No.404276

魔法少女リリカルなのはA's00~とある日常~(仮)--07 刹那の正月--

ケイさん

魔法少女の世界へ飛ばされた、ガンダムマイスター刹那・F・セイエイと魔法少女達のとある一日。魔法少女リリカルなのはA'sと機動戦士ガンダム00のクロスオーバー作品……などという大それたものではなく、物書き未経験の素人による処女作で駄文です。読みづらい、誤字脱字等の至らないところが多々あると思います。作者の原作知識は、それほど高くありません。また、オリジナル設定が含まれておりますので、原作を大切にされている方はご注意ください。コメント欄にはご自由にお書きください。注)本小説は、某サイトにて投稿していたものを移したものです。

2012-04-07 18:20:31 投稿 / 全3ページ    総閲覧数:10375   閲覧ユーザー数:9626

闇の書後の話。

今回は、かなりの突っ込み所満載。

キャラが崩壊していますので、ご注意ください。

--刹那の正月--

 

12月31日。

日本では大晦日(おおみそか)というそうだ。

今日は翠屋(みどりや)も休みでアルバイトもない。

フェイトも当然ながら学校は休み。

そのため、朝からリンディ・ハラオウン達と共にいる。

【闇の書事件】が終わり、リンディ・ハラオウンをはじめとする管理局正規職員は報告書などの作成に追われていた。

嘱託魔導師であるフェイトも例外ではなく、報告書の作成に追われていた。

刹那は管理局員でも嘱託魔導師でもないため、特に求められてはいないが、やることもなく暇なためフェイトの手伝いをしていた。

「フェイト。ここの文字が違うぞ」

「あ、本当だ。ありがとう、刹那」

「礼はいらない」

 

一区切りついたのは、午後7時を回った頃だった。

夕食を済ませ、リビングでTVを見ながらのんびり過ごす。

「フェイトさん、お風呂ができてるから先に入ってきて」

「え?」

「もう?まだ暫くは起きているから、今から入ったら湯冷めしちゃうんじゃない?」

「今年中にお風呂に入って一年の汚れを落とす、という習慣があるそうよ」

「もっとも、地域によって違うみたいだけど」

フェイトとアルフの疑問に答えるリンディ・ハラオウンとエイミィ・リミエッタ。

「……わかりました」

納得したのか席を立つフェイト。

結局、皆順番に風呂を済ませる。

俺は風呂というものに慣れていないため、シャワーだったが。

 

再び、リビングで過ごす。

暫くすると、席を外していたリンディ・ハラオウンとエイミィ・リミエッタがおぼんを持って戻ってきた。

「皆、年越しそばが出来たよ」

「トシコシソバ?」

アルフがその場にいる者達を代表するかのように疑問の声を上げる。

「日本では年が明ける前にお蕎麦(そば)を食べる習慣があるそうよ」

アルフの疑問の声に、リンディ・ハラオウンが微笑みながら答える。

 

まもなく年が明ける。

と、鐘の音が聞こえ始める。

「除夜の鐘ね」

「ジョヤノカネ?」

「日本仏教の年中行事の一つね。年が明ける前に107回。年が明けて1回。計108回、鐘を撞くそうよ」

またも、リンディ・ハラオウンが答える。

何故こうも日本文化に詳しい?

 

『あけましておめでとうございます』

TV番組のアナウンサーの挨拶が流れてくる。

「年が明けたわね」

「ですね」

と、リンディ・ハラオウンが床に正座をして腰を折る。

「明けましておめでとうございます。皆、今年もよろしくお願いしますね」

「明けましておめでとうございます。よろしくね」

エイミィもそれに倣う。

「明けましておめでとう。母さん、皆、よろしく」

クロノも続いて挨拶する。

「「明けましておめでとうございます。よろしくお願いします」」

フェイトとアルフも。

その様子を眺めていた刹那にフェイトが向き直って。

「よろしくね。刹那」

「……ああ。よろしく頼む」

「ダメよ」

リンディ・ハラオウンが怒ったような顔を向けてきた。

「?」

「郷に入っては郷に従え。ほら、刹那君もフェイトさんにちゃんと挨拶しなさい」

「……」

「リ、リンディさん。別に私は……」

困惑しているところにフェイトが言うが……。

仕方なく正座をし、フェイトの方を向く。

「……明けましておめでとう。よろしく頼む、フェイト」

「あ……。うん、よろしく刹那」

「はい。よくできました」

微笑むリンディ・ハラオウン。

先程の顔は、やはりわざとだったようだ。

 

「さて、皆さん。そろそろ休みましょうか」

午前1時近くになって、リンディ・ハラオウンが声をかける。

「そうですね」

「それじゃ、お休みなさい」

「フェイトちゃんとアルフは私の部屋ね」

「はい」

「刹那は僕の部屋だ」

「ああ」

今日……ではなく、昨日から1月3日まではリンディ・ハラオウン達の部屋で過ごす。

そのため、普段使用している部屋には戻らず、こっちで寝起きする。

布団も用意が済んでいるし、元々6人でも暮らせる広さだ。

特に問題はない。

 

 

1月1日午前5時。

普段と変わらない時間に目が覚めた。

いつもならその場で筋トレを始めるところだが、ここはクロノ・ハラオウンの部屋であり、彼はまだ寝ている。

物音を立てて睡眠の邪魔をするのも悪いと思い、手早く着替えてリビングへ向かう。

リビングのエアコンのスイッチを入れて、玄関へ行き新聞を取る。

リビングに戻ってソファーに座り、新聞を読み始める。

が、あまり自分にとって有用な情報は得られなかった。

仕方なくテレビを点けて、ボリュームを少し落とす。

チャンネルを回すが、どこもお正月のためか、所謂(いわゆる)特番ばかりで、普段見ているニュース番組は一つもやっていない。

テレビを消して、ため息を一つついてソファーに背中を預ける。

「おはよう。刹那」

振り向くと、フェイトが目を擦りながら歩いてきた。

寝るのが遅かったため、普段より睡眠時間が足らないのだろう。かなり、眠そうに見える。

時刻は6時を少し廻ったところ。

他の者が起きてくる気配はまだない。

「フェイト、もう少し寝ていたらどうだ。他の連中はまだ寝ているようだしな」

「ん~」

分かったのか、分かっていないのか。

寝ぼけ眼で、曖昧な返事をするフェイト。

と、傍まで来て隣に座りウトウトしている。

「おい。寝るならエイミィの部屋に行け。風邪をひくぞ」

「……」

返事がない。

「おい。フェイ……」

そこまで言いかけて、一瞬思考が停止した。

フェイトの体が傾むき、倒れるかと思ったら、丁度フェイトの頭が膝の上に乗ったからだ。

少し躊躇ったが、フェイトの肩を揺らす。

「おい。起きろ」

「……」

ダメか……完全に寝ている。

エイミィの部屋に運ぶことも一瞬考えたが……寝ている部屋に入るわけにはいかないか。

リンディ・ハラオウンの部屋も無理。

クロノの部屋には入れるが、それも却下だ。

……仕方がない。

エアコンの温度を少し上げて、自分の上着をフェイトに掛ける。

少し身動ぎをして丸くなるフェイト。

「何も出来ないな」

ため息をつき、腕を組んで目を閉じる。

 

「刹那。おはよう」

声をかけられ目を開ける。

首を動かすと、視界にクロノの姿があった。

「クロノ」

「僕より早いな。何時に起き……フェイト!?」

今の俺の状態を見て、目を見開いて驚きの声を上げる。

「驚くのは分かるが、声が大きい」

「す、すまない。あまりにも衝撃的だったものだから、つい」

コホン、と一度咳払いをし、続ける。

「それで、どうして膝枕をしているんだ?もしかして、君は普段から……」

「何か勘違いしているようだが、これは偶然だ」

「そ、そうなのか?」

「当たり前だ。起こそうとしたんだが、肩を揺すっても起きなかった。仕方なくこの状態だ」

「エイミィの部屋に連れて行けば……」

「寝ている部屋に入るわけにはいかないだろう?」

「それもそうか……」

「二人ともおはよ~」

クロノと話をしていると、エイミィが起きてきた。

かなり眠そうだ。

「眠そうだな、エイミィ・リミエッタ」

「あはは……フェイトちゃんと遅くまでお喋りしていたからね~」

フェイトが眠そうに、と言うより爆睡中なのはその為か、と納得する。

「ところで、フェイトちゃんが部屋に居なかったんだけど、もう起き……てえええぇぇぇぇ!?」

先程のクロノ以上の大きな声。正直、隣人に迷惑だ。

「朝から大きな声出してどうかしたの?」

「母さん」

「あ、艦長。おはようございます」

「はい、おはよう。それで?」

「あ~。その~」

「?」

答えあぐねいているエイミィ・リミエッタに、リンディ・ハラオウンは首を傾げる。

「実は……」

と、クロノが寝ているフェイトを指す。

「あらあら」

口元に手を当てて微笑み、俺に視線を移す。

何だ、その目は。

 

「ん……」

エイミィの大声の所為か、周りが騒がしくなった所為かは分からないがフェイトが起きたようだ。

「ようやく起きたか」

「刹那?」

頭だけ動かして、こちらに視線を向ける。

「…………~~~~~っ!?」

文字通り飛び起きて、少し離れたソファーの上で正座をする。

フェイトに掛かっていた上着がはらりと床に落ちた。

「な……あ……う……」

顔を真っ赤にして、何かを言おうとしているが、上手く言葉出ないようだ。

「フェ、イ、ト、ちゃ、ん」

「な、なに?エイミィ」

「ふふふ……」

「エイミィ」

クロノがため息交じりに咎める。

「おはよ~。あれ?フェイト、何かあったの?」

「な、何でもないよ」

アルフが起きてきたが、フェイトの様子がおかしいことに気づき、フェイトがぎこちなく答える。

「とりあえず、着替えてこい。風邪をひくぞ」

「う、うん」

フェイトがエイミィの部屋に戻ったのを確認してから立ち上がり、フェイトが起きた時に落ちた上着を拾い上げ袖を通す。

「いやはや、刹那君やりますな~」

「何がだ?」

意味がわからないが、よからぬことを考えているのはわかる。

クロノは盛大なため息をつき。

リンディ・ハラオウンはただ微笑んでいる。

状況を知らなかったアルフは、首を傾げるのみであった。

 

フェイトが着替えを済ませて戻ってきたことで朝食となった。

重箱と呼ばれるものに様々な料理、かなりの量が詰められており、お椀には餅が入っている。

「日本のお正月は、御節料理を食べるそうよ」

……もはや、何も言うまい。

 

朝食を終えて、リビングでのんびりする。

朝食の時もそうだったが、先程からフェイトが時々こちらを見ている。

どうやら、朝のことを気にしているようだ。

仕方なく説明しようと思った時、フェイトの携帯が鳴った。

「もしもし。……うん。明けましておめでとう、なのは。私の方こそよろしくね」

どうやら、なのはからの電話のようだ。

「え?……うん。ちょっと待って。あの、リンディさん」

「どうかしましたか?」

「えっと、なのはがハツモウデに一緒に行こうって、行ってきてもいいですか?」

「ええ、いいわよ」

「ありがとうございます。なのは、大丈夫だよ。……え?」

フェイトが刹那を見る。

「どうした?」

「なのはが、刹那も一緒にどうかなって」

ハツモウデが何かは知らない。

少し考えるが、今日も特別しなければならないことはない。

「……いいだろう」

「なのは、刹那も大丈夫だって。……うん。それじゃあ、30分後になのはの家の前で。……バイバイ」

フェイトの電話が終わったところを見計らって声をかける。

「一度むこうに戻るぞ。今のまま外に出たら風邪をひきかねない」

「あ、そうだね。アルフも一緒に行くでしょ?」

「もちろん」

「それじゃあ、リンディさん」

「はい。行ってらっしゃい」

 

自分達が暮らす部屋に戻り、マフラーやコートを身につけて支度を整える。

念の為、財布もコートの内ポケットに入れる。

玄関先で少し待っていると、普段学校に行く時と同じコートを着たフェイトが、子犬フォームのアルフを伴ってやってきた。

「お待たせ」

「アルフはその姿なのか?」

「外に出るしね。人間の姿でもいいんだけど、気を抜くと耳や尻尾が出ちゃうから」

「そうか。……少し早いが行くか?」

「うん」

 

「あの、刹那」

なのはの家に向かう途中、フェイトが話しかけてきた。

「どうした?」

「今朝のこと……なんだけど」

「どこまで覚えている?」

「起きてから刹那に挨拶したところまでは」

「俺がもう少し寝ているように言ったのは?」

「……言われたような」

首を傾げながら答えるフェイト。

「寝るように言ったら、俺の隣に座った」

「え?」

「そして、そのまま寝始めた」

「お、覚えてない」

「風邪を引くからエイミィの部屋へ行くように言ったが、横になってしまいあの状態になった」

「……」

「何度か肩を揺らしたが起きなかった。仕方なくそのままにした」

「そ、それならエイミィの……」

「クロノにも言ったが、エイミィが寝ているのに部屋に入るわけにはいかないだろう?」

「そ、そうかも……」

「偶然だ。あまりに気にするな」

「う、うん……」

「あの状態ってなんのこと?」

黙って聞いていたアルフが突然聞いてきた。

「アルフ、急に喋るな。他に人間がいたらどうする?」

一応、周りに俺達以外の人間はいないようだが。

「悪かったよ。それよりも」

「ああ、お前は知らなかったな。結果的に、膝「刹那!」」

フェイトの大声に阻まれた。

「刹那、出来れば……その……」

顔を真っ赤にして訴えてくる。

「……わかった。すまないな、アルフ。説明できない」

「え~~~!」

「お前の主人のためだ。どうしても知りたければ、後でフェイトに聞け」

「フェイト~」

「ダメ!」

 

約束の時間、10分前に高町家に到着した。

少し早い気もするが、待たせるよりはマシだろう。

フェイトがインターフォンを押すと、明るく優しい声が聞こえてきた。

「はい。どちら様でしょうか?」

なのはの母、桃子だ。

「おはようございます。フェイト・テスタロッサです」

「フェイトちゃん!ちょっと、待っててね」

「はい」

玄関の引き戸が開き、桃子と士郎が向かい入れる。

「いらっしゃい。フェイトちゃん、刹那君、アルフ」

「やあ、いらっしゃい」

「あ、あの。明けましておめでとうございます」

「はい。明けましておめでとうございます」

「明けましておめでとう。フェイトちゃん」

フェイト達のやり取りを眺めていると士郎が刹那の方を向いた。

「刹那君も明けましておめでとう」

「ああ。明けましておめでとう」

頷き挨拶をすると、士郎が驚いた表情をする。

刹那が年始の挨拶をするとは思っていなかったのだろう。

だが、驚きの表情は笑顔に変わり、桃子も微笑んでいる。

「フェイトちゃん!お待たせ!」

「なのは」

士郎達と挨拶を交わし終えた時になのはが家から出てきた。

「さっき、電話でも挨拶したけど。改めて、明けましておめでとうございます。今年もよろしくね。フェイトちゃん」

「うん。明けましておめでとう。なのは」

「刹那君も、明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします」

「明けましておめでとう。なのは」

先程の士郎同様、なのはも目を大きく見開き驚いた表情をするが、すぐさま笑顔になり刹那に近づく。

「うんうん。よろしくね!刹那君!」

「あ、ああ」

それに気圧されて、半歩下がる。

気を取り直して、なのはの肩に乗っているユーノに念話を送る。

(ユーノもよろしく頼む)

(はい、刹那さん。こちらこそ、よろしくお願いします)

 

「それじゃあ、フェイトちゃん。刹那君。初詣に行こう?」

「俺達だけなのか?」

「そうだよ?」

「アリサやすずか、はやても誘っていると思ったんだが」

「誘ったんだけど、アリサちゃんとすずかちゃんはお家の方が忙しいから断られちゃったの。はやてちゃんは車椅子だから、流石に人混みの中は無理だって」

少し寂しそうな表情して答えるなのは。

「そうか」

確かアリサとすずかは裕福な家庭だったなと思い出していると、フェイトが突拍子も無いことを言い出した。

「刹那、はやて達に会いたかった?」

「何故そうなる?」

「あれ、違った?」

「なのはなら誘っていると思ったから単に疑問を口にしただけだ」

「そっか。ごめん」

「謝る必要はない。ところでなのは」

「なに?」

「俺はハツモウデというものを知らないが、さっきの話だと人が多いのか?」

「うん。元旦だから多いと思うよ。ひょっとして、人が多いところって苦手?」

「少しな」

「ごめんね」

「気にするな。それより、そろそろ行くか」

「あ、そうだね。お父さん、お母さん。行ってきます」

「行ってらっしゃい」

「気をつけるんだぞ」

士郎と桃子に見送られて、高町家をあとにする。

 

15分程歩いて、目的の場所、神社に着く。

なのはの言うとおり、かなりの人が来ていた。

「凄い人だな」

「そうだね」

刹那が少々うんざりした感じで感想を口にし、フェイトも人の多さに驚いたように答える。

「やっぱり、人が多いね。午後にするか、もうちょっと日をずらせば良かったかな~」

「今更言っても仕方がない。行くだけ行くか」

「うん」

 

人の列と思われる流れに入り、少しずつ歩を進める。

「そういえば、なのは。ハツモウデって何をするの?」

「え~とね、簡単に言うとお賽銭をお賽銭箱に入れて、今年一年がどうあって欲しいとか神様にお願いするの」

「……」

神を信じていない自分が神へ願い事とは、と心の中で苦笑する刹那。

「オサイセンって?」

「お金のことだよ」

「……お財布持ってこなかった」

少し俯くフェイト。

「俺が持ってきている。俺のを使えばいい」

「いいの?」

「構わない。なのは、どのくらい必要だ?」

「多いのは、十円かな。あとは、五円とか十五円とか」

「そんなものでいいのか?」

「こういうのは気持ちだから」

にゃはは、と笑いながら答える。

「なのはは?」

「私は十円だよ」

「なら、俺達も同じでいいか」

「そうだね」

財布から十円玉を二枚取り出し、一枚をフェイトに渡す。

 

ようやく、拝殿へと辿り着いた三人と二匹。

大きな木箱と鈴。

なのはの話だと木箱がお賽銭を入れる賽銭箱で、お賽銭を入れた後に鈴を鳴らすそうだ。

三人がそれぞれ鈴を鳴らしていると時間がかかるため、代表としてフェイトが鈴を鳴らす。

目を閉じて、願いを込める。

刹那・F・セイエイの願い。それは……。

「私は終わったよ」

「私も」

(僕も終わったよ)

(あたしも)

「ならば早く離れよう。邪魔になりそうだ」

 

人混みから少し離れて一息つく。

その後は、おみくじをし、無料の甘酒を受け取る。

「……甘い」

「刹那は甘いの苦手だもんね」

「でも、寒いから温まるよ?」

「……そうだな」

何とか我慢して飲み干す。

 

初詣を終えて帰路に着く。

神社の時の人混みが嘘のように、辺りは静かで人はいない。

「どうだった?初詣」

前を歩いていたなのはが振り返って刹那達に訊ねる。

「私は初めてだったから、何ていうか不思議な感じかな」

「俺もそうだな」

「僕も」

「あたしもだよ」

「そっか。今度は、アリサちゃん達と、皆で行けるといいね」

「そうだね」

なのはとフェイトがにこやかに話しているところに、何かを思い出したかのようになのはに話かけるアルフ。

「そういえば、なのは~」

「なに?アルフさん」

「今朝、フェイトに何かあったみたいなんだけど、フェイトも刹那も教えてくれないんだよ」

「アルフ!」

先程までの穏やかな空気からフェイトの表情が一変した。

「え?なになに?何があったの?」

なのはは興味津々で、フェイトに詰め寄る。

「な、何もないよ!」

顔を真っ赤にして反論するフェイト。

「刹那君!」

今度は刹那に詰め寄るなのは。

「悪いが、俺からは何も言えない」

「フェイトちゃん!あ、逃げた!?」

「何もないってば~!」

叫びながら走るフェイト。

「待ってフェイトちゃん!私達友達でしょ!」

「うわっ!?なのは!?」

逃げるフェイトを追いかけるなのはとアルフ。

ユーノがなのはの肩から振り落とされた。

「な、なのは……!?」

地面に落ちたユーノを刹那が拾い上げる。

「大丈夫か?」

「は、はい。ありがとうございます」

「友達でもこればっかりはダメ~!」

「フェイトちゃ~~ん!」

「フェイト~!」

「……あの~」

「……」

やれやれと、今日何度目か分からないため息をつきながら歩く。

 

人生初めての正月はまだ始まったばかり。

 

 

 

 

 

 

 

 

栗色の髪の女性と金髪の女性。

金髪の幼子が参拝に来ていた。

「はい。ここにお金を入れて」

「うん」

「次は、この紐を揺らして鈴を鳴らすの」

「こう?」

幼子が紐を揺らすとカランカランと音が鳴り響く。

「じゃあ、お願い事をしようか」

「うん。え~と……」

三人の間に暫く沈黙が続く。

「終わったよ」

「じゃあ、行こうか」

「うん」

「ヴィヴィオは何をお願いしたの?」

「ひみつ~。ママ達は?」

「「ママ達も秘密」」

読了おつかれさまでした。

色々やり過ぎている感があります。

刹那の正座とか、膝枕……とか。


 
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