No.446960

【獣機特警K-9】激戦、鉱山の攻防【戦闘】

古淵工機さん

前回(http://www.tinami.com/view/445304 )の続き。
手に汗握るバトルを見逃すな!!
◆出演
K-9隊とNC-7隊のみなさん
キャプテン・メルローズ(http://www.tinami.com/view/371344 )

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2012-07-06 00:18:51 投稿 / 全8ページ    総閲覧数:721   閲覧ユーザー数:699

ラミナ警察署…そのK-9ルームにクオンとリクが入ってきた。

「よし、全員集まったな。では今回のミッションを伝える」

と、隊長席に腰掛けていたエルザ・アインリヒトがゆっくりと立ち上がる。

「すでにNC-7隊からの緊急通信を受けていると思うが、ミニエラ・デ・ルーポから搬出途中だったクリスタライト原石が強奪されたそうだ」

「隊長、それで犯人(ホシ)は割れているんですか?」

と、アレクセイ・フトライミツィが問う。それに対し、さらに続けるエルザ。

「情報が正しければ、今回強奪を犯したのはコルヴォー・ブリアン。ドローア研究室所属のハーピー形ロボットだ」

「なんだよ、またあいつらかよ。普段からワケのわかんねえコトしてると思ったが、何でまた鉱山なんか…」

という(チャオ)五華(ウーファ)の問いに、エルザは答える。

「その件なんだが、実はもうひとつ裏に厄介な組織があるのだ」

「…ローゼン海賊団だね?リオンが言ってた」

と、確信に近い眼差しで答えるクオン。

「ああ、恐らく研究室の連中はローゼン海賊団に依頼されて今回の強奪を引き受けた。恐らくは活動資金を確保するための犯行だろう」

「なるほど、作戦が上手く行けばローゼン海賊団から報酬が受け取れると…」

「恐らく強奪されているのは1台や2台ではないはずだ。一刻も早く食い止めなければならん。K-9隊は直ちに現場へ直行する!」

「了解!!」

かくて、ミニエラ・デ・ルーポを目指しK-9隊は出動したのであった。

一方その頃、鉱山周辺。

「しかし、アンタも随分大胆な作戦に打って出たじゃないか」

と、煙草をふかしながら語るのはローゼン海賊団の首領、キャプテン・メルローズ。

「へへ、空からの奇襲なんて誰も思いつかないだろうしさ。今日はあと6回の搬出があるから、がっつりぶんどれると思うぜ!」

と、得意げに語るコルヴォー。

「しかし船長、何もチマチマやんなくても、ウチらの(フネ)でガーって一気にやっちまったほうがよかったんじゃねーか?」

と、頭を掻き毟りながらぼやくのは海賊シザーハンド。

『それは愚策だね。ロサ・ギガンティアが行ったら一発でバレちゃうじゃないか』

と、通信越しにアラクルがやや呆れ気味に答える。メルローズもそれに続く。

「こういうのは目立たないように盗んでいくのが肝心なんだ。だからアイツをよこしてくれってドローアに頼んどいたってワケさね」

『まったく、そんな事もわからないのかい?キミは本当に』

「あーはいはい!バカですんませんね!!」

と、漫才を繰り広げる海賊団一味とコルヴォー。しかし、その次の瞬間だった。

なんと、トラックから積み降ろしたクリスタライト原石を積んだコンテナが、少しづつ浮き上がっているではないか!

「おい!まだ艦にあげる時間じゃねーハズだぞ!!」

と、怒鳴り声をあげるシザーハンド。

『いや、ボクは何もしていないけどね?』

「くそ、どこのどいつ…」

と、上を見上げる一同。するとそこにあったのは…白とブルーに塗り分けられたヘリコプターの姿だった。

「キミたちの企みは全部割れてるよ!おとなしくクリスタライトを返すんだ!!」

と、専用ヘリ・ナインチョッパーから身を乗り出し、啖呵を切るクオン。

「げっ!K-9隊!?」

「き、貴様らどうやってここを嗅ぎつけた!?」

動揺するローゼン海賊団一味。しかし、クオンはさらに続ける。

「あーそうそう、上ばっかり見てないで、後ろにも気をつけたほうがいいと思うよ!」

「なに!?」

と、シザーハンドが振り返ったときには遅かった。

なんと彼女の背後にはいつの間にやらNC-7隊の隊長・ケンがいたのである!

「何故彼らがここをかぎつけたのか教えてやる…。それは俺たちがずっとお前たちを見張ってたからだ」

「くそ!厄日かよ!!」

と、奥歯をかみ締めるシザーハンド。そして、メルローズはというと…。

「ふん…」

と、息をつくや否や、愛用しているレーザーサーベルを抜き放った。

「度胸だけは褒めてやろうじゃないか。だけどね…今回ばかりはジャマされるわけには行かないんだ。ここで消えてもらうよ!」

「おいおい、さっきあの娘も言ってたじゃないか…『後ろには注意しろ』」

と、ケンが呟いた瞬間、ふたつの影がメルローズめがけて突進してきたのだ!NC-7隊のリオンとアマヨだ!!

「はあぁぁぁぁあああっ!!」

「でぇやあぁぁぁぁああああ!!」

とっさに身を翻し、レーザーソードで二人の武器を受け止めるメルローズ。

「へえ、威勢良く飛び込んだ割にはその程度か…笑わせんじゃないよ!!」

と、返す刀でリオンとアマヨを軽々と吹き飛ばしてしまった!!

「ぐはっ!?」

「きゃっ!?」

勢いよく地面に叩きつけられる二人。

「つ、強い…なんてやつだ!」

「アタイは気に入らないヤツは殺さないと気がすまないタチでねえ…せっかくの仕事を邪魔するアンタたちには正直腹が立ってんだ。手土産にその首持ち帰らせてもらうよ」

そう言って、剣を二人のほうへ向け、ゆっくりと歩み寄るメルローズ。

彼女がまさに剣を振り下ろそうとした次の瞬間であった!

「…大丈夫!?二人とも!!」

「グーテさん!」

剣を受け止めたのはグーテ・シュタールシルトだった。

「クソッ!このデカブツが!そこをどきな!!」

「グーテどかないよ…人のものを平気で横取りするようなヤツは許せないのね!!」

「そうかい…だったらアンタもこいつらと一緒に真っ二つになりなぁっ!!」

と、剣の出力を上げるメルローズ。グーテのエネルギーシールドが、じわりじわりと切り裂かれていく…。

だが、それも長くは続かなかった。

 

「っ!?」

突然、ひとすじの光が走ったかと思うと、メルローズのレーザーサーベルは弾き飛ばされていた。

「クッ…アタイの剣を弾き飛ばすなんて!?」

「言ったろ。『周りには気をつけろ』…だ」

ケンの言葉に、辺りを見回すメルローズ。光線が飛んできたのは彼女の頭上。

見ると、ナインチョッパーの反対側の扉から、アレクが身を乗り出していた。

 

「見事だアレク。流石だな」

と、操縦席ではエルザがアレクに声をかける。

「へへ、それほどでも…」

「!?…隊長、安心するのはまだ早いよ!」

「なんだと!?」

ふと見ると、ナインチョッパーめがけて飛んでくる影が一つ。

「ちくしょう…ちくしょう!あと少しだったのにっ!!」

と、クローアームを展開してコルヴォーが向かってくるではないか!

(くっ…このままでは…撃墜される…!?)

と、エルザが操縦桿を引こうとしたその時だった。

 

「ぎゃあぁぁあああぁぁぁぁっ!?」

突然、光の弾がコルヴォーめがけて飛んできたのだ。

バランスを崩し、地上へと落下していくコルヴォー。

「…な、何が起きたんだ?」

と、エルザが呟くや、ナインチョッパーのコンソールに老人の声が響いた。

『ほっほっほっ…危機一髪でしたな、エルザ殿』

「七星斎老師!ありがとうございます!」

…そう、先ほどの光は七星斎が放ったものだったのだ。

コルヴォーが撃墜され、動転する海賊団一味。

「ちっ…またもや失敗か…!」

と、呟いていたメルローズに、ケンが近づき電磁警杖を突きつける。

「キャプテン・メルローズ、およびローゼン海賊団。今日こそお縄を頂戴させてもらう!!」

「フン…そうは行かないんだよ!!」

と、メルローズは懐からボールのようなものを取り出すと、地面に叩き付けた。

すさまじい破裂音とともに、煙があたりを包む。

「くそっ!煙幕か!」

「これじゃ何も見えないぞ!?」

やがて、煙が晴れていくと、そこには海賊団一味の姿はなく、一枚のメッセージカードが置かれていた。そのカードの表面には

『今回はアタイらの負けにしといてやる。でも、今度会った時は覚悟するんだね キャプテン・メルローズ』

と、書かれていた。

 

「ローゼン海賊団…また取り逃がす事になろうとはね…」

と、ナインチョッパーの機内で落胆の声を漏らすクオン。

「すでにかなりの量が運び去られているはず…きっと今頃は…」

と、同じく嘆きの声をあげるアレク。

「何も言うな。君たちは十分頑張った…」

と、エルザが言いかけたその時である。

『ハ~イ!親愛なる警察の皆さん!ご機嫌いかがかしら?』

と、ナインチョッパーのモニターに見覚えのある顔が映った。

同じ映像は、NC-7隊が持っている端末にも映し出されている。

「お前はトリッカーズの怪盗ディア!?」

『あらあら、そんな怖い顔しないでよ。今まで盗まれてきた分だけど、あれは本来の行き先まで運んでおいてあげたわ』

「でも、相手は宇宙海賊だよ!?次元転送で宇宙に運び出されて…」

『大丈夫大丈夫。トリッカーズに不可能の文字はないの。足元をよく御覧なさい』

見ると、そこには盗まれたはずのクリスタライト原石が山になって置かれていた。

その原石の山は、新たに用意されたトラックに積み込まれ、一台、また一台、本来行くべき場所へ向かい出荷されていたのである。

「じゃあ、やつらが盗んだ分は一体…」

その頃、宇宙戦艦ロサ・ギガンティア…。

「うがああぁぁぁぁぁぁっ!何なんだこれわ~~~!?」

と、ヒステリックに叫ぶキャプテン・メルローズ。

「これも、これも、クリスタライトじゃないじゃないか!!どうなってんだい!!」

「クソめがっ!全部摩り替えられてやがる!!」

そこにはクリスタライト原石は一粒もなく、代わりにあるのは大して価値もない石ころばかり。

そして、その山の中にはこんなメッセージが添えられていた。

『残念でした、また来週!~トリッカーズより~』

「あーぁ、一杯食わされたね」

と、呆れ顔で呟くアラクル。

「おのれトリッカーズ!この恨み晴らさでおくべきかぁーっ!!」

と、大宇宙にメルローズのうらみ節がこだましたのであった。

 


 
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