそういえば昨日そんな感じの神父がいた事を思い出した。

 

「・・・・本当に、忘れてたんですね」

 

「グッ・・・い、いやな?あまりにも大した事なくてよ?」

 

ジト目で見てくる小猫に焦って否定する。

 

「・・・・っけんな・・・・・」

 

「あ?」

 

神父の方を見ると顔を伏せ、プルプルと肩を震わせていた。

なんだぁ?寒いのか?

 

ブィィン。

 

「ざっけんじゃねぇぞぉ!クソ悪魔がぁぁぁ!!!!」

 

光の刃を出現させ、俺に斬りかかって来た。

 

「おうっ!?」

 

ガキィンッ!!

 

その一撃を俺は標識で受け止めた。

 

「殺す!クソ悪魔がぁ、この俺になめた口叩きやがって、バラバラに切り裂いて、豚の餌にしてやるよぉぉぉ!!」

 

「ハァ!やれるもんならな・・・やってみろぉ!!」

 

「ガァッ!?」

 

俺は力任せに道路標識を振るい神父を振り払う。神父は椅子を巻き込みながら聖堂の壁に叩きつけられた。

 

「平和島さんっ!」

 

「来るんじゃねぇ!」

 

「!?」

 

イッセーが心配そうに駆け寄ってきたが、俺はそれに待ったをかけた。

 

「どうやらアイツは俺に用がある見てぇだ。さっさと、あのシスターを助け出してこい」

 

「で、でも!アーシアが何処にいるのか――――」

 

「おそらく、祭壇の下だな」

 

「えっ!?」

 

俺の言葉にイッセーと神父は驚きをあらわにした。

 

「堕天使の臭いがあの祭壇の下からプンプン臭ってくる。おそらく、シスターはそこにいるだろう」

 

「・・・確認しました」

 

振り返ると、小猫が祭壇を押しのけて隠し階段を見つけていた。

 

「さっさと行け。もう儀式が始まってるかもしれねぇ」

 

「で、でも・・・」

 

まだ決心がつかないのか、それとも、ここに俺を残していくのが不安なのか、イッセーは中々行こうとしない。

 

「なめるんなよ、ひよっこ。テメェに心配されるほど俺は弱くねェ。さっさとあの子を助け出してこい!」

 

イッセーに向けて笑いかけると、

 

「ここは俺に任せて先にいけ!お前はあのシスターを助け出せ、王子さま?」

 

「あ、ああ!!」

 

そして、イッセーは隠し階段に向けて走り出した。

祐斗と小猫をその後に続くが、直ぐに振り返って、

 

「早く来ないと、全部終わらせちゃうよ?」

 

「チッ・・・ああ、さっさと終わらせてく」

 

「静雄先輩。怪我しないでくださいね?」

 

「おう。おまえもな、小猫」

 

三人を見送ると、俺は振り返りざまに標識で薙ぎ払った。すると、

 

ガキィンッ!

 

「後ろから斬りかかってくるとは、大した趣味じゃねぇか?」

 

「こ、この、クソ悪魔がぁ!!とことんコケにしやがってぇ!!」

 

怒りの形相で神父が俺に斬りかかって来たが、なんなく標識で受け止めた。

 

ギリギリ・・・!

 

鍔競合う標識と光の剣と睨みあう俺と神父。

 

「どぉーしたぁ!?エリートさんよぉ!?そんなんじゃあ、俺の首は取れねぇぞぉ!!」

 

「ッ!?なめんじゃねぇ!」

 

激昂した神父は一度大きく間合いを開けると、拳銃を構えた。

 

(祓魔弾か・・・!)

 

迫りくる光の弾丸を標識で弾きながら神父に突撃していった。

 

 

静雄sideout

 

 

 

 

 

sideイッセー

 

俺たちは平和島さんを残し地下の階段を下りていた。

 

「な、なぁ?やっぱり、平和島さんを一人残してよかったのか?」

 

俺はやっぱり一人残した事が気になり、木場と小猫ちゃんに問いかけた。。

 

「心配いらないよ、兵藤くん。あの程度の実力なら静雄君一人でお釣りがくるから」

 

しかし、木場は何時ものイケメンスマイルで何事もないように階段を下りていった。

 

「お、おいおい。ほ、本当にいいのか?確かに平和島さんは強いけどあの神父だって――――」

 

「・・・静雄先輩はあの程度の神父に負けるはずありません」

 

俺の反論を小猫ちゃんはかぶせるようにバッサリ切り捨てた。

あ、あの程度って・・・・た、確かに小猫ちゃん達にとってはそうだろうけど、そんなに強いのかあの人?

 

「ああ、そういえば兵藤くんは知らないんだよね?」

 

「知らないって・・・何をだよ?」

 

木場が何やら含みのある言い方をしてきた。

 

「静雄君はね、自分の力を封印しているんだ」

 

「ふ、封印・・・?」

 

封印って・・・・。っていうか、封印するほど強いのか!?

 

「彼の両手にある腕輪があるのは見た事あるかい?」

 

「え?・・・あ、ああ、なんか手枷みたいな白い腕輪があったよーな・・・」

 

ぶっちゃけ、部長や朱乃さん、小猫ちゃんしか興味なかったからハッキリ言って自信はない。

 

「アレは彼の魔力を封じる為の制御装置。ある冥界の錬金術師が彼の為に特別に造ってくれた物なんだよ」

 

「・・・今の静雄先輩の力は人間の時と大して変りありません」

 

へ~そんなにすごいのか・・・って!

 

「ちょ、ちょっと待て!ふ、普通の人間と変わんないって・・・・アレでか!?」

 

小猫ちゃんの言葉が信じられなかった。昨日と今日見せたあの出鱈目な力がアレで人間の時の力って・・・どんだけだよ!?

 

「だから、心配しなくても大丈夫だよ。腕輪を外した時の彼は魔王さまだって殴り倒せるからね」

 

って、それは言い過ぎたかな?って言う木場に俺は何も返す事ができなかった。

 

 

 

イッセーsideout

 

 

 

 

side静雄

 

ガリガリガリ!!!

 

「オオオオオオッラァァァァーーーー!!!」

 

ボゴォッン!!

 

標識で地面を削りながら神父に向かい削った勢いで石畳の地面がめくれ巨大な岩石となったそれを神父に向かって吹き飛ばした。

 

「チィッ!」

 

神父は石の塊を横っとびにかわすと手に持っていた拳銃をこちらに向け数発ほど撃ってきた。

 

キンッ!チュインッ!ガキッ!・・・バキンッ!

 

一発目は標識で弾き、二発目は頬を掠り、三発目は歯で挟み噛み砕いた。

 

「ウォラァッ!!」

 

「っとぉ!!」

 

標識を神父の横っ腹めがけて薙ぎ払うが神父はそれはバックステップでかわし距離を置く。

 

「チィッ!チョロチョロしやがってウザってぇ!!」

 

「ハア!!ウザいのはこっちだっつーんだよ!つーかありえねぇだろ!?なんで、俺っちの剣が一ミリも刺さんねぇんだよ?マジでファック!テメェ見てぇなクソ悪魔は俺っちにさっさと殺されて、害虫の様に死ねばいいんだよォ!!!!」

 

そう言って馬鹿の一つ覚えの様に突っ込んできやがった。

 

「馬鹿の一つ覚えがっ!」

 

ニヤッ・・・・。

 

標識を構えながら神父にむかうと、何故か神父はニヤリと笑い懐から何かを取り出し投げつけてきた。

 

「何を・・・!?(コイツは、手榴弾!?)」

 

普通の手榴弾なら俺には大したダメージにはならないが、相手ははぐれとはいえ悪魔祓い。当然光の力があるはずだ。

 

「しまっ――――」

 

ドガアアアアァァンッ!!!!!!!

 

俺の目の前で光が爆発した。

 

静雄sideout

 

 

 

 

 

「ぎゃははははははっ!!どうだ、どうだ、どーですかぁ!?テメー用に堕天使さまが開発してくれた、祓魔手榴弾のお味はよぉ!!?祓魔弾のゆうに十倍はある光の力!更には手榴弾(ソレ)の中にはた~ぷり銀の礫が詰まってんだよォ!!いくらテメェーが頑丈だろうと、これでくたばっただろうが、腐れ悪魔がぁ!!」

 

神父―――フリード・セルゼン――――は自分が起こした爆心地を見ながら狂喜した。

自分を殴った憎っくき悪魔、平和島静雄を彼の主である堕天使、レイナーレに貰った試作段階の祓魔手榴弾を渡された時はそこまでなのかと思ったが、

 

『あの悪魔、グレモリーの狂犬、平和島静雄を舐めてかからないことね。あの男は忌々しい事に我らが総督であるアザゼル様も一目置いているもの』

 

その事を聞いたときフリードは内心驚愕した。

堕天使の総督の事は知らないが魔王クラスの実力を持つと噂されているほどだ。そんな大物に一目置かれているあの悪魔を殺せば自分の各が上がるというものだ。

彼は出世には興味はないし、ただ悪魔を殺せればそれでいい。それでも、それだけの大物を殺せると思うとすごく興奮した。

 

「ハハァッ!!狂犬とかいう割には一発K.Oとか大したことねぇ―なぁ!!」

 

爆発の影響で壁に叩きつけられた静雄を見てフリードは哄笑した。

爆発の衝撃で静雄は壁に叩きつけられ、ピクリともしない。

 

「さ~て、さっさとあのクソ悪魔どもを追ってぶち殺して――――」

 

カランッ・・・・。

 

祭壇の隠し通路に向かおうとしたフリードの背後から金属音が響き渡った。振り返って見てみると平和島静雄が何事もなかったように立っていた。

 

「なっ!?」

 

「調子に乗りやがって・・・・」

 

驚愕する中フリードはある事に気付いた。あの悪魔の右腕についているまるで手枷の様な腕輪が地面に落ちていたのだ。

それを確認した瞬間、目の男から膨大な魔力と魔獣の様な視線を感じ戦慄した。

みるみる傷口が塞がっていきまるで何もなかったかのように元の体に戻った。そして理解した。目の前の男は今まで全く本気ではなかった事を、男は獣の様に姿勢を低くした後、一瞬で目の前に現れ、

 

「は?」

 

「くたばれ」

 

ドッガアアアアアアアアアッン!!!!!

 

思いっきり顔面を殴った。

それだけで、フリードは十字架に磔になっている聖人の像を巻き込み、壁を突き破り、木々をなぎ倒しながら吹き飛んでいった。悲鳴を上げることすら出来ず、フリード・セルゼンは敗北した。

 

「ったく。・・・あ~あ、べっとりじゃねぇか・・・」

 

そんなフリードに見向きもせず、静雄は隠し通路に向かって歩きながら、自身の服に目をやった。

先ほどの手榴弾の一撃で制服はボロボロで自身の血がべっとり付いている。

 

ビリビリ!

 

「ったく、帰ったら朱乃に何言われるか・・・」

 

制服の上着を破り捨てながら、静雄は帰った時に幼馴染みの彼女に何を言われるか想像して、ため息を吐いた。

 

「・・・だいぶ時間食っちまったし、少し急ぐか」

 

静雄は嫌な予感が先ほどより強まり急いで階段を下りることにした。

 

 


 
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