No.40713

In the Universe 第2話

最新鋭艦についた主人公は早くも迷子になってしまう。
そして、早くも艦長に就任?

2008-11-09 23:28:38 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:468   閲覧ユーザー数:459

第二話 出港

 

「うおぉ、すげぇ」

俺は今、もーれつに感動している。

何でも初めての宇宙で初めての任務が最新鋭艦だからなぁ。

「勝井新兵、出港準備だ。早くしろ」

「あ、はい」

ここは最新鋭艦”ブラック・フォーミュラー”最新のエネルギーキャンセラーバリヤーを持ち、最新の戦闘機を載せている機体だ。

「ここが俺達の部屋ですか?」

「ああ、チームで同じ部屋だ。」

「そうですか」

それにしても狭い。こんなんで4人も入るのか?

素朴な疑問が頭をよぎる。

「基本的に作戦行動中以外はフリータイムだ。何をしても構わん。」

少佐が話しかける。

「はい。」

「できる限り部屋にいればありがたい。」

「はい。」

「あと、整理が終わったら講堂に集合だ。私は会議があるので失礼」

「はい。」

ってぇぇぇぇぇ。また二人きり?と思ったけどカーギさんが居たかぁ良かったぁ。

「カーギさんこれどうします?」

「・・・・あそこだ。」

「ありがとうございます」

「ねぇ、勝井君。君冷たくない?」

「い、いえ。そんなことはありません。」

「そう。よかった。」

なにがよかったのだ、何が?

と片付けは終わったと。

次は講堂だったな。

「カーギさん先に講堂行っています。」

「・・・・・ん。」

了解の意味らしい。

幸いにもディさんは片づけ中だそうだ。

俺は講堂に向かった。

「つっても、めちゃくちゃ広いぞ。」

こっちが講堂でこっちが食堂。

こっちは・・・なんだろう。

一応、艦内について知っておかなければ。

と講堂とは別の方向に。

数分後。

・・・・迷った~。

人が居る気配も無いし掲示板もないどうしよう?

あ~あ、地図も持ってないし。

ここはどこ?私は誰?

て言いたいような気分だ。

「お~い」

どこからか声が聞こえた。

”お~い”と。

・・・・・助かった、多分少佐たちが探してくれたのだろう。

「お~い、こっちだ~。」

と俺も声を出す。

足音がしてきた。

俺はもう一度お~いといった。

すると、俺の目の前に女の人が出てきた。

年齢は俺よりか上っぽい人だ。

「え~と、助けに来てくれたんですかっ!!」

すごい勢いだった。

いきなり目をうるわせ近づいてきた。

「は?君が助けに来たのではないの?」

「えっ?」

このとき俺達は自分の境遇について知った。

 

「え~と、ブリッジの通信をやる予定の把野 小夜(わの さよ)ですぅ~。」

「えと、戦闘機乗りの勝井信弘です。」

「迷子ですか?」

「迷子ですぅ~」

「同じですね。」

「そうですねぇ~」

把野さんはブリッジから迷ったらしい。

「どうすればいいと思う?」

「・・・・・・・餓死するぅ~」

わー考えが悲惨だよーこの人。

な、なんとか話を盛り上げないと。

「俺は今、19歳だけどもうこんなところにいるよ君は?」

と適当に俺のことを話す。

「へ~、私と似てます~。私は今、18歳ですけど~」

な、なんかむかつくー。

「でも、それでブリッジってかなり優秀ってことだよね」

「いえ、ブリッジの通信って誰でもできて試験を通過できれば入れるみたいなのです。母に受けてみなさいって言って受けてみたら試験の日、私以外が風邪で~。ううぅ。」

「あはははは」

「あはははは」

とりあえず笑わした。

これで問題は一つ。

どう帰るかだ。

「君たちここで何してる?」

といきなり声を掛けられた。らっきー。

と俺はその人を見る。

見た目はかなり渋くいかにも宇宙戦艦の艦長をしてそうな人だ。は、まさかっ!!

「あ、艦長ですぅ~助けてください、この人と一緒に迷子になっちゃたんですぅ~」

予感的中。

「そうか、二人ともこの部屋に入れ」

俺たちは部屋に入る。

入る瞬間

「艦長はいい人ですよぉ~」

と耳元でつぶやかれた。

部屋には何も無かった。あるといえば真ん中にある不気味な円形の山。何か仕掛けがありそう。

「この上に乗るんだ。」

「あ、はい」

またもや予感的中。

円形はエレベーターのようになっていてどんどん下に降りていく。

下に降りていくたびに人工的な音がどんどん大きくなっていく。

やがて下にでた。

「このお方が艦長です。」

と声が聞こえた。

ざっと目の前に講堂が映る。

しかし、みんな俺を見ている。

何だこれは。と俺は気づいた。

俺はちょうど艦長の前に立っており艦長とは背が同じくらい、そしてみんなの目線より高い位置に居る俺。

周りがかなりざわつき始めた。

司会もおやっと言う顔をしている。

つまり、ちょうど良く艦長が俺によってふさがれているのだ。

遠くでディさんと羽佐間さんが笑いをこらえている。隣では少佐がやれやれといったご様子だ。

「あれが艦長かよっ!!若くね?」

とか声が聞こえる。

足は緊張したのか動かない。

後ろの艦長は意外と耳元で

「私の変わりに”ブラック・フォーミュラー出港”と言え」と脅してくる。

俺はついに言った。

世界で初であろう20歳未満の艦長の言葉を。

「ブ、ブラック・フォーミュラーちゅっこう」

その後、ディさんと羽佐間さんの笑いが限界を超え講堂中に響いた


 
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