No.404334

異世界冒険譚 魔法生徒ユエま! 四時間目!

RYOさん

交通事故によって死んでしまった主人公。しかし、それは神の弟子が起こした事故だった!?主人公はなぜか神に謝られ、たくさんの世界へ冒険する。

2012-04-07 19:37:44 投稿 / 全7ページ    総閲覧数:3859   閲覧ユーザー数:3661

yukito side

 

麻帆良学園で初めての警備をしてから数日がたった。初日こそ現れなかったが大停電の時は大挙して妖怪が攻めてきたのでかなり疲れた。その間、エヴァと思われる巨大な魔力を学園内で感知したので学園長に報告したが放っておくように言われた。分身で覗き見れれば良かったのだが、ばれてマークが厳しくなるのは面倒と考え止めておいた。

 

さて、俺と刹那は学園長に呼ばれて学園長室に来ている。どうやら来週の修学旅行について話す事があるようだ。

 

「それで、今回は何のようなんですか?」

 

「ほっほっほっ。君達にちょっとした頼みごとがあってのう」

 

「頼みごと?」

 

「うむ」

 

俺が聞き返すと学園長が頷く。

 

「来週の修学旅行に京都に行くじゃろ?」

 

「はい」

 

ネギが朝に騒いでいたからな。確か、探している父親の一時期住んでいた家があるんだったか?

 

「実は修学旅行地の京都には関西呪術協会と言う組織があってのう」

 

「関西呪術協会?」

 

俺は聞いたことが無い筈の単語なので聞き返しておく。

 

「うむ。その名の通り関西にある組織じゃ。主な活動は関東魔術協会と同じで一般人に魔法や呪術を知られないようにする事や魔法を使って行なわれた事件の鎮圧じゃ。関東魔法協会と関西呪術協会は昔から仲が悪くての。今回の修学旅行に魔法先生が一人いると言ったら京都入りに難色を示してきての」

 

「それじゃあ、今回の修学旅行は中止に?」

 

俺が学園長に聞く。

 

「まだ中止とは決まっておらんよ。ただ、先方がかなり嫌がっておってのう。じゃが、わしとしてはもうケンカは止めて西と仲良くしたいんじゃ。そのための特使としてネギ君には親書を西の長に渡してくれと頼んだのじゃ」

 

なるほど、学園長が何をさせたいのか大体分かったぞ。

 

「それで君達にはネギ君のサポートを頼みたい」

 

「サポート、ですか?」

 

刹那が少々いやそうに言う。

 

「うむ。ただ、ずっとついている必要はないぞい。あくまでサポートじゃからの」

 

「はい」

 

刹那が頷く。

 

「うむ、それでは二人とも頼んだぞい」

 

「「はい」」

 

そんな感じで学園長から任務を言い渡された。

 

 

次の週。俺は大宮駅に来ていた。ここから新幹線で東京駅に行ってそこから更に新幹線に乗り京都に向かうらしい。

 

俺は新幹線に乗る。

 

「おはようございます。ネギ先生」

 

「あ、雪人さん。おはようございます」

 

俺は先に新幹線に乗っていたネギに挨拶する。

 

「今日から五日間、よろしくお願いします」

 

「はい!」

 

俺は今日から五日間ネギと寝食を共にするので挨拶をしておいた。しかし、先生と一緒の部屋に寝るなんて事があるとは思わなかったよ。

 

ちなみに俺は班分けされていない。男子と交流するという意味で色々な班と遊ばせるという事らしい。

 

俺は自分の席に座る。

 

「さて、京都に着くまでゆっくりしているかな」

 

そう思ったのも束の間。

 

「キャーーーーー!?」

 

新幹線の中で悲鳴が響き渡る。通路を見ると。そこには蛙がたくさんいた。通路が蛙で埋まっていてその蛙が大合唱している。

 

「そういえばこんな妨害があったな」

 

俺はそんな事を言って蛙の捕獲に参加する。それにしても何だろうな? この蛙。お菓子の箱や水筒から出てきたって事は原料は食べ物? 食べ物に幻術で蛙を被せて動かしてるとか? なんという無駄技術。

 

ネギが親書をツバメの形をした式神に奪われたり、刹那がそれを奪い返したり、俺がクラスメイトとカードゲームをしてボコボコにされたりした。そのお礼にトランプでボコボコに仕返したりした。そんな感じで概ね平和に俺達は京都に着いたのだった。

 

 

清水寺

 

 

京都に着いてから麻帆良学園の生徒は清水寺を見学する。

 

清水の舞台から飛び降りると言うけど生存率は意外と高いと青い髪のどこか達観しているような女の子。綾瀬夕映が言った。この子もユエだもんな。主人公の座を取られないように気をつけなければ。

 

そんな事を考えていると皆が恋占いで人気のある神社があるという事で皆そっちに行ってしまった。

 

そんなわけで恋占いの石と言う物の所にきた。目を瞑って歩き、石から石まで辿り着くと恋が成就するらしい。

 

雪広あやかと赤毛のショートヘアの女の子。佐々木まき絵。そして黒髪の前髪で目を隠した女の子。宮崎のどかが挑戦しだした。雪広と佐々木の二人は最初は一歩ずつ歩く。ちなみに宮崎はふらふらと違う方向に向かっている。

 

だが、突然雪広が走り出す。その足は正確に石に向かっている。

 

「あー! すごいぞ! いいんちょ!」

 

クラスメイトの誰かが雪広の行動に驚く。

 

「え!? ずるーい。いいんちょ、目開けてるでしょ」

 

まき絵が雪広に言う。が雪広は目を開けていない。何者なんだろうな? 雪広って。

 

このまま雪広が勝利するかと思いきや、二人が一斉に消えた。どうやら落とし穴に落ちたらしい。二人が落とし穴からすぐに上がってくる。中に蛙が入っていたらしい。

 

「つ、着きました~」

 

走行している間に宮崎が石に到着した。

 

 

さて、気を取り直してここは音羽の滝。三つの滝があり、水を飲むとご利益があるらしく健康、学業、縁結びがあるらしい。

 

クラスメイトの皆はやっぱり中学生という事もあって縁結びの滝の水を飲んでいる。

 

「そういえば原作ではここの屋根の上に酒置いてあったよな」

 

そう思った俺は音羽の滝の屋根の部分に登る。

 

「あった」

 

酒の樽が置いてあり、そこからホースで滝に酒が混じって流れている。

 

「一体どうして……あ! 雪人さん!」

 

俺と同じ様にネギも屋根に上ってきた。

 

「ああ、ネギ先生。何故か屋根に酒が置いてありました。一体誰がこんな悪戯を」

 

これってかなり悪質な悪戯だよな。

 

「雪人さん。皆を運ぶの手伝ってくれませんか?」

 

ネギが頼んできた。どうやら助けるのが遅かったらしくクラスメイトの何人かが酒で酔っ払っていた。

 

俺は酒臭いクラスメイトをバスの中に運ぶのを手伝った。

 

 

旅館

 

 

酔ったクラスメイトを旅館の部屋に運び込んだ俺は部屋でテレビを見ながら休んでいた。

 

「雪人さん。これからお風呂に行くんですけど、雪人さんも一緒に入りませんか?」

 

ネギが部屋に帰ってきてそう言ってきた。俺は男子だから風呂に入る順番とかは関係ない。ゆっくりは入れるという訳だ。

 

「ああ、俺も一緒に入る」

 

俺とネギは着替えの浴衣を持って風呂に入りに行く。

 

風呂に着いた俺達は脱衣所で服を脱ぎ、風呂場に入る。

 

「ネギ。まずは体と頭を洗っちゃおうか?」

 

「ええっ!?」

 

「お前、頭洗わないんだってな? さすがに洗ってもらうぞ?」

 

俺が近づくとネギが逃げ出す。

 

「ははは。知らなかったのか?」

 

「あう!?」

 

俺は縮地でネギの前に移動し道を塞ぐ。

 

「大魔王からは逃げられない」

 

俺はネギの頭を掴み椅子に座らせお湯をかける。

 

「わぷっ! や、やめてくださーい!」

 

ネギが嫌がるが俺は構わず頭を洗う。

 

 

ネギを洗い終わると俺も体を洗い、露天風呂に入る。誰も入っておらずかなり広く感じる。

 

「…………ふぅ」

 

俺とネギとカモは岩を背に風呂に入る。

 

「うう……酷い」

 

ネギが半泣きになっているが無視する。

 

「…………雪人さん」

 

「ん?」

 

不意にネギが話しかけてきた。

 

「この前雪人さんに言われた事を考えてみたんです。……僕達魔法使いは歩く兵器みたいなものだって」

 

「ああ」

 

「僕、魔法が危険な力だって分かってたんです。いいえ、分かってたつもりだったんです。この前、僕は敵とはいえ自分の生徒を殺そうと思ってしまった。そして、それが簡単に実行できてしまった。……魔法は武器なんですね?」

 

ネギが俺に聞いてくる。

 

「ああ、魔法は人を殺す武器だ。だが、武器だって人を救える。用は使いようなんだ。誰も殺さないように使うもよし。身内を殺されないように敵を殺すもよし。ただ……それを向ける相手を間違えるのは駄目だ。分かるか?」

 

「はい」

 

ネギが頷く。

 

「なら、お前は大丈夫だ。ほら、後悔なんてするだけ無駄だ。過去を振り返るのは良いけど、後ろ向きに進むのは良くないぞ」

 

「はい。……あ、雪人さん。相談したい事が」

 

ネギがそこまで言うと扉が開く音がする。

 

「誰だろ? 先生方かな?」

 

ネギがその方向を見る。すぐに顔を背ける。

 

「ゆゆゆ雪人さん! 刹那さんがお風呂に!」

 

ネギが小声で叫んできた。

 

「ふ~ん。ここ、混浴なんだ」

 

「なんでそんなに冷静なんですか!」

 

「どうどう。落ち着け」

 

あと、その手に持った杖をしまえ。

 

「とりあえず風呂から上がるぞ。ネギならまだしも俺がいたら間違いなくぶっ飛ばされる」

 

「は、はい!」

 

とりあえず逃げる事にする俺とネギ。理由は違うだろうが。この時のネギは刹那を関西呪術協会の刺客だと思い込んでるからな。

 

そろそろと逃げる俺とネギ。……カモが刹那の方を見ていたので潰しておく。その時、刹那がポツリと呟く。

 

「困ったな。魔法使いであるネギ先生なら何とかしてくれると思ったんだが」

 

刹那の言葉でネギが手に持った杖を握り締めてしまう。

 

刹那が何か投げたのか風呂の照明が割れ、あたりが暗くなる。

 

「何者だ!」

 

刹那は刀を取り出す。

 

ネギが逃げようとするが刹那が刀を振るほうが速かった。その威力は岩の後ろにいた俺たちも両断出来る威力だ。

 

「うぉ!」

 

俺は大きく飛んで避ける。危ねえ!

 

「ラス・テル・マ・スキル・マギステル! 風花(フランス)武装解除(エクサルマティオー)!」

 

ネギは魔法で刹那の野太刀を弾き飛ばす。だが刹那はそれを物ともせずネギに向かっていき。首と……股間を潰せるように握った。わあ、一歩間違えれば少年に手を出しているお姉さんだな。機会があったら念写してやりたいな。

 

「何者だ? 答えなければひねり潰すぞ?」

 

そこまで言うと刹那が俺達だと気がつく。

 

「す、すみませんネギ先生!……あ」

 

刹那はネギが泣きそうになっていると気がつく。怖かったろうな~。

 

「刹那。お前……」

 

俺は若干引きながら刹那を見る。

 

「ち、違っ! これはその……仕事上急所を狙うのはセオリーで……ご、ごめんなさい先生!」

 

「やいてめぇ! 桜咲刹那! やっぱりてめぇ関西呪術協会のスパイだったんだな!?」

 

刹那はネギに謝るがネギは股間を掴まれたショックで聞こえていない。そしてカモが刹那に突っかかる。

 

「なっ! 違う! 誤解だ!」

 

「何が誤解だ! ネタは上がってるんだ! とっとと白状しろい!」

 

「私は敵じゃない! 雪人! お前も何か言ってくれ!」

 

「良いけどそろそろタオル巻いたら?」

 

「なっ!? あ……う……」

 

俺は刹那の方を見ないようにしながら言う。刹那は言われて気が付いたのかすぐにタオルを巻く。

 

「とりあえずネギ。刹那は敵じゃないよ」

 

「そ、そうなんですか!?」

 

「うん。俺も刹那と同じ仕事した事あるし。何より敵ならこの機を逃す必要ないだろ?」

 

「そ、そうですね」

 

ネギが俺の説明に納得する。

 

「ひゃああああああ!?」

 

風呂場に可愛らしい悲鳴が響き渡る。どうやら女性用の脱衣所からのようだ。

 

「まさかやつら、このかお嬢様に手を出す気か?」

 

「え? お嬢様?」

 

ネギが刹那に質問しようとするが刹那はそれより早く走り出してしまう。

 

さすがに更衣室までは入れないからな。ここは……

 

「刹那! お前に任せるぞ! 俺は風呂を出る!」

 

「ああ!」

 

俺は刹那に大声で言う。刹那も任されてくれた。

 

「さて……」

 

俺は露天風呂から見える木に向かって殺気を放つ。

 

驚いたのか鳥が飛び立ち、そこにいた何者かも去って行った。まずは警告。次は捕まえる。

 

「それじゃあ、風呂を出るかな」

 

俺は風呂を出て服を着て部屋に戻る。

 

修学旅行の一日目の夜はまだ終わらない。

 

 

次回予告

 

 

刹那さんって僕達の味方だったんですか。ごめんなさい! 疑っちゃって!

 

い、いえ。私が説明しなかったのも失敗でした。それにネ、ネギ先生の……とにかく、こちらこそすみませんでした。

 

い、いいえ。僕の方が悪いですよ。……駄目ですね。雪人さんにも向ける相手は間違えるなって言われたのに。

 

いえ、ですから私のほうが!

 

いいえ。僕が悪いんです!

 

私が…………

 

僕が…………

 

これを十分くらい繰り返す。

 

 

次回

 

 

魔法生徒ユエま! 五時間目!

 

 


 
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